1週間ぶりに会ったライズは、珍しい白のワンピース姿で、俺の姿を認めるなり穏やかに微笑んだ。
その笑顔が愛おしく、幸せだな、としみじみと思う。
「・・・待った?」
「今来た処よ」
「似合うな、その格好。すごく可愛い」
「か、からかわないで・・・行くわよ、ほら」
ロムロ坂に向かって歩き出す。俺は赤い手袋をはめた手を何気なくつかもうとするが、するりとかわされた。
何だよ、と手をみつめたが、すぐに彼女の歩き方がおかしいのに気づいた。
「何だ、足が痛いのか?」
「・・・あなたがいけないのよ・・・」
赤くなって目を逸らす。ははあ、まだ痛むのか。女の子もなかなか大変だな、と思いつつも耳元でささやく。
「この1週間、俺の感触が忘れられなかった訳だ?」
「へっ、変な表現しないで!」
叫ぶ。通りすがりの人が振り返った。ライズは更に赤くなりうつむく。その肩をひきよせ、頬にくちづけた。
「バカ・・・っ」
言いながらも、まんざらでもなさそうだ。
ーーー画廊を出てから、ライズの機嫌は悪化の一路を辿っていた。ふっくらとしたくちびるをかみしめ、俺をおきざりにする勢いで、シアターに向かう道を歩いていく。
・・・おい。股が痛いのはどうしたんだ?
「おい。ライズ。まてよ」
「何か用かしら?」
冷たく返事をしながらも、振り返ろうとはしない。
「受付嬢と話してたくらいで、そんなに怒らなくてもいいじゃないか」
そりゃ、いい女だったけど・・・おまけに彼女が一人で鑑賞している間中、ずっと会話していたのは確かだけれど・・・。
ライズは足を止める。俺を激しい目で睨みすえた。
「別に、あなたがどうしようと関係ないわ。怒ってもいないし」
「・・・怒ってるじゃないか」
「違うって言ってるでしょ。・・・行きましょ。開演時間に遅れると、チケット代がもったいないわ」
・・・「チケット買ってなかったらすぐにでも帰りたい」と、遠回しに言われている気がする・・・。
ーーーシアターに入り、舞台劇が始まっても、ライズはこちらを見ようとはしなかった。
演目は「ロミオとジュリエット」で、開演期間の半ばにあたるせいか、人の入りはまばらだ。
円形劇場の真中辺りに座り、何しにきたんだろう、とぼんやりと思う。
「ライズ、俺が悪・・・」
「しっ。開演中に私語はマナー違反よ」
謝罪の言葉を、小さい声で遮られた。
強硬な彼女の態度に、ああそうかよ、と、意地のわるい気持ちがこみあげてくる。
俺は膝に置かれた彼女の手に手を重ねた。
冷たく払いのけるか、思いとどまるか。
ライズは迷う目でそれを見た。一瞬の隙に肩を抱きよせ、手を下にずらして胸をわしづかみにする。
「・・・だ、駄目よ。こんな所で」
「静かに。私語はマナー違反なんだろ?」
「で、でも」
ライズは困ったと言いたげに俺を見返した。その頬が少しずつ赤らんでゆく。手の中で、乳首が固さを増した。
「・・・はぁ・・・」
甘い吐息を洩らす。必死にくちびるをかみしめ、前を向く。
「ああ、愛しい愛しい私のロミオ様。月などと、あの夜毎姿を変える、不誠実な月になど愛を誓ってはなりません・・・」
舞台はまだ序盤だ。
柔らかな胸をこねまわし、乳首をいじりたおしても、ライズは真っ赤な顔で細かく震えながら、下を向くばかりだ。
服の上から、コチコチに固くなった乳首をなめあげてやる。
ライズの今にも声をあげたそうな、しかし理性で何とか踏みとどまっている、ギリギリの顔を見上げながら。
「・・・・・」
