「ジュリオはナユタとラブラブなのにゃ〜羨ましいのにゃ〜」  
サーカスのテントに戻りナユタ1人、ジュリオがトロに言った発言を思い返していた。  
その時は気恥ずかしさも手伝い、その事を否定しジュリオを攻めたが、  
今、こうして1人になって考えてみると、その事に対して決して悪い気はしなかった。  
(でも、あの時、言ったジュリオの言葉…本気で言ったの?)  
ジュリオが冗談でそう言う事を言う性格だとは思えない、寧ろ正直過ぎる位の性格だと思う、  
だが急にその様な事を言われても今一つ実感が沸かないでいた。  
ボーッと過ごしているとけたたましいドッティの声が響き、  
何事かと思い立ち上がり辺りを見回すと、ドッティがジュリオに掴み掛かっており、  
それをゴフレとアルベルトが間に割って入り止め様とし、マレーネはドッティを煽っていた。  
ナユタは詳しい情況を知る為、近くでオロオロしていたティコを捕まえて詳細を聞いた。  
「一体、何があったのティコ?」  
「あ! ナユタ聞いて!」  
ナユタは怯えるティコを宥めながら詳細を聞いた。  
とあるルートからドッティはジュリオがナユタに告白をしたと聞き、  
烈火の如く、怒り狂ったドッティはジュリオを見付けるなり現在の状況になったと言う、  
冷静になって状況を改めて見るとドッティ1人が熱くなっているだけであって、  
ジュリオは完全に巻き込まれたと言う状況であった。ナユタは呆れた表情で溜息を1つ吐くと、  
2人の間に割って入りドッティを止めた。  
「止めないで下さい、麗しの黒髪の人よ、私はこの愚か者に制裁をですね…」  
「もう勝手に1人で盛り上がらないでよ! あれはジュリオが勝手に言っただけ!」  
「それは本当ですか?」  
「そうよ! トロに聞かれて、その場でトロに合わせただけよ!  
つまらない事で騒ぎを起こさないで! いい加減にして!」  
ナユタは腰に手を当てジュリオとドッティを睨み付けた。  
騒ぎが収まったのを確認すると、アルベルトとゴフレは自分の仕事に戻り、  
マレーネはつまらなさそうに自分の部屋へと帰って行き、  
ティコも同じ様に部屋へ戻った。その場が静かになると俯いていた  
ドッティは突如とし勢い良く立ち上がり狂った様に笑い始めた。  
「そ、そうか、そうだったのですね…そうですよね…あんな、人間様の言う事、  
何一つまともに理解出来ないチンカスに言う事が真実な筈ありませんよね…  
ハハハ、私がバカでしたよ、麗しの黒髪の人!」  
「ちょっと、何なのよ、それアンタ、バカ?」  
「いや、私は必ず貴方を物にします。それでは失礼します。麗しの黒髪の人!」  
 
話を全て終える前にドッティは無意味にテンションが上がった状態で何処かに消えていなくなった。  
その場に残されたのはジュリオとナユタのみになった。  
「何なのよ、一体?」  
「まぁドッティは今は無い、良スレの常連だったと聞いたから…あの発言は…」  
「そんな事、聞いていないわよ!」  
苛立っているナユタは思わずジュリオに対して怒鳴り散らした自分の眼前で  
申し訳なさそうにしているジュリオを見てもナユタには怒りしかなく、  
静寂がそれを更に悪化させ、強引にジュリオの手を取ると外に連れ出した。  
「ちょっと、来て!」  
「わ! 何、ナユタ?」  
ナユタはジュリオの意見も聞かずに強引にテントの外へと連れ出した。  
ずっと強い力で引っ張られ続けて、ジュリオが解放されたのは誰もいない森の前であった。  
人が居ないのを確認するとナユタは怒声が混じった声でジュリオに話し始めた。  
「何であんな事を言ったの!」  
「あんなって…」  
「昼間、トロに言った言葉よ私達、別にそんな関係ではないでしょ!」  
「僕は…」  
「それとも何? 私をからかって楽しんでいるの、だったら私、ジュリオの事、  
大ッ嫌いになるから!」  
「ちょっと待ってよ! ナユタ!」  
意見を言う間も無くまくしたてて話し続けるナユタをジュリオは肩を掴んで強引に止めて  
真剣な眼差しで話し始めた。  
「そんな事、僕はしないよ、ナユタだって知っているでしょ僕の性格は」  
「そんなの分かっているわよ、もう結構な付き合いなのだし…」  
