恩ある方からの頼みにより、光圀を護衛しつつ、その一行に同行しているお娟。  
諸国を巡り歩き、東海道を東へ、川崎に入り、江戸とは目と鼻の先というところに来ていた。  
光圀、助三郎・格之進、お娟以外の他の者は、せっかくだからと江の島見物へ出かけ、  
一行より遅れて江戸に入ることになっていた。  
秋の陽が茜色に家屋の屋根や軒を照らしはじめたので、無理をせず川崎宿で旅装を解くことにした。   
四人は、光圀の用事で、品川の東海寺を訪ねることになっている。  
昼はとうに過ぎ、夕ぐれが間近い。  
今夜の宿を探しつつ、賑わう通りを歩んでいく。  
一行のしんがりについていくお娟の目が、角の煮売り酒屋から出てきた男の顔に釘づけになった。  
「……すけ……」  
思わず、声を上げそうになるのを咄嗟にこらえた。  
――恭助だ!  
男は、通りの角を曲がり、狭い路地に入っていった。  
お娟がその狭い路地をのぞいた時にはもう姿は見えなくなっていた。  
「ちょいと、知り合いを見かけたものですから……ご隠居、夕餉の刻には戻ります」  
大急ぎで言い置き、光圀の返事もそこそこに、お娟は駈け出した。  
しかし、飛び込んだ路地に男の姿は無く、見失ってしまった。  
 
*  
 
「どうしたのじゃ。すすまぬようじゃな、お娟」  
光圀が、食のすすまないお娟に気がついて怪訝な眼を向けた。  
助三郎へ酌をしていたお娟は、慌てて銚子を膳に置いて返事をした。  
「いえ、そんな。その、少し疲れたのかもしれません。ご心配には及びませんよ、ご隠居」  
「それならよいが。明後日品川へは朝早く入り、東海寺へ寄るから、まあ明日はゆるりとしていなさい」  
「……はい。お言葉に甘えさせていただきます」  
お娟はにっこりと笑い返し、その場を取り繕った。  
今夜の膳には、珍しくたっぷり酒がでていることもあり、お娟の様子には誰も気づくことはないようだった。  
「助さん格さんも、明日は気兼ねなく好きにしなさい。わしは昼寝でもしているかな」  
「そうですね、ご隠居。国にもどれば、堅っ苦しい毎日。昼寝もうかうかできませんから」  
そう言いながら、酒に強い助三郎は、光圀の杯を満たし、顔色も変えずにまた自分の杯を空けた。  
隣で格之進がくっくと笑いつつ、全くそのとおり、とうなずいている。   
助三郎は手酌でもう一杯飲み干し、格之進にも酌をしつつ言った。  
「この近くに私の師匠の縁の道場があるので、明日はそちらへ参って、ひと汗かかせてもらおうかと」  
「せっかくなので、私も、助さんに連れて行ってもらうことにしました」  
格之進は酒はたしなむ程度で、乱れはないが、顔に朱がさしている。  
「あー……酔っ払いました、あたし。ご隠居……部屋に下がらせていただきたいのですが……」  
お娟は早くこの場から去りたい心持であった。昼間目撃した男の顔が頭にちらついて落ち着かない。  
「おお、よいともよいとも。疲れたであろう。はやくお休み」  
お娟は内心ほっとしながら「では、ご無礼致します」と、部屋から出た。  
自分の部屋に戻ろうと廊下を進み始めると、厠にでも立ったかのように、助三郎が後ろについてトンと肩をたたいた。  
「お娟……」  
「助さん」  
お娟は体を硬くし、前を向いたままでいた。今夜はひとりきりで過ごしたかった。  
「今夜は……」  
しかし悟られてはいけない。声だけはつとめて明るく返事をする。  
「あいよ……いつでも、待ってるよ」  
「いいのか」  
「なに遠慮してんのさ。いいにきまってる」  
「では、あとでこっちが忍んで行く」  
うん、と声なく返事をした廊下の暗がりと同じお娟の顔色は、助三郎には見えなかった。  
 
昼間の男――恭助は、お娟が義父の許で修行を積んでいた時に、出会った。  
恭助は二十を超えたぐらいで、義賊の頭目争いに巻き込まれて、深手を負ってお娟一族の里に迷い込んで来たのだった。  
義父は恭助を匿い、身の回りの世話をお娟に言いつけ、介抱してやった。  
厳しい修行を積んでいるとはいえ、女としては幼いお娟はすぐに恭助に惹かれていった。  
恭助はお娟の初めての男だ。  
まだ傷も癒えぬうちから、恭助はお娟を女にし、自分好みに仕込んでいった。  
 