何でこんな酷いことをするの、とその目が訴える。
君の堪える姿がたまらなく愛らしいからだ、と言うかわりに、彼女にくちづけた。
これみよがしに固くなった乳首ばかりを舌と指で責める。無論、その顔を覗きこみ、反応を楽しみながら。
「・・・・ん」
彼女の息はあがり、目をぎゅっとつむって快感を堪えている。
うつむいても、まとめた髪では顔を隠しようがない。
だが、顔をあげるのはもっと恥ずかしいのか、俺にあえぎたそうな顔をさらしている。
「ん・・・はぁ・・・」
「静かに」
「!意地悪・・・っ」
瞳から涙がこぼれおちる。指でぬぐってはやるが、執拗に乳首を責める手をゆるめはしなかった。
左の乳首を指先で優しくこねながら、右の乳首をなめあげ、舌先でかるくつつく。
ライズの表情がこらえきれない、というものになった時、突然俺に抱きついてきた。熱い体が細かく痙攣する。
「・・・・・っ!」
ーーーなるほど、俺の肩で声を殺すとは。意外と策士だな。
思ったが、ライズは息を切らしたまま俺を抱きしめている。どうやらとっさの行動だったらしい。
深く深く息を吐くと、体の力を抜いた。
おしゃれをしても香水はつけていないようだったが、女の子特有の甘い香りが鼻腔をくすぐり心地よい。
「・・・人が見てる」
「!!」
彼女は慌てて俺から体を離す。斜め前の中年の男は、ふん、バカップルが、と言いたげに鼻を鳴らし、舞台へと目を戻した。
「駄目じゃないか。いくら舞台に感動したからと言って・・・」
ぐったりと背もたれに身をあずけながらも、よく言うわね、と言いたげにこちらを睨んでくる、
俺はそのスカートを一気にたくしあげた。
「・・・・な・・・!」
手で押さえようとするが、俺の方が早い。
「今騒ぐと、パンツ見られるぞ」
「くっ・・・」
俺はスカートと同じ色の、白いレースのショーツに手を伸ばす。ぴったりと閉じられたその股の隙間から、指をねじこんだ。
「ひっ」
ライズは体をぴくんっ、と震わせる。
ざらざらする毛をかき分けるように奥まで指をすすめ、柔らかく湿った場所に到達すると、少し乱暴にこする。
蜜があふれ、かき回すたび、ぴちゃぴちゃといやらしい音をたてた。
「ーーーふ・・・・・うぅ・・・」
「ああ、これは駄目だな」
俺は静かに身悶える彼女の耳元でささやいてやる。
「濡れすぎてて、普通に触っていても、いやらしい音がするよ・・・」
ライズは傷ついた目で俺を見返す。その目に微笑みかけてやり、俺は割れ目を更に指でこねまわす。
と、ライズは熱い吐息を洩らしながら、腕にすがりついてきて首をふった。もう許して、と哀願する瞳。
俺は素直に指を引き抜いた。
「・・・・?」
彼女は拍子抜けしたらしく、手を離す。もじもじと腰をうごかしながら、少し不服そうにうつむいた。
俺はポケットからあるものを取り出すと、再びスカートの中に手を入れ、むにゅり、と内部に押し込む。
「・・・っ。何・・・・っ」
「水袋」
あっさりと告げる。
「少しは耐久性があるが、あんまり中でしめつけるとーーー判るよな?」
彼女はみるまに青くなる。
「ぬ、抜いて・・・」
「駄目だ。舞台が終わるまで、大人しく座っていろ」
ライズはこの世の終わりのような顔で俺を見返す。
・・・ライズは俺の腕に痛いほどしがみつきながら、内部の異物感に耐えているようだった。
少しでもその表情が和らぐと、胸やあそこを指でいじり、執拗に欲望の火を灯す。
