みつめてナイト  

ソフィアの舞台 

「はあ、はあ、あうううっ……ああああ……」  
 森の木々が風が吹くたびにざわめく音が磯のようだ。美しい小鳥たちの歌声に交じって  
ソフィアの甘い天使のような喘ぎが森に響いている。いつもよりはばかりのない解放される  
ような大きな声がわたしのペニスを熱くしている。彼女はたくましい樹木に細い腕を絡めて  
お尻をわたしの腰の律動に合わせて蠢かせている。  
 わたしの腰の回転とともに繰り出される突きあげに、ソフィアはいつしかリズムを掴んで  
小さな白いお尻を振ることを学んでいた。わたしの怒張はソフィアの膣内に捻じり込むように  
子宮口を叩く。  
「あああ……あっ、あっ、あっ、あああ……っ!」  
 羽休めに留まった鳥たちが人間の牡と牝が交ぐ合う姿を、時折首を傾げながら見下ろしている。  
ソフィアへの深い突き上げの衝撃が固く快楽に堪えるように瞑っていた瞳を見開かせた。  
「あっ、あっ、あっ……は、羞ずかしいい……!」  
 ソフィアの瞳には、けものみちからこちらの様子を窺っている鹿の姿が映ったのだった。  
「ソ、ソフィア……き、きみの声に誘われて……迷い込んだ牡鹿かもしれないよ……きっとそうだよ」  
「あっ、あっ、あん、ああん……いっ、言わないでぇ……!」  
 私の突きあげが烈しさを増して、最初は樹に両手を付くだけの頭を垂れての交わり  
が、今は細く白い腕をいっぱいに拡げ樹を抱いて柔らかい頬を樹皮に擦り付けている。  
まるで膣内のペニスにしがみつくソフィアの姿を眺めているような錯覚に捉われてしまう。  

 

 ソフィアも人がいないという森の静けさの開放感と時々覗きに来る獣たちに自分たち  
のあられもない姿態を観賞されることが、いつものソフィアのつつしみをかなぐり捨て  
させて、すべての五感が私とのセックスに結びついていた。  
 木漏れ日がソフィアの汗にしっとりと濡れる背に降り注ぐ。ソフィアだけを裸にひん剥いて  
私だけが甲冑のまま彼女を突いていた。ソフィアには悪いとは思ったが、もう我慢  
できないほどに屹立していて、彼女がそれを察してか自ら衣服を脱ぎ捨ててさっさと  
裸身を晒してしまっていたのだ。ソフィアの羞恥を捨てた行為に肉が昂ぶったのは  
言うまでもない。騎士が美少女を強姦する蠱惑に酔う。  
 そして、その白く華奢な臀部は快美に私の太さに顫えて馴染んでいないながらも  
経験が浅いなりに受け入れようと腰を振るっている。私の愛のリズムに追いつこうと  
必死だったのかもしれない。白いお尻に朝露のように汗が浮びながら振っている姿が  
限りなく愛しいソフィアだった。  
 ソフィアの蠢く尻を御して添えていただけの両手を双臀へと移して二つの丘を鷲掴みにする。  
「ひぃーっ!」  
 その衝撃にソフィアのか細い悲鳴があがる。すかさず、弛緩させてやさしく撫で回す。  
「ああ……あうううう……あっ、あっ、ああっ……ああああああっ!」  
 ソフィアの総身が顫えた。  
「ソ、ソフィア……逝くんだろ……イクっていってごらん……だ、誰も見てやしないさ……」  
「あっ、あうっ、ああっ……い、い……いやああああっ……し、鹿さんが見てる……!」  
「だったら……あの牡鹿にソフィアが誰の物か見せ付けてよ……ねえ、ソフィア……そうしよう!」  

