「というわけで、今季3度目の優勝を飾りました波多野選手でした!」  
インタビューに笑顔で答えるこの男は波多野憲二、新人ながらも  
SG級に出場経験もある競艇界のスター選手である。  
「おめでとう、波多野君」  
「おぅ、青島。惜しかったなぁ、準優戦」  
「うぅん、そんなことないよ、私なんてまだ今季優出すらないのに・・・」  
「んな顔すんなって!お前ならいずれ女子リーグのトップに立てるさ!!」  
「そう・・・かな・・・」  
彼女の名前は青島優子、波多野の同期でこちらもなかなかの実力者、  
苦しい家計を支えるために競艇選手になった努力人である。  
容姿もなかなか端麗で男性ファンも多い。  
実は密かに波多野のことを想っているがまだその気持ちを伝えたことはない。  
 
「あのね、波多野君・・・」  
「ん?どうした、青島」  
「これから波多野君の家に・・・行ってもいいかな・・・?」  
「えっ?どうして?」  
「あの・・・そんなんじゃなくて・・・あっ、ホラ、波多野君のお父さんの作る豆腐って  
とってもおいしいんでしょ?一回食べてみたくて・・・」  
「そんなことも言ってたっけ?クソ親父だけど」  
「うぅんいいの、お祝いもかねて・・・ね?」  
「そういうことならいいかな、じゃあ三十分後に入り口で」  
「あ、あぁ・・・ありがと」  
青島はややはにかみながらも嬉しそうに答えた。  
 
「「「「「「「乾パ〜イ!!」」」」」」」  
「しかし憲二が女の子連れてくるなんてねぇ」  
「なかなか美人な子じゃないかい、名前は」  
「青島優子です、波多野君とは同期で」  
波多野の家は波多野家は憲二を中心に父・母・姉・妹・ババの7人家族、  
だから食事のときなどは自ずと賑やかになるのである。  
『こういうのっていいなぁ』  
青島の家庭は先ほども触れたが決して恵まれたものではなかった。  
「どうしたの、優子ちゃん?暗い顔して」  
「はい・・・私の家って、その・・結構大変な家庭環境だったもので  
だからこんな大勢で食卓囲むの初めてなんです」  
「そっか〜大変なんだねぇ、優子ちゃんは」  
「しかしまたどうしてこんな憲二にくっついて来たの?すきものね〜」  
「そんなんじゃねぇよ!青島が親父の豆腐食べたいっていうからさ、お祝いもかねて・・な」  
「うん」  
 
「そういやありさちゃんや澄ちゃんは来ないのかい」  
「ありさちゃんはどっかで知り合った男の人とデート、澄ちゃんはお店の手伝いがあるから  
今日は来れないんだって」  
「へぇ〜あのありさが・・・」  
「その言い方はありさちゃんに失礼でしょ?そんなことより今残念な顔したでしょ、もしかして  
澄ちゃんが来られないから」  
「んなことねー!ってか今そんな話するか、普通」  
「あらら、図星みたいね」  
青島は暗い顔をした  
『そうだ、波多野君には彼女がいたんだっけ・・』  
澄ちゃんとは生方澄、波多野の幼馴染みで”一応”恋人である。  
ありさちゃんとは城ヶ崎ありさ、お菓子作りの名人(?)であり謎の生物である。  
青島は澄を見たことがあった。平和島で斡旋が一緒になったとき  
波多野ととても楽しそうに話している女性を見たことがあったのである。  
『あの人とっても美人だったなぁ、色白だったしスタイルも良かったし』  
今まで青島が波多野に思いを告げられなかったのは澄の存在が大きかったからだ。  
 
「えっ!?うぅん。何でもない」  
「じゃなくて、どうして豆腐食べないんだよ。食いたかったんだろ?箸が進んでないけど」  
「あっ・・・うん、大丈夫、とってもおいしいですね、お父さん」  
「でしょー?おとうさんのの豆腐は世界一だからねー」  
「おぉ、かんなはよくわかってるな、どうだ?将来豆腐屋継がないか」  
「えぇー!私はカッコいいお婿さんと結婚するからダメー」  
「じゃあ広一、お前は?」  
「オレはパス、こういうのははずきの方が向いてるだろ?」  
「ちょっとバカ言わないでよ。大体きょうび豆腐屋なんて流行らないわよ」  
「・・・流行らない豆腐屋で悪かったな」  
「まぁまぁお父さん、お父さんの豆腐はおいしいですよ」  
「まぁそうだがな、ガッハッハ!!優子ちゃん、おかわり沢山あるからな」  
「・・・自分で言うのはどうかと思うけど」  
「なんだと!?お前」  
「やめてよお父さん、お客さんがいるんだから」  
 