「じゃあ、あの時の発言だって分かるでしょ?」  
「え…それって…」  
ナユタは先程までの勢いは消えてなくなり真剣なジュリオの瞳に吸いこまれそうになりながら  
ジュリオの言葉を待った。  
「真剣に聞いてナユタ、ずっと旅をしてきて僕は気付いたのだよ、  
僕はナユタの事が世界で一番、大切な存在だって…出来る事なら僕はずっとナユタと  
一緒の時間を過ごしていたいと思っているのだけど、ナユタはどうかな?」  
ジュリオは顔を赤らめながら一字一句、丁寧に自分の思いを伝えた。  
ナユタは突然の告白に目を大きく見開いて驚き、  
どう対処して言いか分からない状態に陥っていた。  
「ゴメンね、突然、こんな事を言って、そうだよね空気読めないで発言する僕みたいな男、  
嫌いだよね、ゴメンね、でも仲間ではいさせてね、じゃあ、又、明日ね…」  
その場に居るのが辛くなったのかジュリオは逃げる様にテントへと戻ろうとしたが、  
ナユタに袖を掴まれて動きを止められた。ナユタは顔を赤らめ俯き普段、  
見せない女の子らしい表情でジュリオを見つめていた。  
「ナ、ナユタ?」  
「ジュリオ、待って、えっと…あ、あのね…」  
 
ナユタはモジモジとしながら必死になって言葉を捜していた。  
ジュリオを待たせてはいけないと思い、慌てて話し始めた。  
「あの私良いよ…」  
「ナユタ…」  
「ジュリオが私に対してそう言う感情を持っていた事、私、物凄く嬉しい…  
私も同じ気持ちだから…だから…」  
言葉に詰まったナユタは強引にジュリオを自分の元へと持って行かせて力強く  
ジュリオの体を抱き締めた。  
「私もジュリオの事が大切! 大好き! ずっと一緒に居たい!  
ありがとうね、私の事、好きだと言ってくれて…」  
ナユタは思い付く限りの言葉で自分の気持ちを伝えた。その顔は羞恥で真っ赤に染まっており、  
これからどうして言いか分からず困惑も含まれていた。  
膠着していた状態を切り開いたのはジュリオであった。  
「良いよ、ナユタの言いたい事は全部、分かるから…」  
ジュリオは耳元で小さく囁くと今度は自分が抱き止める形として、  
ナユタを安心させたナユタはジュリオから伝わって来る心地の良い体温を確りと体で感じ、  
昂ぶっていた感情を静めた。5分程の抱擁であったがナユタにはそれが永遠に感じ取られた。  
離れるとジュリオはナユタに背を向けテントに戻ろうとした。  
「じゃあ、そろそろ戻らないと皆、心配するからね」  
ジュリオは帰ろうとしたがナユタは再び袖を掴んで離そうとしなかった。  
「な、何ナユタ?」  
「ジュリオ、ありがとう、本当に嬉しいよ、でも言葉だけでは私、足りないよ…  
だから…分かるでしょ?」  
そう言うとナユタは静かに目を閉じて唇を前面に突き出した。  
それが何を意味している物なのかジュリオは即座に理解をして自分も目を閉じ、  
ナユタの唇に自分の唇を重ね合わせた。  
それは数秒の短い出来事であったが2人にとってそれはとても長く感じられ、  
お互いが離れた瞬間、2人は気恥ずかしそうに笑い合い、改めてテントに戻ろうとした。  
今度はナユタも付いて行ったが、ジュリオの隣でナユタは一言、小さく言った。  
「続きはジュリオの部屋でね…」  
それだけを言うと、ナユタは顔を赤らめて俯き、そのままテントに付くまで黙りこくっていた。  
ジュリオも言いたい事は分かったし、  
ナユタが望むのならば覚悟は出来ていたが想像する事さえ恥ずかしく、  
終始、無言のまま2人はテントへ向かった。  
 
テントに戻りジュリオの部屋に二人は入って行った。  
他のメンバーは全員、眠っており、  
ジュリオもナユタもするとは決めたが何から始めて言いか分からず困惑をした。  
きっかけを作り出したのはジュリオであった。ジュリオは少ない知識を精一杯、  
活用してナユタにキスをした。  
しかし、それだけでは終わらずジュリオはナユタに自分の舌を捻じ込んだ。  
最初は驚き目を大きく見開いたナユタであったが、次第にそれを快楽に感じ取り、  
そのままジュリオの舌を感じ取った。  
やがてそれだけでは満足しなくなったのか自分の舌もジュリオの口に入れ、  
