三人の仔猫たち
「おい、よせって言ってるだろ」
レズリーが少し声を荒げて、ハンナに忠告する。
「そういうのを、よけいなお世話っていうんだよ!」
ハンナがレズリーにやり返す。そのやりとりをロリィが心配そうに見守っている。
「ねぇ、ふたりともやめてよ!」
そもそもリンダがハンナを嗾けて、スポーツの祭典で一種目でも勝てば何でも言うことを
聞いてやるというものだった。ハンナの代償はリンダを敬えということ。何のことはない、
リンダ・ザクロイド様と敬称をつけるだけのことだったのだが、ハンナはその挑発にのって
しまっていた。リンダの一種目でもというのが癇にさわった。
「何度言ったら分かるんだ!こいつはただの高慢ちきじゃないんだぞ!」
「し、失礼なッ!」
割って入ってきたレズリーに食って掛かるリンダ。しかし、ふたりはリンダそっちのけで
言い合っていた。
「う、うるさい!ボクがこの高慢ちきに負けるとでもいうのかッ!」
「そうだよ!お前は、この高慢ちきを侮ってるから負けるんだよ!」
「いいかげん、なさいッ!ザクロイドの家名をこけにするのはよしてくれませんこと!」
「リンダさん。ふたりは家名のことなんか言ってないと思うけど……」
「な、なっ!解説などしなくていいわッ!」
「か、賭けるかッ!」
ハンナが叫ぶ。
「おう!賭けてやるよ!」
レズリーが即答で応えた。
「もう、すきにしなさい!」
リンダは振り上げていた拳を下ろして躰をわなわなと顫わせ、切れて帰ってゆく。
「ボクが勝つに決まっているから、なんにもいらないよ」
「それじゃ、賭けにならないだろ」
「いいんだよ!」
「後悔するぞ!」
「後悔なんかしないって言ってるだろ!」
「ふーん。じゃあ、絵のモデルにでもなって貰おうかな」
「えっ?ボクみたいのでいいの?」
少し意外な申し出に、ハンナは目元を仄かに赧くしてしまう。
「ハンナは充分可愛いよ。でも、それじゃあ負けてもいいってことか?」
「ボ、ボクがあの高慢ちきに負けるわけないだろ!」
「お姉ちゃん……」
ロリィがレズリーに声を掛ける。それは、ハンナのことを気にかけてのことだったのだが。
「あれ、リンダは?」
「もう、怒って帰っちゃったよ……」
ロリィはレズリーに甘える仔猫のように躰を摺り寄せる。ハンナはそんな女の子らしいロリィの
仕草を少し羨ましく見ている。そして、レズリーはそういうハンナを妖しい瞳で眺めていた。
「はやく明日になんないかなあ。たのしみだなあ」
「お、お姉ちゃん……」
はっとハンナは我に返った。
「ボ、ボクは負けたりしないよ!いつも走り込んでるんだからね!」
「ああーたのしみだ、たのしみだ」
「だから、ボクは負けないって、さっきから言ってんだろ!」
「さあ、入んなよ。ほら、ハンナ」
レズリーの両親は共働きで地方に赴任の為、アパートで一人暮らしをしている。その淋しさ
からか、近所のお姉ちゃんと擦り寄ってくる美少女のロリィに姉妹以上の感情を抱くまでに
なっていた。
彼女の趣味は絵を描くことであり、ほんのいたずら心からロリィにヌードモデルになって欲しい
と頼んだのがはじまりだった。いたずら?芸術肌のレズリーは本気で美少女のヌードデッサンを
描きたいと思っていたのかもしれない。
しかし、思春期の性の目覚めの不安定な時期、レズリーはロリィといっしょに扉を開いて
しまっていた。
「やっぱり、嫌か?よそうか?」
「ボ、ボクは約束は守るよ……」
ハンナの健闘も空しくリンダに勝利を持っていかれてしまっていた。半端な鍛錬では勝てない
という無力感に捉われていた。ただの高慢ちきではなかった……ハンナにはあの高笑いが
いまいましくてしかたがない。
「じゃあ、入んなよ」
「う、うん……あっ」
ハンナが人差し指で鼻を擦る仕草をしている。
「どうした、臭う?いま窓を開けるから待ってな」
「そ、そんなにひどくないけど……きらいじゃないよ」
レズリーは窓に行って、シャーッとカーテンを開ける。薄暗かったレズリーの部屋に陽が射して
明るくなる。
床に立て掛けてある沢山のカンバス、机の上にも缶に幾つもの筆や絵の具が刺してあった。
「本格的なんだ……」
レズリーの絵好きは有名だったが、実際目にしたのは初めてだった。素直な感嘆が洩れる。
彼女は窓を開けて、そこに腰掛けて微笑みをハンナに向ける。部屋のテレピン油の臭いが、
五月の風にのってやってきた、緑の匂いへと変ってゆく。
「ねえ、ハンナ。ここへ、ちょっと来てちょうだい」
「うん……」
部屋に入る前から、レズリーのそこはかとなく妖しい瞳に気おされていたのだが、陽を背に
して窓に腰掛けているレズリーは女神さまのように美しかった。レズリーのゆったりとウェーブ
のかかったブロンドが、五月の風にやさしく揺れて、陽射しにキラキラと輝いている。
(ボ、ボクはセイレーンの歌声に魅せられた船乗りみたいだ……)
ハンナの脚がゆっくりと窓際のレズリーへと歩いてゆく。レズリーの制服の胸元に、いつもは
ないはずの山吹色の布飾りがあることに気づく。
「あれ、リボンしているんだ。めずらしいね」
「今日はハンナに使うんだ」
そう言って、レズリーはふふっと微笑みながら豊かな膨らみの上のリボンに手を掛けて、
しゅるるっとほといた。そのゆっくりとした優雅な仕草にハンナは息を呑む。
レズリーの緑色の瞳が近づいてきて、ハンナの心を惑わす。レズリーの唇がやけに赫く見えた。
胸元からほといた山吹色のリボンで、レズリーに戸惑っているハンナの瞳をふわっと封印
されてしまう。
「あっ……な、なにをするの……レズリー、いやだよぉ……」
「や・く・そ・く、おぼえているよね……モデルになってもいいって」
レズリーの喋り方に湿り気が帯びてくる。
「う、うん……」
ハンナの唇が開いて、微かに白い前歯が二本覗いて怯えた吐息が熱かった……。
「ほら、鞄よこしなよ」
ハンナの手から鞄を取ってテーブルに置く。レズリーの躰が纏わり付いてくる感覚に奥が
じゅんとしてしまう。
「ああ……」
(どうしたんだろ……ボクのあそこがへんだ……よ……)
レズリーの吐息がふわっと掛かってくる。ハンナのネクタイにレズリーが手を添える。
「レ、レズリー、何するんだよ!」
