みつめてナイト  

「少し・・・休んでいれば大丈夫ですから・・・」  
そういってテディー・アデレードがベンチに横たわってから数十分が過ぎた  
今は薬が効いてきたのか、そのまま眠っているようだ  
「テディー?」  
そろそろ起こさなくてはなるまい。東洋人はそっと彼女の肩を揺すった  
「う・・・ん・・・」  
よほど夜勤明けで疲れているのだろう、テディーは硬い気のベンチの上で軽くうめいたが、おきる気配すら無い  
城内とはいえ、戦時下のドルファンである  
周囲はすっかり暗くなり、人の気配などとうに無い  
厚い冬物のコートを着ていても隠し切れない豊かな胸の膨らみが、寝息とともに上下している  
目立たぬよう植え込みに囲まれたベンチに横たわる、美しい看護婦の肢体を見守っているうちに  
東洋人の中に暗い衝動がゆっくりと湧き上がってきた  

いかん、俺は騎士なんだ、これでも  
眠ってる病人に何をしようというんだ  
東洋人は懸命にかぶりを振った  
が、しかし美しいナースの寝顔と大きく盛り上がった胸をみつめていると  
意に反して右手が空宙をさすらうのであった  
思えば。普段は堅物ともいえるこの美女をデートに誘えるようになるまで  
どれだけの苦労を重ねたことだろう  
ゴクリ、と東洋人の喉が鳴った  
「すこしだけ・・・すいませんテディーさん」  
虚しく彷徨っていた東洋人の右手が、テディーの豊かな膨らみに音もなく着地した  
厚いコートの布地越しに、やわらかな感触が伝わってくる  
(おお!で・・・でかい!)  
普段は大ぶりの剣を握る力強い掌が、こまかく震えた  
東洋人は女性を知らないわけではない  
むしろその手の経験値は並みの男よりよっぽど高く、一時は「プレイボーイ」と呼ばれたこともあった  
だが、その相手はもっぱらドルファン学園の女生徒が多かった  
おとなしく清楚な美少女、ボーイッシュなスポーツ少女、大人びた画家志望の女の子  
それ以外にも、パン屋の看板娘や、男勝りの御者、果ては恩師の未亡人まで  
様々なタイプの美女たちを相手に多大な戦果を勝ち得て来たのだった  
彼女たちは美しいだけでなく、聡明で慎み深い女性が多く、東洋人が初めての男性という娘もいた  
だが、このテディーほど強烈に「女」を感じさせる娘はいなかった。  
成熟しきったセクシーな身体とはうらはらにガードも硬く  
なにより東洋人自身もウブな少年の頃に戻ったような錯覚を覚えさせる生真面目さがテディーにはあった  

今、その憧れた豊満な肢体が東洋人の目の前に無防備な状態で横たわっている  
厚手のコートと、ブラウスの前はすべて開いており、可愛いピンクのキャミソールまでボタンをはずされている  
そして、その下からハーフカップの純白のブラジャーに包まれた豊かなふくらみが、冷たい初冬の外気に晒されていた  

なんという大きさだろう  
けして小さくはない東洋人の掌でもたっぷりはみだしてしまう  
思わず身を乗り出し、両手で双乳を掴む  
「す・・・すごい・・・」  
いつもテディーに会う度に、そのボリューム感たっぷりの胸に目を奪われた  
彼女自身が自分の大きなバストを気にしていて、あまり露骨に眺めることができなかったから  
余計にその巨乳に触れてみたいという欲望が、心の奥底に滓のように溜まっていたのだろう  
東洋人は我を忘れてテディーの乳房をゆっくりと、揺するように揉みしだいていた  
「ン・・・ふん・・・」  
横たわるテディーの唇から声が漏れ、東洋人は一瞬ビクっと身を震わせた  
「フウ・・・」  
目を覚ましそうになったかと思ったが、そのあと何の反応も示さない。安堵の溜息が出た  
「・・・もうすこし、もうすこしだけ・・・」  
もはや一度ハードルを越えててしまったのだ  
どうしても憧れの豊かな乳房をこの眼で見てみたい  
東洋人はテディーのコートのボタンに震える手を伸ばした  