粗暴さはあったが、心根は優しい、少年のような男だった。何よりお娟には心を開いていた。  
まだ幼さの残るお娟を、ただ慰んでいたとは思えなかった。  
恭助はお娟を抱くことで、自分を癒していたのかもしれない。  
義父もその関係は知っていただろう。知っていて見ぬふりをしていた。  
いずれ男の体を覚え、くのいちとして生きていかねばならない。  
せめて好いた男に、と思ったのかもしれない。  
お娟は恭助のおかげで、女としての悦びをあらかた覚えたといってもよい。  
恭助が里から出奔した後は、一族の者たちから、くのいちとしての性技を教え込まれていった。  
その後、凌辱されようが、卑劣な拷問を受けようが、屈しない精神と耐える技を身につけてきた。  
男の一物を咥え、男を悦ばせることもまた――。  
 
今も――。  
「……おえん……」  
一度目は、お娟の口と手でたっぷりさすられて果てた助三郎が、再びすぐお娟の中で太く強張ってきた。  
「なにも、あたしでなくても……。この辺にはいい女がたくさんいるんでしょうに」  
そう言って、仰向けになった助三郎の耳たぶを啄ばんだ。  
「国へ帰ったら、お前ともしばらく会えぬだろう」  
「好いた娘でもいるのかい? いやだ、妬けるねえ」  
助三郎に馬乗りになった腰を少し浮かせて、動きを止める。焦らせてやろうと意地悪くほほ笑んだ。  
「おい、お娟……」  
助三郎が、すかさずお娟の腰をがっしり掴んで、引き寄せようとしてくる。  
そうはさせまいと、お娟は踏ん張り、ますます腰を引く。  
おもむろに助三郎は、片手をお娟の乳房に回し、強く鷲掴みにした。  
むにゅと飛び出た乳首を、その指が何度も弾く。  
「あっあっあんっあん!」  
密やかな喘ぎは助三郎にかろうじて聞こえるほどのもの。  
しかし、それはさらに部屋の空気を濃くしていった。  
乳房を弄っていた手は、やがてお娟の股間に伸び、赤く膨らんだ肉芽を探し出した。  
「はあんっ」  
びくりとお娟が白い喉を仰け反らせた。  
『虫も殺さねえって顔してるくせに、お前、俺のをしっかり咥えてるぜ』  
恭助の声が耳に蘇ってきた。  
 
『マメもこりこりだ。見てみろよ、ほら』  
恭助に跨って向い合せになり、そこを見せつけられた。  
赤黒く太い肉棒が、まだ熟れきっていない、自分のそこに押し込まれていた。  
薄い繁みは白いその部分を、いっそう幼く見せている。  
桃色の割れ目が捲れあがって、まさに咥えているように見える。  
肉芽は毎日弄ばれて、腫れて敏感になっていた。  
気味が悪いような、返って美しいような、ぬらぬらと灯りにきらめいている。  
恭助は楽しそうに、お娟のぷっくりとした肉芽をやさしく指で撫で始めた。  
ひゃうっ、と悲鳴をあげて身を捩れば、恭助は満足げに目を細め、さらに執拗に愛撫を続けた。  
それがお娟は好きだった。  
じんじんとした刺激は、やがて痛みのない波のようになり、お娟は身を捩りながら、いつの間にか腰をぎこちなく動かしていた。  
肉棒がお娟の中を擦る度、ねちゃねちゃと音がした。  
お娟が感じれば感じるほど、粘り気のある水音が激しくなる。  
声を殺した喘ぎに、恭助の喘ぎが時折混じると、体が熱くなった。  
羞恥など忘れ、腰を揺らすことに没頭した。  
腰の向きを変えると、恭助のモノが擦る場所が変わり、あらたな快感が生まれた。  
恭助の上で、何度も体を震わせ、気をやった。  
恭助が果てるときは、急にお娟の自由を奪い、恭助の思いのままに体を揺さぶられた。  
強く突き上げられ、擦られ、壊れるほどに。  
恭助にしがみつき、髪を振り乱しながら、快感に身を委ねた。  
少女のお娟は自分から快楽を貪ることを覚えていった――。  
                          
