キチキチキチ・・・  
耳元で虫の鳴く声がする 頭の上では梟の鳴く声も  
すっかり日が落ち、暗くなった山の中でサンはゆっくりと目を開けた  
う・・ と静かに唸りながら頭を振る  
立ち上がろうとするが尻がいまだにヒリヒリ痛む  
木の傍まで這って行き、幹に掴まりながらどうにか立ち上がった  
へっぴり腰のまま、足を引き摺るように歩くサン  
二度深呼吸して大声で弟犬を呼んでみた、当然返事などあるはずがない  
ただ山すそから吹きあげる夜風にサンの声が混じり山間にこだまするばかり  
絶望的な予感に取り付かれながらもサンは歩き始めた  
 
「腹が・・ 減った・・・」  
 
木を伝いながらひたすら歩く、目から涙が溢れて止まらない  
私をひとりにしないで・・・ 私をひとりに・・・  
何度もころぶ、服は泥だらけになり、顔に落ち葉が張り付く  
枝の間を通る度、引っ掛け捲くった小枝や蜘蛛の巣で髪がくちゃくちゃになる  
それらを払うこともせず、ひたすら、ひたすら進む  
 
森がひらける、小高い丘のような場所に出、眼下に湖が広がった  
湖のほとりにあの忌々しい・・ しかしアシタカのいるタタラの村  
さらにその手前に不自然に焦げた野原、ここに覚えのある匂いを感じた  
地面に這いつくばり鼻で土を擦るように嗅ぎ捲くる  
匂いの強い場所を探り当て、掘り始めた  
ザクッ・・ ザクッ・・ ひたすら掘る、必死で掘る  
爪が割れ、血を吹いても掘る勢いは衰えない、そして見覚えのある毛先に  
指先が触れた  
 
夜の山裾、小高い丘に山犬の姫の絶叫が轟き渡る  
無惨な姿に成り果てた弟の頭を抱き、サンは喉が潰れんばかりに嗚咽した  
サンの心に夜叉が宿った、弟の血を顔に塗りたくる  
涙の色を真っ赤にしたもののけの姫は腰の短刀を抜くと一直線に  
タタラの村めがけて駆け下りた  
 
 
「山犬の姫だーーーー!!!」  
 
見張りが大声で叫ぶ  
エボシ、ゴンザ、女どもも石火矢工も手に手に得物を取って建物中から  
出てくる  
アシタカは薬でぐっすりと眠り込んでいた  
 
「自分から現れおったか・・・ さてと」  
「エボシ様、わしが先に出ます、他の者はエボシ様をお守りせよ!!」  
 
ゴンザは得意の大野太刀を振り上げ櫓の下に陣取った  
他の者とエボシはもう一度建物の中へ引っ込み身を潜めた  
 
櫓の上に立つもののけ姫を月明かりが照らし出している  
その眼下には巨大な刀を担いだ大男がひとり見上げていた  
 
「やい!もののけの娘、よう聞け!!  
 今宵は何時ぞやのようなわけにいかぬぞ、  
 その青い尻からまっぷたつにしてくれる!!  
 さあ!かかってこいやぁ!!」  
 
ぎらりと眼を光らせたもののけ姫は、何の躊躇もなく櫓を飛び降りると  
馬鹿正直に正面から突っ込んで来た  
 
あああああ!!!!  
 
奇声をあげて短刀を振りかざすもののけ姫めがけてゴンザは大刀を  
せいやぁ!!と振り放った  
ガキィ!!・・火花が飛び散る、  
もののけ姫がまともにその剣を己の短刀で受けたのだ  
以前ならひらりと飛び退いたところだが今回はあきらかに違った  
エボシ一人を狙い討とうというわけではなく村の者全員を皆殺しにするはらなのだ  
 
ざざぁ!!・・ 剣圧で体の軽いもののけ姫は後ろに吹っ飛んだ  
いくらなんでも真正面から力勝負ではとても太刀打ち出来る相手ではない  
まるで冷静さを欠く娘の様子を見て、エボシが密かに周囲のものに指示を出す  
 
むっくりと起き上がるもののけ姫、しかし手に握られた短刀は刃が折れ  
柄だけになっていた  
さっと役に立たなくなった手の物を捨てると、またしても遮二無二突っ込んで行く  
 
きああああああ!!!!  
 
鋭い奇声が近づいて来る  
刀を構えなおすゴンザの背後から間髪いれずエボシの声が飛んだ  
 
「ゴンザ! 殺すんじゃない!!」  
 
ゴンザは慌てて刀を逆さに構えなおし峰打ちの姿勢  
間合いをみて、ぶぅん!!ともののけ姫めがけて振り放った  
今度はいつぞやの如く、姫はひらりと太刀筋をかわし、ゴンザの顔を踏みつけて  
その背後に降り立った  
 
「ぬお!! この・・おのれ!またしても!・・」  
 
この世で最も難い敵、エボシ御前が何時の間にやらゴンザの背後に立って  
いるのがもののけ姫の眼に入ったからだ  
 
がああああああ!!!!  
 
