「お、お願いします……何でもしますから、置いていかないでください!」
「んー、なんでも?」
それが、始まりだった。
「あ……あんまり見ないでください……」
豊満な胸の突起と秘所を震える腕で控えめに覆いつつ、そう声を漏らすアン。どうにかして自分の痴態
を隠そうとするその行為は、普段の純真な装いとのギャップとあいまってなかなかエロティックだ。
「何故」
「え……あ……は、恥ずか……しい……です……」
「気にするな、俺は恥ずかしくない」
アンのか細く潤んだような無視し、背後に回る俺。
「そ、そんな……」
視線の下には、真っ白で汚れのかけらもなく、形の良いヒップがあった。しかし外見だけでは本質はわ
かるまい。
俺は左手で彼女の腰を押さえ、右手の平でゆっくりとアンのそれに触れ、うねうねと指を動かしながら
まさぐった。
柔らかくそれでいてそこそこに弾性がある。いい感じだ。
「ひあっ!」
「動くな、触りづらいだろーが」
「あ……は、はい……で、でも…………あうう……」
驚きと恥ずかしさの入り混じった嬌声が木造の部屋に響き渡る。その耳ざわりの良い声を楽しみつつ、
俺は右手に感覚を集中させ、服の上から見たときよりも大きく感じるそれをじっくりと揉みしだく。
うむ、なかなか心地いい。
そこでふと俺の灰色の脳細胞が妙案を思いついた。愛撫する部位が下半身に集中しているせいで
無防備となっている、薄赤く染まったうなじを、ぺろっ、と舐めてみる。
「ひゃぅっ!」
「動くなっつーに」
「で、でも……でも……あ……」
震えで立っていられなくなったのか、アンは俺の肩に持たれかかった。俺は、まさぐっていた右手を返
し、アンの小幅な肩を抱きかかえ、正面を向かせた。恥ずかしさのせいか、既にアンの顔は真っ赤に染
まっていた。
「あ……あぁ……」
足の震えが静まるまで、そのまま体を支えつづける。その間、彼女は潤んだ瞳で不安そうに俺の顔をみ
つめつづけていた。
頃合を見計らって、俺は手を離し、評価をアンに告げた。
「うむ、91点。合格だ」
「え……あ、ありがとうございます……?」
何がなんだかわからないが、とりあえず礼を言う、といった風な感じのアン。
「それでつまり、まあ、あれだ。あー……」
「……?」
……面倒だ。だいたいこういうのは俺の性に合わんのだ。ということで、行動で示すことにした。
「というわけで……GO!」
「え、きゃ、きゃあっ!」
俺はアンを背後のベッドに広がる白いシーツの上に押し倒した。魅惑的な肢体が俺の体の下に横たわる。
パニックになったのか、秘所を隠すことも忘れ、必死に意味なく言葉を巡らせるアン。
「わ、わたしあのそのえっと、あの、あ……はううぅ」
このままじゃ無理だ、落ち着かせんとな。そう思い、俺はアンに顔を近づけ、せわしなく動くその唇を
優しく塞ぐ。
「あ、ん……………」
アンの唾液は、なぜか海の香りがした。
たっぷりと時間をかけてから、顔を放す。その時にはもう、彼女は無駄な言葉を走らせるようなことは
しなくなっていた。
「やるぞ、いいな」
「………………はい……」
顔を真っ赤に染めたまま、アンは答えた。