「いっ、いい……羞ずかしい……ああっ、あっ、はうっ……いっ、言うからぁ……は、烈しく  
しないでぇぇぇっ!」  
「ほ、ほら……ソフィア……早く言わないと射精ちゃうよ……」  
ストロークのテンポを緩めることなく一定のリズムを保つけれど、時折深く子宮口を  
叩くことは忘れない。ああっ!という喘ぎがあがるたびにソフィアの口から唾液が  
とろっと滴り落ちていた。双臀を愛撫していた手は律動に揺さぶられる乳房を揉む。  
(もう、限界だよ……ソフィア、早く言ってよ……逝ってよ……!)  
「あうっ、あっ、いっ……いやあああっ……いっ、いっ……イク……イクうううっ、  
あっ、うあっ、イクうううううううううううううッ!」  
 ソフィアの膣が痙攣して烈しくペニスを握り締めてくる。びゅくっ、びゅるっ、とありったけの  
精をソフィアのなかへと注いでいった。ソフィアの収縮の余韻を楽しむかのように、まだ抽送を  
繰り出していたが、ソフィアには既にそれに堪えるだけの力は無く、糸が切れたマリオネット  
のように抱きついていた細い腕が樹からずるっと落ちていった。  
 ソフィアの乳房を揉みしだいている両手に彼女の重みがずん!と伸し掛かる。  
不覚にも私もあまりもの放出感に腑抜けになって崩れてしまい、どうにか私が下に  
なって仰向けになるカタチで地面へと倒れ込んだ。  
(もう、なにやってるのよ!騎士さまなんて言われて浮かれているからよ!)  
「わ、悪かったよ……ピコ……」  
(ソフィアだいじょうぶ?ちょっと烈し過ぎたのじゃないのかなあ……)  
ピコが心配そうに声を掛けてくる。  

 仰向けになった私の甲冑の上にソフィアの快美感の余韻に喘ぐ女に成りきっていない  
蕾の裸身がぐったりとして乗っている。ソフィアの脱がせなかった白長靴下が私の肉欲を  
いまだ退かせないでいた。  
 この体勢からでは分からないが、今だ私の怒張を咥え込んでいる秘孔からは解き放った  
おびただしい量の白濁をどくどくと吐き出しているのだろう。  
 ソフィアがうっすらと目を開いて私に言葉を掛けて来る。  
「騎士……さま……ソフィアのなか……どうでしたか……?」  
「気持ちよかった……いや、違うな……」  
 ソフィアの躰がぴくんと動いた。官能の余韻に顫えのことなのか、それとも私の言葉に反応  
してのことなのかは分からない。  
 私はソフィアの投げ出されている右手をやさしく掴むと、二人の肉の結び目に持って行った。  
「あっ……」  
「ほら、ソフィアと俺の交じり合ったものがこんなになかから溢れ出てきているよ」  
「あっ……ああ……羞ずかしい……」  
 何度目かのソフィアの羞ずかしいだったが、この睦言がペニスを完全に蘇らせて、ソフィアの  
官能の焔をもふたたび煽らせることになってしまった。  
「ソフィアの膣内はもちろん気持ちいいよ……でも、もっと気持ちいいのは君が側にいて  
くれること、俺が君の側にいれることなんだ」  

「騎士さまああ……う、嬉しい……!」  
 ソフィアは赧く染めた顔を捻じって、私の唇を求めてくる。挨拶ような軽いキッスをソフィアに  
飽きることなくやさしく触れ合わす。  
 官能がキスを追い越してしまって、秘所に導いていたソフィアの白く細い指が肉の結び目  
の棒を妖しく扱いてくれる。被せていた右手を結び目に押し付け、左手はソフィアの火照る  
頬を捉えて唇をぐっと擦りつける。  
「んぐうう……」  
 強引に舌をソフィアの口腔へ持って行って、彼女の舌を熱く絡め取って陵辱する。ソフィア  
も負けじと私の舌戯に刃向かって、その健気さに私は打ち負かされてしまう。ソフィアの  
リズムが奏で始めていた。ソフィアの愛のリズムが森に響いていく。  
 ソフィアの口が大きく開いて私の唇に繋がると、舌を差し入れてきて口腔を舐め回して  
抽送を繰り出す。ふたりは蕩け合っていた……。ソフィアの頬を撫でていた左手は捻じれている  
首筋を滑り快楽に喘ぐ乳房を弄って脾腹を掴む。  
 そして、ソフィアと躰を繋がったまま起こして座位のカタチをとった。  
「ひっ……ひぃ!」  
 小さな悲鳴があがっても彼女の指はペニスへの愛撫を辞めない。私は律動を始めて  
ふたりは快美へと漕ぎ出す舟となる。ゆっくりゆっくりと背中を預けたソフィアの躰が揺れていく。  
「ソ、ソフィア……見てごらん。まだ、牡鹿がこちらを見ているよ……」  
 口吻に夢中になったまま、ソフィアは目を開いて言われた方を見る。  
「あっ、ああ……し、鹿さんの意地悪ううっ……」  