互いの唾液を味わいながら2人は気分を高めていた。  
深いキスが終わるとジュリオの手はナユタの胸へ当てられていた。  
「あ、や…」  
恥ずかしそうに声を上げるが決して行為を拒否しようとはせず、  
そのまま受け入れた。ジュリオは服の上からナユタの胸を感じ取り、  
自身を興奮させ、ナユタに快楽を与えた。服の感覚がわずわらしくなったのか、  
ジュリオはナユタの服に手を掛け脱がそうとしたが、それはナユタに止められた。  
「待って…自分で脱ぐから…」  
ジュリオは逸る気持ちを抑えて一旦、ナユタから体を離した。  
ナユタは多少モジモジとしながらも自分の服に手を掛けて行った。  
始めに足へと掛かっているタイツを取り、続いて腕に掛かっている布とベルトを外した。  
少しづつ露になって行くナユタの体にジュリオは我を忘れて興奮し魅入っていた。  
「ジュリオは脱がないの…」  
不安そうなナユタの声でジュリオは正気を取り戻して慌てて自身の服に手を掛け、  
脱ぎ捨てて行った。  
重要な部分を前にナユタは固まっていたが露になって行くジュリオの体に興奮を覚えて、  
ジュリオが最後の1枚に手を掛けた時、自身も脱がなくてはいけないと言う感覚に囚われ、  
思い切って胸に手を掛け覆っていた物を取り始めた。  
中から現れたのはまだ発展途上中ではあるが確かに女性の膨らみを持った柔らかな胸であった。  
このままの勢いでナユタはパンツにも手を掛けショーツ事、下ろして行った。  
覆っていた物を全て取り払い出て来た物は僅かに産毛が生えた程度の恥毛に女性の色香を放つ精器であった。  
既に全裸になっていたジュリオの物は素直な反応を示しており、  
それにナユタは驚きと同時に愛しさも感じ取った。最後に髪を纏めていた髪留めを取り、  
そのまま下ろすとナユタもジュリオも生まれたままの状態となりお互いの姿に見惚れていた。  
 
「綺麗だよ、ナユタ…」  
「嬉しい…ジュリオも素敵よ…一杯、感じ合おうね…」  
お互いに歩み寄り抱き止めると、そのまま2人はジュリオのベッドに倒れ込んだ。  
ジュリオが上となってじっくりとナユタの体を味わう形となった。  
始めに目が入ったのは胸であった。ジュリオは素肌の胸を自身の掌で弄び、  
感じ取った。ナユタはジュリオの手を感じ、快楽に身悶えながらも素朴な疑問をジュリオにぶつけた。  
「ねぇ、ジュリオも胸、大きい方が好き?」  
「何なの、突然?」  
「良いから答えて! 私、マレーネみたいに大きくないから…」  
「そんなの関係無いよ、ナユタの胸だから僕はこうしたいのだよ」  
ジュリオは手だけで満足出来ず、口と舌でも刺激を与えてナユタを攻撃し続けた。  
「いや、そんな…ジュリオ、あ!」  
ナユタはジュリオが与えてくれる快楽に何も出来ずに只、身悶える事しか出来なかった。  
胸がジュリオの唾液塗れになるとジュリオは次にナユタの恥部に興味を持って、  
体を下ろし恥部に顔を埋めて舌で刺激を与えて行った。  
「ダメ! あ、あ、そんな…舐めたら…」  
舌が奥深くを刺激して行く度にナユタの体には電流が走る様な襲われ、身悶えた。  
ジュリオはナユタの反応が面白く入れられる所まで舌を捻じ込んでナユタを刺激し続けた。  
「嫌、ダメ! 私、おかしく…アアー!」  
ジュリオの攻撃に耐え切れずナユタは絶頂に達した。  
行き付く所に行き付いたのを見るとジュリオは顔を恥部から離してナユタの顔を見つめた。  
「平気、ナユタ?」  
「う、うん…」  
「じゃあ、そろそろ、僕ももう限界…」  
そう言い、自分の怒張をナユタの恥部へと持って行き、1つになろうとジュリオは試みた。  
「ダ、ダメ、待って、まだ…」  
入れようとする物をナユタは両手で止めて、足を確りと閉じ拒否をした。  
「僕とするのは嫌?」  
「違うの聞いて!」  
「何?」  
「ジュリオ、私の様な肌、どう思う…白い方が良いよね、例えばぺティちゃんの様に…」  
ナユタは震える声で話したが、ジュリオはナユタが自分との行為を拒んでいた訳ではなく、  
只、不安がっていただけであると知ると、自分の額をナユタの額に軽くぶつけ安堵感を覚えさせ、  
ゆっくりと安心させる様に話し始めた。  
「そんなの僕は気にしないよ」  
