柔らかな緑の光。静かで平穏な小川。エルフの森に  
帰ってきた。誰にも気付かれないように密やかにチ  
ャンピオンは森の入った。  
勿論、彼女への気遣いから来るものである。  
「・・・・」  
無言のまま顔を見ることも無く手を取り、連れられ  
たロードの住まい。一切の無駄がなく、寝台や卓が  
あり、他のエルフと相違ないがその部屋には修練の  
場とするような厳格な空気が溢れていた。  
今、自分はそこに招かれた。憐れみであっっていい。  
何に起因するものであったとしても、ロードの空間  
に入れたのは、エルフとしても、女性としても最高  
の栄誉だった。  
「これを」  
チャンピオンは隅の樽から、人掬いの水を渡す。  
椀を受け取り、静かに飲み下す。汚された体が、洗  
われるような清涼感と燃やされるような高揚感。  
「マナが生み出した生命の水。クレリック達に及ば  
ないまでも、穢れは落ちる」  
飲み終えると、一回りも二回りも大きいチャンピオ  
ンの背に抱きつく。チャンピオンは一瞬震えた。  
「・・・ならん」  
「一つだけ、お聞かせください。ロードが助けてく  
ださったのは、同族ゆえですか?」  
「どうゆう・・・」  
「私はロードをお慕いしております。勿論エルフと  
してもありますが、それ以上に貴方様を果敢な男と  
して想っておりました。ですからお教えください。  
私を・・・」  
「・・・もうよい」  
「御願いです。ロー・・」  
チャンピオンが振り返ると、壊れそうなほど小さな  
体を力強く抱きしめた。  
「スリヴァーには手を出さない。そう決めて尚私が  
向かったのはな、お前を恋いうるゆえだ」  
本音かでまかせかなど問題でない。  
ロードと口付けをしている。それだけで不意に涙が  
溢れた。  
 
舌が、入ってきた。  
正確にはどちらからも伸ばしたのが二人の間で絡ん  
だ。見上げるほど大きいチャンピオンのため、必死  
に上を向いた。尽くしたい。このお人のためにこそ  
と。  
「んちゃ、ぁ・・・」  
チャンピオンは唇を離すと、丁寧に彼女を寝台に横  
たわらせる。  
視界にチャンピオンの全身が入りあらためて、ロー  
ドと情事に及んでいるのだと悟る。背徳感はない。  
むしろ淫猥とは正反対の高潔な儀式にさえ思えた。  
「・・・乗る・・ぞ」  
らしくも無く、ぎこちなく断るとチャンピオンは  
ゆっくりと覆い被さる。負荷を掛けないよう力む  
のが奥ゆかしかった。チャンピオンは温かい。血  
が通っているのだと分かった。  
あいつらは、残忍で凶暴で冷たかった。  
チャンピオンの手は確かに彼女の秘所に触れた。  
それが、どうしようもなく嬉しかった。指が入っ  
た。かぎ爪で凌辱された時とは違う全身が受け入  
れる快感。離さぬよう必死でチャンピオンに抱き  
ついた。  
「熱いものだな」  
「愛ゆ・・えでございます・・んッ!」  
膣内で小さく爆ぜ、溢れ出た愛液がシーツに染み  
込んだ。  
「ぁ・・・も、申し訳ございませんッ!」  
「何故謝るか。何の事でもない。それよりも、許  
せ」  
チャンピオンがベルトを取り、下半身を曝け出す。  
全体は見えないが、視界に入る男の象徴。  
「いくぞ」  
「お待ちしております」  
猫がミルクを舐めるような音がしたかと思うと、  
比肩しようの無い甘美な快さが全身を引き裂いた。  
 
お互いの立場から声を出すのはまずかった。  
本来ならば、声帯がおかしくなるほどの声が出そ  
うだったが、彼女はキスで耐えた。  
始めてを奪われたスリヴァーのモノに比べ、チャ  
ンピオンのはさらに硬く熱い。  
それ以上にロードと繋がったのがたとえ様の無い  
幸せをもたらした。  
「んぁ・・ちゅぶ・、くん・・・はぁ!」  
どちらもとも分からない唾液を、飲み下す。  
もう、気が気でない。  
本能に及ばず、腰を振るたび水音は大きくなる。  
今世界には二人だけ。ゴブリンもドラゴンも天使  
もプレインズウォーカーさえも、どうでもいい。  
愛だけがそこにある。  
「クッ!!脚を離せ」  
「・・・ぁむ!あん!!・・・構いませんどうか・・・は  
ぁあ、このまま」  
信じられないほど絡んだ脚の力は強く、離せない。  
「ロード・・・あ、!ああぁ!!」  
マグマのように熱い。チャンピオンは精を放った。  
生まれて初めて、掟を破った。それでもいい。  
力が抜け落ちて、くたりと寝ている顔を見て漠然と  
思った。  
翌日。  
「いひひひひ。ロード、お祝いだ。酒飲もう」  
エルフ族でも異端なひとりが、大ダルを抱えてきた。  
こいつだけは、部屋にずかずかと上がりこむ  
「祝い?何かあったのか?」  
「私は知ってる。ロードとあの人。結ばれた。みんな  
聞こえてなかった。けど私聞こえてた」  
「!!」  
「戒律、めおと意外駄目。ならロードあの人と結婚し  
ちゃえばいい。私、頭いい。私優しい。誰にも言わな  
い」  
異端児は顔を邪心無くしわくちゃにして笑ってみせた。  
「そういうもの・・・か?」  
「そうよ。戒律厳しすぎるはみんな苦しい。みんな幸  
せになるのが掟」  
「・・・ふぅ、全く本当にお前は賢いな」  
後日、顔を真っ赤にしたエルフの長が一人の女性の家を  
尋ねた。女性は一言も言わず赤らめて頷いてみせた。  
 
 

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