エボシめがけて素手のまま突進していく  
涼しい顔でみつめるエボシの一本しかない手に、唐傘連の者達が使っていた  
吹き矢筒が握られていた  
 
ヒュン!! 風を切り裂く鋭い針の飛ぶ音  
 
「う!・・」  
 
もののけ姫が顔を顰める、肩に鋭い針が深々と突き立っていた  
それでも姫は突進をやめない  
そして、遂にエボシの首に手が掛かる  
 
「エボシ様ぁ!!」  
「手出しするんじゃないよ!!」  
 
ゴンザ他、周囲の連中が駆け寄ろうとするのをエボシは静止する  
 
「しねええええ!!!・・ え?・・ えぅ・・・」  
 
エボシの首にもののけ姫の指が食い込む、しかし一瞬だけであった  
怒りにたぎった姫の瞳は苦悶の表情に変化した  
 
「う・・ お・・のれ・・ にん・・げん・・め・・・」  
 
痺れ針にやられ、エボシの首を締めた姿勢のまま、ずるずると崩れ落ちる  
もののけ姫、皆が飛び出して来て駆け寄った  
 
「エボシ様!!だいじょうぶですか!!」  
「わしの貸した道具が役に立ったようじゃの」  
 
びりびりと全身が痺れ地面に蹲るもののけ姫  
それでも視線は鋭く、歯を剥き出して自分を囲む人間どもを鬼火の如き瞳で  
睨み回す  
 
「ぐぅ!・・ うるるぅ!!!」  
「まさに人狼じゃの 凄まじい憤怒の相、とてもこの齢の娘とは思われぬ  
 どれ、拙僧が引導を渡してくれよう 楽になるがよいぞ」  
 
ジコ坊がエボシに代わって、小刻みに震えて動けずにいるもののけ姫の  
肩から針を抜く、そして延髄に当て身を食らわした  
もののけ姫は”う!・・・”と鈍く唸ると意識を失って脱力した  
 
「案外、呆気なかったのぉ」  
「凄まじい殺気の割に動きにまるで切れがなかった・・原因はわからぬが」  
 
ぴくりとも動かなくなったもののけ姫を囲む面々は一同、ほっ・・と溜息を  
漏らした  
この地に来てから散々村を脅かし続けて来た山犬の娘は、こうしてついに  
捕えられたのだった  
 
「それにしても酷い汚れよう、酷い匂いだ、人間の娘らしくしてやらぬとな  
 誰か風呂を沸かして、それと頑丈な牢屋を狭くてよいから拵えてくれ」  
「・・・片付いたら私の閨に参るがよい、出発はもう一日延ばしでよい」  
 
エボシは皆に指示を出し終わると最後にゴンザにそっと耳打ちした  
ゴンザは身を固くして、でれっと鼻の下をのばしていた  
 
「ア・・・シ・・・タ・・・カ・・・」  
 
縛り上げられながらうわ言のように発するもののけ姫  
建物の奥で何も知らずに夢の中にいるアシタカが一瞬薄く眼を開いた  
 
淀んだ頭が少しづつ覚醒していく、嗅ぎ慣れぬ妙な匂いが鼻をくすぐる  
ゆっくりと瞼を開けるサン、ぼんやりと見慣れぬ風景が瞳に入ってくる  
 
「・・・人間の・・におい・・・」  
 
これほどまでに強烈にこの世で一番苦手な空気を感じたことはなかった  
くわっ!と眼を開け、急激に頭を動かした  
 
「う!・・・」  
 
その瞬間、ズキーーンと鋭い頭痛に襲われ、手で頭を抑えようとした  
しかし、腕はぴくりとも動かせない、手首を覆う重く冷たい感触とジャラリ・・と  
鎖の引き摺る音だけが耳に入って来た  
自分の手を見つめて唖然とするサン、重い枷を手首に嵌められてるだけでなく  
両手とも握った状態で包帯でぐるぐる巻きにされていた  
さらに足にも枷がつけられ四本の手足は鎖で結ばれ太い柱に巻きつけられていた  
 
「ようやくお目覚めだね、丸二日間眠りっぱなしだったよ、もののけ姫  
 いえサンと呼ぼうかね」  
 
この世で最も嫌な声色に、ぼやけた頭が一瞬にして冴える  
しかしズキズキと頭痛も倍加する、痛みに耐えながらも必死の怒りの相を  
声の主に向ける  
 
「おやおや、恐い顔だこと・・ せっかくの可愛い顔が台無しじゃないか」  
 
余裕たっぷりのエボシ御前が上から見下ろしていた  
サンはぎりぎりと歯軋りしながら益々険しさを表情に刻んで睨み返した  
 
「おのれ・・ エボシ・・ 私をどうするつもりだ!」  
「人間の娘として育てる」  
「ふ!・・ ふざけるな!! 殺せ!とっとと殺せ!!」  
「ははは、死にたければ舌でも何でも噛み切ればいいさ  
 そのくらいの自由は許している」  
 
一矢報いて相討つならともかく、単純な自害などありえない獣の性分を  
叩き込まれていることを見透かしたうえでの物言いであった  
総毛立つほどの怒りを覚えながらも、目の前の敵から受ける屈辱に  
全く手が出せずひたすら歯を鳴らすばかり  
 
「どうだ?アシタカ、この娘は?」  
「・・・はい、可愛らしい娘ごと存ずる、  
 とてもモノノケの姫とは思われませぬ・・・」  
 
一瞬、心臓が大きく高鳴るサン、恐る恐る男性の声がしたほうを振り向いた  
そこには今まで待ち望んだ顔があった  
 
「アシタカ?!・・」  
 
しかしすぐに彼の顔が、彼女の良く知るそれではないことに気付いた  
やや頬がこけ顔色があまりよくない、それに増して表情が暗い  
まるで魂を失ったかのように表情が無く、瞳の光はすこぶる鈍い  
 
