かつーん。  
かつーん。  
地下薄暗いこの部屋で、彼女の足音は高く響いた。  
「どこだ、写楽くーんっ!!」  
和登さんは、四方に声を張り上げた。  
右手にはいつものバンソウコが握られている。  
「まったく毎回キミってヤツは…もう少し、子供と遊ぶときは気をつけてねっていってるのに!」  
そう、写楽が砂場で園児たちと遊ぶのは、毎日変わらぬ日常茶飯事のことだ。  
その園児に、いたずらでぺりりとバンソウコをはがされるのも…まあ、当然起こりえる事故なわけで。  
三つ目になったとたん、写楽は自分のラボがすえつけてあるこの地下室へと逃げ込んだようだ。  
そこまでの足取りは、彼女にもわかりすぎるほどわかっている。  
 
電気のいっさいついていないこのラボは、真っ暗で、あちこち通電を示す小さなランプがついているのが、不気味さをさらに増す。  
目が慣れてきて、巨大な機械の影がうっすらとみえた。  
彼はいったい何をたくらんで、何に使おうとしているのだろうか。  
背筋を震わせ、恐ろしく思うその一方で、彼女はまた期待に胸を膨らます。  
彼女はいつだって、あの三つ目人の頭脳に行動に取り付かれているのだから。  
「ばかばかし…また、みんなの脳みそをトコロテンにされちゃ、かなわないわ」  
和登さんは頭をひとつ振って、もう一度彼の名を呼ぼうとしたところ。  
 
「やあ、和登さん、まってたよ」  
ガシャン、とスイッチの入る音がし、彼の声が響き渡る。  
一気に室内は、煌々と明るくなった。  
「うわっ!写楽クン!」  
まぶしさに目をすがめながらも、彼女は目の前の彼を確認した。  
写楽は、大きなモニターの前にある椅子に横柄に座り、肩肘をつきながらこちらを上目遣いに見つめている。  
「さー、写楽くん、ボクが来たからには6時にはウチへ帰ってもらうよ!  
おでこだして、出すのっ!」  
「まったく女ってやつは、人の話を聞く前にがなりたてるんだから」  
にやりと笑って、写楽はぽいと椅子から飛び降りた。  
「せっかくボクが、キミのためにいいものを作ったのに」  
「え?ボクのために?」  
「そうさ、和登さん、将来ボクと結婚するキミのためにさ」  
毎回のことながら、この歯に衣着せない、簡単な物言いに、彼女は顔を真っ赤にした。  
「っまた、キミは、そんなこといって!そう言えばボクがキミに甘くなるとでも思ってるのかい?!  
そんなのは大人になってからでいーのっ!写楽くん、オヤジさんが心配するからおとなしく帰るよ…」  
「将来キミはボクの子供を産む」  
「人の話を聞けよっ!」  
「しかし、そのとき、確実にキミがボクの子供を妊娠し、出産できるかどうか、そのためにどんな準備が必要か、  
キミの身体やボクの身体のデータを、正確に調査する必要がある」  
「だーかーらー、結婚するのも大人になってから、子供をつくんのも大人になってからだってば…!」  
「何しろボクは三つ目で、キミは二つ目だ。  
やはり同じ人間とはいえ、異種族であるわけで、  
配偶子同士が受精可能なのかどうか、また受精させるにあたり確実な方法は何か、知ることがとても重要だ」  
「はいぐう…なんだって?」  
「キミの排卵周期や、ボクの精子数、  
二つ目、三つ目の子供が生まれる確立はそれぞれ何パーセントか、などなど、  
調べなきゃいけないことはたくさんある」  
だんだん写楽のいっていることがよくわからなくなってきた。しかし、あまりいい予感はしない。  
 
和登さんは、ひとつせきばらいをした。  
「あのさ…写楽クン、それってさ」  
「なんだい、和登さん」  
写楽は落ち着き払って彼女の顔を見上げた。  
「よーするに、簡単に言うと、つまりは、ボクの身体を、いろいろ、調べようってこと…?」  
ジト目で嫌そうな表情をする彼女に、写楽は称賛の拍手を送った。  
「さすが、和登さん、飲み込みがはやい」  
「……そんなの嫌に決まってんでしょって…きゃぁぁぁっぁああああ!!」  
写楽は勢いよく、手元にあったレバー(もちろん赤いコンドルで出来てる)をガションと降ろした。  
天井から無数に現れた、機械のアーム。  
叫んで逃げ出そうとする和登さんの身体は、簡単にアームたちに捕らえられ、彼女の身体は空中へと持ち上げられた。  
「バカー!!エッチー!!!三つ目人のすけべー!!降ろせぇえーーーっ!!」  
ぎゃあぎゃあ怒る彼女の顔の横に、ビデオカメラのついたアームが降りてきた。  
カメラは、つい、と動き、彼女の身体を真正面から捕らえる。  
と、四肢をつかまれ、もはや完全に捕らえられた彼女の画像が、目の前の大きなモニターに映って、  
それを確認した写楽はいかにも悪魔のように笑みを浮かべた。  
「ちょっと…ビデオまでまわして…何考えてんのよ…!」  
「まずは和登さんの、身体を、よーく詳しく調べる必要がある」  
振り返った写楽の目の色が変わり、舌なめずりでもしそうな予感だ。  
こころなしか第三の目も興奮しきって、潤んでいるような気がする。  
「和登さんの性感帯を詳しく調べることで、よりボクたちの交配が確実なものになるんだ」  
「ばばばばバカーーーっ!!何、何考えてんのよーーっ!!」  
「もっと言えば、いまのうちにいろいろ開発したほうが、実地に踏み切ったときに何かと好都合なんだ」  
「何を開発するつもりなんだーーー!」  
「さ、始めよう、和登さん。大丈夫、膜をやぶるまではやらないから!!!」  
「やーーーめーーーろーーーーっ!!!!!」  
 