「うぅ・・・ひっく」  
「あれ、青島?」  
「ほらー、お父さんが乱暴するから」  
「あぁ、いつもの調子でつい・・・すまない、優子ちゃん」  
「そんなんじゃ・・・いっ、ないんです、ただっ・・波多野君達が羨ましくて  
私っ、こんなのに・・憧れてたから・・・」  
「そっか・・・ゴメンね。まぁせっかく来たんだからさ、もっと楽しもうよ。お酒注ごうか」  
「あ・・ありがとうございます」  
「じゃぁもう一回乾杯しなおそっか」  
「そうね」  
「それでは改めまして」  
「「「「「「「乾パーイ!!」」」」」」」  
こうして夜が更けていったのでありました。  
 
 
そして午前三時、波多野家の居間は静かだった。  
みんな酔いつぶれてしまったのだ、ただ一人を除いて・・・。  
青島は起きていた、いや、正確には起きたのだった。  
『えーっと、ここは・・・』  
記憶をたどってみる。  
『確かあの後すぐ、波多野君と飲み比べして・・・』  
そこまでしかわからない。  
それもそのはず、青島はすぐにダウンしてしまったのだ。  
『そのまま寝ちゃったんだ・・・って、違う違う!!今日来た目的を果たさないと』  
今日来た目的、確かに波多野のお祝いもあったが、本当は波多野に素直な気持ちを打ち明けるつもりだったのだ。  
チラッと波多野を見る。これからの事を考えるとついつい顔が赤らむ。  
『とりあえず起こさなきゃ』  
青島は波多野を揺すって声をかける。  
「あのね、波多野君・・・ちょっと起きて?」  
「ムニャムニャ・・・もう飲めねぇって」  
寝ぼけているようだ。青島は考え込む、と一つ名案(?)が浮かんだ。  
『そういえばキスをするとお姫様って目覚めるんだっけ・・・それって王子様も一緒かな・・・?  
でも波多野君は無防備だし・・・』  
 
青島の中で様々な思いが交錯する。しかし欲望には勝てなかった。  
『寝てるし、バレない・・・よね』  
そっと口づけをしようと顔を近づける、がちょうどその時波多野が寝返りをうったのだ。  
あっと思った瞬間にはもう遅かった。バランスを崩した青島は波多野に被さるように倒れた。  
「イタタタ・・あ、おはよーって何してんの?青島」  
「えっ!?これは、その・・・」  
イロイロ考えたが混乱していていい言い訳が浮かばない、ならばと青島はこう切り出した。  
「あ、あのね・・・その、波多野君に聞いてもらいたいことがあるんだけど・・・ここじゃ少しマズイから  
波多野君の部屋に案内してくれる」  
「ん?別にいいけど、顔洗ってくるから少し待って」  
「わかった」  
波多野が洗面所に立つ。一人になった青島は急にドキドキしはじめた。  
『どーしよ!?私・・・でもこのまま言わないよりはハッキリ言わなきゃダメだよね、よ、よーし・・・』  
すると波多野が戻って来た。  
「おまたせ、オレの部屋散らかってるけどイイ?」  
「うぅん、大丈夫」  
会話などはほとんど上の空。適当に相槌をうつ。  
そうこうしてる間に部屋についた。  
 
 
「それで?オレに聞いてもらいたいことって何?」  
波多野は椅子に腰掛けながら聞いた。  
「うぅん、あのね・・・」  
やはり決心したとは言うものの、いざとなると言葉に詰まってしまう。  
「どうしたんだよ?青島、顔赤いけどまだ酔いが抜けてないのか?」  
「大丈夫・・・酔ってはないの、心配しないで」  
三十秒ほど沈黙が続いた、しかし青島は意を決して遂に思いを告げた。  
「あのね、波多野君・・・わたし、波多野君のことが・・・その・・・好・・き・・・なの」  
「!?」  
「波多野君にね・・・彼女がいることも・・・モチロン知ってる・・よ?  
でもね、それじゃ私・・・納得いかないの」  
青島は恥ずかしそうにしながらも力強く淡々と話していく。  
 
