(今日はちゃんと言おう、私を助手にしてほしいって・・・)
そう決めたにも関わらず、毎回毎回寸前で思いとどまっていた。
それは恐らく、ユリという存在も大きかったのだろう。
彼女には道具屋という本業があるから長くは出来ないだろうが、
実際彼女が居る時にその言葉を出すのは躊躇われたのだ。
「G、おはよう・・・」
この声に、シャドウをしていたガルゥは歩み寄ってきた。
「頑張ってるね、でも・・・無理しちゃ駄目」
何を血迷ったのかファンは最初のガルゥにGと名付けた。
単純にガルゥのイニシャルだと思いたいが、
元ネタがゴ○ゴ13だったりポン○ッキーズだったりしたら、私の躊躇う理由が増えてしまうだろう。
「ファンは・・・何処に居るのかな・・・?」
あっちに行ったというニュアンスでGは指を差した後、訓練を再開した。
Gに教えてもらった通り、家の裏へと足を運ぶ。
気のせいか、モンスターのものじゃない荒い息遣いが聞こえてくる。
(誰だろう・・・多分、ファンとユリだと思うんだけど)
今までファンにきつく接してきたこともあり引け目を多少なりとも感じたリオは、そーっと様子だけを覗く。
仲良く他愛無い会話をしている、とかそんな類であればリオは今日も話せず帰っただろう。
だが、ソコで行われていたのは「仲良く他愛無い会話をしている」なんて程度のものではなかった。
「んっ、ふぅっ、あむっ・・・ごひゅじんさまぁ、どうでふかぁ・・・?」
「もっと下の方も舐めろ・・・あと、咥えたまま喋るなよ」
「ごめんなふぁーい」
「だから喋るなってのに」
(・・・!?)
ファンの股間にそそり立つ一物をいとおしむように、そして一心不乱にしゃぶるユリの姿。
性の知識に極端に乏しかったリオは、何をしているのかさっぱり分からないまま、
ただ何か異様に惹きつけられる物を感じて行為を見続けた。
(ファンとリオ・・・だよね、何してるの・・・?怖いのに、何で目が離せないの・・・?)
何をしているのか、怖いけど興味があった。
もう少し、前に・・・大丈夫、きっと見つからない。
そんな思いは脆くも崩れ去ろうとした。雨上がりだったのが災いしたのだろう。
水滴がリオの背中に滴り落ち―――
(ひゃぁっ!?)
がさっ。
『!?』
びくっとして振り向く二人、慌てて別の場所へ隠れるリオ。
声は出なくとも、身体の反応だけはどうしようもなかった。
(どうしよう・・・見つかっちゃった・・・!!)
「なぁんだ、Gかぁ」
(・・・え?)
そしてリオ本人は小屋の影へと隠れていて。
偶然なのか庇ってくれたのか、リオの居た場所にはガルゥが立っていた。
何をしてるの?と言った風に、前かがみになったファンを見ている。
「あれ・・・どうしたんです?ご主人様」
「・・・話しかけるな、頼むから」
どうやら、さっきの過敏な反応の時ユリの上下の歯が一物に直撃したらしい。
本気で泣きそうな顔をしている。
「あ、あはは・・・ごめんなさ―――きゃぁっ!?」
半ば強引にユリをうつ伏せに押し倒し、その上に乗って髪を引っ張る。
「なってねぇな。今お前、主人に何したんだ・・・えぇ?何か言えよ?」
「ごめんなさいっ、もう二度としませんから許してください・・・ご主人様ぁっ!!」
横に居たガルゥが叩こうと動いた腕を止めるが、鬱陶しいと振り払う。
そしてガルゥの倒れた先には―――
(ぬかるみに足跡・・・だと?これは・・・Gのじゃないな。とすると―――)
ユリでもガルゥでもない、違う場所を見ているのはリオにも見て取れた。
そしてそれの意味するモノは。
ファンは当然のように、行きつく先に気付いたらしくほくそ笑む。
リオもある程度勘が働いたのだろう、気付かれたと思いすぐに逃げられるよう体制を変える。
「あの・・・」
そこにユリが怯えた声を出す。
「・・・そうだな、さっきの仕置きだ。Gのを勃たせてやれ。ケツの穴の処女はコイツにくれてやる」
少しだけ・・・いや、かなり嫌そうな顔を見せたユリだったが、今のファンを怒らせると何をされるか分からない。
そう思ったのか、ガルゥの小さなソレをまずは口に咥える。
小さく呻き声をあげるガルゥは、子供の反応と大差なく。
普通ならある種の獣姦という以外、ショックは受けないだろう。
だがリオは違った。
まだファンがこの能力の事は知らなかった為意図はしていなかったものの、