 
和登さんのセーラー服は、ロボットアームにこれまた簡単にはぎとられていく。  
やがて真っ裸にされた和登さんの両足が開かれ、両手はばんざいのかたちにされた。  
彼女の身体で見えないところはない状態となったわけだ。  
ビデオカメラも2台、4台と増え、大きなモニターは四分割され、  
それぞれ左上に表情を、左下に乳房、右上にお◎んこ、右下に全身が、それぞれでかでかと映し出された。  
毎回、写楽と風呂に入るたんびに、あちこち眺め回されたり触られたりしているので、今更見られるのはどうでもいいが、  
モニターに、そんなところ(おま♪こ)までデカデカと表示されたらたまったものではない。  
「しゃーらーくーくんっ!!!!ふざけるなぁあああっ!!!!」  
ここで泣いたりしないのが和登さんのいいところだ。  
 
そんな、怒り狂っている和登さんの頭に、コードがたくさんつながれたヘルメットが装着された。  
「これで、和登さんの脳波変化を逐一キャッチすることができる」  
楽しそうに写楽はコンソールを操作し、モニターに脳波グラフを起動させた。  
「これから、和登さんの身体に、いろんなことをしかける。  
和登さんがエクスタシーを感じると、このグラフ上に変化が現れる。そして、さらに…」  
またもやロボットアームが降りてきた。そのアームの先はサイズはちょうど体温計のような細さの、  
ゴムのように柔らかな小さな棒がついている。  
そして、それはあろうことか、和登さんの脚のあいだへと伸びた。  
「いや、いや、写楽くん、何っ…!ああっ!!」  
つぷ。やわらかな音をたてて、和登さんの膣内へ2センチほど差し込まれる。  
「それは湿度・圧力計だよ」  
さらにコンソールを操作して、写楽はまた別のグラフをモニターに呼び出した。  
「脳波だけじゃなく、濡れ具合や締まり具合もこれで細かくデータ収集できる。  
…おや、和登さん、わずかだけど、少しずつ湿度が上がってるみたいだ。」  
まさか。こんなことをされながら自分が感じるわけがない。  
と、思っているのだけれど、確かに、なにやらみぞおちの奥が不随意に熱くなってきたような感触。  
 
写楽がコンソールを操作すると、今度は人間の手の形をしたロボットアームが二本、登場した。  
その手には刷毛が握られている。  
「写楽くん、その刷毛でいったい何を…」  
まあ、正直、聞くまでもないような気がするが、和登さんはおそるおそる聞いた。  
写楽は、に、と笑う。  
「まずは小手調べだ」  
ぽん、と、明るい動作で写楽がボタンを押した。  
ググッとロボットアームが動き出し、和登さんの豊かな乳房の周りを、ゆっくりと円を描くようになでまわし始める。  
「あ、あん、あん、ああん、く…くすぐった…い、あ、ああんっ」  
「脳波は、くすぐったい以上のデータがでているみたいだぜ、和登さん」  
四肢を完全に拘束されているので、和登さんはまったく身動きがとれない。ようやく首を左右に振るばかりだ。  
ロボットアームの動く速度がさらに速まってきた。らせんをかくように刷毛が動き、少しずつ乳首を捕らえ始める。  
「んひっ!ひっ!!」  
乳首の上を通過するたびに、和登さんの身体が、ビクビクと大きく震え、脳波グラフの変化が激しくなる。  
湿度計のデータもどんどん大きくなっているようだ。  
「和登さんは、おっぱいの感度がいいんだなー」  
頬杖を付きながら写楽はこの眺めを堪能している。  
モニターに大きく映し出された和登さんの恍惚とした表情も、とてもいい感じだ。  
 
「はあ…はあ…はあ…」  
いったん刷毛の攻撃が済んで、和登さんは肩で息をした。  
顔はすでに紅潮し、瞳が潤んでいる。舌を出してだらしなく開けている口元がいやらしい。  
「いいデータがとれた。次はいよいよ、実際のボクの愛撫に近い刺激でデータをとる」  
「?」  
写楽は、白く薄い手袋を装着した。  
すると、さきほどまで刷毛を持っていたロボットアームの指先は、写楽の手の動きにあわせて、握ったり開いたりを繰り返した。  
「この手袋は、ボクの手の動きを、そっちのアームに伝えるようになっている。  
それに、和登さんに触れる感触は、こちらの手袋にも伝わる。  
つまり…」  
写楽が、手を伸ばした。それにあわせて、アームがギューンと伸びる。  
そして、和登さんの乳房を、うにうにと揉み始めた。  
「んあああんっ!!ああああんっ!」  
はたから見ると、写楽は空中を揉みしだいているようにしか見えない(かなり間抜け…)が、  
「和登さんのおっぱいはやわらかいなー」  
写楽の手のひらにも触感は伝わっている。  
「んあっ!!ひいっ!」  
乳首をコリコリとつままれて、またもや和登さんの身体がビクンと揺れる。  
膣に差し込まれた湿度計は、先ほどから最高値の12を指しており(初期状態1)、モニタ上では溢れる蜜が床にしたたっていた。  
 

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