春の昼下がり、森を散歩していたサンは遠くの木陰に不信な影を見出した。  
近づいて見るともはやオス2匹しか生息していないキツネのうち一匹がいる。  
しかし無数の黒とも赤とも紫ともいえぬ異様な物体が湯気のようにキツネの表面から立ち上っていた。 サンは咄嗟にキツネに近づいてそれを払おうとした。狐は断末魔をあげてうめいた。  
 「だめっ!このままだとタタリ神になっちゃう!」  
 サンは懸命にタタリ神の象徴とも言える黒い幼虫かなにかのようなソレを手で払い続けた。  
一つ二つとそれを払い、もぎ取っていったがそれは減るどころか増える一方だった。  
ついに狐の表面が黒く埋め尽くされてしまい、サンの手におえるものではなくなってしまった。  
 「人間にやられたのか?!そうなのか!?」  
いったいなぜ狐がタタリになろうとしているのかサンにはわからなかったが  
彼女はとにかく手で払い、そして草や土を擦り付けるなどしてなんとか元に戻そうとした。  
狐から発せられているとばかり思っていた黒いものが、  
もはや自分から生えてきていることにサンが気づくのはあまりにも遅かった。  
 「あああっ!!」  
 かつて乙事主と一緒にタタリに飲みこまれてしまったことが彼女の脳裏を横切った。  
咄嗟に狐から離れたサンだったが自分から生えたタタリと狐から乗移ってきたタタリが  
いくつも表面に取り付いていた。そして今度は自分についたタタリを払おうとしたサンの目の前に  
信じられない光景が広がった。数本のタタリが一定の硬度を保って  
サンの衣服を引き裂きはじめたのである。サンの瞳は驚愕に揺れた。  
 「うわああっ!なんだこれっ!」  
 
肌を全て晒してしまう事に対してサンは羞恥心がない。  
ただ体毛が薄く自分では体を守れないので破かれては困るのだ。  
しかしいきなりそれをビリビリと破かれてサンは動転した。  
そもそもタタリは柔らかく簡単に手で千切れるもののはずだ。  
それがなぜこうも硬く、そして意識的に動いているのか解らず  
サンは手足を滅茶苦茶に振りかざしてそれを振り払おうとした。  
 「やめろっ!気持ち悪い!」  
 しかしサンの衣服はあっという間に無残に引き裂かれてしまう。  
そうしてサンが裸になると今度はタタリは通常の柔らかさに戻り彼女の体の表面を這いずりはじめた。  
素肌の上を這いまわるタタリの粘液質のおぞましさにサンは悲鳴をはりあげた。  
 「わあああっ!やだっやめろっいやだあああっ!」  
 虫に体を這い回られるのと変わらないおぞけにサンは硬直した。  
そしてタタリはさらに謎の動きを始める。体を這っていたタタリが体の3箇所に集中し始めた。  
サンの二つの乳房と、なんと陰部にそれは集まっていった。  
 「ああっなんだっこれっ」  
 あまりのおぞましさと不可解さに既に混乱しているサンの体をゆっくりと這いずっていたタタリは  
今度はその3箇所でいきなり動きを活発化させた。  
自らを発熱させ一斉に激しく蠢きはじめたのである。  
 「うわあああああっやめろっああああっ!」  
 サンは恐怖を知って半狂乱になった。  
しかし熱くぬるぬるしたものに陰部を刺激されつづけていくうちに  
次第におぞましさとは違う痺れを感じ始めてしまった。  
 「あああっやめっ・ううっうはぁっ・・なんだっ・・これっ・・ふああっ!」  
 
