大屋根の上に座り込みぼんやりと空と山を眺める髪の短い少女がいた  
桔梗色と蜜柑色の馬鹿でかい幾何学模様があしらわれた膝まである緑の下衣に  
桜の花模様が鏤められた薄紫の上衣を重ね着している  
 
「・・・きもちいい風」  
 
季節の風がサンの頬の刺青を撫ぜる  
骨製の大胆な耳飾りと首飾りが揺れて、カランコロンと音を立てていた  
 
「サーーーン!! そろそろ飯だよぉ!!」  
 
下から大声でトキが呼ぶ  
サンはするするとリスのように舞い降りて来た  
 
「相変わらず身が軽いねー」  
「屋根の穴、塞いでおいたから、 飯の支度手伝わなくて平気?」  
「うん、いいよ、こっちは」  
 
サンはトキのお腹に注目していた  
 
「また、大きくなってる」  
「そりゃそうさ、どんどん大きくなって、早く出て来てもらわないと  
 重くてかなわないよ  
 それにしてもあんた、そんな格好で寒くないかい?」  
「うん、平気」  
 
カッポ・・カッポ・・ 蹄の音が響く牛飼い連中が放牧から戻って来た、  
アシタカも混じっている  
 
「あ、サン」  
「アシタカ、ヤックルもおかえり 少し太ったか?ヤックル?  
 そうか、山の草が美味しくて食べ過ぎちゃうのか」  
 
ヤックルを撫ぜながら会話をするサンをみつめるアシタカ  
 
「サンが羨ましいな、私には何一つ応えてくれないんだ」  
 
外に出れるようになってだいぶ明るさを取り戻したサンであった  
しかし、まやかしの効いていない状態のアシタカにはサンが少し遠い存在に  
思えていた  
初めてここにやって来て出会った彼女は猛々しく、女らしさとは無縁な  
もののけの姫であった  
眼光はひたすら鋭く、それでいて澄んだ光を放つ  
剥き出しの鋭利な刃の輝きを隠すことも無く放散させていた  
 
今のサンは鋭利な刃など表面上はどこにも垣間見えない  
眼光も丸みを帯び、甘く淡い光を滲み出している、ヤックルを見つめる視線さえ  
艶っぽく感じられた  
模様は違えどあの頃と同じ型の服装なのに、浮き上がる体の線はあきらかに  
一段艶かしく、山犬では無く雌鹿を思わせた  
 
強さは相変わらずで、ゴンザと一騎打ち勝負を先日行ったが  
飛びぬけたすばしっこさ、跳躍は人の域を凌駕しており、ゴンザをきりきり舞に  
疲れ果てさせ完敗させた  
サンは刃を常に剥き出す深い森のもののけ姫から、  
刃を仄かに香る腑の下に秘める日の当る森の戦姫へと変貌していたのだ  
 
「聞いたか?サン、  
 今度、エボシと私、それにジコ坊殿らと一緒に旅に行くそうだ」  
「え・・旅? 私もいくのか?」  
「そうだ、都まで行くそうだ」  
 
トキがうらやましそうに声をあげた  
 
「わぁ!良いわね 広い世間を見させようとするエボシさまの計らいだね」  
「サンの外套と頭巾をエボシが用意していた  
 頭巾は私のと同じ形だが、サンは顔のスミが目立つので  
 好奇の目を引かぬようにとの計らいなのだそうだ」  
 
顔を伏せてあまり浮かない様子をつくるサン  
この周辺から離れたことのない彼女は山が見えなくなることへの不安を感じて  
いるのだ  
 
「海も通るそうだぞ」  
「海?!」  
 
ふっと顔をあげ目をぱっちりと見開くサン  
 
「海・・ 母さんに聞いた事あった、エボシにも・・・  
 ほんとに通るの?」  
「そのようだ」  
「へぇ・・・ それで、歩いていくのか?」  
「馬で行くそうだ」  
「・・・ヤックルはいかないの?」  
 
アシタカとトキは思わず顔を見合わせた  
 
「私はヤックルと行きたいな  
 ねえ、アシタカ、飯がすんだらヤックルと山に行かないか?」  
「ううんと、そうだなエボシに旅の件も含めて相談してみよう」  
「・・・こんな目立つ動物に乗っていったら顔を頭巾で隠す意味が  
 なくなっちまうね」  
 
トキは、ごもっともという顔をしたアシタカともども呆れた溜息をついた  
 
 
 
あっという間に食べ終わりヤックルを引き出すサンとアシタカ  
サンはヤックルの背に躊躇することなくひょいと飛び乗る  
そしてアシタカにも乗るよう誘う  
 
「無理だよ、ろくに触らせてもくれないんだ」  
「大丈夫 ヤックル、アシタカを乗せてあげるよね」  
 
従者よろしく姫を乗せたアカシシの手綱を引いていこうとするアシタカ  
サンが大声で”アシタカのいくじなし!!”となじる  
仕方なくヤックルのすぐ脇に立つ  
 
「おまえ、私を乗せてくれるか?」 ブルルル・・・  
 
サンの後ろ、ヤックルの後背に手をかけ、アシタカはよっと飛び乗る  
終始大人しくしているヤックルであった  
 
ドカラッ!!ドカラッ!!ドカラッ!!・・・   
アカシシに乗った若者二人が山を駆け上っていく  
サンが前で綱を握りアシタカが後ろで鞍の縁に捕まってる  
 
「アシタカ! 私に掴まれば? 落ちるよ!」  
「いや・・ 無闇に触るわけには」  
「あっはは! いつも、どんなところも、しつこく触り捲くるくせに!」  
 
ひさしぶりに見るサンの屈託ない笑顔、アシタカも落ちそうになりながら目を  
細める  
二人と一匹はいよいよ懐かしい場所を目指す  
 
「ついた・・・」  
「ここは・・」  
 
ヤックルを降りて二人は草の上に降り立った  
二人にとって思い出の場所、シシ神の首を命懸けで返した場所だ  
 
「五ヶ月ぶり・・もっとかな」  
「もっと遥か昔のことのような気がする」  
 
澄み渡る青空、山裾から吹き上げる風が山の上に流れる風とぶつかる所  
足元の草が、並んで立ち尽くすサンとアシタカの短い髪が、あらゆる方向に  
靡かされる  
 
「あ?!あれだ! あの岩・・・」  
 
サンはたっ!と平たい大岩に駆けより、飛び乗った  
シシ神の首を渡した岩の上、サンはあの日見ていた方向を向いて立ち尽くし  
感慨に浸りながら風を味わう  
アシタカがその様子を眼を細めて見つめていた  
 