月夜に照らされた青島はとても神秘的だった。  
「波多野・・・君・・・私じゃ・・・ダメ?」  
言いたいことを全部言い切った青島の頬を涙が伝った。  
そんな切ない上目遣いで迫られると波多野はどうしようもない。  
「オレでいいのか?」  
澄に申し訳ないという思いはもちろんあった。  
しかし波多野にこの無邪気な目をした青島を傷つけることは出来なかった。  
「いいも悪いも・・・波多野君じゃなきゃダメなの・・・」  
そのまま二人は唇を重ねあった。もはや二人に言葉はいらなかった。  
 
二人は抱き合いながら濃厚なキスを楽しんでいた。  
興奮した二人はいつの間にか下着姿になって抱き合っていた。  
この時の青島はいつもの姿から想像できないほど積極的だった。  
自ら不器用ながらも何度も舌を出し入れし、終始波多野をリードした。  
しかし、波多野は腹の中が煮え切らなかった。  
青島は確かに美人だし告白されたことも嬉しかった。  
が、やはりどうしても澄のことが頭をよぎる。  
気持ちいいのに素直になれない、何とも不思議な気分だった。  
そんな波多野に気がついたのか青島が  
「もしかして・・・彼女さんの事気にしてるの?」  
「!?」  
女の勘はやはり凄い。  
「そんなこと、今は考えないで・・・私だけを見て」  
「けど、やっぱり」  
「でも、ここは私で感じてくれてるんでしょ?」  
そう言って波多野の股間に手を触れた。既に大きくなったモノがそこにあった。  
波多野はさすがに驚いた。青島がこんなことをするような女性だとは夢にも思わなかったからだ。  
「苦しいんでしょ・・・?今すぐ楽に・・・」  
「ちょっと待てよ!」  
遂に波多野は大声を上げた。  
「オレ・・・確かにお前に告白されたの嬉しいし、お前のこと美人だとも思ってる。  
けど、こんなのは・・・何か間違ってる!」  
 
一瞬の静寂が訪れた。ただ時計の音と波多野が肩で呼吸する音が聞こえるだけだった。  
その後、青島は目に涙を浮かべながら  
「・・・どうして?」  
と呟いた。波多野は少しギクッとした。  
「どうして・・・私じゃダメなの?やっぱり、彼女さんの方が大切なの・・・かな?」  
「それはその・・・そんなんじゃなくてな」  
「じゃぁどんなのだって言うのよ!!」  
今度は青島が大声をあげた。  
「私は波多野君が好きだから!!・・・好きだからこうやって必死に自分の気持ちを表しているのに・・・  
どうして!?・・・どうして・・・波多野君はそうやって・・・」  
そこまで言って青島は泣き崩れた。  
「ゴメン、悪かったよ・・・」  
波多野は青島を抱き寄せてそういうことしか出来なかった。  
しばらくして口を開いたのは青島だった。  
「ねぇ・・・さっきの続き・・・しよ?」  
青島に先程あぁは言われたものの、波多野の心の中では二つの心が戦っていた。  
しかしその決着はあっさりと付いてしまう。  
青島が実力行使に出たのだ。波多野のパンツを脱がしたのだ。  
そこまでされても理性を保てるほど波多野の心は強くなかった。  
なるようになると思い、青島にすべてを委ねることに決めた。  
 
一方の青島は困惑していた。  
実力行使に踏み切ったものの、やはり羞恥心のほうが先行してしまう。  
『大きい・・・』  
波多野のモノは既に硬く大きくなっていた。  
『えっと・・・確か・・・』  
青島はありったけの性知識をフル回転させていた。  
『コレを手や口でしごいて・・・でもやっぱり恥ずかしい・・・』  
しかし今さら引くに引けない。意を決してその剛直に手を触れた。  
「うっ・・・」  
波多野が情けない声をあげた。慌てて青島は手を離した。  
「ゴ、ゴメン!その・・・痛かった?」  
「そんなんじゃなくてさ、メチャメチャ気持ちよかったんだ」  
気持ちいい、その言葉を聞いて青島はホッとした。同時にとても嬉しくなった。  
『私、波多野君に感じてもらってるんだ・・・』  
青島は再び手を触れた。先程までの恥ずかしさは少々解消された。  
『熱い・・・』  
握った手を上下に動かしてみる。  
しばらくしてチラッと波多野の顔を見ると何かにひたすら耐えているようだった。  
 
