ずぶっ、ずぶりっ
怪物の触手はまだ誰も触れたことのない花弁に、遠慮することもなく侵入していく
触手自身の粘液が潤滑剤代わりになっているとはいえ、まだ男を受け入れられるほどに充分成長しきっていない
少女の秘所は、苦痛に悲鳴をあげていた。
めりっ、めりめりっ
だが、触手は抵抗する肉壁を容赦なく貫く。叫ぶことも逃げることも許されず、ただ化け物になすがままにされるほか無い少女。
滴り落ちてくる化け物の体液は非常に粘りが強く、腐った食物のような異臭をはなっており、
そんな化け物にのしかかられるだけでも、常人には相当耐え難い事だろう。
もっとも彼女の一番の不幸は、恐怖と苦痛で頭がいっぱいで、その臭いを気にかける余裕もないことだった。
めりめりめりっ・・・ぶちっ・・!
棒状の肉はついに彼女の最後の砦までも破った。
破瓜の痛みがマリィの下腹部に響く。まるで股を裂かれるような苦痛に悲鳴を上げる少女。
だが、その叫びは口に突っ込まれている触手のせいで言葉にならない。
本来であれば、数年のち、どこかの村の若者と愛し合って初めて結ばれる際に捧げられたであろう筈の
少女の処女は、よりによって、こんな吐き気のする化け物によって、乱暴に奪われてしまった。
・・・痛いよう、苦しいよう、お父さんお母さん助けて・・・何故私がこんな目に・・・そんな叫びたくなるような気持ちが胸におしよせて
大粒の涙が流れて止まらなかった。今夜はお母さんがとっておきのご馳走を作ってくれているはずだ
久しぶりのお父さんと一緒の幸せな食卓を囲む晩になるはずだったのに・・・
マリィが唯一できる抵抗として、先ほどから何度も口の中の触手に噛みついてはいたが
化け物は痛みを解しないかのように、全く動じることなく触手を彼女の内部へ突き立てていく
触手はいくら歯を立てても、まるでゴムのように傷ひとつつかないのだ。
幼い膣口にねじ込まれている触手は、直径は通常の成人男性の性器と同様のものだったが、長さはそれとは比較にならない。
うねる触手は岩を掘削するドリルのように少女の奥へ奥へと進んでゆく。
「ん゙ん・・・!ん゙、んん・・・・・・・・・・・ぐ!・・・・ん!んんんー―――!!
(だめ・・・!やめて! これ以上はもう私が壊れちゃう!!)
もう何度目になるか分からない絶叫をマリィがあげたとき、それは起こった。
白い稲妻のような光が空の彼方から飛来し、怪物に直撃したのだ。
光が当たった部分から、ぼきりという樹の幹が折れたような音がしたような気がした直後
怪物は急に力を失って、しおれたようにその場に倒れ込んだ。
何が起こったのかわけが分からなかったが、とりあえず自分が自由になった事だけは分かった。
少女は上半身を起こすと下腹部を見た。鮮血と粘液まみれの忌まわしい肉の塊は、まだ彼女の膣におさまっている
触るのも嫌だったが、マリィはそれを掴んで引き出すと、即座に投げ捨てた。
しばし呆然とした後、よろよろと立ち上がる。服はところどころ破れ、体全体が怪物の体液でべたついている。
もはや涙は枯れ果てたのか、流れてこない。
「これはこれは、なかなかに面白いショウでしたな。途中で無粋な邪魔が入ってしまいましたが」
突然の背後からの声に、驚いて振り返るマリィ。声の主は醜く太った大男で、右手で鎖を握っている。
鎖の先には、一匹の緑色をした小悪魔のような生き物が繋がれている。
そいつの目は黄色で、口は耳元まで裂け、鼻は大きく、耳もこれまた大きく尖っている。
「おやあ、なんで戦場にこんなガキがいるんだあ?