「サン、そなたは本当に女っぽくなったな」  
「誰の所為で女っぽくなった?」  
 
アシタカのほうを振り向きもしないで相変わらず流し目で風を見送る  
少し気まずい気持ちになりつつアシタカはさらに話し続ける  
 
「サンは外に出た途端、山に戻ってしまうのではないかと不安だったよ」  
 
一呼吸おいてサンは応える  
 
「私は逃げない エボシに仕返しするまでは」  
「・・・」  
 
アシタカの眼が少し曇った、サンには雰囲気が伝わっていた  
 
「殺すなんて絶対しないよ あいつより賢くなって仕返しするんだ  
 ・・・エボシ自身が言ったことだけどね  
 私に仕返ししたければ、もっと学べと」  
「エボシの優しさは認めてはいるのだな」  
「・・・母さんとは違う、でも通じる部分はある」  
 
サンが眼をぱっちりと開けてアシタカのほうを振り向く  
岩の上から降り、すたすたと近づいてきた  
 
「アシタカは、アシタカだね ここで私と首をシシ神様に返した」  
「ああ、そうだ」  
「よかった! 正直、どっちのアシタカだかよくわからなくなってたんだ」  
 
すっ・・とサンが駆け寄ったとかと思うや、がばり!とアシタカの胸に飛びつき  
抱きついた  
 
「わっ! サン・・」  
「アシタカ・・ やっと、やっと、私の知ってたアシタカと二人きりになれた」  
「ああ・・・」  
 
アシタカも腕を伸ばしサンを抱きとめた、しかしどことなく熱の篭らない感じ  
サンは構わずアシタカの胸に顔を埋めたまま語りかける  
 
「夜のアシタカはやはり苦手・・  
 いくら愛してると言われても・・・やはりだめだ」  
「・・・そんなに、嫌なのか」  
「エボシの匂いがするもの   
 抱かれてるときは、エボシも夜のアシタカも、山犬の家族の代わりなの  
 思い出が蘇る、それとあの者達にこの身に教えつけられた刹那の快楽  
 一時の温もりを感じる でもそれだけだ」  
「そうか   
 それで、エボシに仕返しとは、どのようにするのか?」  
 
サンの細い肩を手でやんわりと包み込むアシタカ  
鼻のすぐ下にあるサンの髪の毛に本当に久しぶりに鼻の中をくすぐられる  
あの頃と違い、香りはむしろ古里のカヤに似てると思えた  
 
「私の一族をつくる」  
「一族?」  
「あの村よりも、侍どもよりも、天朝よりも、どんな人間の一族よりも  
 大きな一族をつくる」  
「・・・この山に作るのか?」  
「ここに作りたい、でもそれが無理ならば、どこか遠く  
 海の向こうだろうとも」  
「サン・・・」  
「可笑しいか?」  
「いや」  
「アシタカならわかってくれると思ってた・・ アシタカ?」  
「なんだ?」  
「トキとキヨの腹、すごく大きくなったね」  
「・・・そうだな」  
「両方ともアシタカの子なのだろ?」  
「・・・あぁ」  
 
アシタカにとってかなりキツイ話題である、出来れば避けたい  
まったくお構いなしにサンは続ける  
 
「私も子が産みたい  
 今のアシタカとの間に子を作りたい」  
 
ゆっくりとサンがアシタカの胸から顔を上げ、弱った表情のアシタカの顔を  
見上げた  
 
「・・子ならそのうち授かろう、そなたの想いはいつか通じる」  
「アシタカ、ここで交わろう ここで子作りしよう・・・」  
 
いきなりの提案にアシタカは最高に弱った顔になる  
アシタカが口を開く前にサンがさらに言葉を添える  
 
「夜のアシタカじゃない、今のアシタカと命を繋ぎたいのだ  
 出来る子は確かに同じなのはわかってる・・・  
 でも、私はそうしたい・・・ 嫌か?アシタカ」  
 
詰め寄るサン  
しかしアシタカにとってトキやエボシなら難なく口に出せただろうが  
サンにはあまり言いたくないことで困っていた  
束の間の沈黙、サンのぱっちりとした瞳が、逃げるアシタカの瞳をどこまでも  
追いかけてくる  
とうとうアシタカは観念して口を開いた  
 
「サン・・ 気持ちはうれしい  
 しかし、実に・・・ どうすればよいのかわからぬのだ」  
 
ぱっちりとした目をさらに丸くするサン、瞬く間に察しをいれる  
 
「わからぬ・・だって? まさか、アシタカ・・」  
「さよう  
 女と床を共にしている時は必ず、酒、薬に酔うてる時か、  
 まやかされてる時だけだった、覚めると何一つ覚えておらぬのだ  
 結果、いまだ女の扱いは何一つ知らぬ」  
 
さすがに驚くサン、目の前にいる男に純潔を捧げ、以来三日と空けず  
愛し合って来たというのに  
アシタカの表情は口惜しそうなものに変わっていた、あたかも自分で自分に  
嫉妬しているかのよう  
そんな彼の顔にサンの指が触れる  
 
「アシタカ、心配しすぎだ そのくらい私が教える」  
「・・・そうか」  
 
口に出してしまえば楽になるもの、  
アシタカは自分の馬鹿さ加減に思わず苦笑した  
 
「アシタカ まず私を脱がして裸にするのだ」  
「そうか・・ と、ずっと忘れていた、渡すものがあったのだ」  
「ん? あ!それ・・・」  
 
アシタカは懐から青く輝く玉の小刀を取り出した、そしてそれをサンの首にかけて  
やる  
 
「そうだ、脱がすのだった・・・」  
「いいよアシタカ、これをかけたまま出来るから  
 それでは衣だけ脱がすんだ」  
 
アシタカの緊張した手がサンの肩にかかる、同時にサンは両手を高くあげ万歳の  
姿勢をとった  
 
アシタカの手がサンの単純な衣服を摘み持ち上げて彼女の頭から抜いていく  
日焼けした膝下から、白い太ももが、白い腰が、白い腹が、白い胸が順番に  
露になっていく  
すぽんと着ている物を完全に頭から抜き取る  
短い髪と、今しがた渡した玉の小刀を風に揺らす、産まれたままの姿のサンが  
草の上に立っていた  
日の光を反射してまばゆいばかりに輝くサンの肌  
 