 タタリはサンの股の間に次々に滑り込んできた。  
そしてサンの股の亀裂に飛び込んでいってその体を蠢かせた。  
女陰をじっ、と焼かれる感覚がサンを激しく疼かせた。  
「うあああ!やめろっいやだっアッ!あくっ・・・・やめっ・  
・やめ・・ろっうあっ・・ああっああんっ!」  
 生まれて初めて味わう感覚にサンは戸惑った。  
気持ち悪いはずなのに快い。しかもそれが抗えないほど凄まじい。  
サンは自然と足を折り、前かがみになった。  
タタリが陰部を這いずるたびに熱いもどかしさが触発される。  
 「あ・・あ・・んぁ〜っ・・くぅ・・やめ・・ああ・・ああっふぅん」  
タタリは熱くぬめった体でサンの秘列をのたうった。  
複数のぬめるタタリに女列を蠢かれてサンはメス疼きの浸食を受けた。  
他のタタリはサンの太股や臍にじっっりと絡みつく。  
 「ああ・・ああっやめろぉ・・いやだ・・はぁ・・いやだぁっ・・ああん・・」  
 いつのまにかサンのうめきには悲鳴とは違うものが滲んでいた。  
聞いた事もない自分の声にサンはさらに混乱したが、しだいに意識が朦朧としてきてしまう。  
 (なんだ・・これ・・・こんな声知らない・・どうしたらいいんだ・・)  
 サンの戸惑いにも関係なくタタリたちは蠢きまわった。  
女陰を泳ぎまわり、太もも、腰、脇に絡みつき、そして乳房にもべっとりと貼りついた。  
胸にへばりついたタタリは、サンの胸の蕾を中心に円形状に集まっていた。  
そして一斉にサンの乳首に蛇の頭のような部分を擦りつけはじめた。  
サンの体を急激な疼きが襲った。  
 「ああああっやめろっやめろぉっああっ・・ああんっやめっああっあああっ!」  
 
 あまりの心地良さにサンはよろめき、そのまま仰向けに倒れてしまう。  
しかしタタリは振り落とされる事なくさらにサンをいたぶりはじめた。  
陰部のタタリは彼女のまだ開かれていない秘口めがけて体をすりつけ、  
別のタタリたちは彼女の秘芯の上で跳ねまわる。胸の蕾も弄られて、  
サンは獣に食われる獲物そのものの風体で足で宙を蹴り、草を掴んで快楽にのたうった。  
 「やだぁっ!ああっ!やめっやめろぉっああっアンっはぁっああっふああっいやだ・・あっ!」  
 快感に全身を蝕まれたサンは痺れていく意識の中で乙事主のタタリに飲まれたときのことを思った。  
あのときはどうした?どうやって逃れた?  
タタリを掻き分けて手を伸ばして助けようとしてくれたのは誰だった?  
 (アシタカ・・・・)  
 タタリに女性器を蝕まれてだんだんと快感に沈んでいく体を横たえながら  
サンはアシタカのことを思った。  
そのとき一匹のタタリがサンの秘唇に入りこもうとめりこんできた。  
サンは大きく痙攣し、目を見開いて叫んだ。  
 「うああっ!・・いっいやだ・・やめっ・・いやああっ!アシタカっアシタカァァーー!」  
 
 アシタカがサンに会いに行くのは決まって夕方だった。  
それまでは村で様々な仕事を手伝い、それが終わってからヤックルに乗って少女に会いに行く。  
アシタカはシシ神が消滅してからいくらか変わった森を見渡した。  
おかしい。  
いつもならもうサンが自分を見つけて姿を現しても良い頃だ。  
しかし少女はいっこうに姿を見せない。しばらく森を歩き回ったが見当たらなかった。  
不信を抱いた頃、ヤックルが一定の方角を向き続けている事にアシタカは気づいた。  
 「サンがわかるか?ヤックル」  
 ヤックルの様子を伺ったアシタカは同じ方向をしばらく見つめ、ヤックルを走らせた。  
何かあったのだろうか?アシタカは周囲に神経を集中させながら前方を見つめた。  
 「サァ――――――ン!サンッどこだぁ――!サァァ―――ンッ!!」  
 サンはタタリに蝕まれ続けていた。既に二時間近く経っているがタタリは消滅するどころか  
サンの体から次々に生まれて彼女をいたぶっていく。サンの陰部はタタリとは違うぬめりを  
したたらせていた。まるで触手のようなタタリたちに弄られ続け、  
サンは快感で全身を覆い尽くされていた。土の上でよがり狂い、声が駆れるほど喘いた。  
 「ふあっはああっ!・・ああんっいやだぁっあんっ!ああ〜んっ!  
やめっやめろぉあああっ!ああっああっあああんっひぁ!ああっくぅ〜・・んああんっ!」  
 サンの秘口に侵入してきたタタリたちはしだいに入り口を広げて中に入場してくる。  
まだ深部には至っていないものの、既に中身を掻き乱してサンを悶えさせていた。  
 「ああっはぁんっ入・・るなっ!うあっああっ出て・・いやっ!」  
 やむ事のない悦楽地獄に苦しんでいるサンにかすかに聞き覚えのある声質が届いてきた。  
 「サァ―――ンッ!!」  
 (アシタカ?!)  
 最後の理性を振り絞ってサンは叫んだ。彼に届くように渾身の助けを訴えた。  
 「アシタカァァァ―――!!」  
 