ガルゥの快楽に喘ぐ声が直に入り込んできていた。
「く・・・あぅ・・・ひぃ、あぁっ・・・!!」
頭の中に響くソレに我慢出来ずに声を漏らす。
次第に自分の中に湧きあがる欲求に我慢が出来なくなり、腕が言う事を聞かなくなっていた。
自分の服の間に手を差し入れ、ひたすらやり方も分からぬまま弄繰り回す。
予想以上のリオの好反応にファンはいささか驚きはしたものの、
これで止めては無意味とユリのアナルに唾液で濡れたガルゥのペニスを強引に挿す。
「あ・・・嫌っ、やっぱり私の初めてはご主人様に―――ぃぃぃっ!?」
普通の人間のペニスより一回り小さかったが、全く慣れていない後ろの穴に前戯無しで入れたのは無理があったようだ。
涙をぼろぼろと流し、歯を食いしばり唇を噛み締め、痛みに耐えている。
喘ぎと言うよりただ苦しいだけの、痛みだけの声。
その声の中ですら、リオに流れこむのはガルゥの"快楽"の思いだけだった。
耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、哀しみに打ち震えている知人の女性が目の前に居るにも関わらず、
助けるどころか自慰に耽る。
嗚呼、なんて私は駄目な女なんだろう。
そんな思いが浮かんでは消え、欲望の活性剤となる。
彼女はさも当たり前という風に、ガルゥと同時に果てた。
リオ自身は気絶したが、ガルゥはそうでもなかった為絶えず頭の中は思いで満たされていた。
約3時間、ユリは一人と一匹に白目を剥いたまま犯され続けた。
(・・・さて、これでリオが如何出るか・・・だな)
「はぁ・・・」
大きく出る溜息。
リオは気がついたときには家で寝かされていた。
つまり、誰かに"行為の後"を見られたという事だ。
自力で帰ってきた覚えがないなら。
「おお、リオ。昨日はどうしたんじゃ?気絶しているのをファン君が運んで来てくれたのだが・・・」
やっぱり、と心の中でもう一度溜息をつく。
あの笑いは、ユリとガルゥの行為を覗かせた後の反応を期待しているという事だろう。
そしてわざわざ自分で送り届けるという事も恐らくは―――
「ちょっと、ファンのファームに行ってくるから・・・」
「あまり無理をするんじゃないぞ、リオ」
顔色が変だった気もしたが、無理に止めるわけにもいくまい。
自分の体調管理は極力自分でやらせるべきだ、ブリーダー助手希望なら尚更だ。
「なんじゃ、このシーツ・・・びしょ濡れじゃないか。熱でもあったのか・・・?」
汗だけでなく、涙や愛液も混ざっている事にチェザーレは気付かなかった。
「ごめんなさい、ご主人様・・・今日から店の方に戻らないといけないんです」
ユリはそう言って、至極残念そうに朝早くファームを後にした。
元々ユリは店番で、恐らくこうなるであろう事は容易に想像出来ていたからまだマシだと言える。
「丁度便所の替わりが欲しいと思っていた所だからな」
些か時期尚早の部分があったものの、ファンの思惑通りに事は進んでいた。
外で訓練をしているガルゥを見る。
外見は肉食獣のような部分があるが、非常に人懐っこい性格だ。
それが可愛いと思えるかと言うとまた別問題になるが。
実際、ファンにとって非常にうざったいモンスターであった。
昨日のユリとの行為の時も、アイツは止めてきた。
アイツはユリの尻穴の処女を奪ったわけで(ファンが無理矢理やらせたのだが)、
しかも最終的には欲望の赴くまま腰を振ってたのを見逃してはいない。もう共犯であると思っている。
しかしこちらが如何思っていようがアイツは恐らくリオを犯す時は身の程知らずにも抵抗するだろう。
従順なヘンガー、欲に忠実なドラゴンやジョーカーなどの類の方が余程使い勝手がいい。
感情はあるが、そのコントロールは比較的容易だからだ。
ただそれを実行出来ぬ理由として、単純に『他の円盤石を所持していない』という事が挙げられる。
もう少し手法の幅が欲しい。その手の事に通じている奴が居れば楽なんだが。
・・・まあ、今考えていても仕方がない。使えるモノの使い方を考える方が先決だ。
(そういえばリオ、人間相手には心を開かねぇ癖・・・モンスターには何時も優しく接していやがったな)
ふと考える。色々と、コイツはコイツで使い方があるかもしれないと。
(フン・・・それじゃ、今まで以上に『仲良く、優しく』接してもらうか)