「なにって、裸にするに決まってるでしょ」
「や、やめてよ!ボク、いやだよ!」
ネクタイをほとかれて、床に落ち、制服のボタンにまで手を掛け始める。ハンナは目隠し
のリボンの結び目に慌てて両手をやる。
「ハンナは約束破るんだ……」
「ご、ごめん……レズリー……わかったよ……」
「素直なハンナがいちばん可愛いよ……ご褒美あげる……」
山吹色のリボンで目隠しされているハンナの頭を抱き寄せてくちづけをしてきた。
ハンナの手はリボンの結び目から、レズリーの自分を抱く腕へと強く絡むが、だんだんと
力は抜けていく。
軽くやさしく唇を左右に擦り付けてくるレズリー。そして舌でハンナは上唇を舐められていく。
「んん……んあっ……い、いやだよぉ……ボク……やめてよ、レズリー……」
「許してね、ハンナ……可愛らしいあなたが、欲しいの……こういうのはハンナ、嫌いよね……?」
「嫌いかしら?」
レズリーはハンナにくちづけをして舌を絡める。
「んん……」
リボンの下の驚きに開かれて瞳が舌戯に酔って、身を委ねるようにだんだんと閉じられていき、
レズリーを掴んでいたハンナの力は弱まっていった。
レズリーはくちづけしながらも、ハンナの制服を肌蹴させて女の子らしい肩を、そしてスポーティな
ブラに守られている乳房を目の前に曝け出す。制服がパサッと床に落ちる。
レズリーの躰はハンナへとぴたりと密着して擦り付けるようにして、そして右脚でハンナの固く
閉じられている鍛えられたしなやかな美脚をくつろげていく。ハンナは女として接してくれるレズリー
の恥戯にとまどいつつも、ときめきを隠せないでいた。
その時を突いてレズリーは、右脚をハンナの隙にすっと繰り出してくる。レズリーの綺麗な
つるっとした膝小僧が、ドルファン学園の制服で赫の艶やかな格子縞のスカートを捲くり、
ハンナのショーツ越しに、熱くなりかけている秘所を擦り上げて昂ぶらせていくのだった。
「わたしのベッドに行きましょう……ねっ、いらっしゃいハンナ」
ハンナにねっとりと絡めていた舌を外すと、レズリーは誘う。
「う、うん……でも、ボ、ボク……なんかこわいよ……」
制服のリボンで目隠しされたハンナは、レズリーに手を引かれて寝室へと向った。
寝室の扉がカチャッと鳴った時、ハンナは秘所からは熱いものがとろりとこぼれるのが
ハッキリと分かった。
(ボク、レズリーに惹かれているんだ。なんてはしたない女の子なんだろ……罪深い行いに
ときめいたりなんかして……)
レズリーはハンナのスカートを床に落とす。スポーティな下着姿にハンナはいつのまにか
なっていた。
「さあ、ここにゆっくり腰掛けて」
ベッドにハンナは羞恥に染まりつつも、レズリーの命令に従ってゆっくりと腰を下ろしてゆく。
そのベッドの側には椅子に腰掛けている、裸のロリィが息を潜めてふたりを見つめていた。
膝のうえには、美少女の無毛のワレメを隠すようにして、レズリーのスケッチブックと素描用の
木炭・コンテが置かれて、ロリィはそのうえに両手を重ねて添えている。それだけで美少女は
一枚の絵画のようだ。
ウェーブの掛かる髪の両サイドには小さなリボンが、頭の後には大きな黄色い蝶がとまっている。
ロリィの乳房は小等部の少女たちのような薄く肉が微かに盛り上がっているのでなく、かといって
レズリーの乳房のように女らしさを象っているものでもない。女のミニチュアが胸板にのっている
ような肉付きもアンバランスで、まだまだ蒼い蕾だった。そして素肌は透き通るような白い色。
ふたりの姿に乳房を喘がせ、火照りに肌を薔薇に染めている。
ロリィは大人に憧れていた。その対象がレズリーだったのだ。今見ても完成されている肉体美を
有しているのに、日に日に美しくなってゆくのを見せつけられる。そして、自分の胸ときたらまだ蒼い
蕾のままであることに、乙女心を人知れず痛めていた。
「ロリィのお胸、わたしは好きだなあ。まだ、蕾かもしれないけれど、ロリィの時をこのまま閉じ込めて
おきたくなっちゃうな」
「そ、そんなのいやだよぅ、お姉ちゃん……」
「嘘、嘘だよ。でも、ロリィのヌードは描かせて貰えないかな?そこにロリィの可愛らしさをとじこめて
おきたいんだ。駄目かな、ロリィ?」
「うん、嬉しいよ。ロリィをレズリーお姉ちゃんだけの物にしてもいいよ」
そう言ってロリィは、赤子のようにレズリーの豊かな美乳に薔薇色の頬を擦り付ける。
「ロリィは物なんかじゃないさ。ロリィはわたしの恋人だよ」
乳房に擦り付けていた顔をあげて、レズリーをまじまじと見つめるロリィだった。
「ほら、泣いたりしないの。綺麗なお顔が台なしだよ」
レズリーが指でロリィの雫を拭う。妹と言わなかったレズリーのやさしさがとても嬉しかった。
「お姉ちゃん、だ・い・す・き」
レズリーがハンナの閉じられている両脚の前に腰を下ろして、スポーツシューズを脱がすと、
ショーツに手を掛ける。ハンナはレズリーの腰に触れてくる感触に咽喉がからからに渇いていた。
(ど、どうしょう……あそこが濡れちゃってる……レズリーにわかっちゃうよ……)
「ハンナ、少し腰を浮かせてくれない」
「う、うん……」
ハンナはベッドに後手を付いてお尻を浮かせた。羞ずかしいのに、レズリーの声に逆らえない
自分がわからなくなっていた。ハンナの分泌物によって布は多少抗いはしたが、すっと抜き取られ
てしまう。
「ああ……ボクのを見ないでよぉ……レズリー、おねがい……」
「どうして?女の子らしくて楚々としてるわ」
そのレズリーの恥部の誉め言葉に躰の芯が痺れた。レズリーは息を潜めて眺めているロリィ
を見て微笑み、再びハンナを見ると右足のソックスを脱がす。
レズリーはハンナの右足を両手に持つと、親指の間を赫い舌を出して舐め回してから、親指を
唇に被せるのだった。ロリィはドキドキしてもう見ていることができなくなって、膝に置かれている
スケッチブックに目を落としていた。
「レ、レズリー……き、汚いから、やめてぇよ……汗かいているんだからぁ……」
あまりもの衝撃に暴れそうだったが、そのまま暴れてしまえば、足の爪でレズリーの口腔を
傷つけてしまうことがハンナには枷となっていた。
「や、やめてったら……レズリー、おねがいだから……」
