「撮りて〜〜〜!!」
夜更けオネット…人々は寝静まり、月明かりに照らされたドラッグストアの屋根の上で叫ぶ男がいた…
彼は名も無き"自称”天才写真家。
ネス達の冒険は終わり、仕事を成し遂げた彼は今、盗撮にはまっていた…ターゲットは専ら女性。着替えから、風呂場、寝姿、トイレ、パンチラなど…彼の被害にあったものは数知れない…
「うへへ〜今日の獲物は誰にしようかな〜」
と、独り呟く彼の下…路地の隅に人影。
「署長…屋根の上にいる男がそうです…」
「ふむ…やつがそうか…」
彼らはオネット警察。最近夜な夜な不審者が現れると、市民からの通報で見回りを強化していた矢先の事だ。
「どうしますか?」
「よし、確保だ。」
署長の合図で、ドラッグストアの周りに身を潜めていた警察官が一斉に姿を現す。
「そこの不審者!お前は完全に包囲されている!大人しく降りてきなさい!!」
「げ!?いつの間に…だが、甘いな!!」
写真家はその身なりからは到底想像つかないほどの身軽さで屋根をピョンピョン飛び移っていく。その姿はまさにスーパーマ○オ…
「ははは〜この程度の包囲網じゃあ、俺を捕まえることなんか出来やしねーよ。」
そう叫びながら写真家は、悠々と闇に姿を消していった。
「署長!!駄目です!包囲網を突破されました!!」
「ふふふ…面白い……久々に血が騒ぐわ…」
「署長…?」
今にもはちきれんばかりの手袋を纏った大きな拳をポキポキと鳴らしながら呟く所長に、恐る恐る声をかける警察官。
「奴は私が捕まえよう。君達は道路を封鎖していなさい…まあ、取り逃がすことは無いだろうがな…」
そう言ってニヤリと口元を歪める署長…掛けているサングラスが黒光りして、異様なオーラを発している…
「このウルトラスーパーサンボマンボマーシャルアーツからはな!!!」
――所かわって写真家は…
「ちっ…逃げたのはいいが、山奥まで来ちまったぜ…」
写真家の男…逃げることに夢中で、方向を誤ったらしい。
「こんな場所に家なんか……って、あったし…」
山の麓に二軒の家を見つけた写真家。
「にしても…なんか見覚えが……ああ、あいつの家か。」
何を隠そう、彼が最後に仕事を勤めたネスの家だ。
「時間も余ってることだし…行ってみるか。」
そう呟き、写真家はネスの家を目掛け…跳んだ。
―…アンター最高だよっ……
―…ウオォォォ……
「はぁ…お隣さんはお盛んなことで…」
お隣…ポーキーの家から聞こえてくる獣のような喘ぎ声に、思わず吐き気を催す写真家…つい興味を惹かれて覗いてみたものの、あまりの迫力に魂を抜かれるような衝撃を受けたばかりだ。
「シチュエーションとしては最高なんだが…あんなものを撮ったらカメラが可哀そうだ…」
と、ぶつぶつ呟きながらネスの家を除いてまわっていた写真家は、目を奪われる…
「こ…これは…!?」
視線の先には、自室のベッドで熟睡しているトレーシーの姿…何の変哲も無い寝姿だが、彼の心を惹き付けてやまなかった…なぜなら…
「や、やばいぃ〜可愛すぎる〜〜おじさん恋しちゃいそうだよ〜」
彼はロリコンだった…
つづく…