(×××6巻43話後半)  
 
「…あきら、すげー気合い入ってるな。なんだ、ほんとに夜這いに来たんだ」  
「ちっちがっ これは…!」  
「声出すな。先生戻ってくるだろ」  
俺は暴れるあきらの口を手で押さえた。  
このフトンの中でどれだけの時間が取れるだろう。  
でも今しかない。やるか!  
「あきら…」  
 
光のないこの暗闇の中で、あきらは怯えるように体を丸める。  
俺は体をあきらに寄せ、軽く抱きしめながら耳元で囁いた。  
「お前はなにもしなくていい。俺にまかせろ」  
あきらは一瞬体をこわばらせ、と同時に小さく震えだした。  
当たり前だ。初めてだからな。  
俺は震えるあきらの髪に手をやり、軽く撫でる。  
「そんなにかたくなるな。力を抜け」  
「……そ、そんなこと言ったって…」  
今にも息絶えそうなか細い声で訴えかける。  
「お前、気合い入れて夜這いに来たんだろ。いいからだまってろ」  
声を低くして言い返すと、観念したのかそれまで胸の前を覆っていた腕を下ろした。  
 
 

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