「サン・・・ これが、そなたか・・・」  
「アシタカ、 アシタカも脱いで」  
 
瞬きを完全に忘れてしまったアシタカのあまりにも欲丸出しの視線に、  
少しサンも照れた仕草を取る  
彼がどこを注視してるか一目瞭然であった  
アシタカの視線は豊かな胸と、いまだ覆う毛の薄い股の間を舐めるように行き来  
しているのであった  
そそくさと脱ぎ捨てていくアシタカ、その間も決して視線が弱まることはなかった  
やがて、残らず脱ぎ去りったいつも夜サンを抱きすくめる見慣れた体が近づく  
 
「どうすればいいのか? サン」  
「口付けするのだ」  
 
言うやいなや、サンのほうから飛びついてきた  
こちっ!という歯の当たる音を立てて、あっという間に二つの口が重なった  
 
「ん!・・・」  
 
アシタカの首にぶら下がるようにサンの唇がアシタカの唇を声ごと塞ぎ込む  
アシタカはサンに口移しで肉を食わしてもらったことを思い出していた  
((・・・また・・奪われてしまったな・・))  
あの時の柔らかい溶けるようなサンの唇の感触、彼女の吐く息のにおい  
 
”・・・横になろう アシタカ・・”  
 
口の中に吹き込まれる囁きにつられアシタカはサンに押し倒されていった  
そして、あの時の裂いた肉の代わりに彼女の唾液をたっぷり乗せたぬめった舌が  
んずぅ・・と口の中に潜り込んで来た  
 
”・・んふ・・あしたか・・”  
 
サンの舌にアシタカの舌が絡み取られた、ぬちゃぬちゃと己の唾液を舌中に  
塗りたて、容赦なく喉に流し込んでくる  
 
”・・・あしたか・・飲め!・・・”  
”・・・んん!・・ さんぅ!・・ごく・・ごくん・・・”  
 
喉を鳴らしてサンの唾液を飲まされるアシタカ  
無抵抗なアシタカの口の中はサンの涎と吐息で充満させられた  
サンはアシタカの頭をしっかり抱え込んで、へばりつく  
アシタカのやや苦しげな表情さえも愉しむように、むぐむぐ!くちゃくちゃ!  
唇を貪りあう  
 
やがて大量の粘った糸を引きながら二つの口が離れた  
アシタカは烈しい接吻の余韻と久しぶりの新鮮な空気に溜息を漏らした  
 
「はぁ・・ はぁ・・ サンの口付け・・すごい烈しいな・・」  
「ふぅ・・ アシタカ、気に入ったか?」  
「はぁ・・ あぁ・・・」  
「そうか」  
 
双方の涎で口の周りをでろでろにした二つの顔が見つめ合う  
上にあるサンの顔が、べろりと舌舐めずりすると、またしても降下して  
アシタカの口に噛み付いた  
 
”・・あした・・かぁ・・もっとくちづけしよ・・・”  
”・・んん!・・ ぶふ・・・”  
 
すっぽんのように咥え合うサンとアシタカの唇、深く咥えた二人の口の中で  
もごもご二つの舌が蠢く、熱く絡めあい、まさぐりあっているのだ  
 
”ん!・・ ふ!・・”  
 
サンの舌先がアシタカの口の中の弱いところをなぞる、アシタカはぞく!と  
頭を振り逃げようとする、しかしサンの口も手も引き剥がせない  
逃れようとした罰だとばかりサンの口はアシタカの口を尚一層、  
熱の篭った口付け責めに遭わせる  
二人とも咥えついた隙間からだらだら垂れ流れる余りの涎で顎までびっとりと  
濡らす  
((・・・あぁ・・サンの・・においが・・・))  
朦朧としてくるアシタカ、自分の上に乗ってるサンの体重、胸板にむっちりと  
押し付けられる異様に柔らかく張りのある感触、絶え間なく頭と喉に流れ込む  
サンの息と涎  
甘酸っぱい仄かなサンの芳香に体中が包まれていく  
 
 
長い長い接吻からようやく解放されるアシタカ  
はふぅ・・ はふぅ・・  
サンも舌を伸ばしたまま彼と揃って荒い息を吐く、いまだに舌先から垂れる  
涎の雫が、開けっ放しのアシタカの口の中へ垂れ落ちていた  
サン自身なぜこんなに興奮してるのかわからないほど烈しく興奮していた  
サンのアシタカを見る眼はまさにエモノを見つめる眼であった  
 
((いつもいつも私の体を好きにする・・ 今日は私がそうする番だ!))  
サンはぐっ・・と体を伸ばすようにアシタカの上を這い上がる  
アシタカの胸板に心地よさを与えて乗っていた乳房がぷるんと揺れてアシタカの  
肩と首を梳き抜ける  
アシタカの目の前にサンにあげた玉の小刀が踊った  
青く透き通った光が額の上に去った後、続いて下から目の前に現れたのはサンの  
生白い胸であった  
 
「わっ・・、これは」  
「アシタカ・・これ好物だろ?」  
 
彼女が走るたび、跳ぶたび、衣の下で揺れ動いていた  
”わたしは山犬だ!!”興奮して叫ぶ彼女の服の中でいっしょに弾んでいた  
拍子で抱きあう度、アシタカの胸板を布地越しにくすぐる柔らかい感触は  
アシタカの想像を掻き立ててやまない代物  
目の上、僅か一寸ほどの場所に遮るものの何も無い生の姿で彼女の呼吸に  
微かに揺れながらそれがあった  
 
「サンの・・・ナマの・・胸・・」  
 
森を駆ける荒々しい少女の中の唯一ともいえる優しさと柔らかさを思わせる部位  
白く尖ったまだまだ未熟な線を纏いつつ、それでもこの歳で早くも母性の  
一端を覗かせ将来を予感させる実り具合  
((不思議だ・・  
  なぜオナゴの胸はこのように美味そうに膨れておるのか))  
甘酸っぱいサンの香りをいっぱいに纏った瑞々しい美乳は、男の本能を大いに  
揺さぶり、下から眺めるアシタカの口から自然と生唾を滲ませる  
 
「アシタカ・・ ほら、あげる」  
 
摘み取ってやりたい衝動に駆られてやまない薄桃色の乳首が自ら降って来た  
二つの膨らみの片方がゆっくりとアシタカの顔に乗せられていった  
弾力性と柔軟性の調和したサンの乳房がむちむちとアシタカの頬に額に鼻先に  
唇になすりつけられる   
 