 確かな声を聞いてアシタカは前方を見据えた。  
 「サンッ!」  
 ヤックルをさらに早く走らせるとしだいにサンの声が聞こえてくるようになった。  
しかしその声の種類がどういったものかがわかるとアシタカは総毛立った。  
それはまさしく娘が陵辱されるときに出す声だった。激しい感情が巻き起こっていくのを  
アシタカは感じた。よもや森に迷い込んだ地侍などに辱めを受けているのではないか?  
言い知れぬ怒りを感じてアシタカは急いだ。  
サンの声の震源が見えてくるとアシタカはヤックルを降りて自ら駆けていった。  
しかしそこで待っていたのはアシタカの理解を超える光景だった。  
 「ああ・・ああ・・もうやめっ・・ふああっ・・ああんっ・・くううっはぁん・・」  
 そこにはサン一人しかいなかったが確かに彼女は犯されていた。しかしそれは地侍などではない。  
タタリが彼女の体を貪っていた。両の胸と陰部に集中してサンを食らっている。  
アシタカは日頃は聡明な青年であったが、今は呆然としてただただその光景を見やるばかりであった。  
 「うああっ・・やぁ・・もう・・やだ・・あああっ・・もう・・はぁ・・やめっ・・ああん」  
 そしていつしかアシタカは見入ってしまった。雪のような白い肌を桜色に上気させ、  
どす黒い触手に蹂躙され、腰を揺らして身悶えている山犬の姫の痴態にアシタカはいつのまにか魅入っていた。  
サンの胸に取りついた黒いタタリの合間から胸の赤身がちらついて見えると  
アシタカの体に痺れるような疼きが跳ねあがった。そして下半身に痛みを感じると、  
既にオスの欲求を形にしつつある己にアシタカは嫌悪した。  
 (あさましいことを・・・)  
 自分を叱咤しながらアシタカはサンの元へ駆け寄った。タタリを払い、サンを抱き起こす。  
 「サンッサンッ!しっかりしろ!」  
 
 アシタカはサンを抱きかかえて湖を目指した。  
そしていつかそうしたようにサンと共に泉の中へ沈んでいった。  
するとやはりサンに取りついていたタタリたちは手応えのないドロになって湖の中に溶けていった。 タタリを完全に取ってしまってからアシタカはサンを水辺に横たえた。上着を取ってサンにかけてやる。  
 「アシタカ・・」  
 「サン・・大事ないか?服はどうしたのだ?なぜこのようなことに・・」  
 「アシタカ・・アシタカ・・・」  
 薄っすらと目を開いてサンはアシタカに手を伸ばした。  
そのまますがりついてくるサンにアシタカは戸惑った。  
まだ先ほどの反応が残っているだけにサンに密着されると困るのだ。  
 「サン・・どうしたのだ?」  
 「熱い・・」  
 見るとサンの頬はまだ赤く、瞳はまだ虚ろだった。息も荒い。  
アシタカはサンの下半身に目を走らせた。もしや、と思ってかけてやった上着をめくってみる。  
するとタタリが取れたにも関わらず濡れているサンの陰部が目に飛び込んできた。  
アシタカは生唾を飲み込んだ。  
 「アシタカ・・熱い・・熱いんだ・・どうしたらいい?」  
 既にタタリは彼女の体から消えていたが、2時間以上も弄られ続けた体は  
熱の発散場所を求めて未だサンの体内で燃焼していた。  
アシタカはそれを見破ったがかといってどうしたらいいのか彼にもすぐには見出せなかった。  
 「アシタカ・・アシタカ熱いんだ・・どうしたらいい・・はぁ・・  
どうしたらいいんだ?教えてくれ・・あぁ・・・アシタカ・・・」  
 
