「……ねえ兄様?」
「どうした、妹?」
「私達、國を生めって言われてココに降りてきたでしょ? どうやったら國って生めるの?」
「あー、それはあれだ。えーと、俺にも分からん」
「兄様……」
「う゛……、妹よ、兄をそんな目で見るな」
「だって……、あ、何かが空から降りてきました」
「ああ、あれは天の御使い・鶺鴒だろうな。……ん? 二匹もいるのか」
「可愛いですね、兄様。って、あ」
「…………あー、なるほど。國生みってのはああやるわけだ」
「あ、あの兄様? あれを私たちもするんですか?」
「そりゃ当然だろ。それとも俺たちの使命を蔑ろにする気か?」
「そ、そんなことはないですけど。でも、でも……恥ずかしい」
「ふふっ、可愛いやつだ」
「に、い、さ、ま? 何を楽しそうに、笑って折られるんですか?」
「なに、どうでもいいだろ。なにはともあれまずはこの余っているモノを」
「きゃっ! 兄様、どうして裸になるんですか!?」
「裸にならねば國生みは出来ぬだろ? あの御使いの様にするには裸にならなければな」
「う、で、ですが」
「大体、お前だって、本当はもう我慢できないだろ? 御使いを見ている間腰をもじもじさせていただろう」
「う゛……、兄様の意地悪。……それじゃ、兄様。私に、御使いの、通りのことを……?」
「いや、なんだか分からんがもっといろんな事をしたくなってきてる」
「じゃあ、兄様の思うとおりのことをして下さい…………あ」
「可愛いぞ。……だが、そちらから誘うのはどうかと思うがな」
「……兄様のいじわる」
元ネタ・日本書紀、國生みの条。