左の足指が恥戯の快美に堪えて裏側にぎゅっと折られている。ちゅぱっ、ちゅぱっと湿った
おしゃぶりの音がハンナの真っ赤になっている耳に妖しく聞えている。しかも、自分の足の親指を
なんの躊躇いもせずにしゃぶっているのだから、レズリーの姿を見たいという気持ちも湧いてくる。
レズリーの掛けた制服のリボンの目隠しが、ハンナにはとてももどかしかった……。
「あっ、あああ……レ、レズリー……ボク、へんになっちゃうよ……」
レズリーは左足も同じようにして愛でていく。
「もう、ボクを許してよ。レズリー……ああっ!」
レズリーは口に含んでいたハンナの左足の親指を離して、彼女の前門を見た。
「ハンナのあそこの毛が濡れてキラキラしてる。ハンナ、ひくひくしてるの?」
「い、いやあだよ、レズリー」
そんなことを言われては醒めかけて、緩みかけていた膝を合わそうとするハンナだったが、
レズリーは両手を合わせ目に差し込んで強引に拡げてしまう。
「ひっ、かんにんしてよ……」
溌剌としたハンナは陰に隠れ、弱々しい泣き声交じりの哀訴になっている。レズリーは掴んだ
膝小僧を撫で回しながら内腿に舌を這わせて秘所へと近づいてゆく。
「ああ……あふっ……」
ハンナは自分でもハッキリとわかっていた。レズリーの舌なのか、それとも別の何かなのかを
欲して、女の柔肉が妖しく蠢いていることを。まだハンナには、その何かはわからなかったけれど。
レズリーが近づいてくることで、太腿も後手でベッドに手をついて躰を支えている腕もガクガク
顫えている。
ついに腕が折れて肘立ちになって、ハンナの頭が仰け反った。
「ひいーっ、そんなところ舐めないで、ああ……レズリー……」
仔猫がミルクを舐めるように、ピチャピチャと厭らしい淫水の音を立てている。ロリィはふたりの
淫れる姿に心が乱れ下唇をぎゅっと噛んで耐えていた。レズリーによってあげられるハンナの
女の声が疎ましかった。
(お姉ちゃんは……レズリーお姉ちゃんは、ロリィだけのお姉ちゃんなのに……)
スケッチブックの表紙にロリィの悔し涙がぽたぽたと落ちて滲みをつくっている。レズリーに責め
続けられたハンナは軽いアクメに達しベッドに沈んで、荒く熱い息を吐いている。
レズリーは満足そうな微笑を浮べハンナの濡れそぼった股間から唇を外すと、すっと立ち上って
制服の山吹色のリボンの目隠しをされて唇から荒い息を吐いているハンナを見下ろしてから、
椅子に座って涙しているロリィへとゆっくりと歩いてゆく。その気配にロリィは泣き濡らしていた顔を
レズリーにあげる。
「ごめんね、辛かったでしょ?」
ハンナの愛液で唇と口まわりをべっとりと濡らして、きらきらしているレズリーの唇が椅子に
裸のままでぽつんと座っていたロリィの淋しい心にやさしくタッチした。ねっとりとしたハンナの
液体が口に拡がってくる。ロリィはレズリーのすることなら、汚いとは思はなかった。ロリィにとっては、
何もかもが神聖な行為なのだ。レズリーがロリィから唇を離して、美少女は残念そうに小さく声を
あげる。
「ああ……お姉ちゃん……」
「スケッチブックをちょうだい、ロリィ」
「は、はい……」
スケッチブックを退けたそこからは、ロリィのおびただしく濡れる無毛のスリットが露になった。
「濡らしていたのね……ロリィは、わたしが欲しい?」
ロリィはレズリーにこくんと頷く。
(こんなにして待っていたのに、お姉ちゃんのいじわる……)
「ロリィ、立ってちょうだい。ベッドに行って、ハンナを愛して欲しいの。わたしはあなたたちが
愛し合う絵を描きたいの。駄目かな、ロリィ?頼まれて欲しいな」
突然のことで、驚いている暇さえなかった。そして、いつもはぶっきらぼうのレズリーが
やさしく慇懃に頼む言葉に断りなど入れられようがなかった。
「わかったわ、お姉ちゃん」
「いい娘ね、終わったら、ご褒美をロリィにあげるわね」
椅子から立ったロリィの頬をそっと両手で挟み、軽くベーゼを贈るレズリーだった。
ロリィから渡されたスケッチブック、机に置いたのを手にして椅子へ座るレズリーはロリィの
涙の痕が残る表紙をそっと撫でてからコンテを取ってページを捲った。
ベッドに膝立ちとなって、後手に頭で組んでいる姿……ベッドに腰掛けて、細い両脚を
外して股間を晒して、両手を後について状態を反らしてのしどけない姿態。または、ベッドに躰
を真直ぐに伸ばしきってうつ伏せになり片脚をうえにあげて、両手を前に組んで頭をのせて横を
向いている素描。美少女・ロリィ・コールウェルの蒼い性のスティ・ゴールドが切り取られていた。
もちろんその熱い視線の先にあるものは、素肌を惜しげもなく晒すことのできる愛しい
レズリー・ロピカーナの瞳があってのこと。
「さあ、ロリィ。服を脱いでちょうだい」
モデルになって欲しいとレズリーに頼まれた時は、天国にも昇らんばかりの幸福に包まれていた
が一瞬にして地獄にロリィは突き落とされていた。
「こ、このままじゃあ……だめなの……お姉ちゃん……レズリーお姉ちゃん……」
絵のモデルになって欲しいと乞われて、ロリィはめいっぱいめかし込んで、お気に入りのドレス
を着込んでレズリーのアトリエに来ていたのだった……それをいとも簡単に脱いでと言い放たれた。
ロリィは自分では気がついてはいないが、美少女特有、特権と言ってもいいかもしれないが、赫い
瞳が潤んで媚態交じりの許しを乞う哀訴をしていた。
「早く脱ぎなさい。嫌なら帰って、外へ行ってスケッチでもしてくるから」
レズリーの怒るでもなく不機嫌でもない、いつもの口調がロリィに突き刺さってくる。ロリィは
ドレスに手を掛け脱ぎ始めていた。潤んでいた瞳からは頬を濡らしてぽろぽろと涙が伝っている。
ロリィの足元には紺のドレスの山が出来ていて、そこに幼い性を守る最後のショーツも落とされて
いった。レズリーはそこに辿り着くまでのロリィの哀しみまでも素描でスケッチブックへと瞬間瞬間を
切り取って留めていった。
ロリィは声を出して泣いていたわけではなかったが、華奢な躰……細い肩を顫わせて涙している。
「ロリィ、動かないで。絵が書けないから」
皮肉なことに、レズリーの言葉に更に反応して躰がびくんとしてしまうロリィだった。
