ファンと会ってから1年と少し…私はファンの家に寝泊りするようになった…本来ならパートナーだとしても一緒の家で生活するなんて恋人とか夫婦の関係だろう…私から頼んだわけでもファンから頼まれたわけでもない。  
「リオ、ファン君の家で一緒に暮らしたらどうだ?」  
夕食を食べているとき、いきなりの父の言葉だった…最初は何を言ってるかと思った…ファンと一緒に暮らせなんて…でも言われた時…恥ずかしい気持ちになった。  
「ここから毎日朝早く、ファン君のファームに行くのも辛かろう、それに夜遅くまでモンスターの面倒を見るファンも大変だろうし」  
「で、でも!父さん!」  
「何をそんなに心配しておるんだ?父さんなら大丈夫だぞ、自分の事くらい出来る」  
違う、それもあるけど、ファンはブリーダーとしてのパートナーである前に男なのよ…一緒に暮らしてみたらといっても抵抗がある、それに父さんは娘の私をファンと同居させて何も思わないの?  
「ファ、ファンだって男の子なのよ…父さんは何とも思わないの…」  
「ファン君は大丈夫だよ、あの子はモンスター一筋で異性の事なんて頭に無い」  
異性のことが頭にない…それを聞いた時…ファンは私のことどうも思ってないの?そんな事を思ってしまった。何言ってるの、私…私だって別にファンの事なんか…  
「それにリオ、お前だってファン君とモンスターの近くにいたいのだろう?」  
「えっ!べ、別にファンは!」  
 
図星を疲れた様に慌てたリオを見てチェザーレは「ふふっ」と笑った、そして「まぁ、考えておきなさい」といった。  
結局、ファンと…違う!モンスター達と暮らす事になった。家を出る前に父は。  
「やっぱりファン君のことが気になるか?」と言った、私はそれを慌ててこう否定した。  
「ファンじゃなくてモンスターが気になるの!私がいないとモンスターが可哀想だから!」  
リオは父にからかわれたと思った、でも本当はファンが心配なのかもしれない…また私は何を言ってるの!ファンはただのブリーダーの…  
私は区切りのつけられない複雑な気持ちで家を後にした。  
 
「よーし!よく頑張ったぞ!」  
純血ドラゴンのジェネレイがサンドバックを激しく叩いてトレーニングをして頑張ったのでファンが褒めている。  
「ジェネレイ!次の大会優勝すればAランクになるぞ!絶対優勝しよう!」  
「グォォー!」  
ファンはジェネレイをポンポンと叩く、それに応えるかのようにジェネレイは咆哮を上げた。リオはそのやりとりをボケッとして見ていた、見慣れた光景なのに…どうしてだろう…。  
ファンは私と暮らしていて何も思わないの?私は貴方のこと…こんなに…。  
 
ファンの家は小さく、リビング、キッチン、トイレ、お風呂、そして一つの寝室だけだった…お世話になる初日、ファンは私に寝室を貸してくれた、自分はリビングで寝るって言って…でも今では一緒の寝室で寝てる…  
いつまでもファンをリビングに寝させるわけにはいかない、彼の家なのに…だから私は言ったの…  
私がリビングに寝るって!でもファンは「そんな!悪いよ!」と返答した…彼の家なのに彼は自分よりも私を気に掛けてくれた、このままでは駄目と思った、だから言ったの…  
なら一緒に寝室で寝ようって…もちろん布団は別々だけど…初めて一緒の部屋で寝た時、ドキドキして眠れなかった…でもファンはスースーと寝息を発てていた  
それを見てやっぱり私の事を異性としてみてないと確信した…正直ショックだった…ファンに女の子として見られてない事に…胸が苦しくなった…。  
「どうしたんだ、リオ?元気ないけど…」  
「!?」  
ファンが目の前にいる!私の顔を覗き込むようにして!顔に血液が集まって沸騰するような感じがした。  
「風邪?顔が赤いよ?」  
ファンが手袋を外すと手が私の額に当たる、心臓の鼓動が激しくなるのが分かった…。  
「んー、熱は無いけど…よしっ!俺が薬買ってくるよ!」  
違うの、違うの!風邪なんかじゃない!でも声が出なかった…出せなかった…。  
ジェネレイにファンが「リオの事見てて、直ぐ帰ってくるよ」と言ってるのが聞こえた…。道を走っていくファンの姿が小さくなっていった。  
 