 
ふと我に返ると、硬い助三郎のそれは、今まさに弾けるところだ。  
助三郎の腹の横に手をつき、助三郎の上で、腰を前後にゆっくり動かす。  
少しずつ向きを変えながら、お娟はゆっくり昇りつめていく。  
お娟の腰にやった助三郎の手の力がまた強くなり、お娟の動きに合わせながら、助三郎の動きも強く速くなっていく。  
お娟のことなどお構いなしに、助三郎が腰を突き上げ始めた。  
部屋の中には助三郎の荒い息と、お娟のごく小さな喘ぎ、粘性のある水音が響く。  
助三郎に余裕がなくなり、その顔が歪んだ。  
 
お娟は、一行の女難を避けるという役目も負っている。  
酒が入ると、よく助三郎はお娟を抱いた。  
しかし毎度、光圀や格之進らに憚りながらお娟を抱くのは、あまりよいものではないだろう。  
日頃のお娟の働きに感服していることもあり、お娟に遠慮もある。  
女に弱いのが玉の傷の助三郎は、宿場でふらりと飯盛り女にうつつを抜かすこともしばしばだった。  
お娟も、助三郎が欲求を満たすだけの関係に徹していることが、正直ありがたかった。  
それに、お娟の気持ちは常に光圀のみに向いている。  
それも、男として、である。  
一行に加わったばかりの頃、真っ先に光圀の寝間にお情けを……と忍んで行ったことがある。  
自分の役割を全うするべく、のことだ。  
だが、光圀はお娟に指一本触れることはなかった。  
お娟は、役目を全うできなかったという焦燥と、自分を受け入れない初めての男の存在に、激しく動揺した。  
やがて、その複雑な想いは、光圀を護り旅をしながら変化していった。  
地位も名誉もありながら、それを鼻に掛けず、常に弱い者の側に立つ。  
狼藉者と対峙した時など、年齢を感じさせない光圀の強さに、役目とは反対にお娟は何度も光圀に助けられている。  
何より、闇の世界にいた自分を、身も心も解放してくれた。  
人並みの親の愛を知らず育ってきた自分に、光圀の中の父性に触れ、穏やかな愛を知った。  
そして光圀への畏敬の念は、やがて男としての光圀への思慕へと変わっていった。  
 
「今夜は、これきりにしましょう、助さん」  
朝早く稽古場に出かけるのを気遣い、起き上がって、腰まわりにかろうじて留まっている着物を整え始めた。  
助三郎は素っ裸のまま、じっとお娟の様子を見つめていたが、がば、と起き上がるとお娟を抱き締めた。  
「明日は格さんと出かけるのでしょう。早くお戻りなさいな」  
よく鍛えられた肩にあごをのせて、お娟は諌めた。  
しかし助三郎は、そのままじっと動かなかった。  
「もうっ、今夜はおしまい。どうしたのさ、助さんらしくもない」  
いつもは、終わればさっぱりとしているふたりだ。  
「らしくねえのは、お娟のほうじゃあないのかい」  
それに応えず、そっと助三郎の体を押して、身づくろいを始める。  
助三郎もそれ以上のことを口にせずに、寝巻を纏った。  
 
部屋を去り際、助三郎が言った言葉に、お娟は動きを止めた。  
「お娟、おまえなにか気にかかることでもあるのか」  
「え……そんなこと……あるわけないよ、助さん」  
「それならよいが。なにかあれば、なんでも話せよ。ちったあ力を貸せるかもしれない」  
「いいよ、あたしのことなんか。なんで助さん、そんなこというのさ」  
助三郎は、襟を正しながらお娟には目を向けず、「いや……おまえ……なんだか上の空だった」  
そう言い置いて、すばやく部屋から出て行ってしまった。  
 
***  
 
翌昼すぎ――。  
助三郎達が宿に帰ってきたのと入れ替わりに、光圀の元から出かけた。  
歩きながら、ぼんやり昨夜の助三郎とのことを思い出していた。  
自分の分をわきまえていなくてはならないはずが、いつになく乱れてしまった。  
あんなことは今までなかった。  
それも、昨日恭助を見かけてから、胸のなかでなにかが燻り続けているからだ。  
                              