「俯いていたら、あなたのお顔が描けないでしょ」
ロリィはゆっくりとレズリーを向く。そこには、いままで見たことのない美の探究者としての妥協
しない真摯な瞳を見たのだった。
「笑って、ロリィ」
泣いていて笑うどころではないのに、ぎこちないながらもレズリーに健気に応えようとするロリィ。
右手で無毛を隠すようにして左手で手首を掴んでいる。左脚はややくの字にしてくつろげて
脱いだ紺のドレスの山に立っている。妖精が今しがた生まれたかのような素肌をさらしてロリィ
は慕うレズリーの前に……此処にいる。
いつしか、ロリィは自然と微笑を向けられるまでになっていた。レズリーのいつものやさしい
瞳ではなく、美に厳しいまでの真摯な眼差しに素肌を晒すことにロリィは妖しいトキメキを
そこはかとなく感じて秘芯を密かに濡らしている。
「疲れた?ロリィ。ごめんね、もう終わったから」
スケッチブックをポンと机に置いてロリィの元へ来て彼女の躰を抱きしめる。ロリィはレズリー
の背に腕を廻して、豊かな胸に顔を埋めて横に振っていた。レズリーの手は裸のロリィの背中
をやさしく撫でまわして、もう一方は濡れ始めていたスリットへとそっと這わしていった。
「ああ……ああん……お姉ちゃん……」
胸に埋めていたロリィは顔を起こして、か細い喘ぎを洩らす。
「濡れているのね……ロリィ、ベッドへ行きましょう。気持ちよくしてあげる、ご褒美よ」
ロリィはセックスをなぞられるのさえ初めてだった。けれどもレズリーのご褒美という甘い誘い
を断る理由は何処にもない、それがふたりの始まり……その時のデッサンの最後の一枚も今
のスケッチブックに記されている。ロリィという妖精の誕生の瞬間だった。
レズリーは捲る手を止めて初めてアトリエに呼んだ時のロリーの蠱惑を振り払い、真っさらな
ページを開いてコンテを取ると探求者の瞳に変っていた。
ロリィはそのレズリーの視線を感じて、快美の波にうちあげられて喘いでいるハンナへと
近づいていった。
ロリィはベッドから外されている片脚をもって、ハンナの躰を真直ぐに伸ばそうとしていた。
左脚を持たれて、開かれていたセックスが更に拡がることにハンナ・ショースキーは慌てた。
「ああ……やめてよ……レズリー……ボク、羞ずかしいよ……」
気だるい間延びした声があがった……ハンナはもはや拒んではいない。
「愛してあげるから、ベッドにちゃんと横になって、ハンナ」
のったりと這って背中をベッドに沈めて、投げ出されていた最後の右脚もベッドに自分から
乗せた。
ロリィは不思議な気分になって、小さな心臓がばくばくと鼓動を速めている。
(お姉ちゃんにして貰ったことを、ハンナにしてあげればいいのよね……そうよね……)
ハンナのベッドに乗せられた鍛えられた美しい美脚の拡げられた姿に、ロリィのクレパス
からは女の蜜が滴って太腿を濡らしている。ロリィは目指すハンナの濡れて輝いている繁みに
自分のをそっと重ねていった。
ハンナはレズリーの躰に力いっぱいに抱きついて行きたかった。
(こ、こんなこと……は、初めてなのに……どうすればいいの……ボクに誰か教えてよ……)
「あううっ……あああッ!」
ハンナの唇から叫びがあがってロリィの躰が軽くバウンドした。ロリィはハンナの両脇に
手をついてセックスをゆっくりと擦り付けて行く。ぬちゃっ……くちゃっ……。ハンナとロリィ
のねっとりとした淫水の立てる音が、レズリーの寝室に響く。
ロリィは一生懸命に小さな桃のようなお尻振りたてて、ハンナのスポーティなブラを押しあげて
乳首にむしゃぶりついた。ハンナは快美に慄き、何かにしがみ付きたくても出来ないでいた。
「あああッ!レ、レズリー……!」
ハンナの躰が烈しく弓なりに反って、手は頭上で逆手になってブリッジをする格好になる。
(ハンナ……レズリーはロリィだけのお姉ちゃんなの、誰にも渡さないんだから……!)
ロリィはハンナのしこって張っている乳首に歯をあてる。
「ひあッ!ああ……も、もっとやさしくしてよぉ……ボク……もう……いやだよぉ……」
「気持ちよくなかったの?ねえ、ハンナ。答えてちょうだい?」
スケッチブックを走らせていたコンテを止めて、レズリーはハンナにやさしく声を掛ける。
「ご、ごめんなさい……ボ、ボク、とても気持ちよくて仕方がないんだ……たまんなくて、
どうしたらいいかわかんないんだよ……こんなの女の子なのに、いけないことなのに……」
ハンナの声にまた涙が交じる。ロリィはそんなハンナを見て、初めてレズリーのアトリエに
来た自分の姿を重ねて愛しくなって、乳房をやさしくしだいて乳首をねっとりと舐めていた。
「ハンナには、好きな男の子でもいるの?」
「ボ、ボクになんかそんなの、いるわけ……ないだろ……レズリーなら、いくらでも……」
レズリーはハンナの拗ねた言葉を遮って甘く諭すように囁く。
「ハンナは女の子らしくて、可愛くて綺麗だよ。髪を短くして男の子の振りなんかしてても
魅力は隠せないんだから」
「あううっ……はうん……ボ、ボク、そんなこと言われたの初めてだよ……レズリーを好きに
なっちゃいそうだよ……嬉しいよ……」
「愛し合っているのなら、何かカタチに問題があるの?」
そのハンナの告白にレズリーの答えにロリィはドキッとした。けれどもロリィにはハンナの気持ちも
痛いほどわかっていた。レズリーの美の探究者の顔の下にある、やさしい顔を知っているからこそ
もっと好きになって愛することが出来る。どちらがほんとうのレズリーなのと尋ねたこともある。
レズリーはロリィにやさしく微笑んで、どちらも本当のわたしよと答えてくれた。
そしてモデルをしている時の儀式にも似た時間を経て得られる至福の刻の快美が、ロリィにとっては
なによりものご褒美であり、大人への階段に思えていた。レズリーが自分のずっと先を歩いて
いるから、早く追いつきたいという気持ちが関係を重ねるたびに増していくのだった。
(ハンナ、ロリィみたいにレズリーのことを好きになってあげて。もっともっと好きになって、いっしょに
愛し合いましょう……レズリーを愛しましょうよ)
ロリィの昂ぶりが小さなお尻の律動を早めてゆく。無毛のスリットとにこ毛だけれども生え揃いつつある