かなりの時間が経つ…暇だった私はいつの間にかジェネレイに話し掛けていた。  
「ジェネレイ…私…」  
「グォォ(リオ、マスターが好きなんだね…)」  
「べ、別に…!」  
「グゥ(隠さなくても分かっている、リオがマスターを見る目…恋してるような目だから)」  
私が…ファンに恋している…そんなことない!ファンはただの…ただの…。  
「グォゥ(リオ…言ってみなよ…ファンに好きだって)」  
「だ、だから違う…!」  
「グォォ(いつまでも苦しんでる気?好きな気持ちを塞いでファンと一緒にいられる?)」  
それを言われると何もいえない…私、このままでいいの?…中途半端で…。  
「ググー(ファンだってリオが好きなはずだよ、時々リオの事をどう思ってるか教えてくれるんだ、聞きたい?)」  
私の事を…どういう風に…聞きたくて仕方なかった…でも聞きたいなんていえない…。  
「おーい!リオーー!」  
「グォォォー(あ、マスター!お帰りなさい!)」  
ジェネレイがファンに向かって走っていく、ファンはジェネレイに「ありがとう、リオを見ててくれて」とお礼を言い頭を撫でるとこっちに向かって来た、大きな袋と小さな袋を持って…。  
「ぜぇぜぇ…リオ、はい!風邪薬」  
ファンは小さな袋から買ってきた風邪薬を渡してくれた、息が切れるほどに走って、私の為に…買ってきてくれた…。  
 
「ほら、薬飲んでもう休んで」  
ファンがこんなにも気遣ってくれる…もう否定する気は無くなった…私はファンが好き…。  
「ファン…ありがとう…でも、私風邪じゃないの」  
「へ?ひょっとして俺の早とちり?」  
「そうみたい、ごめんね」  
へなへなと倒れこむファン…大きな袋がガサッと地面につく。  
「?…ファン、後何買ってきたの?」  
リオが袋の中を気にするとファンの顔が引きつる、いきなり立ち上がり後ろに下がった。  
「こここ、これは、そのぉ…一流ブリーダーになる為の本だよ!」  
一流…?ファンはもうSランクブリーダーなのになんで今ごろ?  
「ファン、それにどんなことが書いてあるの?」  
ファンが読むくらいなんだからとても凄い事が書いてあるのかな…でもファンが何で焦ってるの?  
「えええ、えーと…女の子に注ぐ愛情…じゃなくて!ドラゴンの上手な接し方とかぁ…」  
「グゥー(何でマスターそんなの買ってきたんだろうね?僕はマスターに不満なんてないのに」  
「そう…だよね」  
ジェネレイとリオが頭を傾げる、ファンはズリズリ後ろに下がっていくと家の中にダッシュで走っていってしまった。  
 
「あ、ファン!」  
「も、もう今日はトレーニング終わり!」  
バタン!ドカドカドカ!慌てて入っていったファンが家の中で激しく何かをしている。  
「グゥン(何なんだろうね?おかしなマスター、あーあ、それにしてもお腹すいた)」  
「あ、ならご飯にしようね」  
「グォォォー(わーい、ご飯ご飯♪)」  
ファン…本当に何買ったの…?  
リオとジェネレイは小屋に向かった、今日のご飯は骨付き肉、ジェネレイはバクバクと齧り付いていた。  
 
夜、小屋の中ではジェネレイがぐっすりと寝て、家ではファンとリオが夕食を済ませていた。  
「はぁー、美味かった、やっぱりリオの料理は美味しいな、俺は幸せだよ」  
「そ、そう、…ありがとう」  
私ったら何照れてるんだろう…いつもの事なのに…それにファンもそんなに褒めなくても…。  
「あ、お風呂沸いてるから先に入っていいよ…」  
「え、リオが入れてくれたの?」  
まるで夫婦みたい…馬鹿馬鹿…何で夫婦なのよ…まだ恋人にも…って私の馬鹿馬鹿。  
頭をぽかぽか叩いているリオを見てファンが不思議そうな顔をした。  
「それじゃあお言葉に甘えて先に入るね」  
「え?あ、ええ…どうぞ」  
ファンは鼻歌を歌いながらお風呂場へ向かっていった。一人になったリオは食器をキッチンに持っていき洗物をし終えると今度は寝室に向かっていった。  
 