お娟は、恭助を見失った路地を入っていた。  
そこはしもた屋が点在する、路地の寂れた道だ。  
お娟は、必死になって恭助を探した。  
――なにやってんだ、あたしは。  
会ってどうするのだ。  
ハタと立ち止まったとき、不意に腕を掴まれた。  
抗うより先に、口を塞がれ、しもた屋の中に連れ込まれてしまった。  
垣根から引き戸まであっという間だった。  
真っ暗なしもた屋の中の上がり框に、突き飛ばされるようにして倒れ込んだ。  
「久しぶりだな、お娟」  
戸を閉め心張棒を下ろす音がした。  
「恭助……」  
少し目が慣れ、外から漏れ差し込む光で部屋の中が薄明るく見えてくる。  
後ろに首を向けて、戸口に立っている男を見上げた。  
「手荒なまねをして、悪かった。人に見られるわけにはいかねえからな」  
そう言って男はお娟の背後にしゃがみこんだ。  
「久しぶりだ」  
体を寄せ、腕をまわしてお娟を抱いて耳元で囁く。  
「といっても、俺はお前たちをずっとつけていたんだが。気づいていただろう?」  
「……なにをしようってんです?」  
「会いたかった。お前とこうしたかった」  
熱い息もろとも、うなじに唇が押し付けられた。  
お娟が逃れようと身を捩ろうとした。  
しかしお娟の動きは、やすやすと男に封じ込まれてしまった。  
「もがいても、無駄だ。お前は俺から逃れられないはずだ」  
すばやく男の手が、お娟の襟から滑り込み、乳房を掴む。  
「忘れたとは言わせない。最初に覚えた男の体だからな」  
乳房を掴む手に、やんわりと力が加わっていくと、お娟の中心が熱くなっていく。  
「なにを企んでいるの? あたしを捕まえて……」  
「俺と……一緒になって欲しい」  
乳房を弄っていたしなやかな指が、すっかり硬くしこった先端をはじく。  
「……今ごろ何を言うの……」  
「今の仕事を片付けたら、その後は俺は山で暮らしていく。できるならお前と一緒に」  
「……今の仕事って……」  
腰から尻のあたりを撫でまわしていた大きな手が、お娟の裾をまくって内股へと移ってきた。  
思わせぶりな話が気になり、お娟はもうしばらくされるがままになることに決めた。  
「……あにさん、あたしが今お仕えしてる方を、知った上で言ってるのかい?」  
お娟は、硬く侵入を拒んで閉じた足を、少し緩めてやった。  
誘うように腰を少しくねらせてみる。  
どんなに責められても、無防備に『気をやる』ことはなかった。そういう自信があった。  
それはくのいちとして当然のこと。  
男の手が、股間を覆うようにいざってきた。  
繁みを包み込むようにして、動きを止めた。  
「ああ。だからこそお前の手が借りたい。そうしたら必ず上手くいく」  
手はそのまま、じっと動かない。一方、乳首をはじくのは続いていた。  
「ここを指で弄られると、お前はいつも悦んだな」  
お娟はうつむき、熱い息で喘いだ。  
もちろん、男を欺くための、いつもの芝居のはずだった。  
お娟は股間にあてられた、男の温かな手指の動きを期待している自分に気づいた。  
何かが体の中でくすぶり始めている。  
そんな心の内を見透かしてか、男は冷やかな笑いを浮かべた。  
「水戸の爺さんを、殺るのさ」  
耳に熱い息を吹きかけるように、囁く。  
「なんだって!」  
                
お娟が体を起こそうとすると、また男に抑え込まれた。  
「無理だぜ。お前はもう俺をすっかり思い出してる」  
そのとたんに、股間にあてがわれた指がすばやく滑り、お娟の秘所に迷わず押し込まれた。  
「!」  
「すんなり入りやがったな。ずいぶん仕込まれたんだろう。いい器になったな」  
無遠慮な指は、お娟のそこを抜き差ししたかとおもうと、ぐっと深く差しこまれていく。  
「……っ」  
「ほう」  
ぐいぐいと中を遠慮のない動きで掻きまわす。  
疼きとともに、温まりきっていないそこに、まるで抉られているかのようにわずかに痛みを感じた。  
「キツイじゃねえか。生娘みたいによ……」  
強引な指の動きに、もう一本の指が加わる。  
当然ぐい、と押しこまれ、思わず息を呑んだ。  
すぐに疼きが強い波になって体中に広がっていく。  
男の唇がうなじからおとがいを伝い、耳たぶを啄ばみ、ねっとりと舐る。  
「ああ……あにさ……」  
これは、あたしの芝居だよ。感じない、なにも感じちゃいない……。  
指が中でばらばらと蠢き、お娟の一番感じるところを撫で擦る。  
我慢がきかず、体が跳ねた。  
ぬちゃ……と粘ばり気のある湿った音が聞こえる。  
声が、熱い息が、長い指が。  
確実に思い出させている。  
抑え込んでいた焦燥に似た思慕が、急に体を貫く様にして記憶の底から湧きあがる。  
「あにさん……!」  
後ろに顔を振り向けて、恭助の唇に自分の唇をぶつけていた。  
忘れようとしても忘れられないでいた。  
己を押し殺して男と交わる時でさえ、いつも体の奥の奥で、恭助の熱を思っていた。  
それに気がつかぬようにしていた。  
「あにさん、あにさん」  
舌を絡ませて夢中で口を吸った。  
お娟の秘部には、恭助の指が突っ込まれ、せわしない動きを止めない。  
狂おしいほどの快感がそこからうねるようにやってくる。  
「や……欲しいっ、あにさんがっ……ああっ」  
止まることなく続くそれは、お娟の素直な欲望を無視し続けた。  
今は、恭助の指に翻弄されるだけが、お娟に許されたことのように思えた。  
「どれ、マメはどうだ? 熟してるか、摘む頃合いを過ぎちまったか……? ふふ」  
上り框に這うように上半身を預け悶えながら、自分から土間についた足を踏ん張り、腰を上げる。  
くっと、男の含み笑いが聞こえる。  
みっともなくてもいい。触れて欲しい。  
もう片方の手が回り、その指が、突っ込まれて捲れた肉襞の上の方に伸びていく。  
撫でるような動きで、それを剥きだして、左右に揺らした。  
「やあ……っい……ああ」  
「さすがに、すっかり熟れていやがる……そういや、お前、こうされるのが好きだったな」  
後ろから尻を抱きかかえるようにして、恭助はお娟のそこを責め上げた。  
「あ―――っ」  
お娟は体を痙攣させて、上り框の上でぐったりとなった。  
 
