久しぶりに入った狼の部屋は、ひどく殺風景で……。  
それでいて、何所か懐かしいモノに溢れ返った部屋だった。  
大きな剣や兵法書が散乱する床の上にグレモリーのベールの裾を引きながら、  
彼女を咥えたマルコシアスは部屋の隅にある大きな寝台に彼女の身体を放り投げる。  
存外に柔らかなスプリングは彼女の身体を受け止め、その身体を幾度か跳ねさせた。  
 
「え、と……何で私マルコシアスの部屋に連れてこられてるの……?」  
「薬塗ってやるよ。そのまま帰るわけにはいかねぇだろ」  
「ふぇ……あ、え、や、だ、大丈夫よぅ…こ、こんなのすぐに治っちゃう、し…」  
 
寝台が弾むたびにバランスを崩してころころと転がる悪魔王がようやく身体を起こし、  
それはもう不思議そうな顔を狼に向ける……が……。  
彼女をこの部屋に連れ込んだはずの狼は、いつの間にか侯爵冠を被った長身の男に姿を変えていた。  
年の頃は20代前半というところだろうか。  
あどけない顔で男を見上げる悪魔王と比べると、だいぶ年嵩に見える。  
…………尤も、実際の年齢としては、  
外見年齢も精神年齢もマルコシアスより幼く見えるグレモリーの方がよほど上なのだろうけれども……。  
 
転がった衝撃で再び肌蹴たドレスを慌てて掻き合わせたグレモリーは、  
困ったような笑みを浮かべながら小首を傾げてマルコシアスを見つめている。  
恐らく、ともすれば親切そうに聞こえる言葉の裏に、  
隠しきれない下心でも感じ取ってしまったのだろう。  
言いようのない焦りととてつもなく嫌な予感のせいか……上手く動かない舌を叱咤して、  
グレモリーが尻もちをついたような恰好のまま後ずさり始めた。  
だが、この場の雰囲気を取り繕うように笑うグレモリーを逃すまいとするかのように、  
邪悪なまでに極上の笑みを浮かべたマルコシアスが寝台の端に膝を乗せる。  
二人分の体重をかけられた寝台は、抗議するかのようにギシリと軋んだような音を立てた。  
乾いた笑いを貼り付けたまま、 少女は必死に男の追跡から逃れようと後ずさっていく。  
……が……いくら男の寝台が広いといっても、その広さが無限にあるわけではない。  
あっと言う間に、少女は意匠が凝らされたヘッドボードまで追い詰められてしまった。  
 
「何だよ……何逃げてんだ、主殿……?」  
「に、逃げてるわけ、じゃ、ない…もん…………せ、せんじゅちゅてきてった……」  
「ほーう。俺の前でよくその台詞が吐けたモンだぜ…………っつーか、言えてねぇぞ馬鹿モリー?」  
 
ヘッドボードに手をついたマルコシアスに覆いかぶさられるがごとき体勢で、  
膝を抱えるようにして身体を丸めたグレモリーが囁くような小さな声を洩らした。  
悪戯が見つかった子供のように首をすくめて男を見上げながら、  
それはもう情けないほどに困り切った様子の少女の唇が呂律の回っていない言葉を紡ぐ。  
だが、グレモリーの言葉を聞くマルコシアスの笑みは、彼女の唇が動くたび、  
ますます深められていくようだ。  
何せ、今。  
少女に圧し掛かるように威圧している男は、創世記戦争において、  
その圧倒的な戦闘能力を見込まれて爵位を与えられたほどの戦闘狂である。  
戦略とも呼べぬ子供だましな彼女の行動など、すでにお見通しであったのだろう。  
 
「そんなにムキになって逃げなくても、中身はバシンから貰った薬だぜ?  
 シトリーあたりに貰った奴よりか、だいぶ信用できんだろ?」  
「…っ、や、やだもん!こんなの、すぐに治るもん〜〜〜〜!!」  
「あのな…正直な話、見てるこっちが痛ぇんだ。四の五の言わずにさっさと脱げ…ってか、脱がす!」  
 