「布団を直してあげよう…ファンったら寝返り打ってぐちゃぐちゃにして…ふふ、父さんみたい」  
リオはファンの布団を正そうとしたその時、ガサッ!何かが布団の間から落ちた…それはファンが買ってきた袋に入ったままの一流ブリーダーの本?だった。  
あれ、何でこんな所に…ちょっとぐらい見てもファンは怒らないよね…  
がさごそ、リオは袋から丁寧に出すと本の裏だった、リオはそれをひっくり返すととんでもない題名の本が目に飛び込んできた。  
「女の子に注ぐ愛情…何…これってHな…本…」  
表紙は可愛らしい女の子がおねだりのポーズをしておりとてもいやらしい…。  
「嘘…ファンが…こんな…の…」  
リオの頭は真っ白になった。父さん…ファンはモンスター一筋じゃなかったの…。ファンに裏切られた気持ちになる…でも…いい意味で裏切られたような感じもした。  
「………ごくっ…」  
リオは本に手をかけた、目を瞑り中のページを捲ると恐る恐る目を開けた。  
「!!!」  
リオは声を失った、そこには表紙の女の子が淫らな姿で写っていた、胸を男に揉まれ秘所を弄ばれている。  
はじめて見るHな本…リオが想像したよりレベルが高く、残酷にも彼女の身体に快感を与えた。  
「もし、もしも…ファンに…こんなことされたら…」  
今度は女の子が男に見せ付けるようにして「自慰」をしている、男のほうもそれを見ながら性器を扱いている。リオはその自慰をまだした事が無かった…。  
またページを捲る、リオは更に驚愕した…男の性器が女の子の性器を蹂躙している…女の子の性器からは白く粘々したような液体が溢れ出している…精液だ…。  
「ああぁ…あああ…」  
あまりにグロテスク、あまりに非道、捲る捲るごとに男性に弄ばれる女の子…ファン…貴方は…私のことも…こんな風に見てるの?  
 
リオは見てはいけないものを目に焼き付けると袋に丁寧に入れ最初にあった布団の間に戻すと布団も最初の状態にした、そう見つかってないように見せかける為に。  
「あー、さっぱりした!」  
ファン!もう出たの…な、なるべく平静にしてないと…  
「リオー!出たよー!あれ?いない…キッチンかな?」  
寝室から出た…ファンも私がリビングに戻ってきた事に気づいた。  
「ファン…いつもより早かったね…」  
冷静に冷静に…いつもどおりに…  
リオは自分に何度も言い聞かせた、でもファンを見ると思い出してしまう、あのHな本を…  
「うん、今日は早く寝たくて、リオもお湯が冷めないうちに入りなよ」  
私の頭に響くようにファンの声が聞こえる、私が入ってる最中にファンは…あの本を見て興奮するのかな…  
「分かった…それじゃ…」  
「どうしたの?やっぱりどこか具合悪いの?」  
ファンの心配を無視するかのように私は浴室に向かった…服を脱いでいる時も…身体を洗っている時も…離れない…あの本の中身が…私を縛り付けるように…  
そしてもう一つ…離れない事があった…あんな本を買うファンの事…。ファン…私の身体には興味が無いの…?  
そんないやらしい思いを振り払おうとしても何度も何度も雑草のように生えてくる…思いは根をはリ、もうどうしようもないほど心という草原は荒れている。  
指が動く…勝手に…ファンの指…いいえ、私の指…でもファンの指が私の身体を走るようになぞってくる…そう思わないとこの火照りは収まらない。初めての…自慰…私の性器に近づくにつれ恐怖と不安が襲ってくる、でもそれも最初だけだった  
指が性器の周りに触れる…ゾクゾクと快感の波が押し寄せる。  
 