「ど、どういうことだ・・ アシタカに何をした!!」  
 
自分を包む周囲の匂いがきつく感じ始める、頭痛に続いて眩暈が起き始めていた  
 
「何を世迷言を言うておる、アシタカは前からこの調子だ  
 おまえの仲間の山犬を討ち果たしたのもこのアシタカぞ」  
「う! う! うそだ!!」  
 
サンは大声で叫んだあと、頭が割れそうな頭痛に襲われ、顔を顰めた  
 
「アシタカ、おまえの口からも言うてやれ  
 人里に害をなす山犬を成敗したのだと」  
 
眉一つ動かさず、口だけゆっくりと開くアシタカ  
 
「・・・山犬は私が殺した・・・」  
 
サンの胸の中で何かががらがらと音を立てて崩れた  
目の前が真っ暗になる、全ての希望が絶望の色に染まっていく  
嫌な人間の匂いが目に染みる  
 
「おまえら・・・ おまえら、よくも・・・ よくも、よくも!・・」  
 
怒り悔しさよりも好意を抱いていた相手からの裏切られた衝撃が大きかった  
今更ながらサンは着ているものまで何時もの姿でないことに気がついた  
タタラの女どもと同じ衣を着せられていたのだ  
頭飾りも耳飾も首飾りもとりあげられ、もちろんアシタカから貰った  
玉の小刀も姿を消していた  
さらに人間の匂いが己の体から発しているのにも愕然とする  
風呂に入れられ、垢という垢を根こそぎ洗い落とされていた  
その所為か、やけに肌がむず痒い感じがしていた  
 
「これからゆるりと時間をかけて、己が人間であることを  
 人間の素晴らしさを教えてしんぜよう  
 サン、我らがこれからすること、よう見ておくのだ  
 アシタカ、さあ何時ものように」  
 
胡座をかいて座っていたアシタカが立ち上がる  
エボシに近づくと、その袴の帯に手をかけた  
 
サンはそれほど馬鹿ではない、アシタカがエボシに操られてるのは一目瞭然  
であった  
彼の優しさにつけ込み、何か心を狂わす毒でも盛ったに違いない  
そのうえでまんまと策にとらわれ女の言いなりになって我が弟を殺したアシタカ  
に対する怒りも感じていた  
 
エボシの袴の帯がしゅるりと解かれ床に落ちる、続いて上衣の襟に手がかかる  
襟が大きく左右に割れ、肩から外れて先に布の塊と化してる袴の上に落ちた  
儚さを思わせる部分など微塵もない一糸纏わぬ熟した女の体が露になり、  
相向かう少年の服にかかる  
バサ、バサとサンの目の前でエボシが手際よくアシタカを剥いて行く  
サンはこれ以上無いほど目尻に怒りの皺を寄せてその様子を眺め続けた  
 
「母さん・・ シシ神様・・ 弟・・ 何もかも奪い去る・・  
 許せん・・・ 断じて許せん・・・  
 アシタカ!! アシタカよ!! 眼をさませ!!  
 おまえはその程度の男だったのかぁ!!!」  
 
エボシが淫靡な笑みを浮かべてアシタカになりかわり応える  
 
「何を吼えているのか、サン」  
「黙れ!! 母さん以外にその名で呼ぶのは許さん!!」  
「サン、そなたは人間の娘  
 これより人間の男女の交わり、種付けの様子をとくとご覧にいれよう  
 よく見ておくがよい」  
「わ!私は山犬!!・・・そ! そんなもの!・・」  
 
まもなくエボシの一本しかない手はアシタカを産まれたままの姿に剥き終えた  
わざとらしく彼をサンの正面に立たせる、サンにとって初めて見る人間の男の裸身  
 
「よせ!やめろ!・・ 見たくない!」  
 
サンは眼を伏せた、手を伸ばせれば届く距離に二人は立っている  
唐突に頭の上でチュッ!チュクッ!という湿った口音が聞こえてきた  
サンはちらりと上目で覗く  
アシタカがエボシをしっかりと抱き止め、甘い接吻をかわしていた  
サンにとって信じ難い、信じたくない光景、  
あまりの親密な様子にアシタカは狂っているのでなく本心からエボシを愛して  
いるのかとさえ思えてしまう  
頭を振り払い必死に否定しようとするサン  
 
「そんなはずはない! そんなはずは!・・」  
 
その間にも、唇をまさぐりあう湿った音は頭上で響き続けていた  
またちらりと上目で覗き見てしまうサン  
アシタカの唇がエボシの真っ赤な唇を咥えこみ、むぐむぐと吸い立てている  
最中であった  
二人の重なりあった口の中で舌が絡みあってもぐもぐ蠢いてるのが確認出来る  
 
「アシタカ・・・」  
 
意思とは裏腹にサンはもう目が離せなくなっていた  
 
はぁ・・と溜息をつきながら男女の唇が離れた  
大量の涎で二人の顎から首筋まで濡れ光っている  
うっとりと見詰め合う二人、このようなことがこれまでも相当な頻度で繰り返され  
ていることがサンに感じられた  
唐突にアシタカがエボシを床の上に押し倒した  
 
「・・さあ、アシタカ いつもみたいに・・・」  
「・・・はい、エボシどの・・」  
 
艶っぽい声色で誘うエボシの白い裸身に、アシタカの無駄な肉のない精悍な  
体躯が取り付いた  
アシタカの口がエボシの首筋に吸い付く、ちゅぱ・・ちゅぱ・・両の首筋を  
音を立ててまんべんなく愛撫したのを皮切りにアシタカの舌はエボシの体を  
這いはじめた  
 
「おぉ・・ん」  
 
エボシが歓喜の嗚咽を漏らす  
サンの見てる目の前で繰り広げられる淫靡な男女の様子  
アシタカが彼女の見知らぬ男なら、エボシもまた信じられぬ変わり様であった  
この女がかつて勇猛果敢にシシ神を狩ったつわものだというのか  
白い肌をうねらせるエボシに取り付いて全身を舐めまわすアシタカ  
アシタカの女の肌を味わう美味そうな表情、エボシの目を細めて気持ちよさげな顔  
 