ニヤニヤと楽しげに笑う男が、少女の前で片手に収めた薬瓶を傾けてみせた。  
その動きに合わせ、色硝子の瓶の中で粘度の高いとろりとした液体がゆっくりと流動する。  
だが、男の説明を聞いても、少女の態度が緩むわけではない。  
少女が拒絶する大元の原因が、薬に対する不信感ではないということに、  
彼女を拘束する男は気付いているのかいないのか……。  
胸の前で交差させた腕をの力を弛めそうもない少女に舌打ちしながら、  
半ばイラついたような男の掌が、無遠慮に彼女のドレスに延ばされた。  
 
「や、ま、マルコシアス、ダメぇっっ!は、恥ずかしいから離してほしいのー!!!」  
「喧しい!テメェの裸なんざガキの頃に散々見ただろうが!」  
「そ、それとこれとは話が別だもんー!!やだー!はーなーしーてー!」  
「黙ってろ、馬鹿モリー!どうせあの魔術師にも見せたんだろう?  
 一回見せるのも二回見せるのもたいして変わんねぇだろ」  
 
必死で手足をばたつかせるグレモリーを押さえつけながら、  
喧々囂々と吼えるマルコシアスの手が彼女のドレスをはぎ取っていく。  
手際よく脱がされていく重いベルベットの下から覗く肌は、  
彼がまだ小さかった頃に見た時と全く変わらない程、白く滑らかだ。  
その白い肌に刻まれた傷跡に眉を顰めながら、寝台に腰を下ろしたマルコシアスが  
自身の身体の下に組み敷かれている少女の顔を覗き込んでみれば、  
羞恥に首筋まで朱に染めたグレモリーが、きゅうっと唇を噛みながら、潤んだ瞳から一筋涙を零した。  
その姿はあまりにも幼くいたいけで、男の征服欲と劣情とをそそり立てる。  
 
………………だが……。  
 
「…………っ…ぅ、……ふぇ……」  
「……う゛……」  
「うぇ…………うぇぇぇぇぇ…………」  
 
下着をも剥ぎ取ろうと薄い布地に指をかけたところで、  
マルコシアスはそれはもう嫌な事に気がついてしまった。  
……うつ伏せにさせたグレモリーの肩が、不規則に震えているのだ。  
 
寝台に顔を押し付けているせいで、少女の表情を読むことはできない。  
しかしながら、なんとも情けない鼻声と嗚咽のおかげで、彼女が泣いていることは嫌でもわかる。  
半ば鼻白んだような表情で、マルコシアスはグレモリーのから手を離した。  
ついでに腕に引っ掛かっているだけになっていたドレスの前を合わせてやり、  
ひどく小さく感じられる彼女の身体を抱き上げる。  
後から後から零れ落ちる涙で、 少女の頬はぐしょぐしょに濡れ切っていた。  
泣きじゃくるグレモリーの頬を伝う涙を親指の腹で拭ってやりながら……。  
マルコシアスは真っ赤に潤んだグレモリーの目尻に唇を落とす。  
 
胡坐をかいた膝の上にグレモリーを抱き上げ、  
マルコシアスがぐすぐすとしゃくりあげる彼女の背中に腕を回してきつく抱きすくめる。  
もちろん、逃亡防止の意味もあってのことだろうが、  
久しぶりに感じる少女の温もりに制御が利かなくなったせいもあるのだろう。  
どんなに宥めるように背中を撫でても、どんなにあやすように口付けを落としても…。  
一度泣きだしたグレモリーは、幾度もしゃくりあげながら緩く緩く頭を振るだけだ。  
それどころか、彼女がしゃくりあげるたびに柔らかな乳房がたぷんと揺れ、  
治まりかけた雄の嗜虐心を煽り立てた。  
仕方なくそこから目を逸らしながら、  
マルコシアスはグレモリーの瞳に新たに盛り上がってきた涙の雫を舐めとってやる。  
 
