窓から夕日の赤が差し込んでくる。
ラジオから流れるヒビ割れたブルースをBGMにオレと穂乃香は穏やかな時間を過ごしている。
彼女はオレの膝に頭を乗せて、涼しげな瞳で俺を見ていた。
「あと、六時間」
漫然と流れる時の流れに耐え切れなくなって、思わず口からこぼれ落ちる。
「理解の納得も出来ない……少し悲しいけど仕方ないのかもしれませんね」
「あたりまえだ。オレは今だって穂乃香を行かせたくない……でも……」
思わず声を荒げてしまう。
あまりに幼稚な反応に俺の心が少し沈む。
しかし、穂乃香は子供をあやす母親のような顔で小さくため息をついた。
「そうですね、あまりに一方的かもしれませんね……ゴメンナサイ」
穂乃香はそうつぶやくと、両手でオレの包み、胸元へと持っていった。
右手が胸元に押し当てられ、掌にフニョンとした乳房の感触を感じる。
「穂乃香……」
「うふ」
声が上ずり、顔が紅潮する、まるで高校生のようなオレの反応に穂乃香は嬉しそうな顔で微笑んだ。
「私ばっかり、してもらってるから……だから、浩人さんにおかえし、したいんです」
「でも……」
「安心してください、私、初めてですから。それとも、いなくなってしまう女の子は抱けませんか?」
穂乃香の問いに、オレは無言で口づけることで答えを返した。
誰よりも愛しい女性からの誘いを拒む理性なんてオレは持ち合わせてはいない。
オレと穂乃香はベットの上で向かい合っていた。
彼女の身体を抱き寄せる。
ほっそりした身体から伝わる体温と、黒髪から匂うシャンプーの香りに頭がクラクラするほどの恍惚感を感じた。
「穂乃香は初めて……なんだよね」
「ええ、憧れていても実際に恋をする機会なんてありませんでしたから……やっぱり、痛いんですか?」
「大丈夫、優しくする」
オレは穂乃香に優しく口づけながら、服越しに胸を揉んだ。
「っん」
彼女の胸は、けっしてボリューム豊かではないが、張りのある揉みがいのある弾力を持っていた。胸も、痛みを与えないようにゆっくりと包み込むように触れた。
服越しなのに、穂乃香の心臓が早鐘を打つように高鳴っているのがハッキリとわかった。
「あんっ……すいません、わたしの胸小さいから……」
穂乃香は少女のように顔をあからめながらそうつぶやく。
「確かにレゥよりも小さいかも」
「もう、浩人さん……んっ……そういうときは嘘でもそんなことないよって言わないとだめですよ」
穂乃香は拗ねたような顔になるが、いぜん頬を赤らめたままだ。
「ゴメン、でも胸に惚れたわけじゃないし、形は綺麗だと思う」
少し遅れた俺のフォローに、穂乃香は満足げな顔でうなずいた。
「先生は、私を起動させるときに姪の女の子をモデルにしたらしいんです。……で、その方が割とスマートな方だったみたいです」
「じゃあ、その人が穂乃香の母親なのかもしれないな」
オレは胸の形を確認すべく、彼女の服に手をかける。
カーディガンを降ろし、ワンピースのボタンを一つづづ外していく。
白いかざりっけのないブラが彼女らしいと思った。
「ほら、やっぱり綺麗だ」
人工生命体だから当たり前なのかもしれないが、それでも彼女の身体は綺麗だった。
白い肌にはシミ一つ付いてなくて、小ぶりだけど左右対称な乳房の上に、やっぱり小さな乳首がプックリと浮いていた。
「ほんとうですか、自分ではあまり自信ないんですけど……」
「本当だよ、とっても綺麗だ」
オレは穂乃香をベットに押し倒して、右の乳首を口に含んだ。
「あっ……あんっ……ああああ……」
左手で、もう片方の乳房を弄びながら。右手をお腹に這わせてゆっくりと下におろしていく。
「穂乃香……キモチいい…」
「なんか…あんっ……とってもくすぐったいです。これが気持ちいいなんですか?」
「そうだよ」
気持ちよさそうな顔で喘ぐ彼女を見て、俺は思わずキスをする。
さっきまでの触れるだけのキスじゃなくて、唇の裏側を舐め、歯の間に舌を差し入れる。
「ふぃろとさん……」
オレの舌に彼女の舌が絡みついてくる。しばし、口の中で俺たちは溶け合い一つの生物となった。
30秒……いや、1分以上そうしていただろうか……。
さすがに息が苦しくなって、絡み合っていた互いの舌が名残惜しそうにチュルンと解けた。
「穂乃香?」
はじめての割に今のディープキスはかなり手馴れている感じがした。
質問の意図を悟って穂乃香はクスリと微笑んだ。
「ええ、知っていますよ。サクランボの枝を口の中で結べるとキスが上手なんでしょ」
唇に人差し指をあてておどける仕草がすごくカワイイ。
「それは、恋愛小説で得た知識なの?」
「ええ、そうです……それに……私ばっかりしてもらうのも悪いですから」
穂乃香は、ズボンのベルトを起用に片手で外し、パンツの中ではちきれそうになっていた俺のイチモツを取り出した。