遮る物の無い夜空。  
こんなものを見たのは何時振りだっただろう。  
空を見上げる余裕すら無かった。  
空はいつだって僕の上にあったのに。  
僕は前へ進むので精一杯で、上を見上げて休むことすら忘れていたんだ。  
全てが終わって、ようやく思い出した。  
 
 「綺麗。」  
隣から聞こえた可愛らしい声。  
その声に視線を移す。  
空を見上げて、優しい笑みを浮かべているポーラ。  
僕が見ている事にも気づいていないみたいだ。  
もう少し彼女の瞳を見ていたかったけど、何処か照れくさくて僕はもう一度空を見上げた。  
視界は全て星空のシーツで覆われていた。  
何処を向いたって数え切れない程の星達が僕たちを見ている。  
語りかけられているような不思議な感覚。  
ちょっと照れくさくて、一人で笑った。  
 「どうしたの?」  
不意の笑い声にポーラが僕の方を向く。  
小首を傾げる彼女。白い肌。大きくて、星明りを移す透き通った瞳。  
小さいけど、形が良い可愛らしい鼻。控えめな唇。  
微かな夜風に躍るウェーブの掛かった柔らかなブロンド。  
僕は心臓の高鳴りを感じた。  
 
此処には僕たちしかいない。  
僕たちの別荘。世界を覆わんとする闇は消え去っていて。  
僕たちを縛る物はなにも無くなっていた。  
僕たちは今なんでも出来る。大人達の居ない、僕たちだけの別荘。  
 
 
ソコに今、二人きりだった。  
 
 
 「え・・・っと。あの、なんでもないよ」  
ドギマギしながら何とか答える僕。顔が赤くなってやしないだろうか。  
ポーラは「ふーん」と、息を吸うように答えただけだった。  
そうしてまた僕たちは空を見上げる。僕たちを見ている星たちが、  
僕の不甲斐無さを叱咤しているような気がした。  
僕自身も、喉でつっかえたままの想いに言いようの無いもどかしさを感じていた。  
 
 「ねぇ、ネス。私の事・・・好き?」  
突然、ポーラが呟いた。本当に小さな声だったけど、聞き逃すはずも無い。  
聞き間違えるはずなんてなかった。確かにそういってた。  
心臓が止まるかと思った。いや、一瞬確かに止まっていた。  
 「え、えぇぇぇっ!?」  
ただ驚くしかなかった。僕はポーラの事が確かに好きだったけど、  
まさかポーラが僕の事を想ってくれているなんて、考えてもいなかったから。  
わけがわからなくなった僕は、わたわたと両手を動かして何か言おうとした。  
 「・・・嫌い?」  
僕の返答を待たずしてポーラが言った。  
 「き、嫌いな訳ないよ!僕は・・・ううん、僕もポーラが大好きだ。ずっと、ずっと言いたかった。」  
 「――ホントに?」  
一度言ってしまえばあとは至極簡単だった。  
興奮であの時の僕は何か可笑しくなっていたんだと思う。  
今、此処で言えって言われたって絶対にゴメン被りたいような台詞を、  
矢継ぎ早に口に出し続けていたんだ。最初は嬉しそうに頬を緩めていた彼女も、  
延々と続く勢いの僕の独白に、次第に顔を赤らめていった。  
 
 「――それだけじゃないんだ、最初に君を見たときから僕はずっと」  
 「もういいの!ネス、もういいわ。ありがとう。貴方の気持ち、伝わったから」  
 
早口で捲くし立てる僕のおしゃべりな口を、ポーラの細い指が静止した。  
頬を染めたままの、はにかんだ笑顔を此方に向けるポーラは、何時も以上に可愛く、可憐に見えた。  
僕は、唇に当てられた人差し指をそっと払うと、彼女の瞳を見つめたまま、ゆっくりと顔を近づけていった。  
 
鼻先が触れる距離まで近づいたとき、不意に彼女の瞳が僕の視界から消えた。  
変わりに、唇に何か柔らかい物が当たった。  
自分から近づいたにも関わらず、僕は驚いて暫く目を閉じることが出来なかった。  
でも、彼女が離れようとしないのに気がついて、やっと目を閉じた。  
 
少し顔が動くたびに柔らかな水音が聞こえる。  
ずっと、ずっとキスをしてた気がする。  
どれくらい経ったかは分からない。どちらから唇を離したのかも覚えていない。  
改めて向かい合った僕等は、言葉を交わさぬままそのままベッドに向かった。  
 
無言のまま、ベッドに腰掛けてるポーラ。  
隣でどうすればいいのか分からず、ただ俯く僕。  
キスしたのも初めてだったし、こんな事をするのも初めてだった。  
情けない男の言い訳になるかもしれないけど、戸惑うのが普通だろ?  
 
