最初に感じたのは頬に当たる冷たい床の感触だった。
そして、目を開けたロリィ・コールウェルが最初に見たのは端正な顔の男だった。
「お目覚めのようですね」
その男は上からロリィを覗き込むと、満面に笑みを浮かべてそう言ってのける。
ロリィは腕と脚を動かそうとして、その両方が紐のような物で縛られているのに気付いた。
どうして自分はこんなところで両手・両足を縛られ荷物の様に転がされているのだろう。
ロリィは混乱した記憶を整理しながらも、全身を冷たい汗が覆うのを感じた。
そうだ・・・確か自分はお兄ちゃんとのデートの待ち合わせに出掛けたのではなかったか。
お兄ちゃん──と言ってもロリィと血の繋がりがある兄弟ではない。
少し前に乱暴な犬から護ってくれた軍人さんをロリィがそう呼んでいるだけの話だ。
そして内緒だが、ロリィはひそかに彼を運命の王子様だとも思っている。
彼は・・・世間では『東洋人の傭兵』と言った方が通りがいい有名な軍人だ。
既に何回かのヴァルファバラハリアンとの戦では高名な敵将を何人も討ち取っている。
更に噂ではプリシラ王女の覚えめでたいとも聞く程の、新進気鋭の英雄だった。
本来ならばロリィやレズリーのような少女が気軽に口をきける相手ではない。
しかし、彼はそんな事を気にするでもなく相変わらずロリィをデートに誘ってくれる。
そんな気遣いと誠意が嬉しくてついつい騎士さまをお兄ちゃんと呼んでしまうロリィだ。
今日はそのお兄ちゃんとデートの待ち合わせをしたのではなかったか?
残念ながらロリィの記憶はそこまでだった。何故自分がここにいるのかは全く判らない。
「・・ここは、どこなの? おじさん達は誰なの? ロリィを放して!」
「ロリィちゃんというんですね。私はクラウザーと申します」
クラウザーと名乗った物腰が柔らかい男は、にこにこと楽しそうだ。
だが、床に転がされているロリィを見つめる男の笑顔の中の視線はひどく冷たかった。
例えるなら・・・そう、例えるなら魚貝市場で魚を値踏みしている業者のような。
「急ぐ必要はないんですよ。時間はたっぷりあるんですからね」
「いやぁっ、ロリィをおうちに帰してぇっ!」
ロリィは、クラウザーの瞳に何か恐怖を感じて絶叫していた。
だが、クラウザーはそんなロリィに向かって笑顔を崩さないまま言ってのける。
「残念ですが、ロリィちゃんはもう二度とおうちには帰れないんですよ」
「嫌っ!! 放してっ! ロリィおうちに帰るっ!!」
「我が儘を言ってはいけませんね」
男は静かに歩いてくると、床に転がされているロリィの顔をその足で踏み付けた。
「うっ・・・ぐぅ・・・っ」
余りの仕打ちにロリィはうめくのがやっとだ。
ロリィは今までその顔を殴られた事すらなかった。いつも大切にされてきたのだ。
仲のいいレズリーも、お兄ちゃんもいつも優しくしてくれる。
そんな自分が無造作に顔を踏みつけられている事実はロリィに衝撃を与える。
「素直にならないと痛い思いをするだけですよ」
にこやかに笑いながらクラウザーは横たわったままのロリィの顔を尚も踏みにじる。
靴の底の砂利の痛さと、床の冷たさがロリィを挟んで苛む。
ロリィは、その可愛い顔を踏みつけられながらも抵抗一つ出来ずに泣いた。
「痛い・・・痛いよぉ・・・・」
「貴方は光栄にも私達の商品として選ばれました」
クラウザーは、自分達はシベリアの性奴隷販売組織であるとロリィに宣言した。
「貴方はこれから調教された後にお客様に奴隷として売られます。良かったですね」
クラウザーの言葉に再度ロリィは衝撃を受けた。急速に現実感が喪失していく。
「ど、奴隷・・・? な、なんでロリィが・・・嫌ぁ・・・」
クラウザーはロリィの涙に少しも良心の呵責を感じる事なく、さらっと言う。
「ロリィちゃんならきっと可愛がってもらえますよ。いい奴隷になるんですよ」
そう言うとクラウザーは後ろに控えていた3人の部下に指示を与える。
「それではロリィちゃんが素直になるように教育を始めますね」
笑顔を崩さないまま、クラウザーはロリィを床から引き起こした。
そしてロリィの両手両足の縄を解くと、放り投げるように傍らの机の上に乗せる。
「きゃあっ・・・・」
更にクラウザーの指示により、ロリィは男達にその両手両足を大きく広げた格好で
机の4本の脚にそれぞれを縛り付けられた。もうロリィに抵抗する気力などなかった。
「・・・た、助けてぇ・・・お兄ちゃんっ・・・」
ロリィは怯えながら身体を動かしたが、逃げる事など出来るはずもない。
「いい格好ですよ」
近寄って来たクラウザーは涙でぐしゃぐしゃになったロリィを満足げに見つめる。
ロリィは顔を起こすと、必死になってクラウザーに頼み込んだ。
「・・・もう・・・ひどいことしないで・・・」
もう許して欲しい。どうして自分がこんな目に合わなくてはならないのか判らなかった。
許してくれるなら、ひどいことをしないでくれるなら何でもするとロリィは思った。
助けて欲しい。お兄ちゃんはどうして助けに来てくれないのだろう。