ユリが帰り際置いていった『旧世代の産物』の入った小瓶を眺めながら、暫く案を練った。
外のGが騒ぎ出す。
「来たか」
(予想はしていたが、この時間とはな・・・ただでさえ気が弱い女なのに)
時計を見れば、まだ十時を差していた。
ガチャリ。ドアが開く。勿論、リオの手によってだ。
「リオ・・・何故ここに?昨日ファームで倒れてただろ?無理しない方がいい」
全く、我ながら茶番を演ってるな。
「ううん、もう・・・大丈夫だから。有り難う」
まずは、言わなければ不自然(と、リオが思っている)な事を口に出す。
してくれた事に対しての最低限の礼儀ではあるのだが、直接的ではなかったにせよそれの原因となったのはファンであって。
やはり複雑だった。
「ああ、でも今度からあんな所で寝るのはやめるんだぜ?ほんとに風邪引いちゃうからさ」
「うん、分かってる」
沈黙。妙な息苦しい空気が流れる。
ファンも多少言葉に詰まっている様子だった。このまま帰れはしない。真偽を確かめていないから。
「気付いてるん・・・だよね」
リオにしてみれば、"気のせい"であれば一番良い、そう思っていた。
身体の芯に残るあの自慰の感覚は忘れられないし、恐らくそれ以上の快楽を受けていたユリの恍惚とした表情も目に焼き付いている。
望んでいるのは否定出来ない。いや、否定したいのだが。
だから今日ずっと否定していてくれれば、私は踏みとどまる事が出来るからと。
理性だけでは抗えない。そうならない為の状況が欲しかった。
私は意思が弱いから。それだけは自覚してるから。
「何の事だよ?」
「・・・」
押し黙る。
(なんで一人の女を犯すのにこんな手順踏まなきゃならんのだかな・・・)
面倒くさいことは嫌いだった。
ここで直接的に言ってきてくれれば、後は何もせずとも堕ちてくれると思っていたが。
やはりコイツはこういう女だ。理解はしていたが、改めて見ると腹が立つ。
「まあ、折角来てくれたんだ。飲み物くらい奢るよ。何がいい?」
冷蔵庫(協会の機械を応用したモノ。主に餌(特に果物)の保管用で、あまり大きくはない)の中を見る。
「・・・有り難う。別に嫌いな物ないから、何でも」
正直、助かった。
用意していた小瓶を冷蔵庫に予め忍ばせておいたのはいい。
だが、完全な透明というわけではなく都合の悪い事にほのかに緑に色付いていたのだ。
もし牛乳などと指定してきていたら、色が明らかにおかしくなる。投与することはほぼ不可能だったろう。
まあその時は生憎切らしている、とでも言えばよかったんだが。
そして、悟られぬよう小瓶の中身を瓶へ直接少量垂らし、軽く振る。
違和感なく混ざりきったのを確認して、コップに注ぐ。
「ほら、飲みなよ」
「うん、いただきます・・・」
コクリ。
きっちり喉を鳴らして飲み込んだのを目で確認した。
そして異常な程早く効果は現れる。その間、五秒。
「ぁ・・・ぅぁ・・・っ」
異常なまでの汗、震える身体、荒れる息遣い、正確に言葉を紡ぐ事すら許さぬその効力。
『旧世代の産物』―――即ち『ワームの毒液』は、瞬く間に身体の自由を奪い去っていった。
但しユリに最後に注意を促された。
「ワームは元々すごく大人しい種族で、敵を倒す為じゃなく敵から逃げる為にこの毒液を使っていたそうです。
即効性は強いんですが極端な毒性も後遺症もなく、痺れさせるだけで且つ効果が切れるのも早いんです。
あ、あともう一つ副作用があったと思いますから、誰に使うにしても気をつけてくださいね、ご主人様」
(しかし・・・主人の俺の為とはいえ、リオへの対策にこんな物を平然と用意してくるとは・・・恐ろしいな)
フェラしながら説明をしていたのもある意味で恐ろしいが。
「凄いな。これほどの効果があるとは予想外だった。
まあ、お蔭で抵抗される事もなくお前を―――うん?」
一瞬、ファンの目にとまったモノ。
リオの服は、殆ど"昨日と同じ風に"濡れていた。
汗とかそういう類はないし濡れ方も酷くはないが、間違いない。
ユリの説明でもあった通り、催淫性は全くといって良い程無いのだ。
そんな物に頼るのはファンとしては面白くないと思っていたから。
ならば答えは一つ。
「・・・使う必要すらもなかったって事かよ」
そう言ってリオの服を無理矢理剥ぎ取り、股間のスリットに触れる。
「俺と話しただけで濡らしやがったのか?