その度に俺をすがるように見つめ、腰をもじもじさせながら必死で欲情を堪える姿は、可愛らしいことこの上なかった。
舞台の第三幕が終わり、中休憩が入るころには、ライズは疲れたのか俺にぐったりともたれかかっていた。
「あの・・・大丈夫ですか?お連れの方、ご気分でも」
老婦人が心配そうに声をかけてきた。ライズは俺の腕を握る手に力をこめる。
俺はその頭を軽くなでてやると、愛想のいい笑みを浮かべる。
「お気遣いなく。こいつ、寝不足なんで。寝れば治りますから」
ーーー舞台が再度幕を開けた。
「ふぅ・・・」
和らいだ苦悶の表情に、俺は幾度目かの責めの指をのばす。ライズは目に涙をためながら、いやいやをする。
だが強く逆らわないのは、反面、その指がもたらす快感を求めているせいでもあるのだろう。
ショーツの中に指を入れる。ぐちゅ、くちゅっ、と濡れた割れ目を指でまさぐった。
ライズは細かく震えながら、誘うように身をすりよせてくる。
「・・・・っん」
ぐちゅぐちゅと音をたててかきまわす。ライズは拳を握りしめ、舞台を食い入るように見据える。
観劇によって、必死に下半身の快感から気をそらそうとしているようだった。
だがあまり集点はあっておらず、何かの拍子に、うっとりと甘い吐息を洩らしてしなだれかかってくる。
「はぁ・・・」
けなげな努力もむなしく、あそこはぴくぴくとうごめき、俺の指を受け入れようと吸い付いてくる。
ライズは悔しげに歯噛みをする。俺は容赦なく入り口の辺りを人指し指でつついてやる。
「・・・!そこは・・・っ」
「静かに。こんな姿を他人に見られたいか?」
「だ、誰のせいだと」
「俺のせいだが。それがどうかしたか?」
絶句したライズに再び愛撫を加える。
ぬぽ、ぬちゃっ、と、まだ処女膜の跡がのこる入り口の部分だけ、小さく指を出し入れする。締め付けがいちだんと激しくなった。
ライズはもだえながら、俺にしがみつく。紅潮した顔はすでに舞台など見えていない。ぎゅうっと目を閉じ、足をすりよせながら、激しく肩を上下させている。
「ふにゅ・・・ぅ、ふ、はぁ・・・っ」
「そんなに締め付けたら、水袋が破れて座席も足元も水浸しだぞ?」
「う・・・も、もう・・・・」
ライズは執拗に繰り返される責めに、とうとう我慢の限界が来たらしい。俺の手をつかみ、自分の頬にひきよせる。こはく色の瞳が涙に濡れている。
「もう限界なの・・・お願い・・・」
「黙って座ってろ」
「・・・う。ぐすん、ひっく・・・お願いだからぁ・・・」
愛液に濡れた指を、頬が汚れるのも構わずに抱きしめて泣き出す。
俺は十分に間をおくと、息を吐いた。
「・・・・しょうがないな。ついてこい」
劇場の外はがらんとしていて、売店の店員以外の人気はない。
俺は内股歩きでぴょこぴょこついてくる彼女を、女子トイレに連れ込んだ。
「え?でも、ここは・・・」
「いいから入れ」
俺はライズを個室にひきこみ、鍵をかける。
何が何だか判らない、という表情で俺を見るライズに、冷たく告げる。
「スカートをめくって、パンツを下ろして水袋を取れ。無論、俺によく見えるようにな」
「え・・・?」
「それが嫌なら、このまま席に戻ってもらう。俺は別に構わないがな」
ーーーライズは首をふると、まだ涙をいっぱいためた眼差しで俺を見る。おそるおそる、ぎゅっと目を閉じて、自分のスカートをたくしあげる。
「・・・水袋、それでも破れていないのか?いっぱい垂れているものがあるが・・・?」
「・・・・っ。うぅ・・・ひっく」