繁みを擦りあって淫音を奏でていた。
「ハンナのこと、わたしは好きよ。恋人になりましょうよ、わたしたち」
「はああっ、はっ、はうっ……こ、こわいよ……ボク……レズリーが……レズリーのことが……
す、好きに……好きなんだあああぁぁぁぁぁッ!」
「ひぃーっ!」
か細い悲鳴をあげて、ロリィはハンナの躰のうえで総身を顫わせて華奢な躰をいっぱいに伸ばした。
ハンナもアクメに達してロリィと熱く蕩けあって眠りに堕ちていった。
レズリーは描きあげてスケッチブックを閉じると、机の上にそれを置いて、ベッドのふたりの元へ
近づいていく。
ハンナの躰のうえでは、荒い吐息をついているロリィがいた。お姉ちゃん、お姉ちゃんとうわ言の
様に呟いている。レズリーはハンナの頭に寄ると、制服のリボンの目隠しをしゅっとほとくのだった。
自分の真上にレズリーの微笑みがあった。ハンナは急いで自分の躰のうえで喘いでいる少女を
見た。息も絶え絶えに喘いでいたのは美少女のロリィだ。ハンナはベッドから躰を起こして、ロリィ
を勢いに任せて弾き飛ばす。
「きゃっ!」
ロリィの小さな悲鳴があがる。
「レ、レズリー!ボ、ボクを愚弄したなッ!」
ロリィは躰を起こして、ハンナのあまりもの剣幕に怯えていた。
「からかってやしないよ。モデルになるっていったろ」
「で、でも、なんでロリィがここにいるんだよ!」
「ロリィもわたしのモデルだからだよ」
「なんて破廉恥なッ!」
ハンナは押し上げられたブラを下げようとして、両腕で乳房を隠そうとする。ハンナのレズリーへの
恋心は一気に醒めて、むしろ憎悪がふつふつと湧いてくるのだった。
レズリーが躰を寄せてきて、ハンナのブラのホックを外す。彼女のゆったりとウェーブがかった、
ブロンドの甘い香りがした。ハンナの気持ちが揺らぐ。
「やめろッ!やめろっていってんだろッ!」
両手でレズリーの躰を突いて、平手で彼女の頬を叩いた。パシィーン!という乾いた音が部屋の
空気を凍えさせる。
「お姉ちゃんは悪くないの!わたしひとりじゃ嫌だったから、ハンナもって頼んだの!だから、
お姉ちゃんは悪くないのッ!」
「ほ、ほんとなの……」
ハンナの怒りの切先がロリィに向いたときだった。それを遮ってレズリーが叫んだ。
「ロリィ!黙りなさいッ!」
レズリーの烈しい声に自分が怒られているように錯覚して、今度はハンナがびくっとする
番だった。
「賭けは行き掛かりのことだったけれど、わたしは嘘はついていないわよ」
「ど、どうしてレズリーは落ち着いていられるんだよ……ボクは……ボクは……」
「ごめんね、ハンナ。今度はあなたが私を好きにしてもいいから、許して……」
「お、お姉ちゃん……」
ブーツを脱いで立ち上がり、制服を脱いで下着も床に落とした。ブラの拘束を解いた時の
豊かで美しい乳房がこぼれ拡がって行く様にハンナは同性であることも忘れて魅入っていた。
そして、ショーツを下ろして脚から抜き取る仕草に、目の前に露にされたレズリーの匂いのする
女らしいセックスに興奮すら覚えている。ロリィもそれは同じことだった。
膝立ちになって、ベッドにあがりハンナの前に裸身を晒すレズリー。しなやかですらっとした
腕をハンナの首に伸ばしてそっと絡める。
「わたしを好きにしていいのよ。どうぞ、ハンナ」
レズリー緑色の瞳がやさしく微笑んでいた。
「ごめん、ボクの言い過ぎだった……さっき、いたかった……?」
「わたしを許してくれるの?」
レズリーがハンナに尋ねた。
「許すも何もないよ……ボクが悪かったんだから……」
俯いているハンナの今しがた流した雫をレズリーの赫い唇がやさしくうける。
「ハンナ、わたしを好きにしていいよ……」
ハンナの目元に掛かるのは、やさしい言葉とレズリーの熱い吐息だった。
「好きにしてって言われても、ボクにはどうしたらいいのかわからない……」
羞恥交じりにハンナが吐いた。
「じゃあ、わたしにキスして。仲直りしましょう」
「うん……叩いたりして、ごめんなさい」
ハンナは小さな声で呟くと、羞恥に赧く染まった顔をあげ、レズリーもまたそれに応える。
「わたしも、ハンナの気持ちを傷つけたりしてごめんね」
ロリィはふたりのくちづけを眺めていたが、複雑な気持ちだった。レズリーの気持ちが自分
からどんどん離れていってしまうのではないかという漠然とした不安があった。
しかし、ふたりの許しを乞うて愛し合う光景はロリィを安心もさせ下腹を熱くさせている。
なんにしても睦み合うふたりの姿をひとりぽつんと見ていなければならないのは、
ロリィには辛かった……。
レズリーはハンナのブラを取り除いて、彼女の躰をベッドに横たえて濡れそぼる柔肉の赫貝
を擦り合わせてゆく。ハンナの右太腿はレズリーの腰へと廻されて、レズリーの右脚は腫らした
セックスを合わせる為にぐいっとベッドを踏ん張って、シーツに皺をつくっている。
「ああ……こ、こんな格好、ボク羞ずかしいよぉ……ゆるしてぇ……レズリー……」
「き、気持ちよくないの?ロリィは悦んでくれたけれど……」
ふたりの世界に浸っていたハンナは薄目を開けた時、ロリィの淋しそうにしている瞳を見てしまう。
「う……うああ……」
ロリィの哀しみの瞳が揺らいで、ハンナの眉間に快美の刻印が刻まれる。妖しいレズリーの
律動に昂ぶって陶酔し始めている自分がまだ信じきれないハンナだった。レズリーは微笑んで
ハンナの気持ちを確かめようとする。どう、気持ちいいの?と聞かれるたびにスポーツ少女の
背徳感は増幅されていっていた。
「か、神さま……助けて……ボク……ボク……あそこがとても熱いんだよ……こ、こんなことって」
ハンナの心はレズリーによって陥落寸前で至福の時が目の前にまで迫って来ている。
「カタチなんか問題じゃないの……そうでしょ……愛し合いましょう。な、なにか言って、ハンナ」
ベッドはギシギシと軋んでハンナの躰が揺さぶられ、レズリーの美尻が秘所に押し付けるように
妖しく蠢いている。ハンナの歔く声にロリィはもう、両手で耳を塞いで瞼をきつく閉じていた。
閉じられた赫い瞳から、涙が後から後から溢れ出て美少女の心を苛む。
(ハ、ハンナとお姉ちゃんは仲直り出来たのよ……どうしてロリィは泣かなくちゃいけないの?