「こんな・・ こんな者達に・・ 我が母は・・ シシ神様は・・」  
 
軽蔑の視線を向けるサンに構うことなく、エボシ達は戯れあいの度を深めていく  
アシタカの口が、唾液塗れで妖しく濡れ光る女の胸の膨らみの頂きを摘んだ  
その瞬間、エボシはハァ・・と熱い溜息を漏らす  
アシタカはエボシの豊かな乳房を鷲掴みにしてその乳首を吸い始めた  
 
「乳を・・のんでる・・ 赤子でもあるまいし・・」  
 
自分のより遥かに大きな乳房に咥えついてひたすら吸い立てるアシタカを  
サンは軽蔑の視線に驚きの色を混ぜた  
乱れきった髪を額にはりつけ、荒い息を吐いて快感にたえるエボシの潤んだ瞳が  
サンをみつめた  
 
「ふふぅ・・ そなたも、じきにこの思い・・味あわせてくれよう・・ぞ」  
「これが・・ これが・・ シシ神様の首を飛ばした女か・・ 女の顔か!!」  
「女の悦びを知れば・・・ 誰でも・・こうなるのだ・・・ そなたも」  
「ならぬ!! 私は絶対にそんな顔にならぬわ!!」  
 
その間にもアシタカはひたすらにエボシの乳房を貪り続けていた  
己から深い谷間に顔を落としこみ、其々の手に掴んだ膨らみを両側から押し付け  
頬にあたる柔らかい感触と温もりを堪能するのだ  
 
「おほぉ・・ アシタカや、そんなに頭を振られると・・ くすぐったいぞえ」  
「・・・んん・・ エボシどの・・ 柔くて・・温かくて・・  
 気持ちようござます・・・」  
「愚かな・・・」  
 
己がこんな真似をどこぞの男にされると考えただけで背筋が寒くなるサンであった  
 
「アシタカ・・ さんざん私の体を拭ってくれたな  
 今度は私がそなたを拭ってしんぜよう」  
 
アシタカはごろりと仰向けになり、その上にすっかりいい色に染まったエボシ  
の肢体が取り付いた  
エボシの長い舌が若い体を這いずり始めた  
 
「・・・あぁぁ・・・ エボシ・・どの・・・」  
 
年上の女に体を舐め回されるアシタカの様子、  
サンにとってそれはまさしく子供の頃に見た母と弟達の姿そのままであった  
そのむず痒そうな、それでいて気持ちよさげな表情もまさにそのまま  
 
「・・・えぼしどの・・ くすぐったい・・」  
「ん・・ふふ・・」  
 
男の若い体に己の唾液をまぶしつけていく女の舌の蛇のような動き  
サンにとっては邪神の技のようにうつった  
 
「・・・そうか、これで・・ アシタカを手なづけておるのだな・・  
 まさしくモノノケ・・ もののけはおまえのほうだ!!」  
 
唾液塗れでじゃれあう二人、アシタカの体の上にエボシが逆さまに寝そべった  
そしてそれぞれの目の前にある性の道具を指でいじり始めた  
サンは、はっとした、自分が弟達に偶にしてやってたのと同じ行為  
しかし、その先が違っていた  
二人の舌がべろりと伸び、それぞれの性具に咥えついたのだ  
 
「な! ななな! そんな馬鹿な・・」  
 
小便を出す場所でもあるそれを口にするなど考えも及ばないことであった  
偉そうにしていながら、今までも軽蔑し続けていた人間だったが、  
いよいよこの世で一番下等で下劣な存在に思え始めていた  
さすがに目を背けるサン  
こんな真似を自分がする、されるなど想像するだけで身の毛がよだつ  
 
「アシタカ・・ どこまで落ちれば・・・」  
 
エボシの白い足の間、ぼさぼさの縮れ毛の覆われた場所に舌を伸ばしながら  
むぐりと咥えつく様を一瞬確かに目にしていた  
くちゅ・・ぐちゅ・・ ぴちゃ・・ぺちゃ・・  
アシタカとエボシが互いの性器を貪るように愛撫する湿った音だけがサンの耳に  
こだまする  
サンは出来るなら耳も塞ぎたくて仕方がなかった  
じゅる・・じゅるるるぅ・・・  
アシタカの頭のあった位置から何かを啜り上げる音がなる、  
同時に間髪いれて、ううん・・という女の甘い声  
気になってつい見てしまうサン  
 
エボシの大きな尻と逞しくしなやかな太ももを抱え込んだアシタカが、べったりと  
女の股座に咥えつき舌を伸ばして女から溢れた液を口の周りをでろでろにしながら  
真剣に舐め啜っていた  
サンはさっ!ともう一度目を伏せた、しかしそのアシタカの憑かれた目は瞼に  
強烈に焼きついた  
 
「はぁ・・ はぁ・・ アシタカ・・そろそろ」  
「・・・ふぅ・・・ エボシどの・・・」  
 
ごそ・・と体を入れ替える音がする、背けていた目を再び彼らに向けるサン  
仰向けに寝たエボシがひっくり返された蛙のように足を広げ、その足を掴んだ  
アシタカの腰が女の股のど真ん中に宛がわれていた  
見つめ合う上気した顔、汗が滲み朱に染まった肌同士、その腰の位置で  
ずりずりと青筋立てて怒張したアシタカの陰茎がエボシの濡れそぼって  
縮れ毛を光らせた間から覗く膣の入り口を馴染ませるように擦り上げていた  
 
「・・交尾をするのだ、このふたり・・  
 アシタカ、おまえは牡として、この牝と命を繋ぐのだな・・・」  
 
サンはわなわなと唇を震わせ始めた  
今更、なぜこんな嫉妬心が沸き起こるのかわからなかった  
もう半分以上幻滅してるとはいえ、かつて自分が目をつけた牡を奪われる現実を  
目の当たりにさせられ、堪え切れない思いが噴き上げていた  
それを見透かすようにエボシがアシタカの顔に視線を向けたまま  
からかうような声で言葉を発した  
 