「あぁ・・ なんたる・・すべすべ なんという・・あたたかさ」  
 
アシタカはもっとサンの胸の香りを嗅ごうと、張りと艶を味わおうと、  
自ら顔を埋めにかかる  
 
「あ・・ アシタカ・・そんなに頭を動かすな・・   
 う・・ そんな、焦らなくとも・・」  
 
サンは片手で自らの乳を持ち、アシタカの口元に運ぶ  
 
「アシタカ・・ 吸え」  
 
アシタカは飛びつくようにサンの乳首に咥え付いた  
 
「うふぅ・・・」  
 
敏感な場所を一挙に摘み取られ、サンの口から甘い息が漏れた  
夜のアシタカの技巧的なそれとは違う、  
赤子のようにひたすら、遮二無二吸い立てられる  
それはかえって、サンの幼い母性を刺激し、堪え様の無い快感を胸から全身へ  
伝えていった  
いつしかサンはアシタカの頭を手で支え、赤子に授乳する姿勢を取っていた  
 
「は・・ ふは・・ アシタカ・・私の乳  美味いか?」  
「んぐ むぐぅ・・・」  
 
アシタカは頬張る音で答えた、アシタカの舌がべろべろと頬張った口の中でサンの  
乳首を舐め漁り、つんと立ったそれをますます吸引の度を高めていく  
 
「く! うぅ・・ そ、そんな・・ いくら強く吸っても・・何も出ないのに」  
「んむ・・ サンの乳 もっと もっと味わっていたい・・・」  
 
アシタカの手が自然に伸びてくる、そして余った片方のサンの乳をぐっ!と掴んだ  
 
「く!・・ あ!・・」  
 
サンが絞りだすような声をあげる、  
アシタカの手指がサンの乳房を揉みしだき絞り上げているからだ  
サンの未熟さと豊かさ両方を備える二つの膨らみにアシタカの指と掌が食い込み  
しきりに揉み解す  
 
「サン、 痛いの・・か?」  
 
まだ芯のある発達中の胸は多少ごりごりされると痛感が走る  
しかしサンは細めた目でより催促する  
 
「ん・・ いいよ・・アシタカ もっと・・揉んでも  
 よく・・揉むと・・ 将来 乳の出が・・ よくなるのだと・・  
 そう・・教わった」  
「サン、わかった 私もサンの胸と もっとお近づきでいたい」  
 
アシタカはその柔らかい手触りをさらに念入りに揉み解す  
色々な形に捏ねて変化させるのを眺めて楽しむ  
 
「サンの胸・・ さわり心地良すぎて・・  
 手が張り付いてしまったようだ」  
「く! うぅ! も、もう少し・・やさしく・・」  
 
サンのつんつんに立った乳首がアシタカの指の腹で撫ぜ摩られる  
 
「ふあ! アシタカ・・」  
 
アシタカはまだ吸っていなかったもう一方の乳に口を近づけ吸い付いた  
サンもまた再び彼の頭を支え授乳姿勢を作る、  
十六歳の少年を胸に抱き乳を与える十四歳の少女  
 
ちゅう・・ ちゅぱ! んちゅぅ・・・   
「あぁ・・ アシタカァ・・・」  
((・・・我らの間に出来た子に・・いずれこうやって・・・))  
 
アシタカの執拗な愛撫に身悶えるサン、延々と続く将来の乳やりの予行  
やがてサンは何時までもやめようとしないアシタカからすぽん!と自分の胸を  
取り上げると、むくりと体を移動させ、彼の顔の上で小用を足す姿勢を  
作るのだった  
アシタカの目の上にサンの体の中で一番秘められた場所が広がった  
 
「こ・・ こ・・ これが・・ 女の・・・」  
 
十四娘の女の器、回りを囲む毛はまだ薄く、さんざんアシタカに抱かれて  
いたとはいえ、まだまだ乱れるほどの房事を重ねたとは言えず  
皺などない桃色、咲き掛けの蕾の中からうっすらと露が滲み、香ばしさを  
見上げるアシタカの鼻に送り込む  
 
「なんと・・ 美しい・・・」  
 
おっぴろげた股の間から覗くサンの顔、上から彼女の声が降って来る  
 
「アシタカ、そこにおまえのこれを入れるんだ」  
 
サンは体をひねり手を伸ばしてアシタカの股間で早くも太く固くなってるものを  
握った  
 
「く! サン・・・」  
「アシタカは準備できてるな でも、私はまだだから・・  
 さあ、舐めろ 私を熱くするんだ」  
 
サンの股がアシタカの鼻の上に揺れて誘う、アシタカは誘い込まれるままに  
舌を伸ばした  
じっとり爽やかなサンの縮れ毛をアシタカの舌が撫ぜた  
 
「ううん・・ いきなりはつまらない・・  
 ももの内から・・ 徐々にせまって・・・」   
 
アシタカの両脇を挟むサンの太もも、  
派手な中心に気を取られて、その両頬に当たるすべやかな感触を見忘れていた  
アシタカは顔の向きを変え、改めて間近にある胸と揃って触れてみたくて仕方の  
なかったサンの生脚をみた  
 
「サンの脛と・・生の腿・・・ シシ神の森を駆け続けて来た・・・」  
 
膝をついて折りたたまれたサンの脚  
ほっそりとした脛はやや日焼けして、いかにも健康的な少女の活発さの象徴  
烈しい動きで偶にちらちら覗いていた腿、  
脛から日焼けは薄くなり、付け根へ行くほど透き通るような白さ  
太過ぎず、細過ぎず頃合の良い量感が仄かな艶を放つ  
タタラ女達の色艶も逞しさも成熟した大人の女の脚とは違う、瑞々しい青さを  
湛えた十四娘のしなやかな脚  
アシタカでなくともこれを抱えたい、手と口で撫ぜまわしてやりたい  
体に巻き付けさせたい欲望を起さずにおられない  
 
アシタカの手がサンの脹脛を掴む、見た目に反してぽやぽやと柔らかい  
 
「サンの体は、どこも全て柔らかいのだな」  
 
アシタカの助平な手は脹脛の上を滑りながら膝の裏へ達し、腿の裏側へ  
這い登る、そして揉むように撫ぜまわした  
同時にその片側の内へ唇を乗せて、舌でくすぐり始めた  
 
