ハナちゃん。着いたよ起きて。」
夏希先輩に起こされ目覚めるとミラノに到着していた。
「ふぁあぁ。よく寝たぁ。」
と気がつくと自分の服がいつの間にか着替えられていた。
「え?」
一瞬訳がわからずにぼんやりしていると
「ハナちゃんが爆睡してる間に僕が脱がせて着替えさせといたよ。」
「・・・!!!」
絶句するハナに涼しい顔の夏希が
「冗談だよ。一緒に搭乗させたスタッフにエステのフルコースとメイクをさせたんだよ。」
「見てごらん。」
スタッフらしき女性が持ってきた鏡に写ったハナは、
すっかりつるつるぴかぴかの肌に派手過ぎないメイク、
そして夏希の用意した淡いワンピースを着ていた。
「ハナちゃん。本当に13時間起きないんだもの。ここまでくると才能だよね。」
「はい。この靴履いて。」
専用ジェット機から降り立つとそこは本当にミラノだった。
「おいしいものを食べる為だけにミラノ・・・。金持ちは解からん・・・。」
空港からリムジンでホテルに到着する。
「今日はもう遅いからホテルのレストランのディナーで許してね。
明日は観光しながらおいしいものたくさんご馳走するよ。」
「どうしたの?」
「先輩・・。ちょっとこういうの履き慣れなくて・・・。」
夏希から渡されたハイヒールはかなりヒールが高くよろよろとおぼつかない足取りになってしまう。
「はい。どうぞ。」
極上の笑みで夏希は腕を差し出した。
「あの・・・、ありがとうございます//。」
照れくさい気持ちもあったが背に腹は変えられない。
よろよろと頼りない足取りで夏希の腕を借りながら歩くハナを夏希は愛しい眼差しで見つめていた。
わぁぁ。すごいベット!夢のよう!!」
最高級のベットに埋もれうとうとするハナに
「ハナちゃん。先にシャワー使わせてもらったよ。
ハナちゃんも入ったら?。」
バスローブ姿の夏希の声で目が覚めた。
「先輩!いたんですか?て・・・同じ部屋で寝るんですか!!」
「そうだよ。こんなに大きなベットなんだしいいでしょ?
泉とだって何度も一緒に寝てるじゃない。
まあ。僕は泉みたいなへたれじゃないから、ご馳走の代償はしっかり頂くけどね。」
夏希はベットの上のハナを見つめながらバスローブを解き近づいてくる。
「え?あの・・・、夏希先輩。代償って・・・。」
木綿子ーーーー!!!!
今更ながら自分の母親にしてやられたと悔やむハナだった。