恭助はまた喉の奥でくっくっと笑いながら、肩で息をするお娟の様子を眺めている。  
おもむろに、雪駄を脱ぎ、お娟の体を部屋の中へ抱え上げた。  
奥へと進み、その体を二間奥の部屋の、畳の上に転がした。  
雨戸が閉まったままで、暗くカビ臭い匂いがかすかに漂う。  
「や……」  
抵抗はした。  
でも、抗いきれるはずもなかった。  
胸を肌蹴られる。  
昼間とはいえ、火の気もない空き家の冷気にさらされ、乳房の先端がきゅっと尖った。  
そこへ恭助の手が両胸を鷲掴みにした。  
ぐい、ぐい、と乱暴に揉みしだく。  
                     
「長じてこんなにでかくなってやがる。いい掴み心地だぜ」  
「い……っ」  
お娟は思わず呻いた。摘まみあげられた先端が痛い。  
しかし、指で擦り合わされて、弾かれるとすぐに鼻にかかった声が出た。  
乳房にむしゃぶりついた恭助の肩を突っ張って、抗う。  
尖りをぬめぬめと舐られ、それごと飲み込まれ、ちゅぷ、ちゅぷ、という音が耳を刺激する。  
それに帯を解く音が混じる。  
「いやっ……あにさん、よして……」  
強く肩を押しやると、恭助はすでに帯を引き抜き、着物を一気に剥ぎ取った。  
転がるお娟に馬乗りになり、両腕を掴む。  
しゅ……と腰ひもを扱いて、両手首へ巻きつけ、後ろ手に縛り上げた。  
お娟が半身を起こすと、すぐまた背中を押されて横向きに転がされた。  
上になった足を掴まれ、尻に熱いものがあたる。  
「あっ」  
体を横に向けたお娟の後ろから、恭助がぐいっと腰を進める。  
「くっ……あ――――っ」  
「お娟……お前は……」  
恭助が次の言葉を飲み込んだのがわかった。  
泥濘の奥へと押し入ってくるそれは、お娟のが咥えたどんな男根とも違っていると思えた。  
抗い、逃れることはできたはずだ。  
両手首の縛めなぞ、容易くはずすことができる。  
でも。  
お娟にはできなかった。  
恭助の指が唇が体をなぞるたび、体中が悦びに震えるようだった。  
次の恭助の荒々しい愛撫を待ち受けている自分がいる。  
後ろからの恭助の息づかいに、期待に胸を震わせている。  
そして、昔の自分とは違う体を恭助に晒すことに、生娘のように慄いてしまう。  
恭助は気づいたはずだ。  
「くのいちの体とは、こうも……」  
味わうように、浅く抜き差ししながら、馴染ませていく恭助が呟いた。  
本来なら強引に刺し貫いて、欲望のままにお娟を嬲り犯してしまってもかまわないのに。  
そうはせず、じっくり嬲られるのがお娟には堪らなかった。  
「……あにさ……もう……」  
くのいちとして仕込まれた体は、昔の自分とは違う。  
わかってそうしているのか、恭助はゆっくり奥深く押し入っていく。  
「は……ああっ」  
最奥を突かれて、お娟は仰け反った。  
背中にぴったりと寄り添った恭助の体の温もりが、お娟の中の記憶を呼び覚ます。  
もっと奥へと誘い込みたくなって、お娟は前へ体を折り曲げた。  
腰をすりつけるように突きだす。  
すると、恭助がお娟の体を引き戻し、またその体にぴったりと抱きしめた。  
「俺から、離れるな」  
熱く囁かれたその言葉に、胸の奥が切なく震えた。  
下になった腋からも腕を回され、両の乳房が揉みしだかれる。  
「あっ……あに……さ……はあっあ……」  
肩や耳に、恭助の唇が這っていく。  
恭助の腰の動きが速くなり、息が荒くなる。  
「あ……あん……はっ……ん……」  
前に回った恭助の手が、敏感に尖った肉芽に触れた。  
「はああっ」  
また白い喉を見せて、お娟が仰け反った。  
「ここは、変わんねえな……ほら、こりこりだ」  
知らず、涙がこぼれていく。  
「や……いい……ああ……ん」  
きゅう、とお娟の女肉が恭助を締め付けた。  
同時にお娟は、穿たれたそこが、ずくずくともっとぬかるんでいくのを感じた。  
                       