「うぅ・・ んん〜・・」  
 
むず痒さにサンは腰をよじり、また青い息を絞りだす  
アシタカの舌は股の付け根から膝の傍まで、アシタカの指は尻との境目から  
膝の裏まで、すりすりと撫ぜ摩り、サンの脚を賞味する  
 
「えろ・・れろ・・ ほんとにサンの体はどこも・・・  
 柔らかく、かぐわしい・・」  
 
アシタカの熱の篭った愛撫に次第にサンの脚は彼の涎と手垢に塗れていきながら  
ぴくぴくと肌を震わし、快感を得ている証の露をその付け根からじゅん・・と  
滲ませていた  
 
「ア・・ アシタカ・・」  
 
見下ろすサンの眼が潤んでいた、ぱっちりとした瞳に僅かに瞼がかかり、  
うっとりとした表情はアシタカのかつて知らない彼女の顔だ  
サンはぴくぴくと震える腰を微かに振り、今脚を這いずってる刺激を股間に  
求めていた  
 
「アシタカ・・・ そろそろ・・ その上を舐めて」  
 
太ももの裏側を掴んでいたアシタカの手がサンの脚と胴の継ぎ目を越え尻に達した  
むずりと両方の尻を一度に掴まれるサン  
 
「うぁ! アシタカー!・・」  
「おぉ・・ これがサンの尻の触り心地・・つき立ての餅より柔らかい・・」  
 
サンの尻を掴んだまま、アシタカの舌はその股の真下へ向かって伸びる  
やがて、ぬめるざらついた感触がサンの股間をべったりと拭った  
それはぞわぞわとサンの身を脳天まで舐めあげる  
 
「あ!・・ふぅ!」  
 
声を立てずにおられないサン、更なる愛撫を求めて快感にぶれる腰を自ら  
アシタカの鼻の下に落とし込む  
たっぷりと蜜を滲ませたサンの陰唇とアシタカの口唇が接吻した  
咥えあっていく上下の口、アシタカの上唇にあたる、こりっとした感触、  
アシタカはこれか?と思い舌を伸ばした  
間もなくサンの豆はアシタカの舌先でくりくりと転がされるのであった  
ぞわぞわとサンの体を快感の波が這い登る、わなわなと全身の肌が震え、  
とっくの昔から興奮して汗を吹いてるアシタカ同様、彼女もじわりと汗を滲ませる  
 
「くぅ!・・ うぅ!・・ たまら!・・なぃぃ」  
 
サンは悶えた、自らの胸に手を置き、股間を貪られる快感に耐える  
一層大きくぶれる腰はその奥からしとどに蜜を分泌させる  
アシタカの舌が豆から女陰の口のほうへ向きを変える、狭い入り口を割って  
膣の中へ潜り込んだ  
サンの甘酸っぱい蜜がアシタカの舌を伝ってとろとろと喉へと流れ込む  
ごく・・ ごく・・・ サンを啜るアシタカ  
女の尻というにはまだ小じんまりして、つんと丸く張った小生意気な尻を鷲掴み  
にして乳房にするが如く揉みしだきながら、顔はいよいよ深く淫らな穴と咥え合い  
鼻で香りを、舌で蜜を貪りたてる  
 
「くぁ!・・ あしたかぁ・・・」  
 
何時の間にかサンは片方の手で自分の胸を揉みながら、もう一方の手でアシタカ  
の男根を扱いていた  
性交をめざす二人の目があう、へばりつくアシタカの口からサンは腰を退かすと  
その手で握ったドクドク!と怒張する物がある方向へ滑らせて行くのだった  
 
山頂の乱れ舞う風に靡く草の上に寝そべる少年とその腹の上に乗った少女  
肌に滲んだ汗と、胸にさがった玉の小刀が幾らか傾きかけた日の光を七色に  
乱反射している  
双方息は荒く、烈しい戯れですっかり牝と牡のにおいを発し、  
潤んだ目で見つめ合う  
跨るサンの体の中から垂れ落ちるものがアシタカの怒張の先に降り掛かっていた  
少女は少年の逞しく青筋立てて天を向く男根のその上に腰をそっと降ろし宛がう  
 
「サン・・・」  
「アシタカ、このまま真上に私を・・ 挿せ」  
 
アシタカの手がサンの腰のくびれに両側かけられた  
高飛車な言い草なれど、サンのアシタカを見つめる眼は温かい  
 
「では・・ いざ・・」  
 
腰を浮かせるアシタカ、  
その先がサンの入り口に触れ興奮の熱が互いに伝わりあう  
ぴくんと震える玉の小刀、アシタカもまた、低く短く唸る  
ことにアシタカは興奮の高まりが強い  
 
「く!・・ サン!・・」  
 
アシタカはサンの牝の香りに惹かれるまま、ぐい!と腰を突き上げ  
欲の権化となった我が牡自身で女陰口を割った  
 
ぬずぅ!!   
「くぁ!!・・」  
「う!・・く・・」  
 
亀頭が陰唇に呑み込まれ、アシタカは吼えた  
サンも繋がり始めた熱と量感に喘ぐ  
 
((ぐ!・・ぐうぅ・・ 何という・・ 熱さ・・と・・きつさ))  
男の最も敏感な場所を包む女の膣の感触、アシタカは歯を食いしばり猛烈な  
鼻息を立てながらサンの腰のくびれを掴む手にぎりぎりと力が入る  
もはや我慢など出来ようものではない  
本能の命ずるまま力強く腰を突き上げ、その淫らに熱い肉体の孔を一気に底まで  
串挿しにした  
 
ずず!ぢゅぅ!・・・ 「う!! はあぁぁ!!!」  
 
サンとアシタカの股間が湿った軋り声を発し、  
其々の肉体が相方の一部と化した衝撃に二人して吼え、頭を仰け反らせた  
 
「ぬぅぅぅ サン・・・」  
「ふぁぁぁ アシ・・タカ」  
 
胸の小刀を煌かせながらサンの上体がアシタカの胸へどっと倒れ込む  
アシタカはそれをしっかりと抱きとめた  
 
草の海に埋もれるように体を重ねて寝そべるサンとアシタカ  
体にかかるサンの体重を受け止めるアシタカの腕がわなわなと震えていた  
 
「な、なんという・・ これが・・ おんなの・・からだか・・・」  
 
ぴったりとアシタカに嵌るように開墾されて来たサンの牝孔  
余すところ無く蕩けるように包み込んで愛する牡自身を歓待する  
その息の止まりそうなほどの心地よさは、まさに未知の領域であった  
 