ポロポロと涙を零す少女の拳が、力なく彼の厚い胸板を叩き始めた。  
どうやら、彼の言動が相当気に入らなかったのだろう。  
グレモリーの小さな拳でぽこぽこと胸を叩かれても、マルコシアスにとっては痛くも痒くもない。  
ただ、ひどく傷ついたような表情で胸を叩かれるたび、  
彼の胸に言い様のない感情が澱のように溜まっていく。  
 
「……………泣くなよ、馬鹿モリー…………これじゃ俺が泣かせてるみてぇじゃねぇか…」  
「…っ…ふぇ……まるこしあす、の、せい…だもん……マルコシアスが悪いんだもん…っ」  
「俺の何が悪いってんだよ?  
 そもそも、お前があんなインチキ魔術師に呼び出されんのが悪いんだろうが」  
「せいとうな方法でしょうかんされたから行ったんだもん…  
 ………そ、それに、あんなことされるなんて思わなかった、もん……」  
 
ぐすぐすと鼻を鳴らしながら尋ねてくる少女を抱き寄せて、男は彼女の耳元に唇を寄せた。  
耳朶を甘噛みしながら舌を内耳に捩じ込んで、ボソリと本音を囁いてやる。  
少女の耳の中で弾けた男の声は、何処となく拗ねているような口調になった。  
思いもよらなかったマルコシアスの言葉に、グレモリーの泣き声がほんの少し小さくなる。  
今の彼女の顔には、先ほどまでの傷ついたような、  
苦しんでいるかのような表情は浮かんでいなかった。  
ただ、へにゃりと眉の下がったなんとも情けない顔で、  
何かを言いたげに唇を尖らせているだけだ。  
 
「…だいたい……ムカつくんだよ、お前………毎回毎回俺がらみの問題で召喚されやがって…」  
「…………だから、それは、正式な手続きに基いて召喚されてるから……」  
「んなモン無視すりゃいいだろうが!召喚されるたびにどっか怪我して帰ってきて、  
 痛がるならまだしも、なんにもなかったみてぇにヘラヘラ笑って俺の前に顔出して…!」  
「……だ、だって…怪我したっていっても、本当にちょこっとだけ、だし……  
 それに、そんな事でマルコシアスに心配かけさせても良くないし…」  
「黙ってろ、馬鹿モリー!話しかけられた時以外に口を開くな、塞ぐぞ!!」  
「……………ふぇ?……っあ……んぅっっっ!?……」  
 
拗ねた子供のように唇をへの字に引き結んだまま、  
グレモリーの涙で腫れた真っ赤な瞳がマルコシアスを見つめている。  
今はもうすっかりと力の抜けた小さな身体を、マルコシアスは再び床に組み敷いた。  
大きな身体に組み敷かれながら、少女は抗議するような声を上げる。  
その顔に浮かぶものは、怒りとも悔しさとも呆れとも困惑ともつかない表情だ。  
それはもう形容に困る表情を浮かべるグレモリーの上に圧し掛かり、  
マルコシアスは彼女の細い頤を掴む。  
これ以上ない程に赤く染まった少女の顔を楽しげに眺めながら、  
男はそのまま首を伸ばして濡れたように色付く唇を奪い取った。  
 
「…おい、馬鹿モリー……お前もう魔界から出んな。誰かに召喚されても無視してろ」  
「…っ、は……や、マルコシアス、ぅ…っ…」  
「………………何でだろうな……お前が俺の視界にいねぇと本気で不安なんだ…  
 ……………………………なぁ…どうにかしてくれよ、馬鹿主…」  
 
もはや衣服としての機能を果たしていないドレスの残骸を取り去りながら、  
自分が言いたいことだけを言い放つと、  
少女の返事も聞かぬままに、男は彼女の柔らかな肌に掌を這わせていく。  
自分の言葉に考え込むグレモリーの口唇を、マルコシアスは幾度も幾度も貪った。  
 