「ああ…ファン…ファン…」  
私…彼の名前を言っている…そんなことはどうでも良かった…ファンに弄られている…ファンが私の痴態を見てる…妄想すればするほど快感は大きくなっていく。  
「嫌ぁ、もっと触って…終わりにしないで…」  
不潔…不潔…ファンを思いながらしている私…弄れば弄るほどファンに虐められたい気持ちが溢れる。  
「ふぅん…そこぉ…いいの…!」  
身体に大きな電流が流れた、汚い…お尻の穴に…指を入れた…意識が飛びそうな…感じ…ファンの…いえ私の指が出てくる体液でべチョべチョになっている、ファンの精液…そんな風にも見えた…。  
「あぅ、も、もう身体が、飛びそう…ファン、飛んじゃうよ…んーーあーーーー!」  
何かが私の性器から勢いよく飛び出した…止めようという意志に反して3,4度体が反り返る…。余韻が無くなると頭の中はさっきとは違って冷静になった…、今した自慰が鮮明に蘇る  
乱れていた私、指で性器とお尻の穴を蹂躙してた私…そしてその相手がファンだった事…。  
「私、とてもH…嫌…」  
自己嫌悪した…でもファンもいけないような気がする…私をこんなになるまで惹き付けておいて…その想いにも気がつかないファン…。  
「ファンの馬鹿…」  
私は自慰行為が終わるといつも通りに身体を洗いお風呂から出た…。髪を乾かし…リボンを…何で寝る前なのにリボンをするんだろう…。  
リオ!似合っているよ!そのリボンが特にね!ファンのブリーダーのパートナーになる時の彼の言葉。置いてあったパジャマに身を包むとファンのいるリビングに向かった…。  
「…ファン?」  
リビングにいない…もしかして!…寝室…。  
私は寝室に向かった…人の気配がする…ファンなの…?ゆっくりと気がつかれないように…。ギィィ…。  
「ファン…やっぱり…」  
そこにはファンがHな本を開いて見ていた…ズボンを履いておらず右手はしっかりと…彼の…。  
悲観になった私は…わざと物音を発てた…。  
 
「!!…リオ…?」  
ファンが慌てて本を隠してズボンを履くと私のいるドアの方に歩いてきた…私は急いでリビングのソファーに座ると何も無かったようにしていた。  
「リオ…い、いつ出たの?」  
「さっき…どうしたの?そんなに慌てて?」  
ファンの顔が引きつる…知っているの…貴方が自慰をしているのを…。  
「えっ…いや、今日買ってきた本を読んでいたんだよ」  
「私にも見せてくれる?その本?」  
今度は青ざめる…無理も無い…Hな本を見せるわけにもいかないから…そうだよね…。  
「お、面白くないよ!リオには…」  
面白くない…面白くないよ…だってファンは私を見てくれない…怒りが爆発した…本音と秘密が出てしまった。  
「知ってるの…ファンが…Hな本読んでいる事」  
「ななな、何言ってるんだよ!」  
…ファンが真っ赤になっている…私は心では恥ずかしいと思っているけど身体は正直だ…。  
「ファン…私ってそんなに魅力ない?」  
「そ、そんなこと無いよ!リオはとても魅力的だよ!一生懸命だし!モンスターの世話だって…!」  
「違うの!そんなことじゃない…ファンは女の子の…私の身体とか…興味ないの…?」  
私…変なこと言ってる…まるでHな娘じゃない!…Hかも…。  
「やっぱり具合が悪いの?おかしいよリオ!いつものリオじゃないよ!」  
おかしくない!私はファンに愛されたいだけ!気持ちを抑えてる私の方がおかしい!  
「ファン…私…おかしくなんてない…ファンが好き…好きなの」  
目頭が熱い…頬が冷たい…泣いている…。好きなのに…ファンがこんなに好きなのに…どうして気づいてくれないの!  
 