 東洋人はテディーが処女であることに確信を持っていた  
デートのたびに、すれ違う男たちの目線が彼女の豊かに盛り上がった胸の膨らみに釘付けになるのを、何度誇らしく思ったことか  
同時に、彼も男と女の仲になったわけではなかったから、五十歩百歩であった  
そして、テディーも男どものそんな視線に対して過剰なまでの嫌悪感をあらわしていたから、彼自身がテディーの胸元をしげしげとみつめることは、むしろやりにくかったといえよう  
自然、心の奥底に言い知れぬ暗い欲望が滓のように沈殿していく  
 だが今、その禁断の豊かな乳房と彼の間にあるものは一枚のブラジャーだけだった  
白いレースの刺繍を施された優美デザインのハーフカップブラは、いったい何カップなのか見当がつかない  
それでも、その下にみっちりと柔肉が窮屈そうに納まっているのだ。男としてその全容を見たいという欲求に、東洋人は勝てそうもなかった  
 横たわるテディーの優美な肢体をそっとベンチから浮かせる。成熟した女の匂いにゴクリ、と大きく喉がなった  
震える指がすべすべした背中をなぞり、ホックを探し当てた。そして意を決してまさぐるとあっさりとテディーの乳房はいましめから開放された  
 「!」数え切れないほどの男が憧れ、劣情を抱いたテディー・アデレードの豊かな乳房が弾けるようにこぼれ出た  
 それは東洋人が想像していたよりも遥かに大きく、美しい乳房だった  
色白の身体のなかでひときわ白く、静脈がうっすらと透けて見えそうな肌  
横になっていても美しい形のふたつの膨らみは崩れることもなく、その頂に薄桃色の可憐な蕾が恥ずかしそうに揺れている  
 一流の料理人がつくりあげたプディングのようなデリケートな双乳に、無骨な手をそっと重ねた  
なんという柔らかさだろう!吸い付くような柔肌の感触に頭の芯が痺れ、言いしれぬ悦びが東洋人の身体を駆け巡った  
 そしてその強烈な歓喜が、数々の戦場を潜り抜けた傭兵の感覚を奪い去ったことに気がついたのは、彼の首にじゃらりと太い鎖が巻き付いてからだった  
「へっへっへ、イイ事してんじゃね〜か。東洋人?」  

(う・・・ン・・・)  
テディー・アデレードは夢うつつの意識のなかで妙な感覚に気が付いた  
なにか、こう身体が熱っぽく、重苦しいのだ  
(ア・・・なにか変・・・だわ・・・体調くずしたのかしら・・・)  
子供のころから心臓に病を抱えているせいか、寝ているあいだに具合が悪くなっていたことなど珍しくない  
だから次の瞬間、それが横たわる自分の上に誰かがのしかかっているからだと悟ったとき、恐怖よりもまず驚きを感じた  
「おお、お目覚めかい?巨乳の看護婦さん?」  
聞くに堪えない、下卑た声が驚くほど顔に近い位置で発せられた  
「・・・!・・・ひ、ヒイィィッ!」  
最悪の事態にテディーは気付いた  
屋外の堅いベンチの上で横たわる彼女の上に、見知らぬ男が覆い被さっている  
そして自分は・・・裸だ!しかもその剥き出しの胸、テディー自身が堪らなく恥ずかしく思っている大きな乳房を  
あろうことか、男の汚らわしい掌が鷲掴みにし、乱暴にこねくりまわしているではないか!  
「キ、きゃああああああああっ!」  
悲鳴をあげ、反射的に跳ね起きようとするが、意思に反して身体はベンチから少しも起き上がらない  
「おおっと!逃げようったって無駄だぜい、へへ」  
そのときテディーははじめて、自分が三人の暴漢に押さえつけられていることに気が付いた  