「はぁ・・ サン・・ よう、みておけ  
 これから・・私がアシタカのものとなる様を・・  
 さぁ、アシタカ・・・ 私を逞しう愛しておくれ・・ いつものように」  
 
アシタカは軽く頷くと、陰茎の固い先端をエボシの柔らかい膣口にずぷりと  
挿し込んだ  
体温が噛み合う合図の、ふっ・・という二人の甘い溜息、  
アシタカは腰を進めエボシの産道に己の陰茎をゆっくりと嵌め込んでいく  
ずず・・ 部屋の中に微かに流れる男女の肉の結合していく音  
エボシもアシタカもサンも固唾を呑み、呼吸が止まっていた  
次に三人が息を吐いた時、エボシとアシタカは完全に腰と腰を密着させていた  
 
「はぁ! 今宵もたくましい・・・ 実に・・よい」  
「・・・う・・くぅ・・ エボシ・・どの 私も・・・」  
「あはぁ・・どうだ、サン・・ よう、みるがよい、サン  
 アシタカの魔羅が、このエボシの女陰を寸分余さず貫いておるわ  
 ふふ・・ 神殺し同士の情交・・・ しかと拝むがよい」  
 
アシタカと結合させた場所をサンに見せつけるエボシ  
エボシは何時に無く興奮していた、秘所を貫かれる快感と勝ち誇ったような表情が  
入り混じり一層歪んだ相を形作っていた  
 
「ふぅ・・ エボシ・・こよいは一段と・・・味わいが・・」  
「さぁ、アシタカ・・ 馴染ませあおうぞ・・  
 しっかりと・・馴染ませ・・刻み・・溶け合い・・ そして、この胎に・・  
 う! うはぅ・・ はぁ・・」  
 
堪え切れずにアシタカはエボシを責め始めた  
重なり合い、唸り声をあげながらへこへこと腰を打ち付け合って交尾を行う二人を  
眺めるサン  
 
「こんな男を・・思い続けていたのか・・」  
 
・・・あっ!あっ! アシタカ! あっ!あっ!・・  
・・ おぅ! おぅ! エボ!・・シィ! おぉぅ・・  
感情が冷めていくサンの頭と顔に獣のような二人の熱い咆哮と  
飛び散る熱い汗が降りかかった  
 
サンの目の前で激しく絡み合うアシタカとエボシ  
互いの頭を撫でまわし、男の胸板と女の柔乳が揉みつけあう  
浅黒い肌と生白い肌が上となり、下となり、文字通り溶け合うように互いの肉体を  
交え、刻みあっていた  
ぎっ!・・ぎし!・・ぬちゅ!・・ ぐちゅ!・・   
床の抜けそうな軋む音、肉体の鬩ぎ合う水っぽい音、人間の牡牝の嬌声  
見ているサンにはすべてがぼんやり霞み、蜃気楼を眺めているよう  
 
「あ! いぃ! あ! あ! ひぁ!」  
「・・・エボシ! エボ! もぉ! おぉ!・・・」  
 
しっかりと抱き締めあい、憑かれたように揺れ動く一対の人間の番い  
信じられないほどの勢いで牡の尻が振られ、組み敷いた牝の体を打ち抜いていた  
海老のように折り曲げられたエボシの脚の影、アシタカの睾丸がぺたんぺたん  
女の尻を叩き捲くっていた  
エボシの股間をアシタカの腰が貫くたび、びらびらと震えるエボシの食み出した肉  
の奥から液を吹き散らしている  
何だかわけがわからないほど二体とも液塗れでびっしょりに濡れていた  
 
「これが・・人間の・・・交尾・・・」  
 
非現実的な情景のような錯覚に陥りながら、牡牝と化した二人のことに生々しく  
生殖活動する部位をサンは眺め続けていた  
そして、耐えるように戦慄きながら牝の体に出入りしていた牡の陰茎が、  
ずごぉっ!とこれまでで一番、牝の体にめり込むように打ち込まれた  
 
「・・・うぉ!!・・・」  
 
アシタカが低く唸り、激しい前後動が小刻みな震動に変わった  
締め潰さんほどにエボシを抱き締め密着させた腰を小刻みに震わせている  
 
「ひあ!! はあぁ!・・・」  
 
エボシも応えるように鋭く唸り、ぐっ!とアシタカの腰に脚を巻きつけていた  
二人とも体は強張ってぶるぶると戦慄いているのに、顔はへなりと綻び、  
舌を垂らして目を空ろにさせていた  
 
「あはぁ〜んん・・・」  
 
エボシのこれまでで最高の甘ったるい溜息  
女の悦びを最大限味わってる様子がありありと顔に声に浮かんでいた  
サンにはわかっていた、アシタカとエボシが種付けを行ってることを  
今、熱いアシタカの牡汁がエボシの牝胎へ脈をうちながら注がれている  
サンは目を瞑った、心の中で涙を滲ませる  
はっきりと心の中でアシタカに別れを告げた証であった  
 
四畳半ほどの狭い部屋、蝋燭が二本部屋の隅にかけられゆらゆら揺れている  
部屋の壁のひとつに沿うように大きな柱が一本建てられそこに鎖が巻かれて  
鎖の端にサンがいた  
・・・アシタカ、よかったぞ 少し休んでおるがよい・・・  
うな垂れるサンのすぐ脇から声が聞こえる  
しかしサンには随分遠くから聞こえてるような感覚がしていた  
そして、女が立ち上がる気配がし、彼女の目の前に立ちはだかった  
目だけ上に向けるサン  
エボシが一本しかない腕を腰にやり、仁王立ちしていた  
見下ろす真っ赤な唇、巨大な両の乳房、くびれた細い腰にぶらさがるような  
豊かな尻  
すぐ目の上にぐしょぐしょになった縮れ毛の底から、泡だった雫がどろどろと  
溢れ、逞しい太ももに一条の河を築いていた  
 
