城南学院大学  
 
「……でさあ、あっ」  
「ん?どうしたの〜?」  
「ほらほら、あれっ!」  
女生徒が指差す先に、一組の男女が歩いている。  
「は〜…いつ見ても絵になるわ〜」  
「そうよねぇ〜、成績優秀、容姿端麗、スポーツ万能おまけに誰にでも優しい、まさに理想の王子様よねぇ〜山田君……」  
「でも理想は理想よ、王子様の隣のお姫様にアンタが勝てるわけないでしょ」  
「無理よねぇ、鉛筆からロケットまで作ってる世界的大企業 篠原グループ総帥の御令嬢、篠原真奈美さんが相手じゃ…それにあの二人の間に入れる隙間なんてなさそう」  
「そういうこと、それに篠原さんなら納得させられて悔しい気持ちも沸いてこないしねー」  
「それにしても本当に仲の良い恋人よね、何の話ししてるのか気になる」  
「きっと庶民には理解出来ない話しに違いないわ、上流階級「同士」にしか通じない感じの」  
「そうよねー」  
これが二人を知らない者の見方だが、実際は…  
 
<上流階級と超貧乏の会話>  
「真奈美、リトル・ベーカリー新製品出したのか?」  
「ええ、でも流石は太郎さんですわ、パンの耳だけで分かってしまうなんて」  
「あそこのパンの耳ずっと食べてるからな、微妙な違いが分かるんだ」  
「で、味の方はどうでしたか?」  
「すごく美味かった!いつもありがとう、助かってる」  
「お気になさらないでくださいな、私は太郎さんのお役に立てて光栄ですわw」  
実際はこんなもんである。  
 
逆玉に乗った太郎だったが、以前と生活は得に変わらない。真奈美には援助がしたいと言われた物の、  
そこは太郎も男、女に援助してもらう訳にはいかないので「それだけは自分で何とかする」と断った。  
ただ真奈美も引き下がるつもりも無いので、いずれ結婚して家族になった時は、家族に苦労はさせたくないと宣言、  
太郎もその時には受け入れることにした。  
太郎と真奈美が恋人になってもうすぐ四年、今や二人は婚約までしていた。  
付き合いだしてすぐに娘の恋人がどんな男か気になった篠原父が太郎の身辺を調べ上げた結果、  
「なんと真面目で家族思いの青年だ!!」と感動、家柄などを気にする人ではない篠原父は  
さっそく真奈美に太郎を家に連れて来てもらい、太郎と真奈美の気持ちが本気なのを確認した後、  
太郎の両親、真奈美の両親立会いの下で婚約させられたのだ、あまりに性急だったので太郎が抗議すると  
「だって…ママは太郎ちゃんと真奈美ちゃんのことを思って……ママ余計なことしたの?ママのこと嫌い?」  
うるうると涙を溜めて今にも泣きそうになる母ちゃん、だがここは引き下がれないとささやかな反論をする太郎。  
「うッ、け、けど真奈美の返事も聞かないと」  
待ってましたわ、とばかりにニコニコ笑顔で答える真奈美。  
「私は太郎さんとの婚約、嬉しいですわw」  
その言葉にビックリする太郎に、さらに追い討ちを掛ける父二人。  
「婚約は成立ですな、いやぁ〜めでたい!ああ、太郎君これからは私のことはお義父さんと呼びなさいw」  
「あ、真奈美ちゃんも父ちゃんって呼んでくれ、良かったな太郎!こんな美人と婚約だぞっ!」  
「まぁ、お義父様ったらお上手ですことw」  
最後に太郎は篠原母を見た、ただ真奈美のようにニコニコと笑っている。  
その笑顔は、すでに母が我が子に見せる笑顔そのものだった。  
「…………」  
こうして全周囲を包囲された太郎は真奈美と婚約、現在に至る。  
 
「あ、太郎さん、今晩時間は空いてますか?」  
「え、うん空いてるけど…どうしたんだ?」  
「実は、父がお仕事でしばらく家を空けることになりそうなので久しぶりに太郎さんと夕食を共にしたいと」  
「いいよ、じゃあ一旦家に帰ってみんなの晩飯作ってから真奈美の家に行くから」  
「それでしたらご心配なく、父の都合で太郎さんを招待したのですから私が手配をしておきます」  
この日、山田宅に届いた「出前」は有り得ない出前だったとか。  
 