ライズはショーツを己の手で白日にさらした姿で、恥辱にしゃくりあげている。
白いショーツは濡れそぼり、下の毛の色も形もはっきりとわかるほどに張り付いている。内股には、こぼれおちた蜜の筋がいくつもついていた。
「早くパンツを下ろしたらどうだ?」
紅潮した顔でくちびるをかみしめ・・・スカートを口にはさむと、思い切ったように一気に下ろした。
やや薄い下の毛も、しずくに濡れてかすかに光っている。
彼女は真っ赤になって、俺から必死に顔を外らしていた。膝ががくがくと震えている。
「早く指を入れて取ったらどうだ?」
「い、言われなくても・・・判ってるわよ・・・」
ライズは己のあそこに指を差し入れた。通常より敏感になっていたそこは、持ち主の無遠慮な手に反応する。
「あ!・・・ああっ」
「自分でいじれ、と言った覚えはないが・・・?」
「ち、違う・・・あっ」
水袋を内部から引き出そうとするも、自分では位置がよく判らないらしい。
まさぐっている内にあちこちを刺激し、腰をいやらしくくねらせてしまう。
ライズは身もだえながらも、必死で歯をくいしばる。トイレの扉に背中をぶつけ、がたん、と音をたてた。
「いい眺めだ・・・」
「バ、バカっ」
「もうちょっと下。そう、もっと左・・・」
俺はうつむくと、ライズの秘所を間近に見ながら指さす。
「や、やめてよ・・・お願い、もうやめて・・・」
ぎゅっと股をしぼってしまう。ぱち、と水袋が弾ける音がして、あそこから水が幾筋もこぼれ落ちていった。
彼女の足元に、まるで洩らしたかのような水たまりを作る。
ライズは股を両手で押さえつけ、痙攣する。
どうやら、袋が破けた刺激でイッてしまったらしい。びくんびくんと体を震わせ、あそこを手で押さえつけながら、立ったままもだえる。
俺は抱きよせてその胸をこねまわす。
手で押し退けようとするライズのあそこに指をつっこみ、まだ細かくうねっている内部から、ぬるぬるになった袋の残骸を取り出す。
「あんっ・・・」
「出せ、って言ったのに、破裂させてどうする?」
目の前に突き出す。愛液が糸をひきながら垂れている袋を。
彼女は可愛らしい顔を羞恥に染めて、言う。
「ずるいわ・・・私ばっかり責めて。私だって、こんな、こんなっ・・・」
俺の胸にしがみつき、甘い声で泣きじゃくる。
「だいたい、あなたがいやらしいことをするから・・・」
「君が身もだえる訳だ。すごく気持ちよさそうだったな・・・」
「ーーーうっ。ぐすっ、ひっく」
少女は、言葉を切らしたまま、泣きじゃくるばかりだ。
「・・・いいだろう。これで今日は最後だ」
ライズは泣き濡れた顔で俺を見上げる。
俺は微笑みかけ、何度も何度も彼女にくちづけて、涙をふきとってやる。ライズの表情がやわらいだ。うるんだ眼差しで、俺をみつめる。
「最後だし、きちんとこなせよ」
「解ったわ・・・」
少し疲労の色が浮かんだ、柔らかな笑み。
俺は彼女の頬を優しく撫でながら告げた。
「自分から、俺を受け入れるんだ」
彼女の微笑が凍りついた。
「何ですって・・・!?」
「聞こえなかったのか?ここに俺のペニスを入れるんだ、自分自身の手で」
俺はライズの内部に指を入れ、今までの行為で覚えた彼女の敏感な場所を、撫でるように刺激していく。
「は・・・あう・・・・ぁあああ・・・」
「よしよし、そんなに腰をふるな」
「やぁ・・・やめて、いや・・・」
「やめてと言っても、全然説得力ないぞ・・・」
「やだぁ・・・っ!あ、あんっ」