どうして慶んであげられないの?ロリィは悪い子、いけない子なんだわ……きっとそうよ……)
後側位で脚を絡められて女を責め続けられるハンナは上体を捻ってシーツにうつ伏せに
なろうとしていた。
「ど、どうして……行かないで!ハンナ!」
腰にのせられていたアスリートの美脚を愛撫していた手がハンナの右腕をがしっと掴んだ。
そのことによって、レズリーとハンナの爛れたセックスは、もっと密着する。ハンナの躰が
逆海老に大きく仰け反る。
「ああ……あ……いっ、いやあっ……」
「もっと気持ちよくしてあげるから、ふたりして天国に逝きましょう……ねえ、ハンナ……」
ハンナは快美感に仰け反った頭を捻じってレズリーを見た。レズリーの顔はセックスに惚けて
赧く染めあげて、ゆったりとウェーブ掛かる長い金髪を振り乱して自分を熱く求めてくれる姿
だった……。
(ボクもレズリーと同じ顔をしているんだ、きっと……もう、普通の女の子に戻れないよ……
レズリー……きみを愛してしまう……)
「ああ……ロリィ……ロリィ……ああっ……」
ロリィは自分を呼ぶハンナの声に泣き腫らしている顔をゆっくりとあげる。ハンナが左手を
自分に助けを求めるようにして伸ばしていた。ロリィはのったりと這って行ってハンナの
差し出している手を取った。
レズリーに責め続けられてセックスに惚けた羞ずかしい顔を晒して、ロリィをみあげる。
「ごめんね……ごめんね……あううっ……」
ロリィは顔を横にふるふると振ると、くりっとした愛らしい瞳を閉じて快美に喘ぐハンナの唇に
くちづけた。喘ぐハンナにやさしいロリィの舌が入ってくる。ハンナの右太腿はレズリーの右腕
に抱えられて淫水の音を奏で……そして、烈しく痙攣すると快美の大波に掠め取られて
天国へといった。
ハンナが目を開けると右にレズリーがいて、左にロリィが寝ている。レズリーが乱れたブロンド
を掻きあげて、目覚めたハンナにそっとキッスをする。
「あっ」
ハンナは小さく声をあげて、瞳をゆっくりと閉じた。ロリィはハンナの今だ快美の名残りに
ひくついているヴィナスの神殿を、やさしくいたわるように愛撫してくれている。
「どうだった、ハンナ?」
レズリーが唇を離して囁く。ハンナはゆっくり瞳を開いてレズリーを見つめる。
「ボク、一生このことを忘れないよ。素晴らしい時をありがとう、レズリーにロリィ」
ヴィナスの神殿の奥からまたも熱いものが込み上げてくるのがハンナには分かっていた。
ロリィはハンナの花唇を愛しそうにゆっくりと愛撫して、ひくついている秘孔に浅く中指を挿入
する。うっ、という呻きがハンナの唇から洩れて、ロリィは慌てて手を引いてしまう。
「ご、ごめんなさい」
「ううん……ちょっと、びっくりしただけだから、心配いらないよ、ロリィ……き、気持ちよかったから」
「ごめんなさい、ハンナ」
ロリィは背伸びして、レズリーにヴァギナを愛撫される時みたいにハンナを昂ぶらせてあげたいと
考えていた。けれど、それが浅はかなことだと知って恥毛をゆっくりと弄んでからヴィナスの丘を
やさしく愛でていく。時には、じんわりと内腿を撫で擦ったりしながら、ハンナに悦んで貰いたい
一心だけでレズリーからの手解きをトレスしていった。
「あうん、き、気持ちいいよぉ……ロリィ……ボク、また……たまんなくなっちゃう……ほんとだよ」
ハンナは総身をぐんと伸ばして仰け反り、脾腹に肋骨を浮き上がらせている。
「ああっ、ああ……」
ロリィの秘所を愛撫している腕に、ハンナの手が蔦のように絡んできた。
「あせらないで……そっと、やさしくハンナにしてあげるのよ……そう、いい娘よ、ロリィ」
「ああッ……ロリィッ!き、気持ちいいよぉッッッ!あうううッ!」
ロリィの人差し指が触れるか触れないかの強さで撫でていった。ハンナはまた仰け反って
首がぐんっと伸びる。その頭上では、レズリーとロリィが唇を交わして、レズリーの右手はロリィ
の愛撫の手へと重なってゆく。ハンナの右手はベッドに手を付いているレズリーの腕へと
しっかりとしがみついている。
レズリーとハンナが唇を離した時、唾液が糸のように細くなって自分の顔に降り注ぐのを
うっとりと眺めていた。
「はあ、はあ、はあ……ボ、ボクも欲しい……レズリーのキッスが……ほ・し・い・よ…
…おねがいだから、ボクにもちょうだい……」
「ロリィみたいよ。おねだりなんかしたりして、かわいいのね」
「ボクが子供みたいってこと……?」
ハンナは目元を赧らめてレズリーを見つめる。
「さあ、どうかしらね」
左手が汗に乱れている髪を整えてやり、やさしくハンナの火照る頬を撫でてやる。ハンナを
見ていたやさしい眼差しがロリィへと、そして……いっしょにハンナの秘所を弄る右手へと瞳が
向けられた。ロリィのたどたどしいながらも、一生懸命な責めはクリットの鞘を二本の指で
挟むように愛撫して、レズリーはハンナの赫く爛れた花唇をそっと撫でて愛液をその白魚
のような細くしなやかで長い指へと絡めていった。
「ああっ……いっ、いやあっ……はあ、はあ、はあ……もう、ゆるしてぇ……」
ハンナは終わることのないアクメに心が掻き乱されてゆく。ロリィがハンナの頬にすりすりと顔を
擦り付けてきた。
「あっ……はあ……ご、ごめんよ、ロリィ……きみを子供扱いして……ずっと先輩だよ……
はうっ……はあ、はあ……ああ、ロリィ……」
「いいの、ロリィはまだ子供だから、お姉ちゃんからいっぱいおしえて貰えるから、いっぱい」
ハンナに囁くようにブレスがかかり、熱くなった耳朶をロリィは甘噛みするのだった。
「あううッ……はうっ……レ、レズリー……ボクにもいっぱいおしえてぇ……おねがい……します」
レズリーの指がクリットをかすめてヴィナスの丘を越えて、ハンナの鍛えられた肉体の膨らみ
へと辿り着いてやさしく揉みしだいてゆく。
「あら、またおねだりなの?ロリィの方がずうっと大人みたい」
「ううっ、はああッ……ボ、ボクは……子供だよ……何にも、知らなかったんだもん…
…あふっ……ボク……お、おねだりしちゃだめなの、レズリイイィィィィィィッ!」
レズリーはしこり切って硬くなっている乳首を捏ね繰り回すのを止めて、手を反して首筋を
愛撫しながら昇っていった。
「ハンナはお姉さんなんだから、お仕置きが必要ね」
「はああっ、はあ……お、お仕置きなの……あふっ」
ロリィは熱く濡れるハンナのヴィナスの神殿を手のひらでそっと覆うと、包み込むようにして
揺らし始める。
そして自分の羞恥にまみれた哀訴に対しての答えが思っても見ないお仕置き
ということに、妖しくハンナの躰は反応してしまっていた。
「すごく濡れてるよ、ハンナのここ」
「いやあっ、はあっ、言わないでぇロリィ……あうう、ロリッはぐっ!」
ハンナの口に、左頬を愛撫していたレズリーの人差し指がすっと侵入して来る。ハンナは
衝撃とどう反応していいかわからずに、ただ凛々しい太い眉を吊り上げて、眉間にレズリー
をもぞくっとさせるほどの美しい縦皺を刻んでいる。
「ひやめへよ……ふうう……ほへがひ……ふあっ、んぐうッッ!」
首筋を愛撫していた右手が人差し指と中指をそろえてハンナの開いている口へと挿入されて
彼女の蠢いている舌をそっと挟んだ。その恥戯もハンナにとって、今は蹂躙意外の何者でもない。
アトリエに入って、自分の熱く濡れるセックスをレズリーに舐められたことで、そういう愛し方が
あると知ったばかりなのに……口腔内に自分の味がレズリーの白魚のような指を伝って
ゆっくりと拡がってゆくのだから、さらにハンナの眉間にくっきりと縦皺が刻まれてゆくのは
仕方のないことかもしれない。
「綺麗よ、とっても。今のハンナの顔は綺麗、絵にして見してあげたいくらい」
(羞ずかしいよ……レズリー、ゆるしてぇ……おねがいだからあああぁぁッ!)