「あ、あなた達、こんなことをしていいと思ってるんですか!」  
勇気を振り絞ってテディーは叫ぶ  
「ナニィ〜?そんな事言ってられる場合だと思ってンのか?」  
彼女の両腕を押さえつけている巨漢がすごむ  
「ヘッヘェ、生きのいいおねえちゃんだぜィ」  
三人の中では小柄な男が下卑た笑い声をたてる  
「フフ、勿論悪いさ、アンタがね」  
テディーの上にのしかかっているスキンヘッドの男が冷笑する  
「わ、わたしのドコが悪いんですかっ、貴方たちに何かしたっていうんですかっ?」  
「ああ、悪いさ。こ〜んなでかいオッパイしてること自体な。アンタのオッパイを見て男がどれだけムラムラしてると、思ってんだ?」  
スキンヘッドの男、サムはそう言うと、テディーの柔らかい乳房を握り締める指に一段と力をこめた  
「イ、痛いっ!」  
潔癖症のテディーにとって、誰にも触らせたことのない乳房を乱暴に嬲られることは、その痛みに数倍する恥辱だった  
「クウ〜〜ッ!たまんねえなこの手応え。こんないい乳隠してたらいけねえよなあ」  

たわわに実った豊かな乳房にむしゃぶりつくサム。おぞましいその感触にテディーは全身が総毛立つ  
「ヒイィッ、イ、いやあああっ!!」  
「兄貴ィ、そろそろ替わってくれよう、俺もう我慢が・・・」  
小柄な男、薬中のビリーが物欲しそうにテディーの肢体に粘っこい視線を這わせる  
「慌てるな、そろそろ最後の一枚を脱がそうと思ってたんだヨ」  
その言葉でテディーは、まだ自分が全裸にされきっていないことに気が付いた  
「やめてえ、そ、それだけは脱がさないでェ・・・」  
「おうジャック、しっかり押さえとけよ」  
彼女の両腕を押さえつけている巨漢のジャックにそう言うと、サムは自分の身体を下方にずらし、テディーの白いレースのショーツに手をかけた  
「そーれ、ご開帳だ」  
優美な曲線を描くテディーの腰から、最後に残った小さな布をゆっくりとずらしていくサム  
「あああああ・・・嫌・・・」  
テディーの瞳から大粒の涙が溢れる  
「ウヒョオオッ、こんな可愛いカオしててもアソコにゃ毛がはえてんだァ」  
ビリーはますます興奮し、汚らしい涎をだらりと垂らした  

「いやっ、そんなとこ見ないでくださいっ!」  
最後に残された一枚を脱がされまいと必死にもがくテディー。双乳がブルン、と揺れる  
「おい、ビリー。このお嬢さんをおとなしくしてさし上げろ」  
「ヒィッ、ヒッヒ。静かにしねえとキレイなおハダがサックリと切れちまうゾォ」  
鈍く光るナイフを喉元に当てられると、さしものテディーも抵抗を止めざるを得ない  
「ククッ、そうそう。俺たちゃなにもアンタの身体に傷をつけようって思ってるワケじゃねえんだ」  
ナイフをチラつかせながら、この偏執狂めいた小男も片手で乳房を掴み、ねちっこく揉みしだく  
「ケケケッ、すげえボインちゃんだぜ兄貴。今まででサイコーの獲物じゃねえか?」  
「フフ、確かにな」  
ちっぽけなショーツを足首からスルッと抜き、サムは一旦身体を離した  
改めてこの美しい看護婦の裸身を舐めるように眺めた  
「ううっ、嫌ァ・・・」  
それは夢のような光景だった  

抜けるような肌はあくまで白く、ランプの灯りを受け闇に浮かびあがっている  
白いだけに真っ直ぐ伸びた脚の付け根に、頭髪と同じ栗色の茂みが淡く生えているのが眼をひく  
折れそうに細い腰は美しくくびれ、ボリューム感のあるヒップがいっそう際立つ  
が、やはり一番に目を引くのはその豊かなバストだろう  
仰向けになっても形を崩さず、綺麗な円錐を描いて大きく盛り上がっているふたつの乳房  
その頂には薄い小さめの乳輪があり、桜色の小粒の果実が可憐に震える  
彼女を知る男なら誰しも妄想のうちに描いたテディー・アデレードの美しい裸身  
今まで誰にも見せなかった産まれたままの姿が、卑劣な三人の暴漢によって晒されている  
そればかりか大事に守ってきた純潔まで無残に散らされようとしている  
「・・・スゲエな、こんないいカラダ、お目にかかったことないな」  
「見ろよこのオッパイ!思ってたよりず〜っとデカいぜ」  
「ヒャヒャ、朝まで何発でも犯れそうだナァ〜」  
どんな芸術家も造り上げることのかなわない、造物主のみだけが生み出した女体が  
暴力によって汚されようとしていた  