お尻から手を渡らせ、左手で割れ目全体を手でおおいながら、右の手で敏感な場所をいじりまわす。
ぴくぴくと震え、蜜をあふれだす彼女の体をひきよせ、便座に腰かけた。
「ん!ん・・・はゅ・・・・っ」
すべすべした二の腕が俺の頬に当たる。目の前の胸に顔をうずめると、頬ずりした。
白い服の乳首の部分だけ、俺の唾液でくっきりと、はずかしい形で突出しているのがわかる。愛撫に反応し、身じろぎするたびに揺れて、欲情をそそる。
ライズは俺の頭を抱きよせ、何も見たくない、というかのように目をぎゅっとつむりながら、荒い息を洩らす。
その隙にズボンをずりさげ、トランクスを下ろす。俺の分身はとうに硬くなり、目の前のいやらしい恋人を求めている。
俺はぱっと手を離した。反射的にあそこを押さえようとする手をつかむ。彼女は股を閉じた。それでも、腰の動きは隠しようがない。
「いやぁ・・・」
「ちょっと恥ずかしいのを我慢すれば、すぐに気持ちよくなる。別段、悪い取り引きではない筈だがな」
彼女は真っ赤な顔で首を横にふる。
「ちょっとじゃないわ・・・」
「じゃあ、その状態のまま何分持つかな・・・?早く欲しくてたまらないくせに」
「そ、そんなの、あなただって・・・その」
反論しようとしたが、途中でつっかえる。卑猥な言葉を口にすることになると気づいたらしい。
俺は強情な彼女の股を足で無理に開いてやる。ぽたぽたと、いやらしい水が落ちて光る。
「い、いやぁ・・・見ないでぇ・・・」
「ほら、栓をして欲しいって言ってるぞ」
「わ、わかったわ・・・わかったから・・・」
彼女はうわごとのようにつぶやき、体を倒してくる。手のいましめを解いてやると、素直に俺の肩に手を置いた。
ライズの視線がこわごわとペニスに向けられる。
「どうした?早く指で、割れ目を開いて入れたらどうだ。気持ちいいぞ」
「・・・バカぁ・・・」
泣き声でつぶやきを洩らしながらも素直に指を入れ、陰唇をひらく。
「目を閉じたら何も見えないだろう?ほら、ちゃんと見て。どこにどう入れるのか・・・」
ライズは泣きながら、それでも 何とか目を開き、俺の足に股を広げる。
なめまわすように陰部の辺りを見てやると、顔を赤らめて目を逸らす。
「あなたは目を閉じて・・・恥ずかしい」
「本当、よく見えるよ」
白くきめ細やかな尻を持ち上げ、手伝ってやる。
肌はすいつくように瑞々しく、撫でまわすと、ライズも気持ちよさげに腰をくねらせる。
「あ、はぁ・・・・っ」
「そうそう、もうちょっと・・・」
「目を閉じてぇ・・・」
「駄目。見守ってるから早く入れなさい」
「・・・・ふ。ぐす、うくっ・・・」
ようやく諦めたらしい。腰をあげ、こわごわと自分のあそこをペニスに近付けていく。先端に、くにっと感触が当たった。
「あ・・・・っ!?」
「もっと下。そう、そこ」
「恥ずかしいよぅ・・・」
「ほら、ちゃんとしっかりペニスをつかまないと。そう、・・・そうだ。なかなか上手じゃないか」
「ぐすっ・・・うう、もう嫌ぁ・・・」
大粒の涙がこぼれおちて、俺の頬や服を濡らす。
羞恥に頬を染め、それでも必死に命令をこなそうとする彼女が愛おしく、その頬を伝う涙をぬぐいながらくちづける。
「ーーー泣いているライズも可愛いよ」
ぷにゅり、とようやく探しあてたらしい。先端があそこに入る。
「ああ・・・っ!」
「そうそう、ゆっくりと腰を下ろして・・・抜けないように・・・」
腰を下ろしながら、ライズは体を外らす。