寝室には淫水の立てる湿った音とレズリーとロリィの熱い吐息に、ハンナのくぐもった歔き声
が交じって、少女の甘ったるい匂いと性臭ともいうべきものが香って蕩け合っている。
レズリーはハンナの舌を解放して、揃えた指をゆっくりと抽送し始める。
「ハンナ、汚いことなんてないの。わたしたち愛し合っているのよ。そう、わたしについてきて」
ハンナは抽送されるレズリーの揃えられた人差し指と中指に、おずおずと舌を絡めて来ていた。
「じょうずよ、そう……もっとして……もっとよ」
ぴちゃ、ぴちゅという唾液の音が新しく寝室に加わってゆく。レズリーは愛撫に耽溺するロリィ
に目をやってから、鼻孔を膨らませて一所懸命に自分の二本の指をおしゃぶりするハンナを
満足そうに眺めていた。
ハンナの口に入れていた左の人差し指を抜いて、レズリーは自分のセックスへと左手を持って
いって愛撫し始める。
「あした……海へ行こう……そして、また三人で愛し合おう……ハンナ、そうしないか…
…ねえ、ロリィ」
「んぐうっ、んんっ、んんん……」
また、ハンナに大波がそこまで迫っていた。ロリィもまた自分を慰めていて、三人の仔猫たちは
甘い夢に躰を委ねてゆく。
ハンナの口から指を抜いて、レズリーは自分の口へと含んで見せた。
「お仕置きだなんて、うそだ……よ」
レズリーは悪戯っぽくハンナに微笑む。ロリィはゆったりと躰を伸ばしてうつ伏せになって、ハンナに
手をのせて、今だ荒い息を付いている。ハンナは腕枕に寝そべる格好になっているロリィの髪を
やさしく撫でていた。
ロリィのしっとりと濡れる汗が不快どころか素肌に気持ちよく……不思議な心持だった。
そのハンナのとまどいを見透かしたように、ねっとりとしゃぶっていた指をゆっくりと取ると、レズリーは言った。
「嫌だった、気持ちよくなかった?」
「わかってるくせに……レズリーったらずるいよ……ほんとにいつかは、ボクの好きなように
しちゃうからね」
「ふふっ、楽しみにしてるよ。それよりもあした海へ行かない、ハンナ?もちろん、ロリィもいっしょに」
「さっきも、レズリーそんなことを言ってたね……だったら、水着を出さなきゃ」
「いらないよ、裸で泳ごう。三人でいっしょに」
ハンナはレズリーの突拍子もない誘いに、また顔を赧く染めて俯く。今は羞恥よりも期待で
鼓動が速くなってしまうのがわかる。
「ハンナはわかりやすくて可愛いな。うん、とても可愛いな」
「や、やめてよ……でもボクって、そんなにわかりやすいかなあ?レズリーがわかりにくいだけな気がするけど……」
「さあ、どっちかな。ひと息ついたら、三人で汗を流そ」
(レズリーって、えっちしている時の口調が妖しいんだもん……ボク、それにも興奮してたんだけど…
…あっ、またおかしくなっちゃう……)
気を逸らそうとハンナがロリィを見ると、すうすうと可愛らしく寝息を立てていた。その顔は汗だくで髪が頬に
へばり付いて官能の嵐の名残りを物語っている。ハンナはロリィが堪らなく愛しくなって、なんの躊躇いもなしに唇に
近づいて口吻をした。
ロリィの小さな唇の感触はマシュマロのように柔らかく、そこはかとなく儚く感じられる。伏せられ
ていた睫毛が微かに揺れ、くりっとした大きな瞳が開かれる。ロリィは唇を開いていって、ハンナの舌
を待っていた。ハンナは何度目かの芯の疼きを覚え、埒のない官能の迷路に躰を燃やしてゆく。
ゆったりとベッドにうつ伏せになっていたロリィも、小さな白いお尻を振りだし、レズリーがハンナの躰を
豊かな乳房を擦り付けるようにして這ってゆき、お尻から手を差し入れて無毛のスリットを弄りだす。
「ハンナ、いっしょに可愛がってあげましょう。ロリィ、ずっと待っていたのよ」
「ああ……ううんっ……うっ……」
ハンナの唇から離れると、ロリィの白い咽喉が伸びてハンナはそこへ吸い付くように下りていった。
ロリィの細い首をハンナの唇が吸い付くようにねっとりと這って、首筋に唾液の軌跡を残していた。
「あっ、あああッ……ハンナ、お姉ちゃんんっ!レズリー、お姉ちゃああんッ!」
ロリィは快美に鼻孔をいっぱいに拡げて、頭をくなくなと揺すり始める。レズリーにはもっととねだって
小さな白い臀部を顫わせて、彼女の指を受け入れやすいようにと高く掲げていった。レズリーは
掲げられたロリィの小さなお尻を左手でやさしく愛撫してから割り拡げていった。
「どうして欲しいの、ロリィは?」
「ひぃーっ、ひっ……もっと、もっとしてぇぇぇぇッ!」
膨らみきったロリィの花びらを人差し指と中指でやさしくなぞり、親指でひくつく窄まりをそっと
揉むように周囲を撫でては押すようにする。
「はっ、はっ、はっ、はああ……あっ、あ……いやぁ、いやっ、いやああ……」
ハンナはうつ伏せになって可愛いお尻をレズリーに掲げているロリィの上半身を自分の方へ
と向けて捻った。仰向けに寝ていたハンナは起き上がって四つん這いになって母親の乳を呑む
仔猫になってロリィの右乳房をしゃぶっている。
「いやああっ、み、見ないでぇ、見ないでぇ……ハンナお姉ちゃん……ロリィのおっぱい見ないでぇ!」
ロリィは泣き叫んでいた。快美の顫えもあったが、乳房のことでまた美少女の乙女心は苛まれる。
「どうして?ロリィのおっぱい可愛いのに気にするの」
「いやぁぁ、言わないでぇ、言わないでぇ、ハンナぁぁ……あっ、ああっ……」