 アシタカはしばらく悩んでいた。少女の女陰はますます濡れていき、息は荒くなるばかり。  
そしてそれに合わせるようにアシタカの息も荒くなってきた。  
タタリに蹂躙されるサンを見たときから既に興奮しはじめてしまっているのだ。  
アシタカはサンの火照った頬を見ながら慎重に話した。  
 「サン・・・そなたは今、苦しいか?」  
 「ああ・・苦しい・・熱い・・」  
 「どうしようもないか?」  
 「どうしようもない・・はぁ・・」  
 アシタカはサンを落ちつかせるように額をなでた後、彼女の唇に自らのそれを重ねた。  
 「アシタカ・・?」  
 「サン、わたしはそなたを楽にしてやれる方法を知っている。  
しかしそれを為すためにはそなたに辛い思いをさせねばならぬ。  
楽にしてやるということはひどい痛みを伴なうものなのだ。  
それでも構わぬとそなたが申すならわたしはそれを為そう。サン、どうする?」  
 アシタカの神妙な顔に見つめられてサンはいくらかまだ残っている理性で答えた。  
 「痛くなってから・・楽になれるのか?」  
 「そうだ」  
 「殺すのか?」  
 「そうではない。だが、失われるものもある」  
 アシタカはサンの純潔を奪う事に対して遠慮があった。  
それが今日まで少女を清い体のままにしておいた理由であった。  
アシタカはサンのそれを美しく無垢なものと捕らえていた。  
 
 「サン、どうする?」  
 サンは薄く開いた瞳でアシタカを見つめた。  
 「やってくれアシタカ。このままは嫌だ・・」  
 サンから上着を外し、少女を全裸にしてアシタカは再び接吻する。  
しだいにその接吻は実質的なものになり、口の中を蹂躙されたサンはくぐもったうめきを漏らした。  
 「ンムゥっ・・ふぅん・・んんっ・・んふぅ・・あした・・か・・」  
 アシタカは少女をそのまま押し倒し、自らは覆い被さるとサンの乳房を揉みしだいた。  
するとサンの体にタタリに蹂躙されていた時の快感が戻ってきた。  
 「んふぅっふああっ・・んくぅ・・はぁ・・んっ」  
 アシタカの手はサンのしっかりと発育している胸を揉み上げると、乳首を指で挟んで捏ねる。  
サンはさらに快感を取り戻してはっきりと喘ぎはじめた。  
 「んああっ・・ああん・・アシタカ・・なにするんだ・・あっあっ」  
 「サン・・」  
 「アシタ・・・あっ!」  
 アシタカの指が乳首を挟んで捻り挙げるとサンの体を熱い疼めきが突き抜けた。  
 「はぁぁんっやめっ・・ああっアシタカ!あっあっあっ」  
 果実を挟みながら揉むとサンの腰がたよりなく波打った。  
アシタカはそのまましばらく少女の胸を嬲っていった。  
サンはアシタカの愛撫に甘い疼きを受けてよがった。  
 「あんっ・・はぁ・・アシタカ・・ああっ・・ああん・・痛いんじゃ・・ないのか?・・あっ」  
 「・・そなたを辛い目にだけ遭わせるわけにはいかぬ・・その前にそなたを・・」  
 「アシタカ?ああ・・何だ?アシタ・・ああっはぁ・・ああ〜ん」  
 
 アシタカは長い時間をかけてサンの胸を愛撫した。  
口を這わせ、乳房の頂点を舐め取るとサンはさらによがった。  
胸の蕾をアシタカが赤子のようにしゃぶるとサンは腰を浮かせて悶えた。  
 「あんっ!やめ・・ああ・・なにするんだアシタカ・・はぁ・・やめ・・あっあっああ!はぁんっ」  
しばらくしてアシタカはそっと指をサンの下半身に滑らせた。  
そして先ほどから濡れそぼっているサンの陰部に指を忍ばせる。  
するとぬめりと熱がアシタカの指の触覚に触れ、サンは熱の刺激を受ける。  
 「ああっ!やめっ・・アシタカ・・そこは・・」  
 アシタカの指がサンの花芯をそっと撫でるとサンは鋭い快感を受けた。  
 「はああんっ!!やめろっああんっ!」  
 もはや我慢ならなくなったアシタカはサンの足をつかみ開脚させた。  
そしてサンの股の間に顔を沈め、女の性器を舐め始めた。  
サンは生まれて初めて人にそのようなことをされて動転したが、  
それ以上に下半身から這いあがってくる快楽に体を奪われてしまう。  
 「ああっなにするんだアシタカ!やめっ・・ああっ!ふぁ・・  
はぁ〜ん、いや・・やめ・・ああんっ」  
 目の前にサンのぱっくりあいた桃色の秘境を見てアシタカはさらに自身の膨張を感じた。  
誰の手垢もついていないそれは綺麗な谷間としてアシタカに映った。  
 「サン、そなたはまことに美しい」  
 アシタカはサンの秘穴に舌を指し入れ中で泳がせた。サンはさらによがり狂った。  
 「ああっ!いやだっ!やめろぉ・・ああんっはぁあん・・ふあっはぁ・・ああ・・もう・・やめ・」  
 既にタタリたちがいくらか押し広げた後だったのでスムーズに舌を入れることができた。  
アシタカはしばらく舌で秘穴を舐め、掻き回した。それをやめると今度は指を突き入れ、  
タタリたちが入った以上の部分まで進んでいって中を掻き乱した。  
そうしながら舌でサンの花芯を舐めてさらにサンを快感に追い詰めた。  
 