「波多野君・・・その、舐めるよ?」  
「えっ?お・・・おぅ」  
青島は波多野のモノに顔を近づける。すると独特の香りが鼻につく。  
一瞬ひるんだが、先端部をチロっと舐めた。  
「あぁ・・・」  
と波多野の情けない声が漏れた。  
『変な味・・・でも嫌いじゃない、かな・・・』  
青島は一心不乱に舐め続けた。すると先端から透明な汁が出てきた。  
『これが我慢汁ってやつよね・・・』  
すると上から声が聞こえてきた。  
「あのさ、青島。その・・・咥えてしごいてくれないか?」  
「う・・・うん」  
言われたとおり青島は波多野のモノを咥えこんで頭を上下に動かした。  
唇のほどよい締め付け感が波多野を襲う。  
『ダメだ!気持ち良すぎる・・・!!』  
波多野は射精が近いことを感じると青島に声を掛けた。  
「青島・・・もう出そうだ・・・」  
「んむ・・・くひに・・・だひて・・・ひひよ・・・んっ・・・」  
だんだんストロークが早くなる。  
そして遂にそのときは来た。  
波多野の「ウッ!」という低い呻き声とともに、青島の口内に濃く熱い白濁液が流し込まれた。  
何の前触れもなく突然来たので青島は驚いたが、  
少しは苦労しつつも波多野から吐き出された分身を一滴残らず飲み干した。  
二人は肩で息をしながら余韻に浸っていた。  
 
「気持ちよかった?」  
青島が口を開いた。  
「あぁ、とてもな」  
波多野が相槌を打つ。  
「今度は・・・その、波多野君がして?」  
そう言って青島は自分の下着を脱いだ。  
青島の全てがあらわになる。  
月夜に照らされた青島の裸体は芸術品の感じすらした。  
波多野は布団の上に青島を優しく、しかし力強く押し倒した。  
「あんまり・・痛く・・・しないでね?」  
伏し目がちに青島が呟く。  
この時波多野の中で何かが音を立てて崩れ去った。  
青島がフェラチオをしてくれていたときには、まだ澄に対する背徳感が若干あった。  
しかしこのような状況でそこまで頭が回りきらなくなってしまった。  
そしていよいよという時に、突然波多野の部屋の窓があいた。  
「ちょっと憲ちゃん!信じられない!!」  
女性の悲鳴とも取れる叫び声が部屋の中に響き渡る。  
そこには波多野の彼女である、生方澄が立っていたのだった。  
 
 
時間は数分前にさかのぼる。  
「あーぁ、結局憲ちゃんの祝賀会行けなかったなぁ」  
彼女は波多野の彼女である澄ちゃんこと生方澄である。  
澄の家は定食屋兼居酒屋のため、夜は結構忙しいのだ。  
澄はたまたまトイレに起きたのだった。  
『せめておめでとうぐらいは言いたいな・・・』  
ふと窓の外を見る。  
波多野の家と隣同士なので屋根伝いに波多野の部屋に入ることが出来る。  
『顔見るくらいいいよね・・・彼女なんだし』  
カラカラと窓を開けて波多野の部屋を見る。  
すると中で人影が動いていた。  
『憲ちゃん、起きてるのかな?』  
そう思いもう少し近づいてみる。よく見ると人影は二つのようだった。  
『誰だろう?』  
月明かりに照らされた波多野の部屋の中が見えた瞬間、澄は屋根から落ちそうになった。  
褐色の肌の女性と波多野がイヤらしいことをしていたのだ。  
『ウソ・・・』  
呆然とした。なぜ?誰?様々な疑問が頭の中でグルグル回る。  
完全にパニックになった澄はそこからしばらく記憶がなくなった。  
気が付いたときには波多野の家の窓に手をかけていた。  
 