「サン、これが人間の子種ぞ 犬の精と比べて匂いや色は?  
 なんなら舐めて味わってもよいぞ」  
 
先ほどまでアシタカにさんざん挿し捲くられ、今目の前で女の胎底から流れ落ちて  
いるねばねばの最高に人間臭い異臭が鼻を突く  
からからとせせら笑うエボシに対し、サンはひたすら睨みつけるばかり  
 
「そう、恐い顔をするな 今度はおまえをかわいがる番だ」  
 
エボシは部屋の隅に置いてあった手提げ袋を取り、再びサンに近づいた  
その脇にしゃがみ込むと中を開け、中身を次々と取り出し、サンの前に並べていく  
 
「おまえの母犬の所為で腕が不自由で敵わぬ  
 いっそのこと、首を噛み砕いてくれれば、こんな思いも、  
 おまえらのような異端の面倒もみずに済んだのに、惜しかったわ」  
「おまえの素っ首!! 必ずや掻き切って、母とシシ神様の祠に飾ってやる!!」  
 
ようやく怒りの息を吐くサン、その面前に様々な薬瓶や壷、急須が並べ終えていた  
 
「ふふ・・ 元気で何より そうでないと張り合いがないでな」  
「ふん、なんだそれは? 毒か? 薬か?  
 卑怯者め、火矢やそんな物に頼らねば我らと戦うこともままならぬか!」  
「牙も爪も持たぬ我らの叡智よ、  
 馬鹿正直に正面から押し通るしか能の無い野蛮な者どもから生活の場を守り  
 広げゆくためのな  
 さあ、その一端を味わわせてくれよう」  
 
言うや否や、エボシは洗濯挟みを素早くサンの鼻に取り付けてしまった  
ふが!!・・サンは息が出来ず、大きく口を開けた  
そこへ今度は急須の飲み口が突っ込まれた  
頭を上へ向けられ、ゆっくりと中身を胃の中に流し込まれる  
 
「ん! んん! ごく・・ ごくん・・」  
「ふふ・・ 美味であろう? 今宵新たな身内が生まれる祝いの酒じゃ」  
 
急須が空になるまで飲まされたサン、顔が早くもぽぉと赤くなり始めていた  
 
「・・はっ・・ ふはぁ・・」  
「あっはは! 良いのみっぷりじゃった、これしきでもう酔うたか?」  
 
産まれて初めて飲まされた酒、しかも媚薬入り  
胃袋に納められた美酒は、まったく耐性のないサンの体にじわじわと染み渡り  
ほこほこと内側から温めていくのだった  
 
「ううっ・・ 体に力が・・」  
「ふふふ 腑抜け薬を少し混ぜ過ぎたかの  
 すごい効き様だ、さて・・」  
 
エボシはサンに寄り添い、衣の腰紐を解き始めた  
 
「さわるな!! さわるなぁあ!!」  
 
必死の声だけの抵抗、対するエボシはまったく意にも介さずサンを剥いていく  
しゅるるる・・・ エボシの手が抜き取った紐を脇へ放り投げる  
はらりと衣の前が肌蹴、十四娘の初々しい生身がほころび出た  
 
「ほぉ・・ なんとも可愛らしい身体だ  
 このつんと上を向いた胸の膨らみ、やたらすべすべの肌  
 私もこの頃はこんなだったかな」  
「やめろ・・ やめろぉ! みるなぁ!」  
 
力が抜け、ぴくぴくと肌を震わすのが精一杯のサンの身体にエボシが遠慮  
することなく取り付いてくる  
衣の前をさらに広げ、綺麗な少女の張りのある乳房を手で取り出す  
 
「さ! さわるな! あぁ・・」  
「歳の割に見事な育ち様だ、ふふ震えておるな、  
 綺麗な桜色の乳首、どれ・・」  
「う!ああぁ!!」  
 
エボシの唇がサンの乳首をくぷりと摘み取った  
そして口の中で舌先でころころと転がすように味をみる  
 
「やめ! やめぇ! ああぅ!」  
 
頭を振って、必死に胸に取り付いたエボシの頭を振り払おうとするサン  
しかしエボシの口はあくまでサンの男を知らぬ胸をいいように味見する  
 
「むぐ・・れろ・・ どうやらまるっきり男を・・・知らぬようだな  
 ふふん・・ 処女の肌か・・ かぷ・・」  
「く! あぁぁぁぁ・・・」  
 
エボシがサンの乳首を軽く噛んだ、サンの身体が一際大きくぴくんと跳ねた  
そしてようやく、ぬぽ・・とサンの胸はエボシの口から解放され、  
ぷるんと揺れた  
 
「感じやすい娘よ これは愛し甲斐がありそうだ」  
 
胸をまさぐり捲くられた衝撃でいまだ深いため息をつくサンの顔にエボシの顔が  
迫った  
エボシの長い舌がサンの顔の刺青をぺろりと舐める  
額から、頬をくすぐり、大量に流れ出た汗を綺麗に舐め取る  
 
「かわいい顔だ、山犬と暮らしておったとは思えぬ」  
 
サンの頬にエボシの真っ赤な唇が接吻する、小生意気な鼻の頭を舐め、  
その柔らかい可憐な唇をゆっくりと奪い取った  
 
ちゅっ・・ ちゅぅぅ・・ エボシの唇がサンの唇を玩んでいる  
決して不用意にもののけ姫の口の中に舌を挿しいれたりはしない  
可憐だが適度な厚みのある上下の唇を交互に咥えて吸うように扱き  
舌先で唇の裏側や歯茎の表側をくすぐってやる  
 