サンの腰はすでに発熱体のようになってやむ事のない悦楽を全身に送っていた。  
 「ああっふああっ・・はああんっ・・やめろぉ・・ああっふぅ、くぅん、  
ああっあんっあんっはぁぁんっもう・・やっ・・あっあんっああ〜〜んっ!」  
 アシタカは胸のときのように長い時間かけてサンの女陰を愛撫した。  
指を少しずつ増やして入れていき、中を撫で、掻き回す。そして花芯を舐め、  
時折じゅるっ、じゅるっと吸うとサンの体が悦楽に耐えきれずに土の上で跳ねる。  
サンは完全にアシタカの愛撫に堕ちていた。  
 「はぁっ!ああんっアシタカぁ・・アシタカっあっだめっいやぁっ!はぁっああんっ・・  
んああ〜んっ・・・もう・・だめ・・だ・・ああ・・はああ・・はぁ・・はぁ・・  
もうっ・・あっあんっあんっあんっ・・もう・・や・・ああっ!はぁんっ・・ふああ〜〜んっ!」  
 サンは快感の頂点に上り詰めた。タタリに犯されて既に何回か絶頂を迎えていたが、  
人にされて到達したのはこれが初めてだった。 アシタカは体を起こし、  
絶頂に達したサンの姿を見つめた。しばらく経ってサンが落ちついた頃、  
アシタカはサンをまっすぐ見つめてこう言った。  
 「サン、そなたをわたしの妻とする。すまないが耐えておくれ」  
 サンにはアシタカがどれほどのことをこの言葉に篭めているのかわからなかった。  
ただもとよりアシタカに全てを任せているサンは彼に抗う気はなかった。  
 そしてアシタカはついにかねてより欲していながら求めあぐねていたものを奪いにかかった。  
サンの足を抱えて腰を沈める。そしてそれから先は獣がするのと同じようになった。  
 「アシタッ・・アシタカっ・・痛っ・・痛いっ!」  
 「サン・・はぁ・・はぁ・・サァンッ!」  
 「うあっ!アシタカ!・・痛ィ・・やめ・・ああっ・・アシタカ!」  
 「サン・・すまぬ・・はぁ・・はぁ・・くっ・・サンッサンッ!」  
 こうしてアシタカとサンは一つの固体となった。  
これが人間の「交尾」であることをサンが知ったのは翌日であった。  
 
 「あれはタタリ神ではない」  
 初めての交尾で憔悴してしまったサンを抱えてねぐらにやってきたアシタカを2匹の山犬は  
あまり歓迎しなかった。彼が無遠慮にサンに襲いかかったのではないかと思ったのである。  
サンの体を拭き、寝かしつけるとアシタカは今日の出来事を山犬たちに話した。  
 「ではいったいあれは何であったのだろう?タタリ神と変わらぬように見えたが・・」  
 「あれはタタリ神ではなく『ヨコシマノ神』だ」  
 耳慣れぬ言葉が違和感を持って耳を通過した。  
 「『ヨコシマノ神』?」  
 タタリの苗床となった狐はもうじき絶滅種になるはずのオスだった。  
既にこの種族はオス2匹しかおらず、この狐は毎年やってくる発情期をメスがいなかったために  
無為にすごしていたという。その充たされない発情期が狐の中でストレスとなって蓄積された。  
欲求の一部分だけが突出して分化し、具象化したのが『ヨコシマノ神』だという。  
 「あれに取り憑かれると、種族関係為しに交尾をしようとタタリが動くのだ」  
 「それでサンを襲ったというのか・・・」  
 本来、ただ蠢くだけのタタリがあれだけの意志を持って動いていた理由がようやくアシタカにも  
理解できた。しかしそのほうが彼にとっては精神的に納得いかなかった。そんなものがこの少女を  
蹂躙していたのかと思うと怒りの向け所がわからないのである。アシタカはたしかにこの少女を  
愛しんでいた。その愛しき少女を自分よりも先に蹂躙したタタリが、  
アシタカは許せなかったのである。そしてそんなものに嬲られた少女が憐れでならなかった。  
 