「う・・ アシタカ・・ すごく・・ 脈打ってる・・  
 私の中・・気に入った?」  
「はぁ・・ 聞くまでも・・なかろう」  
「アシタカ・・ 熱いか?・・・」  
「溶けそうな・・ほど・・・」  
 
少しでもサンが腰をひねれば、アシタカは脈打ちを瞬時に解放して  
しまうだろう  
血が上りすぎてる頭をどうにか冷やそうと意識を無理矢理飛ばそうとする  
ふと、アシタカの脳裏にある情景が蘇っていた  
 
”・・お前が一言でもうめき声を漏らしたなら  
 噛み殺してやったものを・・・ 惜しいことをした”  
 
モロがかつて放った一言  
色々な意味にとれる言葉である、タタリの苦しみから解放してやるため  
それとも別の種類のうめき、丁度今、発してるような・・・  
快感に耐えるアシタカの首元からサンの声が漏れる  
 
「母さんは・・ アシタカとなら生きて・・よいと・・ 私に言った」  
「く!・・うぅ・・ サン・・」  
 
サンの発する声ですら愛で合ってる場所にじんじん響く、しかしサンは続ける  
 
「アシタカ・・ アシタカも共に生きようと・・私に言った」  
 
サンはおもむろに上体を起すと己の髪を数本ぶち抜き、それをぺろりと  
唾で濡らした  
そしてアシタカの根元に手をやり、それで器用にぎゅうぅ!と締め付けるように  
縛り上げてしまった  
 
「うぁ!・・・ さ!・・サン・・ なんの! まねか・・」  
「エボシに・・教わった 夜のアシタカを・・こうして鍛えたのだって・・」  
 
サンは膣を締め、腰を微かに振りはじめた  
ず・・・ ずぅ・・・ アシタカとサンの熱い場所が噛み合いはじめる  
堰き止められたアシタカの怒張に、サンの膣圧が襲い掛かる  
アシタカの顔がもがくような表情に変わる  
 
「アシタカ・・ 宿命だったのだ・・我らの出遭い・・ は・・うん・・」  
「ふぅぅ!・・ サン・・」  
「う・・ く・・ モロ一族は滅びた・・ エボシは賢い人間だ  
 敵を仲間に引き入れて・・・生かしたまま・・滅ぼす  
 毒よりも・・ 石火矢よりも・・ 強い武器を・・見せてくれた」  
「あ! が! サ・・ン・・・」  
 
サンの尻が振られる勢いが増していく、  
咥え込んだアシタカを勝手な昇天を許さず、じゅぷじゅぷ蜜を吹いて扱き立てる  
地獄と天国の狭間がサンの胎の中で展開される  
 
サンの小ぶりな丸い尻がアシタカの腰の上で踊る  
ずっぷ! ずぷぅ!・・・ 堰き止められたアシタカとの交尾  
サンの顔が、余りの痛烈な快感地獄にもはや声さえ出ないアシタカの耳元で  
囁き続ける  
 
「く・・ は・・ 何故・・・人間に・・最後は負けるのか・・・  
 ん・・ ふ・・ よく・・ わかったような気が・・・する」  
「・・! ・・!」  
「山犬の心は・・・ は! う・・なくさない  
 ケモノの心と・・ 人の顔を持つもの・・・ く! ふ・・」  
 私は・・ 私は、またもののけになる!  
 そして・・ 新しい・・一族を作る!」  
 
首を横に振るアシタカ、拒否は許さぬとばかりサンは一層尻を振りたて  
責め立てる  
愛した牡の固さと温度に己の胎底を突かせる悦びにサンもいよいよ  
がくがく震え出していた  
 
「うぁ! ふぁ! あつい・・ アシタカ!  
 我らの・・一族を築こう! アシタカ!」  
 
サンはアシタカの首に組み付いて必死に尻を振る、残酷なもののけと化した  
牝との交尾にアシタカは既に視線が定まらず殆ど意識が飛んでいた  
 
「うぐ! ふぐぅ! それに・・は! たくさん・・子が! 要る!  
 アシタ!・・カぁ・・・」  
 
アシタカのカリの裏側まで絡みつくサンの産道、十四の身空で子を身篭らんと、  
若い牝は健気に牡の生殖管を限界まで熱し、より多くの胤を自らに植えさせる  
つもりなのだ  
 
「ふぁ!! あしたか!・・ 放て!! 私の胎に・・」  
 
ずぷ!!ずぷ!!ずっぷぅん!!! サンの尻が一際大きく、重くアシタカに  
圧をかけた、アシタカの限界まで張り詰めた亀頭口が己の子宮口にずっちりと  
接吻してるのを感じながらサンはふっ・・と尻から力を抜いた  
どくん!という、津波のような脈動がぶちん!とアシタカの根元に巻かれたサンの  
髪を弾き切り、産道を急激に遡り、ごびゅ!!・・と口付けしている子宮と亀頭  
の咥え目に迸った  
 
「んん!! あつい!!!」  
 
サンは子を宿す位置に弾けはじめた灼けるような濃いどろどろ感を受けて  
がくつくアシタカの骨盤に己の骨盤をがちりと押し付ける  
噴出し始めたアシタカの陰茎をサンの産道がしっかりと搾り上げ  
ここぞとばかり己に胤を植えさせる  
 
「あぁ・・うぅ・・ いつに・・なく・・ あつぅ・・」  
 
大量の精に膣内を過流される快感にサンは至高の表情を浮かべた  
 
「おおぉ!!!・・   お・・・おお・・・」  
 
アシタカも射精を解放されたことにより意識を戻す  
そして再び緩みきった表情になる  
地獄から天国へ、抑圧のあとの心の底から抜けるような射精感、  
サンの体に存分に己の因子を刻み込む  
綻びきった顔で互いにしがみつき、密着した青い肉体は子孫を繋ぐべく  
延々びくびくがくがく戦慄き合った  
 
ひゅーん・・山の頂を風が抜けていく ざわ・・ざわ・・風が草の海を靡かせる  
はぁ・・はぁ・・清涼な風音に不協和な息の音が混雑する  
草の緑に埋没するような肌色の尻と背中、  
いまだアシタカの上で寝そべるサンの体だ、  
烈しかった性愛の余韻いまだ覚めやらず、二人して生温い息を山の空気に  
吐き出していた  
 