驚愕の余り閉じることすら忘れられているような唇の隙間から舌を捩じ込み、  
口内を嘗め回すかのように蹂躙する。  
怯えるように萎縮していた舌を絡め取れば、酷く湿った水音が響いた。  
淫猥な破裂音が耳に届いたのか、口腔内を蹂躙する舌の動きに翻弄されているのか…。  
グレモリーの身体から力が抜けていく  
覆いかぶさってくるマルコシアスの厚い胸をなんとか退かそうと  
必死で突っ張っていたグレモリーの腕からすっかりと力が抜けきった頃……。  
ようやく男が少女の口唇を解放した。  
 
「ほんと……ムカつくよ、お前…………俺の知らねぇ所で、俺のことで面倒事に巻き込まれて、  
 俺のせいで傷ついて帰ってきて……それでも、俺のことばっかり考えてて……」  
「んっ……や、あ……マ、ル…コ、シアスぅ……っっ……」  
「煩ぇよ、馬鹿モリー…………少しは俺にもお前のこと考えさせろ、馬鹿」  
 
くったりと寝台に沈むグレモリーの身体を抱きなおし、マルコシアスはその身体につぅっと掌を滑らせる。  
大きくて無骨な掌が、頬から顎に…。  
そして、首筋やうなじにかけてを滑り撫でるその感覚に、少女の身体が小刻みに震えだした。  
脱力しきりながらも逃れようとするグレモリーが足掻くたび、  
彼女を抱く腕に力を込めて、マルコシアスは身体の間で窮屈そうに潰れている乳房に手を伸ばす。  
身体と身体の隙間から手を差し入れて肌をまさぐれば、面白いように細い身体が跳ね上がった。  
一見、それはひどく手荒な触り方だったが、実際はかなり的確にポイントを押えているのだろう。  
次第に熱を帯びていく少女の柔らかな肌に、掌と唇を思う存分這わせていく。  
 
グレモリーの声が甘く響き、次第に肌が上気して行く様を見、マルコシアスは満足そうな笑みを浮かべる。  
男に弄ばれている少女の乳首はツンと立ち上がり、紅く熟していた。  
 
「あっ…あんっ!そこばっかり…っ…や、あっ…」  
「口と反応が一致してねぇぞ?……まぁ、身体の方はずいぶん正直だけどよ」  
「…ひぅっ!?……んっ………ひゃんッ……す、吸っちゃヤダぁ…っ…!」  
「コッチは、駄目だとは思ってねぇみたいだけどなぁ?」  
「ひうぅっっ!!…あっ………あっ……やっ…ダメ…ダメなの、あ…あぁぁぁぁっ!!」  
 
淡い桜色の突起を口に含むと、グレモリーの唇から艶かしい声が漏れる。  
舌先でくすぐると、彼女の乳首はますます硬度を増していった。  
ゴツゴツとした男の指が充血しきった乳首を捏ね回すたび、少女は喉をひくつかせて嬌声を上げる。  
痙攣するかのように大きく跳ね上がる身体を床に押さえつけ、  
マルコシアスは白い胸の頂で色付く突起のもう片方をギリッと摘み上げた。  
悲鳴にも似たグレモリーの声が甘く響き、次第に肌が上気して行く様を見、  
マルコシアスの笑みが深くなっていく。  
 
追い立てられ、敏感になったそこへの愛撫が、よほど強烈な感覚なのだろう。  
身体全体ををがくがくと戦慄かせながら、少女は目の前にいる男にしがみ付いた。  
ひくつくグレモリーに構わずに、マルコシアスは尚も彼女の胸を玩び続ける。  
グレモリーの身体はふるふると震え、瞳には涙を滲ませていた。  
素直に声を上げないグレモリーを咎めるかのように……。  
痛々しいほどに勃ちあがった乳首の片方を爪で引っ掻きながら、  
マルコシアスは舌先で転がしていたもう片方にギリッと歯を立てる。  
瞬間、グレモリーが大きく背中を仰け反らせた。  
痛みすらも快感にすりかわるその感覚に、涙を零すグレモリーの瞳が大きく見開かれる。  
白い喉を狼の牙の下に無防備に晒し、少女唇から声にならない悲鳴が溢れた。  
 