「く……きついな……お娟、食いちぎる気か……」  
恭助が呻く。  
突然動きが止まり、背中を押され、うつ伏せにされた。  
後ろから尻のすぼまりを滑って、蜜壺と化したそこに熱の塊が乱暴に突き込まれ、お娟は高く声を上げた。  
すぐに恭助の腰が円を描くように回り、お娟の中をかき混ぜる。  
ぐちゅ……ぬちゅ……という音とともに、ぽたぽたと畳に滴が垂れていく音がする。  
お娟が、恭助に擦りつけるように腰を上げると、それが押さえ込まれた。  
「こうされると、お前は……いいんだよな……っ」  
寝そべるように床に押し付けられて、先ほどまで弄られていた乳房が、お娟の体の下でぐにゅ、とつぶされた。  
押しつけるように恭助の熱い塊が、お娟の女肉の一番感じるところを、ぐいぐいと擦っていく。  
「くあ……っんや……あ……あっ」  
突き上げられるたびに、お娟の体が、ずっずっと畳の上をずり上がっていく。  
恭助がすかさずお娟の肩を押さえ、腰を掴んで、自分の腰に打ち付けた。  
「んやあああっ」  
散々弄られた敏感なところを擦り貫かれたお娟は、叫び声を上げた。  
泣き声に似たお娟の喘ぎの中、あの頃と変わらず自分勝手に昇り詰めていく恭助の息遣いが、切迫さを増していく。  
「おえん……っ」  
名前を呼ばれることが、嬉しい。  
両手を縛められ、後ろから犯されるように交わっていてさえ、お娟は恭助の想いを感じずにはいられない。  
……あにさんも、あたしを忘れないでいてくれた。  
また淫猥な水音が激しくなり、肌の打ちあわされる乾いた音が一定の調子で部屋に響く。  
お娟は、わずかに残っていた、くのいちのとしての自分をかなぐり捨てて、後ろ手に縛られたまま夢中で腰を揺らした。  
敏感な女肉を擦られ、気が遠のきそうなくらいの快感が何度も頭の先へ突き抜けていく。  
「お娟、お……えんっ」  
「ああっ」  
恭助がお娟の最奥を貫いて、精を放ってぶるりと体を震わせた。  
 
少しして、お娟ははあはあと大きく息を吐きながら、不自由に半身を起こした。  
ずるりと恭助が体から抜けていく。  
恭助がまだ荒い息をしながら、無言でお娟の縛めを解き始めた。  
「あにさん……?」  
いぶかったお娟が呼ぶと、恭助は、はにかんだように小さく笑んだ。  
それは、昔と変わらない、懐かしい笑みだった。  
お娟が自由になった腕を伸ばすと、恭助がそれに応えるようにお娟の口を吸った。  
「お娟、お娟……」  
恭助がお娟の名を呼ぶ声が、切なげで苦しげだ。  
あたしも、ずっとこうしたかった、そう言いたいが、深く舌を吸われて言葉も呑み込まれていく。  
また、恭助がお娟を欲している。  
お娟はそれがわかって、嬉しくて涙が溢れた。  
……わかってる。今だけだ。ふたりが睦みあえるのは、今、この時だけ。  
何にも言わなくても、お互いに解りあえた。  
再び出会い、情を交わせたこと。  
そして、お互いの間に深い溝があることを。  
「……お娟、俺と一緒にならないか」  
唐突に呟かれたそれには答えず、お娟はまた恭助の愛撫に溺れていく。  
今度は穏やかな、しかしお娟を狂わせるに充分な恭助の愛撫に、あの頃のように身を委ねた。  
埋めようもない溝であることを、お娟は忘れたかった。  
「あにさん、あにさん……っ」  
刻の許すまで、何度も求められた。  
お娟もねだるように、何度も恭助を呼び、それに応えた。  
 