 あれから、サンとアシタカは定期的に交尾するようになっていた。  
アシタカは村の女性に頼んでサンの代わりの服をもらい、それを彼女に着せている。  
 「村の人に頼んで似たものを作ってもらおう。それまではこれで我慢しておくれ」  
 「人間はなんでこんなものを着ているんだ?動きにくい」  
 「よく似合っている。美しいぞサン」  
 「・・・人間臭くて嫌だ」  
 サンはアシタカに「美しい」と言われる事が苦手だった。なぜだか心が落ち着かない。  
そんなサンの太ももをアシタカの手が撫でる。アシタカはそのままサンの股に手を滑らせ、  
着物の裾をよけて彼女の陰部を愛撫しはじめた。  
 「んん・・ああ・・アシタカ・・ああん・・また・・するのか?」  
 「サン・・」  
 「ああっ」  
 着物の襟元をがばっと開いてアシタカはサンの胸を露にした。零れ出た乳房に吸いつき、  
揉みながら、陰部の花芯を撫で上げる。サンの体にたちまち愉悦が湧き出てきた。  
 「ああ・・はぁん・・アシタカぁ・・ああ・・気持ちぃ・・ふあん・・ああ・・」  
 『わたしもまたヨコシマノ神に憑かれている』  
 サンの乳房を吸いながらアシタカは思った。サンと初めて契りを結んでからというもの、  
彼は少女の体を手放せなくなりつつあった。そして少女はさらにアシタカを手放せない。  
 「ああ・・アシタカぁ・・熱い・・ああ・・もう・・はぁん・・もう・・」  
 「サン・・欲しいのか?」  
 「ああ・・アシタカ・・欲しい・・おまえのを・・くれ・・はぁ・・あん・・」  
 アシタカは自分のオスの象徴をサンの女陰に刺し込んだ。  
サンの体が跳ねて二人に得がたい快感が訪れる。  
 「ああっ!はぁ・・アシタカぁ・・ああ・・気持ちいい・・ああ・・アシタカぁ」  
 「サン・・そなた・・そなたは・・熱い・・」  
 「ああっアシタカっ!アシタカ!!はぁっ・・あんっあんっあああんっ!」  
 
 『人間はヨコシマノ神にはならない。人間は常に発情期だ。  
人間は皆、心にヨコシマ神を持っているあさましい種族だ』  
 サンに腰を擦りつけ、深く浅く挿入しながらアシタカは山犬との会話を思い浮かべた。  
 『ヨコシマノ神のせいでサンのなかのヨコシマノ神が目覚めてしまった。  
それを鎮める責任を自ら負ったのがお前だアシタカ。  
これからはお前がサンの全てに責任を取れ。  
それができぬと言えばおれが噛み殺してやる』  
 アシタカは激しく腰を振ってサンをよがらせ、悶えさせた。  
二人は快楽の淵に溺れてひたすら快感の破裂先を目指していった。  
 「うああっ!ああっアシタカ!アシタカ!熱いっふあっひゃああっ熱い!  
アシタカ!はぁん・・ああっ・・ああんっああもうっ!あっ、もうっもうだめだっ  
あっあっはああんっふああっあんっあんっあんっアシタカっアシタカァァ――!!」  
 「はぁ・・サンッ・・サァァンッ!!」  
 「くはぁっ・・アシタカァッ!!はあっあああ〜〜んっ!!」  
 『そなたにもヨコシマノ神が住んでいる』  
 二人は肉欲にかられていった。  
 

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