「お願い・・・お願い・・・ひどいことしないで・・・」
「ひどいことなんてしませんよ」
にこにこと笑ってクラウザーはロリィのお気に入りのチェックのスカートに手を掛けた。
そして、これ以上はないというくらいに爽やかな笑顔でロリィに微笑んで言った。
「私達がするのは『とってもひどいこと』です」
「・・・・いやぁぁぁぁぁっ!」
ロリィは目を見開いて絶望に染まった悲鳴を上げる。
クラウザーはロリィのスカートを引きちぎるようにその腰から奪い去った。
すぐにロリィの成熟していない白い太腿とピンクの可愛いショーツが露になる。
ロリィがお兄ちゃんとのデートの為に一所懸命選んだコーディネートだ。
だが、そんな乙女心を砕くように、クラウザーはショーツにナイフを入れ切り刻む。
「貴方の大切なところをじっくりと見せていただきますよ」
「見ないでぇ・・・見ないでぇ・・・」
まだ陰毛も生え揃ってないキレイな性器が現れる。その下の肛門も清潔なものだ。
「ロリィちゃんはいつもここをキレイにしてるようですね。感心です」
にこやかに笑うクラウザーに代わって手下の二人がロリィの下半身にまとわりついた。
「触らないでぇ・・・・許してぇ・・・えーん・・・・」
二人は無抵抗の少女の柔らかい股間をよってたかって嬲り、揉み、弄る。
「ううう・・・くはぁ・・・」
女の子の大切な場所を全くの他人に弄ばれる汚辱感にロリィは震える。
男の一人の手が、ロリィのほとんど筋のままの割れ目に伸びて指を蠢かせた。
「あああ・・・、うぅ・・・い、や、あ・・・」
今まで誰にも触られた事のない場所を嬲られて、ロリィは苦しげにうめいた。
その瞳からは涙が溢れ出て止まらない。まるで体中の水分が出てしまうようだ。
男の手がロリィの性器の中へ差し込まれる。そうして肉壁の奥を刺激していく。
不意に、男の手がロリィの割れ目の頂点にある突起に伸びた。
「あっ!」
それまでの悲鳴とは少々違った媚を含んだ声をロリィは上げてしまう。
そのロリィの変化を見逃すような男達ではない。
「ロリィちゃんはいつもクリトリスでオナニーしてるようですね」
面白そうな声でクラウザーは笑う。手下の男達もいやらしく笑いながら手を動かす。
気付かれてしまった・・・っ! ドクンっとロリィの心臓の鼓動が激しくなった。
自分がいつもお兄ちゃんを思ってベッドの中でイケない事をしている事を。
ロリィは首筋まで真っ赤にして、ぶんぶんと首を左右に振って否定する。
「ち、違うもん・・・ロリィ、そんなこと、してな・・・ひゃうっ!」
男の手がロリィのクリトリスを中指と人差し指で直接刺激する。
そうして、皮を左右に剥いて剥き身となった敏感な突起本体を荒々しくつまむ。
痛みのようなそれでいてそうではないせつないような刺激がロリィを仰け反らせた。
「んっ! ・・・ふわぁっ!」
思わず裏返った声を上げてしまうロリィだ。
いつも自分でする刺激とは比べ物にならない甘くせつない刺激にロリィは目を見開き
口をだらしなく開けて荒い息を吐いた。その激しすぎる快感に戸惑っている。
もう一人の手下の指はロリィの肛門へと伸ばされ、緩やかな刺激を送り込んで来た。
「いやぁ・・・そんなとこ、きたないぃぃ・・・」
クリトリスと同時に男の指が執拗にロリィのアナルを揉みほぐす。
ロリィの股間から出て来たいやらしい愛液を掬い取り、アナルに塗りつける。
「ふぁぁああああっ・・・はうぅっ・・・」
「とてもひどいことをされてもロリィちゃんは感じてしまうんですね」
「・・・言わないでぇっ・・・違うぅぅ・・・」
クラウザーは部下の男達に翻弄されるロリィを嬉しそうに評価した。
「それでこそ私達が目をつけた商品です。高く売れるようになってください」
男の指がロリィのアナルの入り口を撫でるように刺激しする。
「・・・お尻 やめ・・・ひゃうぅぅっ・・・!」
ロリィは抗議の途中で強くアナルとクリトリスを同時に弄られ、悲鳴を上げた。
「もう一回同じようにいたぶってあげて下さい」
クラウザーの穏やかな指示によって、3人の男達がロリィに快感を送り込む。
「・・・ふ、はうぅっ・・・!」
「もう一回、どうぞ」
「ひゃんっ! ・・・うぁあ・・・ああああ・・・・」
ロリィの閉じた瞳からは絶え間なく涙が溢れてくる。
そして、涙と和音を奏でるようにその唇からは吐息が途切れる事はない。
そんな部下のロリィへの陵辱を楽しそうに見物しているクラウザーだ。
「どうやら楽しんで戴けたようですね」
ロリィの息が荒かった。異常なシチュエーションの中で身体が勝手に感じ始めていた。
クラウザーはロリィの割れ目からじっとりと汁が漏れて来た事を揶揄する。
「何処を触られても感じる変態女だったのですね。ロリィちゃんは」
ロリィはクラウザーのいたぶりの言葉が聞こえないように耳を塞ぎたかった。
だが、必死に首を左右に振っている間もクリトリスへの愛撫は止まない。
「・・・はぁ・・・やめ・・・てぇぇぇっ・・・」
ロリィの身体中が熱くなっていた。汗が噴出す。息が、途切れがちになっていた。