***  
 
東海寺へ立ち寄った後、江戸に入り、そのまま静江宅で湯島見学組と合流することになっていた。  
そう高くない木立の道を、御殿山へ向かうゆるい坂道へさしかかった。  
ゆるやかに曲がっていく道を進んでいくと、木々の間の左手前方、東海寺の塀が見え隠れしている。  
と、突然草むらから黒い影がいくつも躍り出てきた。  
黒装束の男たちが、一行の前に三人、後ろに四人。  
道の脇の草むらにも、気配を感じる。  
「何者だ!」  
格之進が叫んだ。  
助三郎も格之進もすでに腰を落として光圀を庇い、いつでも迎え撃つ態勢になっている。  
光圀は身じろぎせず、静かに立っていた。  
族は答えずに、少しずつ近づいて間を狭めてくる。  
そこへ、また一つの黒い影が横合いから飛んで出てき、一行の前に立った。  
根結いの垂れ髪が、扇のようにふわり、宙に広がって、流れた。  
「お娟!」  
「来てくれたか」  
助三郎格之進の声に、お娟は答えなかった。  
昨夜のうちにお娟は宿を出ていた。  
お娟の登場にもほとんど動じず、族は無言で間合いを詰めてくる。  
かさかさと枯れた木の葉が立てる音がするのみとなり、あたりは静まり返っている。  
お娟は全身で、恭助の気を感じ取ろうとしていた。  
押し寄せる殺気から、族が忍の者ではないと察知した。  
忍でないなら、お娟がこの場を切り抜けるのは容易いはずだ。  
しかし、この中に恭助がいるのなら、それは難しいことだった。  
「!」  
族の一人が襲いかかってきた。  
格之進は、体ごとぶつかってきた族の、匕首(あいくち)を持つ手首を掴み引き倒しざま、鳩尾に拳を打ち込んだ。  
それを合図に一斉に族が殺到してきた。  
光圀を後退させて、お娟は素早く集団の中に恭助を見出した。  
「恭助!」  
吠えるように名を呼んだ。  
しかし、匕首を振り上げた族の姿が目の前に立ちふさがった。  
咄嗟に、その男の懐に飛び込んで体当たりを食らわせた。       
股間に膝を入れて蹴り上げたのだ。  
もんどりうって地面に転がる男には目もくれず、背負った刀を引き抜いて恭助に向う。  
「どこ!?」  
体を元にもどした時には恭助が視界から消えていた。  
刀を峰に返す。  
無言で、背中に迫った族を、また一人、振り向きざま峰打ちでかわした。  
 
すでに、助三郎と格之進は斬り合いの中にいた。  
匕首を振りかざす者、抜き身を引っ提げて間合いを詰める者。白刃が時折きらりと光る。  
峰打ちに族をまた一人倒す助三郎と、手刀で丸腰の格之進は族を向かえる。  
「恭助っ」  
視界に認めるも、また新たな族が斜め右から突進してきた。  
跳躍する間もなく、脇差程の忍者刀を、ぎりぎりの間合いで左肩から袈裟に払う。  
ごつ……鈍い骨音とともに族の左腕がだらりと下がった。  
匕首を放って、右手で肩を抑えようとする族の脇を、体を沈めて走り抜ける。  
すばやく後ろに回り族の足を払った。  
手ごたえが刀を通して手に伝わる。  
族がうめき声をあげて地面に転がった。  
ご老公は?  
無事だ。道の脇の大岩を背に、隙の無い立ち姿が見えた。  
族どもは助三郎と格乃進に挑むのに必死の様子だ。  
形勢は有利と見た。  
お娟は体をぐるりと回して、居場所を見極める。  
恭助は――いた。いつの間にか正面に。  
             