レズリーはロリィの脇に手を入れて美少女の裸身を抱き起こして、胡坐に小さなお尻をのせる。
「どうして、前にも言ったでしょ。ロリィのオッパイは可愛いって。ねえ、ハンナもそう思うでしょ」
「うん、可愛いよ、ロリィ。気にすることないのに」
「だって、だって……ロリィのお胸、ハンナお姉ちゃんみたいに綺麗じゃないもん……」
レズリーのバストは別格としてわかっていたつもりでも、ハンナの鍛えられた美乳を魅せつけ
られることは、他人の乳房など見ることの少ないなかでは、やはり少女にはショックだったろう。
ロリィは中等部に在籍する美少女で、すでに女への階段を昇り始めていた。小等部のような
薄い胸がようやく膨らみかけて微かに丘陵を成すカタチともちがう。かといって完全に女のカタチ
として認識できるほど成長はしていない。とくに胸のカタチが目に見えて中途半端だった。乳房
のカタチを彩り始めている時期なのだ。むろんロリィの心も未成熟である。
「ばかだなあ。胸のことなんか心配することないのに。ロリィは美少女なんだから、どんどん
綺麗になってくよ。レズリーよりも大っきくなるかもしれないよ」
ハンナはいやいやをして顔を振っていたロリィの頬を両手でやさしく包むと、額をすりすりと
しながら囁くように諭す。
「ロリィ、ばかだもん……ばかだもん」
「そんなこと言っちゃだめでしょ、ロリィ。ほら、いい子だからね」
レズリーがロリィの細い肩に顎をのせ頬を摺り寄せ耳朶にそっと歯をあててくる。
「ご・め・ん・な・さ・い、ハンナお姉ちゃん……あっ……んんっ……」
ハンナはロリィの唇にそのまま口吻をする。ロリィはふたりのやさしいお姉さんにやさしく
包まれるように愛されてしあわせだった。シーツはロリィのセックスの嬉し泣きでぐっしょりと
濡れている。ロリィはレズリーの胡坐のうえで、小さなお尻を擦り付けるようにして揺すっていた……。
「ロ、ロリィ、あした……海へ行かないか……ああん……はあ」
レズリーの声が昂ぶりで言葉がとぎれとぎれになってゆく。
ハンナはロリィの唇から離れると可笑しさを堪えて言う。
「水着なしの裸なんだよ、ロリィ。それでもいいの?」
鼻と鼻をくいくいっと擦り合わせてから、舌を出してロリィの鼻をぺろりっと舐めた。
「はあ、はあ、はあ、ロリィもいっしょにイクからぁ……つれてってぇ!いっしょにイクううぅぅぅぅぅぅッ!」
ロリィはアクメに達して泣きじゃくるようにして連れてってと叫んでいた。
レズリーはロリィの躰を抱き上げると、ベッドを降りて椅子にそっと座らせた。ロリィが椅子にグッタリと
なる様は裸にされたお人形が正体無くそこにいるようで一枚の淫絵図を見ているような蠱惑的な
雰囲気にさせると思っていた。
ロリィの躰が滑って前に迫出て、浅く椅子に座る格好となった。レズリーは跪いてロリィの今だ
愛液の溢れ出ているセックスにくちづけをそっとしてから、立ち上がるとハンナの待つベッド
へと向かう。
椅子に背を向けたとき、荒い息を吐いて目を瞑っていたはずのロリィが薄目を開けた。
「はあ、はあ、はあ、はあ……はあ……」
(レズリーお姉ちゃん、待ってぇ。ロリィも行くからぁ……ああ……声も出ないよ…
…脚も立たなくなっちゃったぁ……お姉ちゃん、ロリィも連れてってぇ……ベッドにもどりたい!)
レズリーはベッドへとあがるとハンナの傍に添い寝して、彼女の乳首をそっと摘むと捏ね回す。
「ねぇ、いつお風呂にはいるんだよ……もう、べとべとなんだけど」
「ロリィが元気になるまでたのしみましょ」
「そしたら、ボクがへばってるじゃないかぁ。だったら、こんどはボクがしてあげる」
ハンナは頭上に置いてある山吹色の制服のリボンを取ると、レズリーの両手を掴んでそれで手首を
縛って、ちょうど祈りを捧げる格好にしあげる。
ハンナはそのレズリーの躰をぎゅっと抱きしめる。暫らくして、羞ずかしそうにハンナは
レズリーの顔を見ていた。レズリーはそんなハンナの気持ちを察してか、やさしい瞳で
どうしたのと見つめている。
「どうして欲しいかボクに言ってよ、レズリー……その通りにするからさ……」
レズリーはそんなハンナを見て、唇を寄せてちゅっ、ちゅっと何度かキスをしてから顔を
離して囁くようにして言った。
「ハンナが楽しんでくれればいいのよ。何をしたいかをたのしんで想像してみて……ね、
そうすれば私もたのしいはずよ」
両手を縛られているレズリーが自分の腕のなかで抱かれて吐いた言葉に、熱い吐息に
ハンナのセックスがまた妖しく蠢き始めていた。
「じゃあ、ロリィが目覚めるまでボクがレズリーにしてあげるから」
「ええ、そうして。ハンナ、たのしみましょう」
レズリーの妖しい彼女のエメラルドを思わせる瞳の輝きの奥に、身悶えしている自分の姿を
ハンナは見つけていた。
もう彼女からは逃げられない、そう思うと後悔よりも三人の強い絆を感じて、むしろ嬉しくさえある
自分の気持ちにハンナは驚いている。驚いてはいたけれど、たった一日で変ってしまった自分が
愛しくさえあった。
あしたどんなことを五月の海でレズリーとロリィでするのだろうか。今日以上のたのしみが自分を
待ってくれていると思うと期待に胸がふくらんでいく。ハンナは小さな扉を開いてみたら、そこは
とてつもなく拡がる世界だったというような気がして、心臓がばくばくとするのだった。