 

「ほんとだね……ちょっと脅かしてやろうか……」  
「えっ?あっ…あはん……あうう……あああふっ」  
 私はソフィアの両手をしっかりと握り締めると水平に拡げた。牡鹿はぴくっと動いてまた  
戻って来て牡と牝の肉の律動を眺めている。ソフィアの裸身は磔になった乙女と見まがう  
ほどに美しかったに違いない。ソフィアの頭が仰け反って私の肩にもたれた。そして水平  
に拡げた両腕を頭上に高々と掲げていった。  
 ソフィアの小ぶりな乳房が上下に引き伸ばされる。先ほどからの深い挿入感に胸が  
ぐんと張って更に伸ばされていた。  
「ほ、ほら……ソフィア、見てごらんよ……」  
 律動を幾らか烈しくしてソフィアの躰がぶるぶるっと痙攣していく。  
「あっ……ああ……あううう……あっ、あっ、うあああああああああああっ!」  
 頭上に掲げられた腕に対象物が大きくなったと驚いたのか、または威嚇と思ったのか、  
ソフィアの快美の絶叫も伴って牡鹿は逃げ去って行った。  
 その瞬間、ソフィアのきつい締め付けで、私も欲望を膣内へと迸らせてしまう。  
小鳥たちは相変わらず囀り、小首を傾げてふたりの獣の情交を見下ろしている。  
 快美を貪りつくしたふたりは、ヤング教官のマントにソフィアの裸身を横たえて、私は彼女に  
腕枕を貸して休んでいた。ソフィアの真珠の素肌に人差し指を触れるか触れないかの  
微妙なタッチで乳房から腹部へと滑らせていく。  
「ソフィア、もうここには来ない方がいいよ」  
「えっ!ああっ……」  
 濡れて今だ熱を孕んでいる秘所を弄る。  

 

「ヤング教官に師事されていた頃と君は似ているんだよ」  
「ご、ごめんなさい……」  
 私はソフィアの持ってきたバスケットからサンドイッチを取り出して彼女に渡す。それを  
半分にして啄ばんだ。  
「差し入れも、こうしてソフィアと愛し合うことも修行の妨げだなんて思ってやしないよ。  
でも、君は迷っているんだろ。違うかい?」  
「そ、そうなの……ああん……はうっ……」  
(食べるか話しをするのか、えっちするかハッキリしなさいよ!ソフィアが可哀相だよ!)  
「ソフィアは才能があるから、可能性があるから師匠は怒ってくれるんだよ。芽が無いのなら  
出て行けって言われると思わないかい、ソフィア?」  
「ああん……あん……そ、それじゃあ、わたし……戻らな……はうっ!」  
「もう一回、俺とエッチしたらフェンネルの劇場まで送っていくよ。それともおんぶがいいかい?」  
 私はソフィアに覆いかぶさって、快美に歓喜して潤う瞳をじっと見つめる。  
「んああ……あっ……も、もう……ばかぁ……」  
(ほんとに大馬鹿なんだからああああああっ!すかたん!)  
「ソフィアが舞台を踏む日は遠くないな、安心したよ」  
「ここに来ることが出来なくなっちゃ……あっ、ああん……また、いっぱいに拡がっちゃう……」  
「た、たまには……あそびにおいでよ……来て欲しいな」  
「はっ、はうっ……ああ……こ、今度はわたしが……舞台に招待するぅ……うああっ!」  
(もう、あんたにはスケベナイトの称号をあげるわよ!)  
 風が吹いて木々のざわめきが磯を思わせる。ソフィアの側の咲き乱れる花々がふるふると揺れ  
胞子が風へと舞う。逃げた牡鹿も戻って睦まやかなふたりの姿を遠くからいつまでも眺めていた。  

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