「あああ・・・あうんっ、ふぅ・・・っ!」
初めての時よりも強く締めつけ、巻き付いてくる感覚にくらくらしながら、その胸をもみしだく。
ライズは快感のあまり羞恥心が弾け飛んだのか、ただ一心に腰を動かしている。
「そうか、ライズは自分で入れる方が好きなのか。お株を奪って申し訳なかったな」
「ち・・・違うの、これは・・・っ。・・・ああっ・・・」
もだえながらも、必死で否定しようとする。俺は腰を後ろにひいた。
「ふうん。じゃあこうしてもいい訳だ?」
「あ・・・駄目ぇ」
「何が駄目なんだ?言ってみろよ」
彼女は目を伏せる。俺は衝動のおもむくまま抱きしめ、彼女の腰を持ち上げて激しく動かしてやる。
「あはああぁ・・・だ、駄目、いや・・・やめてぇ」
「ほら、言えよ。「やめて欲しくない」って。「気持ちいい」でもいいぞ。たまには素直な感想をだな」
「あ、だって、いや・・・あふうっ」
「すごいまとわりついて、俺を欲しがっているようだが。これでも自分は感じていない、と?」
「その。な、ないとは、言って・・・」
涙をぽろぽろこぼしながら、ライズは首を横にふった。それでも許さずに、さらに激しく突きあげてやる。
「あああ・・・っ!はぅう・・・あん」
「強情だな、体はこんなに素直なのに」
ライズは悲しそうに俺の顔を覗きこみ、目を閉じてくちづける。
俺はその可憐なくちびるを吸った。ぎゅっと抱きしめ、熱い肉棒を深々と差し込んでやる。
「あはぁ・・・い、いい・・・わ。ーーーあんっ」
俺の背中に手をまわす。編んだ髪が顔におしつけられる。彼女のしゃくりあげる声が、耳元で響いた。
「・・・も、もうこれ以上は言わせないでぇ・・・」
「はいはい」
よくできました、と頭をなであげ、あとは行為に集中する。腰をあげ、激しく中を行き来する。ライズの手にさらに力がこもった。
「あ・・・ああんっ・・・!!」
「・・・く」
ライズの内部が熱く、激しく俺のペニスを巻きとり、翻弄する。
俺は熱い液体を注ぎこんだ。ぴくんぴくん、と痙攣しながら、彼女の体はそれをすべて受け入れる。
・・・行為が終わったあと、ライズはうるんだ瞳でもう一度くちびるを寄せてきた。
「よかった」と言う代わりよ、とでも言うかのように。
「・・・だいたい、何をあんなに怒っていたんだ?」
ロムロ坂を下りながら、俺は、疲れた様子でとぼとぼと歩くライズに話しかける。その肩には俺のガウンがあった。
結局、あの後すぐに終演のベルが鳴り響き、慌てて体や跡をふいて出てきたので、会話どころではなかったのだ。
「・・・だって」
ライズはガウンをぴったりと胸の前で合わせた。ほんのりと赤らんだ顔で目を逸らし、小さくつぶやく。
「女らしい人だったし・・・会話だって、弾んでたわ・・・」
「女らしいって・・・どういう風に?」
「・・・む」
「む?」
「どうせ私は胸がないわよっ・・・」
真っ赤になって吐き捨てると、先を足早に歩いていく。
俺はきょとんとしーーー吹き出す。
逃げるように去っていく彼女の背中を追いかけた。
「おい、待てよ。俺はたとえペチャパイだってお前の方が」
「何のフォローにもならないことを言わないで」
「ん・・・とだな。感度は小さい方がいいとよく」
「訳の解らないことも言わないでっ」
「じゃあどうしろって言うんだよー」
「知らないわよ」
つぶやいて、さらに足を急がせる。
ーーーライズが俺をからかって遊んでいるのだと気づいたのは、それから20分もたってからだったーーー