「あの時もこんなふうに草の上に投げ出されていたな・・・」  
「そうであったな・・・」  
 
さんざん一方的に責めておきながら、今はうっとりと目を細めて、  
アシタカの体の上で身をすくめているサン  
サンの肩に手を回しながら、ひたすら彼女の今までの言葉について考えていた  
((・・・私と・・自分達のだけの・・一族を築く・・・  
  また・・もののけになる・・・))  
アシタカは何故、エボシが”もう一人のアシタカ”を作り出したのか、ようやく  
理解しはじめていた  
サンがむくりと顔をあげる  
 
「アシタカ・・ すまん、思い切り責めてしまって  
 もしかして、誇りが傷ついた?」  
 
アシタカはそんなことはないと首を横に振った  
サンは、また元気にしてあげると、アシタカの体の上でごそりと頭と足逆さまに  
方向転換した  
アシタカの目の前に、サンの尻と股間が現れた  
((・・・なんという・・どろどろではないか・・・  
  すべて、私が今しがたサンの中で出したものか・・・))  
はげしく汚れたサンの股間、薄桃色だった陰唇は泡立ちに染まり、彼女の呼吸で  
ひくひくと開閉する膣口はいまだに粘った白濁汁をだらしなく垂れ流していた  
異様に卑猥な光景はアシタカの劣情をくすぐり出す  
そんな時、下半身に鋭い刺激が駆けた  
 
「く! サン、何をする!・・」  
 
己のいまやすっかり腑抜けた男根を撫ぜたざらついた感触はあきらかにサンの  
舌の感触  
 
「アシタカ・・・ おまえのためなら・・ 何でもできる」  
 
もう一人のアシタカに対しては、手で扱いたことはあったが、口まで持っていった  
ことは一度もなかった  
サンはアシタカの萎れた竿を指で摘み上げると、口の中で唾液を溜め込み舌に  
たっぷりと含ませた、そしてそのまま唇を亀頭の先に寄せていった  
サンの鼻息がアシタカの男根を包むやいなや、ちゅぅっ・・という湿った音を  
立てて亀頭と唇が接吻した  
そしてサンはむず・・と口の中に茎まで含み込んでいくのであった  
 
「おぉ・・ サン・・・」  
 
アシタカは仰け反った、サンの奉仕に応え少し力を取り戻す  
 
「んぶぅ・・ これが・・男根の・・味・・・ ごほ・・」  
 
はじめての尺八に挑むサン、むせびながら、エボシの手解きを思い出していた  
 
ぴちゃ・・ぴちゃ・・ 山の澄んだ空気に混じる卑猥な不協和音  
サンが口の中で必死にアシタカの牡を育てていた  
舌を蠢かして男の根にたっぷりと粘った水遣りをする  
ちゅぶぅ!・・ひっぱるように吸いたて、裏筋からカリの裏まで舐め摩り  
大きく逞しく育てていく  
 
「くうぅ!・・ これは・・たまらない・・・」  
((・・・サン、この娘はまだ人間と山犬の間で揺れているのだ  
  この短い間ではいたしかたもない・・・))  
 
そこそこ太く長く育ったところで、サンは咥えたまま頭を上下に振りはじめた  
じゅぷ! じゅぷぅ!・・ 可憐な唇が熱烈に男根を扱き上げる  
口の中では舌が根元から亀頭まで合わせてぬぶ〜・・と走り抜ける  
 
「おう! サン!・・・」  
「ん!・・ こほ・・息が・・・」  
 
アシタカは頬張るサンの息を詰まらせるほど大きく立派に幹を張る  
サンはずぽ・・と己の涎塗れで戦慄く、見事に育成させた牡の根から光る糸を  
引きながら口を離した  
そして今度は、アシタカの脇にごろりと仰向けに寝転んだ  
 
「アシタカ・・・ 今度は上から挿して」  
 
アシタカはサンの上に覆い被さる、同時にサンは自ら足を大きく広げた  
その真ん中にアシタカは己の欲望ではちきれんばかりの物をおずおずと宛がった  
サンの目をちらりと確認する、こくりと頷いてみせる彼女  
アシタカはぐっ!と腰に力を込めた、ずるん・・と慌てん坊は弾かれ、その茎で  
サンの縮れ毛を梳いた  
ばつが悪そうにアシタカはもう一度宛がい直す  
 
((・・・サンは、一生人間にはなりきれぬかもしれない・・・  
  たとえそうであろと・・・サンを、この娘を守れるのは・・・))  
アシタカの先端に熱が篭る、ぷつりとサンの熱い部分に先をつけた  
さっきより強く互いの熱が伝わりあう  
 
((この娘を守れるのは・・・この、私しかいない!!))  
ずっ!・・と鳴って、アシタカの腰が重く滑るようにサンの腰と重なっていく  
二人の熱い部分は纏わりつくでろでろしたものを吹き散らし固く結合  
アシタカの亀頭口とサンの子宮口が再びきつく接吻した  
 
「うはぁ!!」  
 
同時に男女の肉体同士と心が繋がる歓喜の声が二人同時にあがる  
 
「うぁ・・アシタカぁ・・」  
「サン、そなたは・・ 私が・・死ぬまで守り抜く!」  
 
アシタカは確認するように一旦引き出し、サンの胎の中へ  
今一度、力強くぎっちりと挿し込んだ  
サンは”ああっ!!”と鋭く嬉声を絞り出した  
 
草むらの中で一対の若い牡牝がまだ未熟さを残す肉体を交える  
再び性愛に現を抜かすアシタカとサン、十六の牡は十四の牝の体を  
興奮した吼え声を立てながら打刻する  
 
「ふぅ! ふっ! ふっ! ふぅ!・・・」  
「あぅ! あっ! あっ! あぅ!・・・」  
 
低く絞りだすアシタカの吼え声に比し、打刻を受け入れるサンの吼え声は  
一段甲高い  
ひしりと抱き締めあい密着すること一分の隙もなし  
サンはアシタカの首に腕を回してしがみつき、アシタカはサンの撓る背中に  
腕を回してみっしりと抱きとめる  
互いに上になり、下になりしつつ身を融合しあう  
飛び散る汗は周囲の草の葉をじっとりと濡らし、さらに濡らした草を  
ごろ!ごろ!と転がり回って下敷きにする  
 
「あっ! あっ! あつぃ! アシタカ!」  
「んっ! ふぅ! あつぃな! サン!」  
 
熱烈に交わるサンとアシタカ、肉体を刻みあい、精神を刻みあい、  
生命を刻みあう  
サンの肌にアシタカの汗が流れ、アシタカの体はサンの汗に塗れる  
弾けるような瑞々しい肉体は髪から足元まで全身千切れた草を貼り付けたまま  
快楽を貪るようにがつがつ尻を振り、最も血の昇った熱い所を熔け合せ続ける  
 