「リ、リオ…先に寝るよ…」  
「ファン!」  
「ご、ゴメン…いきなりだからちょっと心の整理をしたいんだ…」  
ファンは逃げるように寝室に戻っていった…何で!私のこと嫌いなの…ファン…。  
 
もう真夜中…私は眠れなかった…リビングで不安と戦っていた。  
「ファン…好きなの…ファン…」  
彼の名前を呼ぶ事で苦しさを紛らわしていたけど…不安は消せなかった…私は無理に寝ようと寝室に向かった。  
寝室に入ると彼がベットで寝息を発てている…無防備で…私は強い衝動に襲われた…。ベットに近づくと彼の後ろから添い寝をするよう毛布に入った。  
ファンの背中…1年前と比べるとモンスターと一緒にトレーニングしてたせいか私より身長が大きくなって子供だった身体もたくましくスマートになっていた…  
腕を腰に回し身体を密着させる…暖かい…ギュッとファンの身体を抱きしめる…  
私って卑怯…拒まれるのが嫌だから…こんなことを無理矢理して…。  
「う、うーん…リオ…俺も…リオが…好き…だよ…」  
吃驚した…起きてしまった…違う寝言だった…寝言?…ファンも私を好き…って今…、寝返りを打ったファンの顔が目の前に来る…寝顔…間近で見るのは初めてだ  
襲いたい気持ちを抑えて顔をまじまじと見る、ふと彼の唇が動く…キスしたい…いいよね?私のこと好きなんだから…  
 
「ん、ファン…」  
唇が触れた瞬間心臓が張り裂けそうだった…こちらからの一方的なキス…彼の唇を舌で舐めた。私の身体は熱くなって溶けそう…欲しい…ファンが欲しい…純粋な好意から欲望の好意に変わっていたの。  
「り、リオ…!」  
「ファ…ン…起きちゃったの…」  
「ど、どうして…なんでベットに…」  
彼の唇に何度もキスをしているとファンが本当に起きてしまった…彼の驚いた顔を見て私は今してたことが悪い事だと本当に気づいた、謝った…何度も謝った…。  
「ごめんなさい…ごめんなさい…」  
「り、リオ…そんなに謝らなくても…」  
ファンが私に優しく声を掛けてくれる…彼が寝言で好きだといってくれても私はいけないことをしたの…。自分の欲望で彼を襲ったのに…言い訳をした…彼に少しでもわかって貰えるように…また卑怯な事を…。  
「私、ファンが…好きで好きで…たまらなくて…抑えようとしても…抑えられなくて!」  
「分かってる…分かってるから!」  
「ファンが寝言でリオが好きって言った時…もうどうしようもなくて…嬉しくて…ごめんなさい!」  
嫌われる…イヤ!…嫌われたくない…私を変えてくれた人…私と一緒にいてくれた人…そして私が好きな人!嫌われたら私どうなっちゃうの…。  
「謝る必要なんてないよ…むしろ俺は嬉しいよ…リオがキスしてくれて…」  
「なんで…嫌いにならないの…?」  
「だって…寝言で聞いたんでしょ?俺もリオが好きだって…本当はさ、俺…リオに一目惚れしちゃったんだ…あの時…ユリにブリーダーのパートナーとして紹介してもらった時…」  
「一目惚れ?私を…嘘…」  
「嘘じゃないよ…リボンで結んだ髪が綺麗で…恥ずかしがっているリオが…可愛くて…その…好きになっちゃたんだ…」  
 
1年前から…ファンが…私を…それじゃあ…私は…ファンと相思相愛…なの…?  
「何で言ってくれなかったの…」  
「だって…怖かったから…リオに振られそうだし…俺なんて相手にしてもらえなさそうだから…」  
「そう…私と同じ…私も怖かった…ファンは私を見てくれてないと思ったから…」  
ファンの身体に人差し指で渦を書きながら私は言う、至福の極みだった…二人の気持ちが通じ合ったのが…恥ずかくてもどかしくて…、気がついたときには私は大胆になっていた。  
「ねぇ…ファン…Hしよっか…」  
私は布団の中から彼のHな本を引き出した、ファンの前でそれを開く、ファンは私の大胆さに驚いたのか、目を点にしてる。  
「こんなこと…したくない?」  
「り、リオ…で、でも俺達まだ…」  
「もう1年以上一緒にいるのよ…ただお互いが好きって事を知ってなかっただけ…知った今なら1年も恋人だってことでしょ…」  
頭はオーバーヒートしてた、身体が言う事をきかない…ファンっていう鍵が…本当の私の扉を開いてくれたから…。  
「ファン……私が好きなら…出来るよね?好きな人同士がする事なんだから…」  
「ごくっ…リオ…」  
 
 
 

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