淋しかったのかもしれない。  
俺は。人の温もりなんて、感じたことがなかったから。  
それを知りたかった。彼女の暖かさに触れたかったんだ―――  
 
 
幽冥界に旅立つ日の、前日だった。  
次の日には、ギーグと、最後の戦いを迎える。  
この身体を捨て、鉄の塊へと姿を変える恐怖。  
色々な恐怖が、まだ幼い彼らの心を揺さ振っていた。  
 
「あれ?プーは?」  
サターンバレーのラボで四人が寝ようとしたときだった。  
プーの姿が、見えなかったのだ。  
「どっかで瞑想でもしてるんじゃないかな?」  
ジェフがそういうと、ネスは納得し、部屋の電気を消した。  
「じゃあすぐに戻ってくるね。…明日は…もうこの身体じゃないんだもん。プーも辛いんだよ…」  
ネスは、そう言うと、ラボの硬いベッドに身を沈めた。  
ジェフも、ため息をつき、それに続いた。  
だが、ポーラだけは違う。なぜかプーの事がすごく気になってたまらない。  
「プーは瞑想なんかしていないわ。きっと…寂しがってる」  
ポーラはそうつぶやくと、プーを探しにサターンバレーを抜け出した。  
 
プーはグレープフルーツの滝にいた。  
暗闇のなか、ポーラがかけつけると、プーはその場に立ち尽くしていた。  
泣いている。ポーラはびっくりした。あのプーが。泣いていたのだ。  
「プー!?どうしたの!?」  
ポーラがプーの顔を覗き込むと、プーは手の甲で顔を拭った。  
「ポーラ……」  
プーはそうつぶやくと、いきなり、ポーラの身体を抱き寄せた。  
「なっ!?」  
突然のことにビックリするポーラ。いつも仏頂面の彼が、こんな事をするなんて、想像もつかなかったのだ。  
「………」  
何も喋らないプー。  
「プ、プー?」  
「…こわい…」  
こわい。プーが声を絞り上げささやいた、精一杯のことばだった。  
「プー…君も、つらかったんだね。誰もいなくて、誰かと繋がりたくて、怖かったんだね…」  
ポーラはプーを抱き返し、そっとプーを、いとおしそうに撫でた。  
「う…ポーラ、ポーラは…すごく、…暖かい…」  
喉をならしながら、プーが震えた声で言う。  
「このまま、ひとつになっちゃおっか?」  
ポーラが、潤んだ瞳で、いたずらっぽくつぶやいた。そして二人は見つめあった。長い時間……。ポーラがプーにくちづけると、プーはまた涙をひとすじ流した。  
 
ポーラはまたプーにくちづけた。今度は濃厚な、ディープキスだ。  
「むっ!?ぽ、ポーラ…」  
プーは驚いて小さく声をあげる。  
「んー…っ」  
ポーラは優しく、くすぐるようにプーの口内を下で舐める。プーの舌に自分の舌を絡め、ちろちろと弄ぶ。  
「ぷはっ…、ポーラ…っ」  
息を荒くするプー。舌と舌が甘い糸を引いた。  
「プーあったかい。もっといっしょになる…」  
子供のようにつぶやくと、ポーラは、今度は服を脱ぎ出した。  
「ちゃんと女の子なのよ。お母さんとおなじよ。…ほら…」  
ブラジャーをはずし、ポーラの白い素肌があらわになった。  
形の良い白い胸が、プーの目の前で揺れた。  
プーはそっと胸に手をやる。やわらかかった。  
「初めて触る。何だか…安心するものなのだな。」  
優しく揉みくだし、乳首を指で締め付ける。逆も同じに。  
「やぁぁんっ、あ、プー」  
プーはポーラを押し倒すと、乳首を舌でコロコロと転がした。  
「きゃんんっ」  
ビクンと腰を震わせて感じるポーラ。  
プーは、一瞬愛撫を止め、少し何か考えて、それから、ポーラの秘部へと手をかけた。  
 
「プー、そっ、そこは」  
ポーラは声を上げて、恥ずかしがった。  
「…お前の全てが見たいのだ。」  
プーはそうきっぱり言い放つと、ポーラの細い脚を自分の肩にかけた。  
そしてショーツの上から、濡れそぼったそこをそっと撫でた。  
「くぅぅんっ!ぁっ、やぁんん!ひぃっ!」  
腰をうねらせ、これだけの小さな愛撫にも過敏に反応するポーラ。  
プーはショーツを下にゆっくりとおろした。  
「あ、あ、み、見ないでっっ」  
ポーラの、ピンクがかった可愛らしい花びらが姿を見せた。  
そこはもうグチョグチョに濡れていて、次から次へと愛液が滴っていた。  
プーはそこに顔を近付け、下で舐める。  
「ぁぁぁあっ?!そんなのっだ、だめぇぇ!はぁぁんんっ」  
ナマコのような熱いものが入ってくる感覚に耐えられず、ポーラは大きな声を出す。  
 