ガクガクと痙攣を繰り返す細い身体を抱き寄せながら、  
マルコシアスは再びグレモリーの乳首に吸いついた。  
ぷっくりと勃ちあがったその中心に軽く歯を立ててやれば、  
快感の波に抗う事ができないらしいグレモリーの唇から堪えきれない喘ぎが漏れる。  
 
「……っっっ!!ひあっっ…あ、あっっ…あぁぁんっっ!!!」  
「さっきに比べりゃ、イイ声で鳴くようになったじゃねぇか…なぁ、主殿?」  
「…ふあっっ……あっ…ん…マルコ、シ、ア………ひあっっ…あぁぁぁんっ!!っ……」  
 
空いた手でもう片方の乳房を揉みしだきながら、  
狼は赤ん坊の頃のように、目の前にある乳首を吸い続けた。  
…………………尤も、赤ん坊は乳首に歯を立てたり、舌で転がしたりはしないけれども……。  
ガクガクと身体を震わせながら、グレモリーがマルコシアスの頭に腕を回し、  
そのまま自分の胸に押し付けるように抱きしめた。  
彼女が背中を反らせるたび、マルコシアスの顔に柔らかな胸乳が押し当たる。  
少女の柔らかな胸と温かな腕に包まれる感触は、  
何百年…何千年ぶりになるのか……マルコシアス自身も覚えていない。  
そして、いつ頃から、『母』であった少女を『女』として認識してしまうようになったのかも、だ。  
彼がまだ、彼女の腕の中にすっぽりと収まる大きさであった頃は、  
ただただ純粋に甘えていられていられた気がする……。  
口の中に広がる懐かしい甘さに瞳を細めつつ、ちゅっと音を立てて片方の乳首から口を離すと、  
感傷を振り払うように、狼は間髪入れずにもう反対側の乳首に吸い付いた。  
そちらも同じように舐めしゃぶり、歯を立てる。  
唇で吸い付かれ、舌先で転がされ、鋭い牙で甘噛みされ……。  
充血しきったグレモリーの乳首は、  
既に舌先で突付かれただけで身体が跳ねるほどに感じてしまうようになっていた。  
執拗に責められ続け、やがてそれは強い快感となって彼女を襲う。  
 
「…………口ん中が甘ったりぃ………ガキの頃は何でこんなん飲めたんだろうな?」  
「マ、ル…コシア、ス……?…っ、あ……ひあっ…ん…んぅ…っ……!」  
「………………好き、だ……グレモリー……………お前が…好きだ…」  
 
怒っているような、苦痛を耐え忍ぶような……そしてどこか泣いているような……。  
様々な感情で彩られた深い深い血色の瞳が、射すくめるかのようにグレモリーを見据えていた。  
赤く充血した両乳頭からトロトロと白い母乳を溢れさせ、  
虚ろに霞む瞳で男を見つめたグレモリーの唇が微かに動き、男の名前をなぞっていく。  
抵抗する気力すら失ったような身体を抱きしめ、マルコシアスはグレモリーに深く深く口付けた。  
縮こまる小さな舌を絡め取り、角度を変えて何度も口付けて…。  
無駄ともいえる抵抗を咎めるように乳首を指先でこね回せば、  
先端から勢いよく母乳を溢れさせつつ少女の身体が跳ねあがる。  
乱れた息の中に甘い喘ぎ声が混ざるのを感じながら、  
マルコシアスはグレモリーの閉ざされた瞼の上に唇を落とした。  
瞼から頬に、頬から唇に…余すところなく口付けが与えられる。  
啄むような口付けのなか、ほんの少しだけ唇が離される瞬間……。  
その一瞬の合間を縫って、少女の唇が掠れた声で男の名を紡ぐ。  
ひどく甘い口付けの合間に、少女の舌っ足らずな声が己を呼ぶのが、ひどく心地よかった。  
 
 
                 To Be Continued…?  
 

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