「でも…」  
「僕はナユタの肌、好きだよ、チョコレートみたいで美味しい」  
そう言い、ジュリオはナユタの胸にある桃色の頂きに軽く触れるだけのキスをした。  
「嫌! そんなチョコだなんて、あ!」  
「大丈夫、不安がらないで出来るだけ優しくするから」  
 
再び、ジュリオは行為に及ぼうとした。ナユタは拒否する事無く、  
顔を両手で隠しながらもジュリオを受け入れた。  
ナユタの意志が確認出来るとジュリオはそのまま自身をナユタの中に押し込んで行った。  
卑猥な音と共にジュリオの物はナユタの中へと吸い込まれて行った。  
ナユタの表情を見たが、多少、苦痛に顔を歪めながらもその表情は続行を望んでいた。  
ナユタの願い通り、ジュリオはそのまま自身を全て入れ2人は1つになった。  
「平気、ナユタ?」  
「大丈夫、ちょっと変な感じだけど耐えられない事も無いから…」  
「そう?」  
「私、もう平気だから動いて…」  
ナユタの言う通り、ジュリオは出来るだけ傷付け無い様にゆっくりと腰を動かした。  
こうなるとナユタにも快楽は感じ取られて来た。  
「ん、うあん、ふぃう…あ…」  
ナユタの声は痛みに苦しむ物ではなく完全に快楽を感じ取る物に変わっていた。  
自分の下で素直な反応を見せるナユタが愛しくジュリオは更に腰を強く動かし  
自身とナユタに快楽を与えた。  
「ん! あう! 良いジュリオ…もっと動いて! あ!」  
「はぁはぁ良いよナユタの中…気持ち良いよ…」  
ジュリオは完全にナユタの中に夢中で掻き回した。  
ナユタもジュリオが与えてくれる快楽を全身で感じ取る事に全ての神経を集中させ、  
ジュリオを感じ続けた。だが至福の時は長く続かず、共に限界が近付きつつあった。  
「ナユタ、僕もう!」  
「はぁはぁ、私も…又…ジュリオ…そのまま来て…」  
ナユタの願い通りジュリオはナユタが自分を強く抱き締めると同時にナユタの中に滾った物を全て爆発させた。  
ナユタは自分の中に流れ込んでくるジュリオにも快楽を感じ、熱い体に全てを任せた。  
「ジュリオ…キス…」  
キスのおねだりをジュリオは快く受け入れジュリオと深いキスをするとナユタは満足した様に微笑み、  
そのまま眠りに落ちた。  
結局、2人が目を覚ましたのは明け方であり裸で眠り合っていた2人は慌てて自身の服を  
身に纏い他のメンバーに気付かれない様、ナユタは部屋を出て行った。  
それから10分程してジュリオも部屋を出て他のメンバーが待つ広場へと行きミーティングに参加をした。  
「遅いですよ、ジュリオ」  
アルベルトは時間ギリギリで現れたジュリオを少し責めた。  
それを快く感じられなかったナユタは慌ててフォローに入った。  
「ちょっと、待って、アルベルト! まだ時間はあるではない!」  
軽く注意をしただけなのに異常な反応を示すナユタに一同は驚きを見せたが、  
そんな中、マレーネだけはナユタが確りと掴んでいるジュリオの手に感づき、  
笑顔を浮かべるとナユタの肩を力強く叩いた。  
「そうか、そうか! 等々、やったね! ウン! 存分に愛し合って良し!」  
マレーネの大胆過ぎる発言にジュリオとナユタは顔を真っ赤にして恥ずかしがり、  
アルベルトとゴフレは聞こえない振りをしてその場をやり過ごそうとし、  
ティコは何が何やら分からず困惑の表情を浮かべ続けていた。  
その中で一番の問題であるドッティはと言うと。  
「そんな! 私は悲しいですぞ! 麗しの黒髪の人よ〜」  
号泣しながらテントを出て行き遥か彼方へと消えて行った。  
マレーネの発言でミーティングが出来る状態ではなくなったのでアルベルトはジュリオを街へと連れ出した。  
店の前で待たされると大きな箱を持ってアルベルトは出て来てジュリオに手渡した。  
「まぁ貴方がナユタを思うのは自由ですが、我々に支障が出るのは困りますからね…注意だけはして下さい」  
アルベルトが渡した箱の中身を見ると、あったのは大量の避妊具であった。  
こうしてドタバタとした調子ではあるが一応、2人の仲は認められたのであった。  
 

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