「気持ちが良いか?」  
プーは花弁の上の、小さな突起へと愛撫を移した。  
「ひっ!ぁ!」  
舌でコロコロと転がし、指でもきゅーっと締め付ける。  
「い、いっちゃうよぉぉ!ぁぁあんっ、ダメーーー!!!」  
ポーラは、そこで一回目の頂点に達した。  
「ポーラ、平気か?」  
「ぁぅ…」  
少し経って、ポーラはむくりと起き上がった。  
「プーにも、してあげるねっ」  
そう言いだすとポーラは、プーの胴着の上から、男のそれをさわった。  
「いま気持ち良くしてあげるからねぇ…♪」  
ポーラはプーのそれを強引に取り出す。その肉棒は、雄々しく、そそり立っていた。  
「おっきいぃ」  
ネスやジェフとは相手にならないくらいのサイズのソレ。  
ポーラはそっと手をかけ、優しく撫でた。  
「いい子にしてね」  
ポーラはそれを、舌の先でチロチロ舐めた。  
「くっ…ポーラ…」  
 
プーのそれは、ムクムクと大きくなっていった。  
「うふっ」  
ポーラは妖艶な笑みをうかべ、今度は肉棒を口にふくむ。  
「うおッ!!ぽ、ポーラ!それはっ」  
「ひほひひぃ?」  
プーのことばを遮るように上目遣いをする。  
口内で丹念に舐め回し、さきっぽを吸い上げる。  
「んっ…!」  
ポーラが顔を上げた瞬間だった。プーのそれから熱い液体が勢い良く出されたのだ。  
「やーん!」  
ポーラの顔が、プーの白い精液で汚されていた。  
白い肌に光る生臭い液体。ポーラはその一部を舐めとり、にこっと笑った。  
「プーもこういう事で悦ぶんだぁぁ」  
「なっ」  
プーは顔を赤らめた。  
「し、仕方ないだろう!!男のさだめだ!!」  
 
プーのそれを潤んだ目で見つめながら、ポーラが言った。  
「つながりたい」  
ポーラはスカートをめくり上げると、プーに向けて脚を開いた。  
「プーと、ひとつになりたいよ」  
トロトロと愛液が滴り落ちるポーラのそこは、ひくひくと震え、プーを誘うかのようにピンクに染まっていた。  
「入れてっ…」  
「……………」  
プーはためらった。まだ処女の、幼い少女に、自分のそれを入れることを。  
うまくできないかも知れない。傷つけるかもしれない。  
急に、我に戻った気がした。  
「プーっ!!」  
そんなプーの心を、ポーラは聞き取っていた。  
「いっしょでしょ?私傷つく事なんて怖くない。プーがくれる痛みなら、感じたい」  
ポーラは震えた声で言った。  
「はやく一つになりたいの。プーと、したい…」  
 
プーは、ポーラに優しく、キスをした。  
「傷つけることで自分が傷つくのが怖いんだ。俺は結局自分が可愛いらしい。臆病者は、君とつながる権利さえ持たない」  
「まぁたそう言う事言うのね」  
ポーラは起き上がり、プーを強く、強く抱き締めた。  
「そんな弱虫のプーが、わたしダイスキ」  
「ポーラ…」  
自分を受け入れてくれるポーラ。誰にも見せたことのない自分を、受けとめてくれるポーラ。  
プーも、ポーラを強く、強く抱き締め返した。  
「愛している」  
 
 
 
母の匂いがする。生まれてくる前の、腹の中だ。  
暖かい。愛というものなのか。  
これは誰なんだ。この感じは。懐かしい匂いは。  
 
かあさん――――  
 
 
「あ、あふっ、は、入ってくるよぉぉ」 ポーラは跡がつくほどの強い力でプーにしがみついた。  
「凄くきついな…、ポーラ、もう少し楽に…」  
「あひぃぃぃんっ、無理ぃ!!あ、あ、熱い!」  
 
ポーラの中は熱くて、優しくて、気がおかしくなりそうなほど、気持ちがよかった。  
「もう少し…で、入る…」  
プーは辛そうに少しずつ挿入していく。  
ぐちゅり、ぐちゅりと結合部分がいやらしい音をあげ、妖しく光る。  
「あ、あた、あたしプーのあかちゃんできちゃうぅ!」  
「くっ…あ、ポーラ!」  
「そしたらあたしっ、ママになるっ!ママになれるのぉっっ、あ、や、やぁぁぁあん!!」  
二人は大きく腰を揺らしながら、頂点へ達した。  
「ポーラっ…出すぞっ」  
プーはそう叫ぶと、ポーラの膣内に、大量に汁を出したのだった。  
「きゃぁぁぁん!なんか来るよぉ!熱いのがぁっ」  
プーがずるりとペニスを引き抜くと、白い液体がポーラのそこからドロリと流れでた。  
 
ふたりは長い間空をみつめていた。  
今までの事、これからの事、色々な思いを胸に。  
「ポーラ」  
「?何?」  
「なぜお前は、かあさんの様な匂いがするのだろうな」  
プーは優しくほほ笑みながら、大きく骨張った手でポーラを撫でる。  
「プーのおかあさん?」  
「そうだな。…俺が生まれてから死んだから、顔は覚えていないが。」  
ポーラはきょとんとした顔を見せたかと思うと、ニコリと笑った。  
「へんなプー」  
滝の音が、暗闇に響いた。  
明日はもうこの肉体ではない。ポーラと、プーと、繋がった、カラダではない。  
「やはり怖いな」  
「うん…」  
ふたりは手を強く握りあった。  
死ぬかもしれない。魂が、なくなるかもしれない。  
だが今、感じあえるぬくもりは絶対だから。  
今日という日は確かにあったから。  
今はそれでいいよと、二人は立ち上がった。  
 
終わり  
 
 

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