「憲ちゃん、この人誰!?何してたの!?」  
澄が凄い剣幕でまくし立てる。  
「ちょ・・ま、まぁとりあえず落ち着けよ、な?」  
「こんなもん見せられて落ち着けですって!?ふざけないで頂戴!!」  
澄は激しく肩で息をしながら喋り続ける。  
「私、憲ちゃんのこと信じてた・・・なのにどうして!?」  
波多野はただ下を向いて黙るしかなかった。  
「だいたいあなたも誰なの!?憲ちゃんの何なの!?」  
「私は・・・波多野君の同期の青島優子です・・・」  
「へぇ〜競艇の世界の人って付き合ってもない同期の人とこんなことするんだ」  
皮肉たっぷりに青島をなじる澄。  
しかし青島も言われっぱなしというわけでもなかった。  
「わ、私だって・・・波多野君のことが好きなんだから!」  
「何よそれ、私は憲ちゃんの彼女なのよ?」  
「じゃ、じゃあ聞きますけど、波多野君とはどこまでいかれたんですか!?」  
このひとことで今度は青島が優位にたった。  
ドモりながらも青島の口から出た言葉は澄をひるませるのに十分だった。  
「それは・・・」  
波多野と澄は付き合ってるとは言え、二人ともその辺についてはオクテで  
エッチなどしたはずがないのであった。  
「それに波多野君、私のフェラ気持ちよかったよね?」  
 
「うっ・・・それは・・・」  
答えは当然気持ちよかったになるだろう。  
しかしそれを波多野の口から言えるはずがない。  
「それに私のこと・・・押し倒してくれたし・・・」  
これが決定打になった。  
『そうだった・・・』  
パニクってた時の記憶がよみがえる。  
澄の頭の中を窓を開ける前の光景がよぎった。  
『憲ちゃんは・・・私のこと・・・もぅ好きじゃなくなったのかな・・・』  
落ち込んでいる澄をさらに追い込む出来事が目の前で起きた。  
なんと青島が波多野にまたがったのだった。  
「いいよね・・・波多野君?」  
「・・・」  
何も言わない、いや何も言えない。  
それを了解のサインと取ったのか青島が一気に自分の腰を落とした。  
「あぁ・・・あぁっ・・・」  
悩ましげな声をあげる青島。  
それを見た澄が黙ってるわけがなかった。  
『私のほうが憲ちゃんのこと、よく知ってるんだから!!』  
こう思った瞬間、澄は一線を超えた。  
澄はある決意をした、私も波多野に迫ろうと。  
 
まず澄は波多野の息子を独占している青島を退かす事からはじめようとした。  
「あぁ・・・あン、気持ち・・・いい、あっ」  
波多野の上で気持ちよさそうに腰を振っている青島の胸を後ろから鷲掴みにする。  
「ちょっと、いつまでそうしてるの?変わりなさいよ」  
そう言って澄は既にはちきれんばかりに勃起した青島の乳首を摘み上げる。  
「あぁ!む・・・胸は・・・だ、ダメ・・・」  
どうやら青島は乳首が性感帯らしい、それがわかると澄は容赦しなかった。  
澄はいきなり青島の胸にしゃぶり付いた。  
「ダメ!あ・・・あぁっ!」  
青島は膣を波多野に、胸を澄に攻められて  
これまでに感じたことがない快感に襲われたのだった。  
 
澄は青島の胸にむしゃぶりつきながら、不思議な感覚を覚えていた。  
『私・・・気持ちいい・・・』  
自分は青島を攻めているだけのはずなのに、なぜか自分も秘所が濡れてきていたのである。  
たまらなくなって自分の手をほんのり湿っている花園へ手を伸ばす。  
知識こそあれ自慰などした事のない澄の体を、今まで知りえなかった快感が駆け巡る。  
しばらく触っていると自分でも驚くぐらい愛液が溢れ出てきた。  
そしてさらなる快感を求めるために澄は言った。  
「憲ちゃん・・・私の・・・その、私を・・・舐めて」  
そう言うと澄は波多野の顔の上にまたがって腰を落とした。  
波多野は澄の言うままに澄の秘所に舌を当てた。  
「ひゃう!!」  
澄は突然の生暖かい感触に驚き思わず声をあげ、口から青島の胸が離れた。  
「ダメ!憲ちゃ、あぁン・・・」  
しかし二人の美女に囲まれて理性をほとんど失っている波多野は容赦しない。  
躊躇なく澄の秘所を舐めまわす。  
 
