九澄は伊勢(兄)を見事、鉄拳でしとめた。
辺りには野次馬がゴロゴロしている。当然である。これだけ屋上を滅茶苦茶にしたのだから…‥。
その野次馬の中には愛花達の姿があった。
そんな奴等に九澄がにらむ。もちろん約一名(愛花)以外はわき目もくれずに我先にと逃げ出す。
愛花と九澄と支部長だけになったときに九澄が倒れた。それを支部長が受け止め一言
「ごくろうさん」
そして、愛花が近くに来ると
「九澄を保険室まで運んでやってくれ。俺は伊勢を執行部まで運ばないといけないから。」
そんなとき、宇和井とその他2人の執行部がやっと来た。
宇和井は九澄を見た瞬間に抱きついた!
愛花の肩を借りてるとはいえ、後ろに倒れた。
「どーしてアンタは傷だらけなの!それでも、ゴールドプレートなの!?」
本当においしい状況である。なぜなら、足はまたがれ、胸は着き、顔と顔とのきょりが3cmもないのである。
そんな状況を愛花は即座に引きはがし、九澄を起こした。
そして、もう一度九澄に宇和井は聞き返した。
「どうして、そんなに傷だらけなの?」
愛花と宇和井の目は少しだけ潤んでいた。
そんな2人をみてヤバイと思ったのは言うまでもない。
そんな九澄は
(俺も魔法が使えたら使ってるよ…‥。)
そんな九澄もこの生活を続けて長い。とっさに答えが浮かぶ。
「しっ支部長の話しを聞いて、俺は絶対に暴力に魔法を使いたくなかったんだ…‥。」
そんな九澄に二人のハートは打ち抜かれた。
支部長はそんな俺達を見て、
「はやく九澄を保険室に連れていってやれ、宇和井に柊さんだったかな?」
そんな2人は顔を赤くしながら九澄を支えて保険室へいった。
支部長は次の指示を残りの2人に出す。
「あとの2人は魔法でここをもとどうりに直しといてね!」
そう言って支部長と伊勢は執行部に向かった。
そんなとき、九澄はというと気まずい仲を保険室まで歩き、やっと着いたら保険室の先生は休みである。
宇和井と愛花の目が怪しく光った事を知る余地も無い九澄である。
とりあえず、"傷だらけだから"という理由により保健室のベットに寝かされている九澄。
だんだんに意識が薄れて眠りについてしまった。
「すー、すー…‥…‥。」
九澄の規則正しい寝息が聞こえてきた。
「くーずーみーくん!」
宇和井が消毒液を持ってやってきた。
一瞬、九澄を起こそうとするも辞め、愛花が脱脂綿と湿布を持ってきてすぐに消毒ができるように服を脱がし始めた。
やっとの思いで上半身の服をはぎ取ると、引き締まった上半身がみえた。
宇和井はだんだんに自分の体が熱くなっていくのがわかった。
(キスくらい良いよね…‥。)
そう思い九澄の唇を奪おうと近づいたときに
「宇和井さん!遅くなってすみません!」
元気な声と共に愛花がカーテンを開けた。
宇和井はビックリしてこけてしまった。
「どうしたんですか宇和井さん?はやく消毒はじめましょう!」
「私、トイレに行きたくなったから先に消毒してて!よろしくね。」
そう言って宇和井は体のほてりを捕るためにトイレに行った。
宇和井がトイレに行っている最中、愛花はというと…‥。
濃厚なキスにより九澄を起こそうとしていた。もちろん鼻はつまんでいる。
「ん、、、んんうーん」
九澄は息苦しさと口の中にある違和感でゆっくりと目を開けた。
そして、目の前にいる愛花を見ると口の中の事を整理し自分のされていること理解したとたんに、
「ん・んーんー・ー!」
その声に気づいた愛花は、名残惜しそうに九澄の唇から離れた。
「柊、どっ、どっ、どうしたんだよ!」
明らかに動揺を隠せない九澄。
なぜなら、愛花の制服は大きく胸のところが開いていて、九澄を跨ぐ格好になっているからだ。
「私、九澄くんの事が好きなの!私の事が好きだったら…!?」
九澄は愛花に軽くキスをした。
「返事はこれでいいかな柊?」
「うん!」
愛花は九澄に抱きつき、あつーいキスをした。
「あん、やぁん、あぁ…‥。胸、ばっかり、さっさわっちゃ、やぁー。」
「じゃあ、こっちを触って欲しいのかな?」
九澄の手が下の方に伸びる。
「あっ、あん、やぁ 、ぁあん…‥。」
九澄の手の激しさがさらにます。
それに、比例して愛花の声も大きくなる。
「あぁ、あん 、ぅうん…‥、あっ!」
愛花の体が弓なりに反るとベットの中に倒れてしまった。
愛花が目を開けると目の前には九澄がいた。
「大丈夫か柊?」
まさか、九澄も手だけで逝くとは思ってもみなかったのですこし動揺している。
「大丈夫だよ。」
その言葉を聞いて少し安心した様子である。
その九澄がとんでも無いことを言い出した。
「今日はここで辞めとこうか。」
「えっ!?」
本当にビックリした様子だ。
そして、とうとう愛花は泣き出してしまった。
「どうして?なんで?理由をこたえて!」
愛花は生まれたままの姿で九澄に抱きついて泣いていた。
九澄は困った顔で
「だから、そのさー、持って来てないんだ。」
愛花は首をかしげる。
「だから、持ってきてないんだ、ゴム。」
愛花は納得して
「だから、ズボン脱いでなかったんだ…‥。でも、」
愛花の白い腕が首の後ろに延びてきて九澄を押し倒した。
「でもね、今日は安全日なんだよ。それでもダメ?」
その答えに九澄は
「柊がいいなら…‥。」
そんないいところで、プレートから執行部の呼び出しがかかった。
「悪い、柊。また、今度にしてくれないか?」
そう言って九澄は上着を着て、窓から雨の降り始めた外に出て走りはじめた。
そんな九澄をみて、愛花は泣き始めてしまった。
そんな声を聞いて勝負下着を着てきた宇和井が飛んできた。そして、愛花の姿を見て、
「どうしたの、その格好。」
眉がぴくびくしている。
あわてて愛花はシーツで体を隠した。
そのあと、愛花はベットであった事を全部吐かされ、それを聞いた宇和井は愛花に
「九澄くんは渡さないわよ。」
と戦線布告をしたという。
終