ワームはゲルから出る無数の触手に捕らえられた。
ワームの一本の触手は人間の生殖器のような形になり、ワームの腹部に突き刺さった。
ピー!とワームが叫ぶ。
裂けた腹部に突き刺された半透明な触手の中に黄色い粒が流れている。
粒はワームの卵だった。ゲルはワームの卵を捕食しようとしているのだ。
卵はどんどん吸いこまれていく。ワームは足をじたばたさせ逃れようとするが、
全身に絡みつくゲルの触手は容易にははずせない。
ワームの眼からは涙があふれ出ている。まさにそれは我が子を失おうとしている親の顔だった。