その様子を波多野の息子を受け入れながら見ていた青島は、悔しさを覚えていた。  
『んッ・・・たとえ彼女とはいえ・・・アッ、後から分際で・・・』  
自分の気持ちをぶつけんとばかりに青島は腰を振る速度を速める。  
更なる刺激を加えた波多野のモノは更に膨張する。  
「は、波多野君のが・・・ま、た・・・私の中で・・・ンっ・・・大きく」  
だいぶ長い時間焦らされるような愛撫を受け続けていた青島は限界が近かった。  
「波多野・・・君っ・・・わ、たしイ・・・イキそう・・・!!」  
そう言った次の瞬間、波多野が青島を突き上げ始めたのである。  
『!?』  
それは青島を最終段階に達するのに十分だった。  
「あ、あぁ・・・ダメ・・・あぁっあぁ・・・!!!」  
今までで一番大きな青島の声は絶頂を迎えたことを示した。  
 
青島はガクガクッと痙攣を起こすとグッタリと倒れた。  
青島がイッた事を確認すると波多野は自分の横に青島を寝かした。  
気持ちよすぎたようでピクリとも動く気配はなかったが  
満足した顔で余韻に浸っているようにも見えた。  
波多野は今度は本格的に澄のほうを攻めだした。  
今まで単に舐めていただけだったが、口全体を使った愛撫に切り替える。  
既に波多野の顔は澄の愛液でぐっしょりだった。  
波多野は何の前触れもなく澄に舌を入れた。  
「ふぁあ・・・くぅ・・・!!」  
まだ何も受け入れたことのない澄の膣内はかなりの締め付けだった。  
 
澄は正直不安だった。  
『気持ち・・・んっいいけど、あんなのが・・・あッ、入るの・・・?』  
突然波多野の舌が止まった。  
どうしたのだろうと体をずらして波多野のほうを見ようとする。  
すると波多野が声を掛けてきた。  
「なぁ澄、その・・・そろそろいいか?澄もオレも準備いいみたいだし」  
うん、と素直に言えなかった。  
やはり先程窓の外から見た光景が頭に残っているからだろう。  
「でも!・・・憲ちゃん、この人とさっき、その・・・ヤッたん・・・じゃない・・・?」  
最後のほうはまったく聞こえなかった。  
「ま。まぁそうだけど・・・やっぱり怒ってる?」  
「当たり前じゃない!・・・あんな・・・あんなもの・・・見せられたら・・・」  
思い出したのか、頬が真っ赤に染まる。  
その姿は切ないほど可愛かった。  
『やっぱりオレ・・・澄のこと・・・』  
いつの間にか波多野は澄に抱きついていた。  
 
「ちょ、ちょっと!憲ちゃん!?」  
「ゴメン・・・ゴメンな、オレが軽率すぎた・・・ほんとに、ゴメン・・・」  
突然抱きつかれたと思ったら今度は謝ってきた。  
こんな波多野だから澄は何だかんだいいながらも付き合ってこれたのだろう。  
ある程度気持ちの整理のついた澄はこんなことを言った。  
「別に・・・いいよ・・・?」  
「あぁ、ありがとうな、でも・・・オレは・・・」  
「うぅん、してほしい・・・の」  
澄がこんなことをいうなんて思っても見なかった。  
「ほんとにか?こんな甲斐性なしの女たらしのオレでも・・・」  
「そうじゃなかったら・・・とっくに別れてるって・・・」  
「それも・・・そっか」  
二人は笑った。  
 
「じゃぁ、いくぞ」  
うんと頷いた澄を確認すると分身を澄の秘所にあてがう。  
あぁと澄の声が漏れる。  
静かに、しかし確実に挿入する。  
しっかり潤いを湛えているとは言えやはり初めての膣内はキツイ。  
「肩の力・・・抜けよ」  
「わ・・・たしは、大丈夫だから・・・ね?ンクッ!!」  
結合部から鮮血がにじみ出る。  
純潔が失われた瞬間だった。  
「痛くないか?」  
「この、くらいは・・・平気・・・だから・・・」  
澄の引きつった笑顔が目に映る。  
波多野はさすがに罪悪感を感じずにいられなかった。  
 