どうしようもない淫売で売女の糞リオちゃん、聞いてますかぁ?」
正しくは違った。
リオがファームへの道へ足を踏み出した瞬間から、既に潤っていた。
「ぃ・・・ぐ、ぁぅ・・・」
何か言いたそうだが、掠れて全く聞こえない。
聞こえてても無視するが。
「今日はある種の記念日だからな、昔の知り合いに声掛けてきたんだよ」
コンコン。
先程リオの手によって開かれたドアがノックされる音だ。
「入っていいぜ、待たせて悪かったな」
誰が入ってくるかは分からないが、ファン以外にこの姿を見られるのは嫌だった。
「おーう、いい光景だなこりゃあ。この女本当に戴いていいのかよ?」
「ふぅ、全く・・・久方振りに連絡を寄越したと思えば・・・全く、ファンの女癖にも呆れるな」
角刈りで優しそうではあるがお世辞にも容姿が良いとは言えぬ男といかにも優等生で美形な男の二人。
見た限りではスクールの同級生なんだろうと思える若い二人だ。
「そう言うな、面白い余興を見せてやろうってんだから」
「余興?へぇ・・・ファンがそういう事を考えるようになったんだな」
「悪かったな。・・・で、お前達のモンスター連れてきてくれたか?」
「ああ、外に居る。けど何に使うんだ?」
窓の外を確認する。・・・確かに居る。ゴーレム系と、リッパー系の二匹。
「この女、俺が別の女とヤってる時のを見てたんだよ」
リオの髪の毛を引っ掴み、小屋の外へと引き摺り出す。
「その時女の尻の処女をそこに居るガルゥにくれてやったんだが、反応が面白くてな」
「で、同じようにコイツらを使うわけか。それは分かったけどよ、勿体無くねぇか?」
「俺もそう思ったが、コイツはモンスターが"いたしている"時、異常な程興奮するんでね」
その言葉を聞き、男二人は好奇と侮蔑に満ちた視線をリオに浴びせた。
「・・・まあそれはいい。けどグラム、君のモンスターのは・・・入らないだろう?」
「なぁに、ぶっ壊れたらそれまでって事でいいんじゃねぇの」
「良くねぇよ馬鹿。便所を増やす為の調教の一環なんだ、使う前に壊れたら意味ねぇんだよ。
お前のモンスターは使わねぇ。余興見れるだけ良かったと思え」
不吉な言葉を並べたてる三人に、言い知れぬ恐怖を感じる。
罪の意識を欠片も感じてはいない、そう受け取れた。
一種の狂気とでも言うのだろうか。
だが、リオは―――元からそれを求めてここに来ていた。
如何してもらっても構わないから、兎に角、早く、すぐにでも―――白く汚してほしいと。
理性的な部分では、自分以外の確かなものに否定してほしかったが。
「なんでも・・・いい、から」
口が開いた。薬の効果が切れてきたのだろう。
「早く、して―――あうぅっ!」
その言葉を聞くやいなや、ファンは側頭部を思いきり踏みつけた。
間髪入れず、腹部目掛けてトーキックを叩き込む。
反動で胃液が逆流し、地面にへばり付いた。
「"して"・・・だと?言葉遣いも知らねぇのかこの糞豚が・・・!」
リオはその容赦を知らぬ痛みに対する嘔吐感でそれどころではなかった。
「・・・返事がないようだな。ファン、君の調教はスパルタ過ぎるんじゃないか?」
「ウィトも甘い所は変わっちゃいねぇな」
「いや、お前がキツ過ぎるんだよ。壊すなって自分で言ってる傍から壊してるじゃねぇか」
さすがにそれはそうかとあっさり引き下がる。
勿論気遣うなんて真似はしないが。
「・・・グラムが正論を言うなんて珍しいな」
「なんだよ、俺が馬鹿みてぇじゃねぇか」
「馬鹿さ」
そんな率直に言わなくてもと密かに角刈りの男、グラムは傷ついたがそれを表面には出さない。
「・・・まあそれは置いといて。こいつ等に処女をくれてやる方が調教に良いのは分かるが、勿体無いな」
「勿体無い?馬鹿言え。そこらへんの男共は皆処女食うと運が良いなんて言ってるがな、
単純な気持ち良さだけで言うならヤりなれた便所女の方がマシだぜ?