「じゃあ、そろそろヤッちまうか、さっきからチンポが疼いてしょうがないんだ」  
サムがズボンを下ろすと長大な男根が飛び出した。禍々しい黒光りするペニスが腹につきそうなほどいきり立っている  
犯される!テディーは恐怖に震えた  
看護婦という職業上、男性自身を見るのは初めてではない。剃毛するときに勃起されることなど、珍しくも無かった  
だが、他の同僚がそれをするよりも、自分が剃った方が圧倒的に患者のペニスが硬直するのを指摘されたとき  
もともと、道徳観念が強い彼女はひどくショックを受けた  
入院患者に胸や腰を触られるたことなど数え上げたらきりがない。そのことが、テディーをいっそう『お堅く』させた  
「おうジャック、ビリー。しっかり押さえとけ」  
むっちりとした太ももを割り、あらためて覆い被さるようにのしかかるサム  
美しく膨らんだ乳房を握り締め、可憐な乳首に舌を這わせる  
針で突いたら弾けそうな弾力と、指を包み込むような柔らかさが絶妙のブレンドでたまらなく心地よい  
「まったく・・・すげえ、乳だ。今まで何人の男に揉ませたんだ?ン?」  
「そんな・・・そんないやらしいことしてませんッ!」  
それどころか、男性とまともに付き合ったことも数少ない  
そして男という生き物は結局はカラダが目当てなのだ、と思い知らされることもあった  
最初はどんなに紳士的でもふたりきりになると目つきが変わった。服を破られて逃げ出したことすらあるのだ  
だが、あの東の国からやってきた若い戦士は違うように思えた  
傭兵の身ながら正規の騎士も一目置くほどの腕を持ちながら、テディーに対しては少年のようなはにかんだ笑顔を見せる・・・  
そうだ!自分は今日、その東洋人とデートをしていたのではなかったのか?  
何故今まで忘れていたのだろう、テディーは勇気を振り絞って東洋人の名前を呼んだ  
「たすけて・・・助けてくださいっ!!」  

「ケケケッこのアマ今さらナニ言ってやがる」  
ビリーが嘲笑う  
「な、何が可笑しいんですかっ、あの方はわたしの・・・」  
「わたしの?何だってんだよ!このデカパイ女があっ!!」  
私の、なんなんだろう?テディーは一瞬言葉に詰まった  
異国の傭兵の身でありながら、実力はドルファン全軍に並ぶものは無いという噂の東洋の騎士  
剣の強さは勿論、部隊の指揮能力にも優れ、智勇兼ね備えた常勝無敗の戦士は部下たちの信望も厚いと聞く  
その一面、普段は物静かなおごらない性格と、ドルファンには珍しい東洋のエキゾチックな風貌で娘たちの人気も高い為、一部で悪く言うものも居る  
がしかし、入院患者と担当看護婦という形で始まった二人の関係の中で、彼の人柄に接してきたテディーにとって、その噂は信じ難かった  
彼は師の仇であるバルファの勇将『疾風のネクセラリア』に一騎打ちを挑み見事に打ち倒したという  
その戦いで大きな傷を負いながら、約束だからと鉱山の採掘という重労働に倒れたのだ  
そんな彼だからこそ、いささか男性不信に陥りかけていたテディーは、少しづつ惹かれていったのだ  
「アァ?!てめえの何だってんだよッあの東洋の黄色い猿はヨッ!!」  
汚い指をテディーの白い柔らかな乳房にいやらしく喰い込ませ、ビリーが喚く  
その顔をキッと睨みつけ、テディーは言い放った  
「あの方は、あの方はわたしの大切な恋人ですっ!!」  