そんな僕を見かねたのか、ポーラが僕の手を取った。  
暖かな両手で僕の掌を包む込む。どうなるのかがわからなくて、  
僕はポーラの方へ向き直った。ただ、ポーラはまた恥ずかしそうに笑ってた。  
それから、ゆっくりと僕の手を自分の胸へと誘導したんだ。  
 
話には聞いていたけど、本当に女の子のおっぱいは柔らかかった。  
ママみたいにはっきりと分かる程じゃなかったけど、それでも明らかに  
僕やジェフ、プーのとは違う感触だった。まるで大きなマシュマロだった。  
柔らかくて、暖かくて。無意識のうちに、僕は指を動かしていた。  
 「んっ・・・は、ぁ・・・」  
ポーラが呻くような声を上げた。  
僕は少し驚いて手を止める。  
 
 「ご、ごめん!つい・・・」  
 「ううん、違うのネス。そのまま・・・続けて」  
彼女の優しい笑顔に背中を押されて、僕はもう一度おっぱいに手を当てた。  
再び僕の手が静かに包み込まれる。彼女の瞳を見て確認し、今度は優しく、ゆっくりと。  
下から押し上げて、そのまま絞ってみたり。  
グニグニと全体を揉んでみたり。いろんなことをした。  
その度におっぱいが形を変えて、僕の指を包みこむ。  
時折聞こえるポーラの声。今まで聞いたことの無いその甘い音色に、  
僕の理性の壁は、簡単に崩れていった。  
 
気がつけば僕はポーラの服に手を掛けていた。  
直に、見たい。  
その思いだけが僕を突き動かす。ボタンを一つ一つ外していく。  
彼女の柔肌を護るその布切れが、彼女の腕から抜けたとき。  
目指していた物が現れた。  
 
服の上からじゃ分からなかった膨らみがあった。  
星明りに照らされて、うっすらと浮かび上がる彼女の身体のライン。  
細い腕、キュッとくびれた可愛い腰。正反対に柔らかな曲線を描くお尻。  
下着しか身に着けていないポーラは、まるでこの世の物では無いみたいだった。  
 「・・・綺麗」  
 「や、やだ。あんまり見ないでよ・・・」  
 「ご、ごめん」  
知らず知らずの内に、僕は素直な感想を口に出してしまっていたらしい。  
でもいいんだ。本当の事だから。きっとあの時のポーラは何よりも美しかったから。  
こんなにも綺麗なポーラ。今は僕だけを見てる。  
そんな優越感を感じながら、僕は露になった乳房に口を近づけた。  
 
星空を向いた可愛らしい桃色の突起。  
それを恐る恐る口に含む。途端、ポーラが可愛らしい声をあげた。  
 「やぁっ、ね、ネス・・・!吸っても・・・何も出ないわよ?」  
僕はそんなことなどお構いなしに、彼女の乳首を口の中で転がした。  
明らかに硬さを帯びている。僕の愛撫で、ポーラが興奮してる。  
それを自覚すると、僕の中のブレーキは益々役に立たなくなった。  
音が出るくらいに吸って、舐めて、転がして。  
開いてる方の乳首にも僕は刺激を与えることを忘れなかった。  
指先で摘んだり、引っ張ったり。その度にビクンと震えるポーラが可愛らしかった。  
段々ポーラも声を殺そうとはしなくなってた。  
僕の愛撫に、如実に反応して可愛い声を上げてた。  
 「や、あぁっ!ん、ふ、ぁ・・・ネ、スぅ・・・!」  
 「ポーラ、可愛い」  
素直な感想を述べて僕はもう一度意識をポーラの身体へと戻した。  
開いている手で、彼女の身体を静かに撫で回す。  
信じられないかもしれないけど、不思議なくらいに身体が勝手に動いたんだ。  
腰のくびれに指が差し掛かったとき、ポーラがビクッと震えた。  
この先に、女の子の大事なところがある。自然と僕の鼓動は早くなる。  
ゆっくりと、手を下へと這わせていく。指先に下着が触れた。  
モゾモゾとまるで芋虫のように指を動かして、僕の意識は彼女の下半身へと侵入した。  
 
上から下着で押さえつけられても、僕の指は侵入を止めようとはしなかった。  
不意に、指先に何かが触れた。柔らかな、恥毛。  
もう目前にまでポーラの秘所が迫っている。それを再認識して、僕の興奮は高まっていく。  
草原を掻き分けて、谷間に指先が掛かったとき、僕はポーラの顔を見つめた。  
 「・・・いい?」  
 「お願い・・・」  
そう言うポーラの潤んだ瞳が愛らしくて、僕はもう一度唇を重ねた。  
ゆっくり唇を離し、もう一度見つめあって。僕は止まっていた指を動かした。  
 

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