スリヴァーに『個』は存在しない。  
あるのは、伝説に聞く女王からの統一された意思と  
本能由来の、繁殖への執念。同種での力の共有。  
どんな苛酷な環境にも、先駆けの犠牲と引き換えに  
順応し、時に互いを傷つけあってまで成長していく  
姿勢は、他の種の恐怖と嫌悪になるに難くない。  
美しい栗色の髪と、神秘的なまでの美貌。森の住人  
エルフの女性が一人、その恐るべき者達に捕らえら  
れていた。  
 
暮らす森からそう遠くない、小さな洞穴。陰気な空  
気。血の残り香もある。蜘蛛のような糸に四肢を絡  
められ、微かに足の指先が地をかする宙吊り状態。  
餌にされるのだろう。先ほどから獲物の周りで、原  
始的な声を発しながら何体かのスリヴァーがこちら  
を見ている。  
「どうして・・・・」  
取り分か何かを決定したようで、比較的小柄なスリ  
ヴァーがずるずると寄り、鎌のような一本腕を振り  
上げた。  
「いや!!」  
風が顔を撫でる。痛みはない。死んでいない。  
はらりと先ほどまで服だった、布が力なく崩れ落ち  
た。  
「えっ・・・?」  
淑女が自分の胸を弄ばれているのだと気がついたの  
は、三体のスリヴァーに形のいい乳房を勝手に揉み  
しごきだした段に入ってからだった。  
かぎ爪からは絶えず粘液が分泌され、スリヴァー本  
来の硬質な感触よりもヌルヌルとした得体の知れな  
い液の感触が強い。  
気持ち悪い。およそ生態系の中でも異端で、こうし  
て間近で見ても全く理解しがたい、エルフとはかけ  
離れた醜悪なクリーチャー。そんな彼らにいつ殺さ  
れるとも知れない恐怖の中、犯されている。  
恐怖は興奮状態を作り、逆に神経が敏感になってし  
まっていた。  
体が諦めようとしている。この状況に順応し、理性  
の奥に潜む有性生物の性を露にし、いっそ快感を受  
け入れてしまえと囁いている。  
 
体の声が一層大きくなった。偶然に一匹が右の突起  
に、乳首をこすったのだ。  
「っくぁ!!」  
はしたない声とゆれた際の糸の軋む音が洞窟の中で  
反響する。  
スリヴァーも変化に気付いた様で、群がって絶え間  
なく硬くなりはじめた乳首をつつきだす。  
「まさかっ!!っくん。あ、あ、あ!」  
間断なく行なわれる、刺されるような愛撫。  
逃げられず与えられるだけ受け、蓄積された快楽が  
あるところを境に一気に放出した。  
「っつあ!うあぁぁぁあ!!」  
細身の体を、反らせるだけ反らし意識は一瞬天へ昇  
った。予期せぬ大声と、奇怪な脱力にスリヴァーは  
遠巻きに円を作る。最初に服を引き裂いたものが、  
警戒するようゆっくり近づき腹のあたりを突く。エ  
ルフは揺れると抵抗を見せない。  
「くふぅ・・・ひぐ、ひ」  
絶望した。こんな者達に絶頂を味合わされ、体は完  
全にスリヴァーを受け入れようと、秘所から愛液が  
潤いだしている。  
脚は閉じられないから、溢れた液は秘所からそのま  
ま、厭らしい水音をたてて岩肌に溜まった。聞きた  
くなくとも、発達したエルフの聴覚は直接脳に明確  
なイメージまで作り出してしまう。  
不可思議な液体を観察するため爪の先端でそっと掬  
う。見比べるように掲げると筋を作り垂れ、落ちる。  
あまりの屈辱的な仕打ちに涙が溢れた。  
それでもスリヴァーは無慈悲にもスカートに腕をか  
ける。  
「そこ・・だけは!!」  
左右二匹が同時に引っ張り、エルフの女性器があら  
れもなく晒された。完全に誇りを失い、エルフはど  
うしようもなく、ただうなだれた。  
スリヴァーにとっては初めてのものだった。正確に  
は雌の生物も殺し、喰らってきたが、このように観  
察することはなかったのだ。巣を張り、安定し、よ  
り繁栄のため様々な物を観察する余裕が生まれた。  
歩行に必要な部位の間に、出来た穴。よく湿ってお  
り、微弱な痙攣を起こしている。  
そしてそれ以上に、内部への興味が湧いた。  
 