そりゃ処女の頃に比べりゃ緩くなってるだろうが、立場が上だって事をこの時期しっかり覚えさせる方が先決だ。
惜しむ事なんてねぇんだよ。どうせ飽きたら捨てるんだしな、記念なんて物は無意味だ」
「・・・つくづく君を敵に回さなかった事を安堵するばかりだよ、ファン」
流石に自分はここまでは出来ない、言い切れないと困った顔でウィトは呟く。
「じゃ、おっ始めるとするか。・・・リオ、お前が楽しみにしてた物だぜ?」
ファンが離れて暫くすると、遠くから投げつけられる物体。
―――な。
「なんて、事―――!!」
過剰なドーピングに次ぐドーピング。
寿命その他諸々のリスクを覚悟、いや・・・無視した結果。
見た目は普段のガルゥと変わらない。
だが、リオの心にはしっかりと響いていた。
「コイツはさっさと病院に連れていかなきゃ助からねぇぜ。
だがな、俺も特に好きでもねぇモンスターの為に苦労したくねぇんだ。
一度、ソイツとセックスしろ。勿論両方イくまでな」
一も二も無く、リオはガルゥのそれと交わり始めた。
リオにとって、モンスターとは特別な存在であるから。
・・・だが、その思いと同時に、「両得である」という思いもあった。
自分の乾きも癒せる。ガルゥも助けられる。
典型的な言い訳なのだ。
動くのも億劫で、どうしようもなく遅いのだが後ろをリッパーに貫かれる反動に助けられ腰を動かした。
「・・・!?な、なんで―――」
夢中になって、効果も切れ始めた為か言葉もはっきりしてきて、
それで激しく動かすのだが。
「何も感じ、ない―――?」
そう、もう一つの副作用。
感覚神経が一時的だが、極端に鈍るという物だ。
ガルゥは何度もイっている。
だがそれにリオは気付かない。
白濁を大量に流しこまれてはいるが、それを誤認してしまう程に、正しく認識出来ないほどに混乱していたのだ。
自分はどうやって渇きを癒せば良いのか、と。
「気持ちよくならない・・・お願い、ガルゥ。もっと奥まで突いて、もっと抉って―――」
極限まで身体が弱っているガルゥに対し、この言葉。
果たして、私はガルゥの為に言っているのかと・・・
そう、疑問に思う。
結果。
「・・・ガ、ルゥ」
衰弱死、いや―――寸前か。
精も根も尽き果てて、リオはがっくり項垂れて立ち上がった。
二本のペニスが引き抜かれ、精液が溢れ出すと同時。
効果が、切れた。
「あ・・・ひゃ、やあぁぁっ!!だめ、イクっ!イクぅっ!!精液お漏らししてイッちゃうぅっ!!
く、うあああああぁぁっ!!ま、またぁっ!!続けてイクぅっ!!もう無理ょぉ!!ひぎぃぃっ!!」
ブピュッ、ブチュッと下品な音を立てながら、今まで抑えられていた快楽が一気に押し寄せ達する。
実際の所、一度に果てる程の量というのは見ているだけではそれは苦痛か快楽か分からないが。
ガクリと倒れ込むも、リオの穴は全く満足していないようで―――
雄を誘うようにひくついていた。
「わ、わりぃ。俺もう我慢出来ねぇ。ファン、コイツ使わせてもらうぜ」
「どうせ俺はそんな汚いなりの女は吐き溜めにする気すら起きねぇ。好きにしてくれ」
ウィトを呼んだとき、ついでに効能をしっかり聞いておいてよかったな。
そう、小屋の中から外の狂宴を眺めつつ思う。
「・・・さて、次はもう少しマトモなモンスターが欲しい所だな。公式戦を勝ちぬいていけば、嫌でもマシな女に会うだろ」