夕食後、篠原父は太郎に今日は家に泊まって行くように言い、仕事の都合で出掛けて行った。  
二人きりになった太郎と真奈美は、真奈美の部屋でいつものように愛し合う。  
一つだけ、いつもと違うのは今日は危険な日であること、通常危険な日はセックスをしないようにしているが  
この日はせっかく真奈美の部屋で泊まるのに、しない訳にもいかない。  
というよりも同じベッドで寝る二人に我慢できる訳がない。  
危険日で避妊具も無いが、この四年、危険日を避け続けたとはいえ数え切れないくらいに体を重ね続けて、  
一度も妊娠していないから一回ぐらい大丈夫だろうという考えも有り、太郎と真奈美はセックスをすることにしたのだ。  
 
太郎は真奈美の脚を抱えると、陰茎を膣口に押し当ててゆっくりと挿入していく  
「あ…あぁぁ…」  
真奈美の甘い声を聞きながら、一度最奥まで入れてから止まる。  
温かい真奈美の膣に太郎の陰茎は優しく包み込まれて、太郎はこのままじっとしていたくなった、が、  
しばらくじっとしている太郎に真奈美の方が少し体を動かすと、  
与えられる刺激に今度はじっとしていられなくなり、太郎は微笑む真奈美に軽く口付けると  
ゆっくり腰を動かして抽挿を始めた。  
 
「っあ……んんっ……はぁ……あぁっ……」  
膣内を擦り上げられ、気持ち良さげに喘いでいる真奈美の豊かな胸に、彼女の肩から髪が流れ落ちて乳房を隠す  
太郎は真奈美の乳房を隠した長い髪を、手で彼女の背に戻して胸を揉みしだく  
「あっ…はぅっ……んっ……んっ…あぅっ…」  
手に納まらない豊かな胸は、初めてセックスをした頃よりも明らかに大きくなっている  
真奈美との時間の流れを感じながら、太郎は自分と交わり喘いでいる愛しい恋人を見る  
腰まで届く長い髪は、ベッドの横のテーブルにある薄暗いランプの明かりによる反射で輝き  
同じくその白い肌に浮き出ている汗も輝き、とても綺麗だった。  
真奈美に見惚れながらも腰を動かし続ける太郎、そんな太郎の視線に気づいた真奈美と目が合う  
見つめ合いながら、引き合うように互いに顔を近づけて口付けを交わす  
「んっ、んん、ふ、んむっ」  
先程の軽い口付けとは異なり、互いに舌を絡ませ合い、口の中まで舐め合う情熱的なキス  
 
数分、数時間、時間の感覚がまるで無くなったかのような錯覚を覚えながら口付けと抽挿を繰り返し、全身で愛し合う二人  
このままいつまでも愛し合っていたいというのに二人の体は言うことを聞かず、限界へと上り詰めていく  
太郎は大きく腰を動かし陰茎全体を使い膣内を擦り上げていく  
真奈美もまた奥へと促していき こつん こつん と太郎自身が子宮口を小突いて来るのが分かった  
やがて耐え切れなくなった太郎は、危険日ということで外に出すか、中に出すかを迷った  
本音を言うと最後まで真奈美と繋がっていたいし、中に出したいのだがやはり迷ってしまう  
だがもう時間が無い、そんな太郎の背中を真奈美が とんっ と押した。  
「あッ、あッ、た、太郎さんッ、中にッ、中にくださッ、」  
真奈美は太郎に中で出すように伝え、太郎の腰に脚を絡みつかせ  
太郎は真奈美に答えて、最後に力いっぱい腰を突き込み、真奈美の最奥  
子宮口の中まで先端が突き上げた所で、子宮に直接精液を一滴残らず注ぎ込んだ。  
「あッあああぁぁぁ〜〜ッッ…」  
真奈美と抱き締め合っていたので、絶頂の声が大きく耳に聞こえる  
中に出してその心地良さに浸りながら、太郎は真奈美の体力が回復するのを待って「もっとしたい」と言った。  
真奈美もまだまだしたいので繋がったまま二人は再び愛し合う  
結局その後、二人は5回もしてしまった。危険日のことは1回目の絶頂と共に忘れていたので5回全部、中に出してしまっていた。  
 
 
とある日曜日、この日太郎は昼から真奈美と出かける予定だったのだが、朝早くに真奈美に呼び出された。  
真奈美の家に行くと自分の部屋で話したいとのことなので、真奈美の部屋で話しをすることに  
「で、急ぎの話しって何だ?」  
「実はその………三ヶ月だそうですわ…」  
「…………………………え?…」  
太郎と真奈美の間に「一人目」の子供が出来ました。  
 
 

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