「ん! く!・・」  
 
エボシのぬらぬらと蠢く舌先に的確にツボを突かれ、サンはその都度  
声を発せられていた  
最後に口全体を大きく咥えられ、ぬちゅうぅ!!と思い切り吸われて解放された  
 
「とりあえずはここまで」  
「はぁ・・ はぁ・・ お・・のれ」  
 
エボシと自分の涎が混ざったものを口の端から微かに滲ませ、悔しげな視線  
を向けるサンの前でエボシは次の準備にかかっていた  
並んだ薬物入れの中で一番大きな壷の封を開け中身を手でよく解していた  
 
「サン、これはよいぞ  
 これを塗られると、女の芯が疼いて堪らなくなるのだ  
 体中至るところ、火照ってかなわぬようになる」  
 
・・・いやだ・・やめろ・・・目で訴えるサンに壷を持ったエボシが近づく  
べっちょりと琥珀色の半液体をエボシの手が掬った  
そしてその手はサンの鎖骨のうえに当てられた  
 
「くぅ!」  
 
異様な感触にサンの眉間に皺が寄る、エボシはぬず〜と薬液を首元から肩口まで  
鎖骨をなぞるように塗り広げた  
じわ〜ん・・と塗られた場所が熱をもつ、ぞくぞくとしたかつて感じたことの無い  
感覚がサンの身体にはしった  
 
「サンよ、山海経なるものを知っているか? 明国に太古から伝わる書物よ  
 これはそれにも記されておるらしい仙薬のひとつとされておってな・・・」  
「あ・・ くぁ・・ は・・」  
 
ねりねり・・ぬりぬり・・講釈を垂れながらエボシはサンの身に薬液を塗ってゆく  
生えかけの腋毛を撫ぜながら、日焼けした腕に塗り広げる  
そして無駄な肉のまったくついていない腹を摩り、臍をほじった  
わき腹に手を回し、まだまだ未熟で未発達な骨盤に沿って薬液塗れの指は滑り  
落ちて行く  
じんじんと痺れる熱を帯びた感触が若々しい身体に広がって行き、無意識のうちに  
一人前に艶っぽい息を吐いていた  
 
「明国はこの国と比べ遥かに広い、人界の及ばぬ所もまた果てしない  
 仙人なる者でなければ分け入るも適わぬ険峻且つ魑魅魍魎の跋扈する所  
 より採取せし貴重な霊草、獣の体を材料に煎じたものがこれなのだという  
 伝えだ・・・」  
「あぁ・・ あふ・・もぉ・・ぬる・・な・・」  
 
ぬりゅ・・ぬにゅ・・ サンの引き締まった、それでいてぽこんと丸みを帯びた  
尻たぶをエボシの手がこれでもかとばかりに揉み摩る  
青さと豊かさの混じった子供と大人の合間の生意気な尻を摘み上げる  
 
「あ!・・ひぅ・・」  
 
サンは尻をぷるんと震わせた  
 
エボシの手はさらに下へ伸びて行く、野山や木々の間を軽やかに駆け抜ける  
サンのしなやかな太ももを柔らかい筋肉に沿って指を滑らせる、  
少し傷のある膝小僧から、産毛の多い脹脛、締まった足首まで、縦横無尽に  
手を走らせ、ねっとりと薬漬けにしていった  
 
「さて、残りは特に念入りに塗り込んでやらぬとな・・」  
 
エボシは壷の中にずぼっと手を浸すと、たっぷりと掬い取り、その手でサンの  
胸を鷲掴みにした  
 
「あ! うぁ・・」  
 
もみもみ、ねちゃねちゃ・・エボシの手で揉みしだかれるサンの胸  
まだ固さの残る育ち盛りの膨らみが見る見るでろでろの薬液に塗れて  
いい色に染まっていく  
 
「あぁ・・ やめ・・ ろぉぉ・・」  
「伝聞の真偽はさておき、これは希少で高価な代物なのだ  
 こんなに大判振る舞いされて、感謝するがよいぞ」  
 
一方を揉みくちゃにしたあと、さらにもう一方の膨らみも薬を塗していく  
 
「実に感じやすい子だ、このままこの桃色の頂きを啄ばんでくれたら  
 漏らすやもしれぬな」  
 
エボシは少女の胸を揉みながら、べろりと舌舐めずりした  
そしてさらに壷の中に手を入れ残り全部の薬液を掬い取ると、その手を  
サンの股の間へと運んだ  
びくん! サンの体が一瞬波打った  
全身で一番敏感な個所に液薬塗れの指が触れたからだ  
 
「ど・・ どこを・・さわってる・・ あぅ!」  
 
生えかけの薄い毛の上にエボシの掌がぺっとりと被され、そのうちの二本の指が  
縦筋をなぞりはじめた  
 
「ふふ・・よおく解してくれよう」  
「あ・・ やだ・・ あぁ」  
 
エボシの手がサンの恥丘を包んだまま孤を描くようにむみむみと揉み立てる  
そしてしなやかな指先が陰核と尿道を同時に刺激する  
男を知らぬ身体を強引に開花させようと、エボシの手は容赦なくサンを責め解す  
敏感な粘膜にじわじわと薬液が染みていく、サンは太ももの内側をがくがくと  
震わせた  
 
「やだ! いやだぁ! ああぁ・・・」  
 
激しい快感地獄にサンの短い髪が逆立つ、  
脱力して、おまけに全身に塗られた媚薬の所為でぼぅと焼けるように火照る身体を  
必死にひねって、エボシの手から逃れようともがく  
しかしエボシの手は剥がれるどころか、さらに中指がサンの中へぬめり込んで来た  
またしてもびくん!とサンの頭が反った  
 