広げる。ヒダのような肉の壁を押しのけると、何本  
かの先ほど見た愛液の筋が引かれた凹凸の激しい道。  
大きな骨格を持つ一匹が進み出てどろどろに汁を出  
した尾を入れる。  
「ああ!ん!あむゥ!」  
二本の尾が清純な膣の中で、乱雑に暴れる。乙女が  
生れ落ちて始めての他者から受ける性的な快感。  
相手は決して相容れる事のない、下等生物。  
スリヴァーも快感を得ているのか、一層大きく奇声  
を上げる。  
猿は自慰を覚えると過労死するまでオナニーにふけ  
るらしい。初めて性の快楽を知ったこの無性生物も  
自分が死に果てても、犯しつづけるやも知れない。  
諦めが生まれそうになった瞬間、蹂躙していた尾が  
ぴたりと止まってみせた。  
血のにおいが濃くなり外側のスリヴァーから裂ける  
ように道を作る。  
急いで、尾を引き抜き場を空ける。  
一際大きな体躯のスリヴァー。ここの大将なのだろ  
う。それ以上にエルフが息を飲んだのは、そいつの  
腹のあたりがぴきぴきと揺れ動き一つの筋肉組織を  
作り出す。太く、長く、グロテスクな形。  
見紛うことなき男根であった。最近消息不明になっ  
た仲間の男エルフを食って、学んだのかもしれない。  
男の性器。話には聞いていたが、模したこれは悪魔  
のようにすら思えた。  
「ひっ!!」  
抵抗する力がないと判断したらしく、大将は手足首  
に巻きついた糸を力任せに引きちぎる。  
スリヴァーらしからぬ低い唸り声が耳元でこだます  
る。閉じようとした脚はいとも簡単にこじ開けられ  
再びパックリと外気に触れ、ひんやりとした。  
布釣り合いなほど発達した筋骨隆々としているかぎ  
爪は、線の細いエルフの体を抱えても十分に余裕が  
できるほど大きい。  
そのかぎ爪で右足を腿から抱え込み、180度開いた  
状態のまま背へ、背から横腹を越え最後は自らの体  
を掴みしっかりとエルフを腕の中に収めた。  
「だ、駄目・・・!」  
開かれた脚の真ん中。焦らされていた淫唇に出来た  
ばかりの男根を、無遠慮にねじ込んだ。  
 
悲痛な叫び声が洞窟内を壊さんとする勢いで、響き  
渡った。破ってはいけなかった最後の一線。乙女の  
証。それをこの化け物に奪われた。  
生存への諦念と、失望、破瓜の痛み。  
勃起した陰茎と花弁の間から、漏れ出す血を見つめ  
てエルフが泣いた。  
いくら、泣こうにもスリヴァーは力を緩めるどころ  
か、自身に快感を与える獲物を離すまいと、骨が軋  
みそうになるほど抱き寄せた。  
「ひぎぃ、ううぅふぐ・・えぐぅ!んあん!!」  
荒々しく突き上げては引くペニスの運動は、確実に  
女体を蝕んでいた。折れかかった隙間だらけの心を  
汚していくのは容易かった。  
「っはく!!あん!イッ」  
閉じようにも溢れ出す声で口を閉じるのが敵わない。  
腕。駄目、絶対に。心に誓いを立てては霞んでゆく。  
快楽を受け入れ、スリヴァーにすがり、抱きつきた  
い衝動を生み出しては壊す葛藤も段段と性が強くな  
っていった。そして。  
「うぁん!!・・・!!あ、ああ!!ああん!!」  
ペニスが中で何かをこすった。そこから、全身を叩  
きつくすような、刺激。気がつけば両腕はしっかり  
とスリヴァーの体にしがみついていた。  
何かが、崩れ落ちた。もうどうにでもなって欲しい。  
気高いエルフの誇りが完全に消えたわけでない。  
残っているからこそ、腕の中で揺れている最中も、  
彼女は苦しみつづけた。  
「あふっ・・あああ!」  
光が見えた気がした。絶頂が近い。突かれながら気  
が朦朧とした。あと少しで全てが消えうせる。  
所詮スリヴァーが交尾を知るために捕らえた『雌』  
なのだから。  
何かが、確かに聞こえた。  
【葉こそ無数の刃なり、  
 無数の敵と戦うためのものなり】  
賛歌?そういえば、人間は死ぬ近くに生涯を思い出  
すらしい。  
血のにおいが濃くなった気がした。死、か。堕ちる  
よりは、いっそ。  
騒がしい。スリヴァー達が狂乱したように鳴いてい  
る。スリヴァーは飛べるの?何体も次々に宙を舞う。  
私を抱くスリヴァーが、スリヴァー生来の金切り声  
をあげ、割れた。  
「ロード・・・?」  
逞しい身体と精神。誇り高きチャンピオン。体を引  
き起こすとしっかりと抱きしめた。  
「済まぬ。遅れた」  
「私は、もう・・・」  
熱い。全身を熱が取り巻いていている。取るのは、  
続けるしかない。潤んだ瞳がチャンピオンを見つめ  
る。  
「ロード・・・どうか、御慈悲を」  
 

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