背後からヤックルが来た  
はっ! はっ!・・主人達の熱い吐息に耳を立てる  
草だらけで夢中で性愛に励む主人達、ヤックルの瞳に重なり合って打ち付けあう  
二つの尻が映る  
絞り出される吼え声に合わせて、ひくひく・・と収縮する主人達の肛門、  
その間で露を飛ばしながらアシタカの嚢がサンの淫唇を叩き捲くる  
しばし不思議げに眺めたのち徐に近づいていった  
 
興奮して紅に染まった二人の肌につんとヤックルは鼻をのせた  
 
「わ!」  
「きゃっ!」  
「ヤッ!・・ヤックル?!」  
 
鼻でつつかれても動きに変化のない主人達の肌にヤックルの舌が伸び始めた  
人間の舌と比較にならないほど長く幅広の舌が先ず上になってるアシタカの肌に  
触れた  
 
「わ! ヤックル・・よせ」  
 
アシタカの背中を舐め回し、汗で貼り付いた草を剥がしてムシャムシャ食む  
堪らずアシタカはごろりと転がりサンと体勢を入れ替える  
当然今度は、サンが犠牲になる  
 
「ひゃわっ! やめぇ! ひゃはは!!」  
 
サンのうなじから背中全体をヤックルの舌がべろべろ舐め回す  
 
「あぅ! やめ! だめだ! ふぁ・・ アシタカ!代わって!!」  
「はぁ はぁ 大丈夫・・・ そなたの分、私が・・くふ 動こう」  
 
転がって逃れようとするサンをアシタカは下からがしりと抱えて押さえた  
そして背筋に走るぞくぞくの所為で動きの弱まったサンの腰をこれまでにない  
勢いで串挿しはじめた  
 
「あわ! くすぐったぁ! ふわっ! あっつぃぃ!・・・」  
 
背筋を上から撫ぜられるざらついた感触と胎の中を下から掻き回される熱く  
固い感触にサンはびくびくぞくぞく肌を奮わせる  
やがてヤックルはサンの背に貼り付いた草を掃除し終わると、舌を白い尻に  
移動させた  
 
「ふぁ・・・ん」  
 
幅広舌がサンの丸い尻たぶをぺろんぺろん舐め回し、ぺっとり貼り付いた  
草の葉を食み取っていった  
 
「ひ!!いぃ!・・・」  
 
サンの背中が思い切り跳ねる、  
幅の広いざらついた感触に尻の穴を突付かれたのだ  
さらにヤックルの舌はサンの尻の割れ目から二人が盛んに穿ちあってる場所  
を経由して下になってるアシタカの尻の穴までを一直線に舐めおろした  
 
「う!わぉ!・・」  
 
アシタカも異質な感触に一段大きく吼える  
以降ヤックルの舌は二人を祝福するようにしきりに重なった股の間をべろりべろり  
舐め上げ下げしはじめた  
 
「か!・・あ! たま・・らん!」  
「ひ!・・う! ヤッ・・クル だめ・・」  
 
ヤックルはことにアシタカの嚢とサンの肛門を何やら気に入ったらしく、念入りに  
はむはむ・・つぷつぷ・・舐め回していた  
苦悶の表情を浮かべつつ、二人の刻みあう勢いはますます増していく  
 
ざらついた生温かい舌がアシタカの陰嚢を解すように舐め回し  
ぶしゅ!ぶしゅ!露を吹きながら出入りを繰り返す牡牝の器のまわりについた  
滓を舐め取り、サンの呼吸に合わせてひくつく肛門にぷちゅと挿し入って、  
腸の中まで掃除される  
 
「うふぅ・・・ やっ・・くる・・ そこ・・だめ・・・」  
 
ヤックルの気の利いた行動にサンとアシタカは深い快感の坩堝に陥る  
もはや二人の下半身は蕩け切って、別の生命のように狂おしくがくがくと  
躍動し続ける  
急激に性愛の極みへと向かっていく、アシタカは腰をサンの腹にめり込ませる  
勢いで没入、二人の骨盤が先ほど以上にがちり!と接した  
 
「うぁ! ふぁ! あし! たかぁ!!  
「うぉ! サン! ぬぉ!! おぉぉ!!!」  
 
サンの体の最も深い所でアシタカは絶頂を迎えた  
全身を突っ張り、さんざんヤックルに解された嚢の中身をなみなみとサンの胎  
めがけて注ぎ込む  
 
「あ! あした!!かああああぁぁぁぁ!!!!!」  
 
ヤックルの舌に肛門を挿されたまま、サンも天上へ赴いた  
しっかりと抱き締めあい、二人揃って顎をそらし舌を突き出したへなり顔で  
命の素を繋ぐ  
サンの胎内で繰り広げられる亀頭口と子宮口の熱く濃い接吻  
生命の源をびく!びく!と伝え合う  
アシタカは初回に負けない量の愛をサンの子を宿す所に注ぎいれてやった  
 
 
日の落ちかけた山の頂上、裸のままじっと動かずに空を眺めるサンとアシタカ  
 
「雲が流れていくな・・・」  
「アシタカのが、私の中から流れ出てく・・・」  
「・・・夕方になると山の空気のにおいが変わる」  
「私のお腹からアシタカのすごい匂いがしてる・・・」  
 
アシタカはちらりとサンの下半身を横目で覗く、  
放出を終え、彼女から抜き取り、今寝そべってる場所までの道筋がくっきり  
サンの開いた女陰から、太ももや草の上に白く泡立って印されていた  
再び視線を空に移し、話題の転換を試みようと考えあぐねるアシタカ  
サンのほうから切り出してきた  
 
「アシタカは都というところへは行ったことがあるのか?」  
「ない 秩序と混沌の同居する人の巨大な巣だと聞き及んでいる」  
「人間の巨大な巣穴・・ 母さんも、エボシも同じように言った  
 ところでアシタカ、古里へは帰る気はないのか?」  
「ない」  
「私の所為?」  
「それもある」  
「もし私が、おまえの古里を見たいと言ったら?」  
 
アシタカは口をしばし噤んだ  
 
「そろそろ帰るとしよう、皆が心配する」  
「そうだね」  
 
脇でヤックルがすっかり飽きてうたた寝していた  
 
(終わり)  
 

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