「ふふ・・腰が砕け、骨抜きになるのはまだまだこれから」  
 
エボシの三本の指はそれぞれ、サンの陰核、尿道、そして無垢の膣道の三所  
を巧みに責めていた  
堪らずサンの奥から人生で最初の淫らな露がこんこんと湧き始めるのだった  
 
「ふふ、ふふふ・・ 湧いて来たぞ おまえの中から女の汁が  
 さあ、漏らすのよ もっともっと淫らに漏らしや」  
 
サンは悔しさと快感の屈辱の中で必死に理性を保とうとしていた  
エボシとアシタカがまぐわってる時は忘れていた頭痛が今また、当初の倍になって  
蘇っていた  
耐えようと歯を食いしばれば頭は割れそうになる  
容赦なく下半身から快感のうねりは体の上へ、全身へと這い登って来ていた  
鼻水と涎が止め処なく零れ落ちる  
 
「か・・あさん・・」  
ぷしゃ!!  
 
サンは遂に軽い陥落を見せた、エボシの手を初潮で濡らした  
少女が見せるこの世で最初の快感に満ちた顔、半面は悔しさに、もう半面は悦びに  
歪んでいた  
身体が気だるい、身体がふわふわと軽い感じなのに動くことが出来ない  
快感の余韻でぴくぴく小刻みに震えるサンの身の上にエボシの身体がねっとりと  
重ねてきた  
成熟した女と未熟な少女の肌が密着し、エボシはサンの耳元で囁く  
 
「おめでとう、サン これで一つ人間の女らしさに近づいた」  
 
半分開いたまま閉じれなくなったサンの唇、今一度エボシの赤い唇に奪い取られた  
そして今度はゆっくり舌を挿し入れられる  
 
「う・・ うぅ・・ん」  
 
くちゅ・・ むちゅ・・ 舌を絡め取られ、改めて唾液の味見をされる  
激しくへばりついて吸いあうエボシとサンの口、サンはエボシにこの時とばかり  
口の中を舐りまわされ、愉悦の吐息を混じり合わされる  
野性味などというものは全て掬い取られ、代わりに人間の息を吹き込まれる  
 
重なり合った肌がすりすりとうねり出す  
サンの甘酸っぱい処女の香りとエボシの芳醇な大人の色香が混じり溶け合う  
二人の乳首がむっちりと組み合い、揉み合っていた  
エボシのこなれた花弁とサンの蕾んだままの花弁がぺっとりと互いの露を  
なすり付けあう  
 
「んん・・ ふぐぅ・・」  
 
サンは口付けを交わされながら、短い髪をエボシに撫ぜられていた  
エボシとサンの貝合わせは次第に激していく  
 
「ふふ・・ 一度逝くとくせになる・・ また天国を拝みたくなる  
 お前の体にしっかり癖をつけてやるぞえ」  
 
口付けを交わしてるのは二人の顔同士だけではない  
エボシの淫らな陰唇と、サンの青い陰唇も熱烈な接吻を交わしていた  
獣は絶対行わない牝同士の愛接、互いの豆を愛であい、蜜を塗しあう  
 
「う・・ うぁ・・ う・・」  
 
サンはひたすら、エボシの口の中に甘い息を吐くばかり  
女同士の胸が揉みあい弾ませあう、むにぃ・・とエボシの豊満極まる柔圧が  
年季が違うとばかりサンの青い膨らみを揉み潰し、サンの初々しい張りと弾力は  
ぱつん!と弾き返して若さを主張してみせる  
エボシのしっとりした肌から流れる汗が組み合った乳頭を伝って、サンの瑞々しい  
肌に当たり、ぴちっ!と弾かれる  
 
「サン・・ お前の体は絶品だ  
 あんな山奥に封印しておくのは・・勿体無い・・  
 私はお前が気に入った・・ 人間だからこそ探求しえた・・嬉戯の技の数々  
 伝授してつかわそう」  
「く・・ う・・ 人間の・・たわむれの・・技など・・・」  
「まだ逆らう気力があるとはな・・・ よろしい、では共に天国に上ろうぞ」  
 
エボシの唇はサンの唇を解放した、代わりに下半身の唇の接吻は一層烈しく  
熱を帯びさせる  
お互いにだらしないほどの量の愛涎を垂れ流す  
それをエボシの濃い森とサンの薄い若葉がぬちゅぬちゅ縺れあいながら弾き捲くり  
飛沫となって腹や尻まで濡れさせる  
 
「う! あふぁ! とめ・・ろ! 腰を! とめ・・ろぉぉ!!」  
「ふ! ふふぅ! よい・・手前だ! さぁ!さぁ! まいるぞ!」  
 
ぬちぬち!ずちずち!壊れたカラクリの如く尻を振りあい、  
股間の唇を咥えあう女二人、いよいよ大輪の花を咲かせんとする  
 
「く!はああああぁぁぁ!!!!!」  
「ふぁ! あああああぁぁぁ!!!!!」  
 
遂に仲良く歓喜の咆哮を轟かせるエボシとサン  
満開に咲き誇った花唇の奥から、揃って愉悦の潮を吹き上げるのだった  
 
 
「はあ・・はあ・・ どうだ?サン 獣では味わえぬ悦びの味は」  
「う・・ うぅ・・ わたしは・・ わたしはやま・・いぬ・・」  
 
エボシの目がキッ!と吊り上る  
 
「おのれ! まだ正気を保っておるか!!  
 ここまですれば、大概の女は壊れるというに、何たる!・・  
 生娘の分際で生意気な!!」  
 
朦朧としながらも瞳から光を失わないもののけ姫の体を、エボシの体が再び  
包み込んだ  
四本の足が複雑に絡み、初々しい花唇とこなれた花唇が今一度熱く口付け  
双方のひっ垂らす甘い淫水の唾を飛ばした  
 
(つづく)  
 

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