そうだ、あの人はわたしのかけがえのない恋人。テディーは今更ながら自分の気持ちに気付いた。  
今まで大切に守ってきた純潔を捧げる相手はきっと彼。ここでこんな卑劣漢達に奪われていいはずが無い。  
逃げなければ。テディーの胸の内にいつもの気丈さが甦ってきた。  
「ヒッヒッヒ、あの東洋の猿が『大切な恋人だってよ』兄貴」  
「フフン、おいジャック。このお嬢さんが愛しい恋人に会いたいそうだ」  
「ゲヘヘ、おう」  
サムが巨漢のジャックになにやら顎で指示をした。テディーの腕から手を離し巨漢がいったんその場を離れる。  
今しかない!その瞬間、テディーはサムの股間を目一杯蹴り上げ、ビリーの顔面を思いっきり引っ掻いた。  
「グアッ!」「ヒ、ギイィッ!」  
思いもよらない反撃に二人が怯んだ僅かな隙に、テディーは硬い木のベンチから優美な裸身を躍らせた。  
逃げなければ!一糸纏わぬ裸であることも彼女の頭には無かった  
素足が草を蹴る度に豊かな乳房がボールのようにブルンブルンと弾み、夜の闇の中を白い肌が駆け抜けて行こうとしたその時。  
ジャラッ!という音が背後から襲い、テディーの細い足首に絡みつき、引き倒した。  
「ああっ!」  
「グエッへへ、逃がしゃいねえぞ、おっぱいのでけえネエちゃん」  
鎖を手に巨漢が笑う。  

そんな!転倒した痛みも忘れ、テディーは懸命に後ずさる。  
「イヤッ、来ないで!」  
「ヘッヘエ、こんな美味そうなご馳走、逃がすわけがないだろうが」  
言うが早いか、ジャックが飛びかかる。  
「きゃああっ!」  
テディーは懸命に抗ったが、大男の圧倒的な力にたちまち押し倒される。  
「おおう、いい匂いがすんな、アンタ」  
ジャックはその怪力でがっちりとテディーの腕をつかみ、鼻面を深い胸の谷間に埋めた。  
「いやああっ、離して!」  
「バーカ、誰が離すか」  
言いながらベロリ、と分厚い舌がテディーの胸元を舐めると、美しい乳房に獣臭い唾液がネットリとついた。  
「…やってくれるな、お嬢さん。手間ァとらせたなジャック」  
逃げられたと思ったのも束の間、闇からサムとビリーも姿を現した。  
「てェめえェェ、よ〜くもやりゃあがったなアアァッ!」  
目を血走らせてビリーが掴みかかる。  
「あァんまり俺達をコケにすんじゃねえゾ、殺してやろうかコラアッ!!」  
いかにもよく切れそうなナイフの腹を柔らかな胸の膨らみに押し当てて喚き散らす。  

「止めな、ビリー。せっかくの綺麗なカラダを傷付けんな」  
サムが何処か押し殺したような低い声でビリーを止める。が、サングラスの下の眼にはナイフを持った小男に劣らぬ怒りがあった。  
「なあ、お嬢さん?」  
テディーの傍に片膝を着く、と同時に右手を閃かせる。ビシッ!と容赦無い平手が頬を打った。  
「キャッ!」  
「なあ、世間知らずなのもしょうがないが、あんまり俺達を怒らせない方がいいぜ?」  
続けて二度、三度とテディーの頬が鋭く鳴った。  
「きゃあああっ!」  
「どうせ姦るんなら、お互い気持ち良くしたいんだがな」  
形の良い顎を掴んでサムが言った。  
「アンタも、素っ裸の死体を城壁に吊るされたかァねえだろ?」  
それは狂気を宿した眼だった。人を殺すことなどなんとも思ってない、犯罪者の眼。  
生まれて初めてと言っていい恐怖に、しかしテディーは懸命に耐え声を絞り出した。  
「あ、あなた達、それでも人間ですか。わたしは負けません!彼が…彼がきっと許しませんよっ!!」  
言い放ちながら、テディーは心の中で叫ぶ。  
(ねえ、貴方。早くわたしを助けて!こんな人達やっつけて、その腕でわたしを抱いてください!)  
「フフン『常勝無敗』の東洋の騎士様がか?その愛しい彼氏がなんで助けに来てくれねえのか、不思議じゃないのか?」  
サムの口元に不敵な笑みが浮かぶ。  
「そら、あの木の根元に居るのは誰だと思う?」  
そう言うとテディーの顔を、強引に横に向けた。  

 
 

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