「ん…」  
僕は今、キスをしている。生まれて初めてのキス。それも、くちびるとくちびるを触れ合わせるちゃんとしたキスだ。それはこいつにとっても同じだろう。ただ、僕は人間として何か大切なものを失ってしまったような気が…しないでもない。  
「おにいちゃん…?」  
「ん?」  
トレーシの声で我に返る。僕は今こいつの部屋に居て、ベッドの上に座っていた。  
「どうだった?」  
「何が?」  
「え?…その…キスのことだよ…」  
「ああ…」  
僕はあろう事か実の妹とキスをしてしまったのだ。これには色々事情がある訳で……まあ、説明は面倒くさいからやめておこう。  
「良かったよ。」  
「もう、ちゃんと答えてよー……初めてだったんだから…」  
トレーシーは頬を膨らませてふてくされている。  
「そのふんわりとしたくちびるはシフォンケーキのように柔らかく、甘くとろけるように幻想的な味わいだった…」  
「よく分かんないよ。」  
この素晴らしい感想が理解出来ないとは哀れな……とまあ、冗談は程ほどにして、ちゃんとした感想を言ってやろうか。  
「まあ、何と言うか…ドキドキしててよく分からなかったな。」  
「わたしも…」  
どうやら、トレーシーもそうだったらしい。まあ、初めてのキスなんてこんなものだろう。  
「じゃあ、もう一度する?」  
「…うん。」  
僕達は再びくちびるを重ねた。今度は忘れないようにしっかりと全神経をくちびるに集中させる。  
柔らかいな…そして何よりも、くちびるを通して一つに繋がっているという充実感がお互いの精神的な繋がりをより深めると共に……って何を考えてるんだ僕は?  
キスを続けること十数秒。  
「ぷはっ……」  
息が続かなくなってきたので、くちびるを離した。  
「……結構長かったな。まあ、この位すれば少しは感想くらい…ってトレーシー?」  
目の前にはどこか遠くの世界に逝ってしまったトレーシー。顔は真っ赤になってるし…息してねーし…ってやべぇじゃん!?  
「おい!大丈夫か!?」  
肩を掴んで揺すってみる。しばらくするとカムバックしてきた。  
「へ…なに…?」  
「何って、今逝ってたぞ。」  
「だって…すごかったんだもん。」  
そんなに致命的なダメージを負うほど凄かったのか?…よく分からん。  
「ほら。」  
そう言って僕の手を掴むと、自分の胸に押し当てるトレーシー。心臓が物凄い速さで脈打っている…。  
「すごいでしょ?」  
「まあ、こんだけドキドキしてたら無理もないか。…でもキスなんかで逝くようじゃ、この先どうすんだよ。」  
「え!?」  
僕の言葉に驚いた表情をして再度固まるトレーシー。脈拍数は更に上昇し、顔は今にも燃え上がりそうだ。  
「どうしたん……!?」  
そこでようやく自分の発言が別の意味を持つ事に気がついた。  
てか、何で知ってるんだよ?まだ、子供だろ…って僕もか。  
「いや、僕は今後の人生について言った訳で、トレーシーが思ってる意味じゃ……聞いてないか。」  
またしても逝ってしまった…ガッツで踏み止まれよ。このままでも仕方ないし、カムバックさせるか…。  
「おい、トレー……」  
そして、僕はある事に気がついた。うーん、これは何と言うか……おっぱい触ってるよ僕!?  
まあ、一緒に遊んでる時に少し触れるくらいはあったけど、こうして長時間触っている事は初めてだ。  
 
「んー…」  
そうだな…トレーシーは戻ってきそうな気配ないし…。  
 
――もみもみ…  
 
何かドキドキするな。  
 
――もみもみもみもみ…  
 
これは…  
 
――もみもみもみもみもみもみもみもみ…  
 
やべぇ…やみつきになりそうだ(;´Д`)オパーイサイコウ!!  
 
「おにいちゃん?」  
「え?」  
完全に不意を突かれた…。いつの間にカムバックしたのか、トレーシーは何か言いたそうな表情で僕を見ている。これはマズイ!かなりマズイぞ!!  
どうにかして話題を逸らさなければ…。  
「トレーシー!!」  
「え?な、なに?」  
咄嗟にトレーシーの肩を掴んだものの、このままでは間がもたない…早く何か言わなくては!!  
 
「大人のキスをしてみないか?」  
 
うあああぁ何言ってんだよ僕の馬鹿ぁ…(ノД`)ノ・゜・。・  
「大人の…キス?」  
不思議そうに聞き返してくるトレーシー。話は逸らせたけど、この先どうするんだよ!?  
……そうだ、焦っても仕方ない。これ以上状況が悪くならないように落ち着いて話をしよう。  
「でもまあ、トレーシーにはまだ早いかな…だから…」  
「わたしはいいよ…。」  
「えっ?」  
「キス…しようよ。」  
事の重大さを分かってるのかな…てか、そんな潤んだ瞳で僕を見つめないでよ…理性が弾け飛びそうだよ…マジで。  
「何でそんなにキスがしたいの?別に僕じゃなくても…」  
誘惑を跳ね除け、残された僅かな理性を振り絞る。これでも無理だと正直な話どうなるか分からない…。  
「それじゃ駄目なの…」  
「え?」  
「だってわたし…」  
「……」  
ま…まさか!?  
「おにいちゃんのことが好きなんだもん!!」  
 
――SMAAAAAAAASH!!  
ネスの理性に致命的なダメージ!  
 
ネスの理性は粉々に砕け散った…  
「マジデキタァァァΣ(゜Д゜;)ァァァァァアア!!」  
 
その後の事は覚えていない…気が付いたら全てが終わっていた…  
 
完〜♪  
 
 

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