まあいいか、女子供の肉はみずみずしくって切り裂きがいがあるからなあ、ぐしししし。」
緑の生き物が手に持った刀を、頬に押し当ててきて、マリィは恐怖に青ざめた。
「待て、どうもお前らゴブリンは気が短くていかん。こいつは捕らえて、オタリアに連れて帰ったほうがいい。
こいつならきっと高い値がつくぞ。くっくっくっ、ゴブリンどもを兵士にするのも
娘を娼婦に仕立て上げるのも、どっちも需要は尽きることが無い。
これだから奴隷商ってのはやめられんわい。」
慌てて踵を返し、逃げ出そうとする少女、だが解き放たれたゴブリンがあっという間に追いついて
羽交い締めにされてしまった。
「やめて!放して!」
「おい、着ている者を全部脱がせ。だが体には傷一つつけるなよ。」
甲高い笑い声をあげながら主人の指示通り少女の服を剥ごうとするゴブリン。
だが、マリィの抵抗は激しく、思うようにいかない。
「ちょっとは大人しくしろ!ウギャー!じれってえ!」ゴブリンが刀で服を縦一文字に切り裂く。
服をびりびりに裂かれ、胸と下半身をむき出しにされた少女は、羞恥と恐怖から涙混じりの悲鳴をあげる。
「その耳障りな喚き声をやめろ!!」ゴブリンは苛立ちながら刀を彼女に向ける。
マリィの健康的な白い肌は、先ほどの怪物の蹂躙行為のせいで泥や粘液で汚れていたが
糸を引く粘液まみれの少女の裸体は、かなり背徳的なものだった。
股間から先ほど流れた鮮血が固まっている。
「ふむ、なかなか上物だ。陰謀団の首領様の側女として献上しても恥ずかしくないぞ。
おや、これはなかなか高級そうな・・・・・・」
奴隷商がマリィの首にかけられた真珠のネックレスに触りながら言った。
「それには触らないで!お父さんにもらった大事なものなのよ!」
「ええい、うるさい小娘め。傷を残さずに痛めつける方法なんていくらでもあるんだぞ!!」
怒鳴り立てる男は嫌がるマリィから無理矢理ネックレスを奪い取った。
「やれやれ、強情な娘だ。おい、とっとと連れて帰・・・」
ゴブリンに命令を出そうとして、奴隷商人は初めて、それがもはや不可能であることを知った。
かつての彼の忠実なしもべは、頭上から振り下ろされた光り輝く剣によって頭を真っ二つにされていた。
マリィの頭上から白い羽根が舞い落ちてきた。上を見上げると、そこにいたのは
剣を持ち、脇から上が剥き出しになった白い衣装に身を包み、亜麻色の髪と背中に大きな翼を持った女性の姿だった。
「天使・・・さま・・・?」
母親に読み聞かせてもらった絵本に出てきた天使の姿に、それはよく似ていた。
天使がゆっくりと口を開く。
「お前の行いには美しさの欠けらもない。せめて最後の瞬間にその行いを悔いて
セラ様より授かりし、我が剣の露となって消えよ」
彼女の発する言葉にはまるで歌声のような清らかさがあった。
「ひ、ひいぃぃっ!」
慌てて逃げ出す男。だが、天使は翼を羽ばたかせて追いつくと、真横に勢いよく剣をふるう。
首をはねられた男は、頸動脈から真っ赤な血を吹き出しながらその場にくずれ落ちた。
「大丈夫か、ひどい目にあったな」
「ううぅ・・・てんしさまぁ・・・・・・」
涙があふれて止まらなかった。そんなマリィを天使は大きな腕で抱き、頭を優しくなでて、もう大丈夫と言い聞かせる。
天使に抱かれていると、まるで母親の腕の中にいるような暖かさを感じ、気分が安らぐのをマリィは感じた。
それから天使は男の死体からネックレスを取ると、マリィの手に握らせた。
「しっかり、私につかまっていなさい」天使はそう言うと、勢いよく宙へ舞い上がった。
「うわっ!?」マリィと天使の体はどんどん地上から離れていく。
眼下に広がる景色があっという間に流れていく。そこでマリィの目に飛び込んで来たのは
火を噴くドラゴンに対し、網を張って戦う巨大な蜘蛛
大きな棍棒を振り回し暴れる巨人に挑む、鎧に身を包んだトカゲの兵士達
頭が牛、胴体が人の姿をした剣士と、戦斧で戦う動く骸骨・・・・・・
その他、今まで本の中にしかいないと思っていた生き物達が、いくつも生きて動いている。
「さあ、あそこだ。あそこに君を呼び出したお方が住んでおられる。」
天使が指さしたのは、規則正しいブロックを積み重ねた、岩山の上に乗せられた一つの帽子のような巨大な建物。
その外壁はひび割れており、その上部は黄金色で、遠くから見てもまぶしく感じるほど、光り輝いていた・・・