「ほんとに大丈夫・・・なんだな?」  
再度確認を取ろうとする。  
「痛いのは・・・痛いよ?でも、憲ちゃんと・・・やっと一つになれた・・・んだよね?」  
「あぁ、そうだな」  
相槌をうった瞬間、澄の頬を涙が伝った。  
「うれ・・しい・・・」  
『俺がこいつを守ってやらなきゃ』  
そんな思いが波多野の中を駆け巡った。  
すると澄が声を掛けてきた。  
「ねぇ、このままじゃ・・・物足りないんでしょ?その、動いても・・・いいんだよ・・・?」  
「あぁ、けど澄は大丈夫なのか?」  
「私のことは心配しないで・・・ね?」  
 
「じゃぁ、動くぞ」  
波多野はゆっくり腰をスライドさせていく。  
澄はギュッと目をつぶり、声も出さず痛みに耐えている。  
「もう少し、ピッチ上げるぞ?」  
澄はコクッと頷く。  
ヌチャヌチャとやらしい音が部屋の中に響き渡る。  
澄の締め付けはかなり強く、少し動かしただけなのに波多野は射精感に襲われた。  
「そろそろ・・・ヤバいんだけど・・・」  
「今日は・・・あ、安全日だ・・・と思う・・・から、中に出しても・・・イイっん!・・・よ」  
「じゃあスパートかけるぞ」  
波多野はそう言うと腰の速度を二倍ほどに速めた。  
「あっあっ・・・!!」  
一番奥にあたるタイミングと同時に澄は声をあげる。  
その喘ぎ声が絶叫に変わったと同時に、波多野は白濁液を澄の膣内に放出した。  
 
「澄、気持ちよかったか?」  
「うん」  
ウットリとした表情で答える澄。  
顔を見合わせてフフッと笑う二人。  
どうやら彼女の初体験は忘れがたい経験になったようだ。  
「そういえばこの人、大丈夫なの?えーっと・・・青島さんだったっけ?」  
「そうだな、このままだと風邪引くな・・・起こすか」  
波多野は「おーい、青島」、澄は「青島さん??」と声を掛ける。  
ウゥンとうなって青島は目をこすりながら上体を起こした。  
「あれ?私・・・」  
「おはようさん、青島」  
「あ、おはよう・・・って波多野君!?」  
どうやら少し混乱しているらしい。  
記憶を整理するのに数秒かかった。  
 
「思い出した、で、波多野君は澄さんと"遂に"やったんだ?」  
「まぁ間違ってはないけど・・・そんな言い方はないだろ?」  
青島は冷やかしながらもやはり澄のことが気になっているのだろう。  
しきりにチラチラと澄に目をやる。  
澄は頬を染めながら目線を落としている。  
「・・・ところでこれからどうするの?まだこんな時間だし」  
時計は午前四時半を指していた。  
「あ、私・・・遅くなったから帰るね」  
澄が立ち上がる。  
「おおぅ、おやすみ、うーん!っと・・・青島、オレシャワー浴びてくる」  
波多野も続いて背伸びをして立ち上がる。  
「ちょっと波多野君も澄さんもストップ!」  
「「何?」」  
「あのさ・・・少し提案があるんだけど」  
 
「何?青島さん??」  
「もったいぶらずに早く言えよ、どうしたんだ?」  
澄と波多野の頭の上には明らかにはてなマークが浮かんでいる。  
青島は躊躇っていたが意を決してこういった。  
「あのさ・・・二人とも、3pって知ってる・・・よね?」  
澄と波多野の頭の上のはてなマークがびっくりマークに変わった。  
「そ、そりゃ知ってるが・・・まさか・・・」  
「そのまさか・・・だと思うんだけど・・・ダメ、だよね?」  
「・・・オレは、青島が望むなら・・・その・・・でも、澄が・・・」  
さすがに動揺を隠せない波多野。しかし・・・  
「いいわよ」  
澄は一言こういった。  
「おい、澄」  
「そのかわり、どっちが憲ちゃんの女としてふさわしいか選んでもらうからね」  
澄の瞳の奥にはメラメラと燃える女の闘志があった。  
「・・・その勝負、私ものった、いいよね波多野君?」  
青島も澄の一言に燃えているようだった。  
波多野はただただそんな二人を眺めることしか出来なかった。  
 

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