「きょうすけっ、観念しな、こんなことやって……あんたはあんたは……っ」  
「言っただろう、俺は爺さんを仕留めて、名を上げると。今からでも遅くない、こちらへ来い」  
「ばかなことはよして。もう終りなんだよ……」  
「そこをどけ。爺さんを殺る」  
「あにさんっ」  
「どかねえかっ……お娟」  
「この場から……去って、早く行っちまってください」  
「ちっ、仕方ねえ……お娟、お前とやるしかないのか。もう一度言う。そこを、どけ」  
「あにさんこそ……逃げて、逃げのびて、そうしたら……」  
生きてさえいてくれれば、もう一度会える、そう言いたかった。  
恭助が、動く。  
お娟は昨日、今まで恭助を求め続けていたことを、いやというほど自覚させられた。  
恭助とともに生きられたなら……抱かれながら何度も夢想した。  
また、恭助が動き、間合いが狭まる。  
今、刀を投げ捨て、恭助を抱きしめたなら、それに応えてくれるだろうか。  
お娟は一瞬、この場から恭助とともに飛び去っていく自分を思った。  
「お娟、お前とやりたくねえんだ。頼む、爺さんを殺らせてくれ」  
すがる様な眼をして、恭助がまるで懇願するように言う。  
「名を上げて頭になったら、お前を迎えに来る、きっとだ、お娟」  
しかし、ぬかりなく間合いを詰めて来、今にもお娟に仕掛けることができるところまで迫っていた。  
 
ご老公様――。  
瞬間振り向くと険しくこちらを見据える光圀がいた。  
お娟に危険が迫ったなら、いつでも飛び出せる、剣気を放つ。  
歳を感じさせない、力強さが漲っている。  
ぞく……と背中を何かが駆け上がる。  
こんなあたしを守ろうとしてくれるお方がいる。  
遂げられることのない想いはしかし、恭助のとは違う、穏やかな生の喜びに満ちている。  
力強い鼓動を感じる。  
あたしは、ご老公様をお護りする、それしか生きる術がない。  
それがなければ、ここにはいなかった。恭助とも再び肌を合わせることはなかった。  
再び刀の柄を強く握りしめる。  
一瞬だけ、ひるんだことにお娟は恐ろしくなった。  
そして、今から恭助に向かう、そのことにも。  
必ず屠らなければならない。  
くのいちとしての本能がそうお娟に告げる。  
刃を峰から返し、八双の構えに引き上げる。  
「やるのか」  
恭助から人らしい表情が消えた。酷薄そうな笑みが口の端に浮かぶ。  
昔の恭助の人懐こい笑みを思い出す。日に焼けた顔で、夢を語ったあの頃を。  
烏合の衆を率いて勤めを果たさなければならない、今の恭助が堪らなく哀れに思えた。  
「お前は、俺がやれるのか、小娘のころから慕っていた男を。俺もお前のことを……」  
皆まで言わせなかった。  
お娟は地面を蹴って、高く跳躍した。  
恭助がすぐ反応し、匕首を振り上げた。  
まっすぐ恭助の腕が伸ばされた。  
お娟は飛びながら、忍者刀を脇へ引いて、恭助の胸めがけて切っ先を定めた。  
恭助の匕首の切っ先のほうが先にお娟に届くかと思われた、その時。  
「嫌あ!」  
お娟の目が信じられないというように見開かれた。  
飛び込んでくるお娟を迎えるように、恭助が両腕を広げていた。  
どんっという鈍い音ともに、その体がお娟を抱きとめる。  
お娟の体は力強く抱きしめられ、そのまま地面に恭助もろとも落ちた。  
お娟の握った刀は、恭助の左胸を突きとおしていた。  
                        
恭助は瞼を閉じ、笑みを浮かべている。それは先ほどとは違って、穏やかに見えさえした。  
すぐにわけのわからない衝動が突き上げて来て、お娟は高く声を上げ、刀を引き抜いた。  
血が噴き上がって、お娟に降りかかる。  
「ええいっ」  
引き抜いた刃先を、力いっぱい跨った男の上に突き刺した。  
どす、と鈍い音をさせて、男の体が揺れた。  
昨日お娟を抱いた、その胸に刃を突きたてる。  
もう一度、さらにもう一度。  
また引き抜き振り上げる。  
「お娟、止めよ!」  
光圀の声が、どこかから響いてきたような気がした。  
「もうよい、おえんっ」  
とたんにお娟はがっしりと後ろから抱きしめられた。  
振りかざした手が痛いほどの力強さで止められていた。  
「もう、よい」  
もう一度、穏やかに、しかし有無を言わせない強さで制止される。  
「は……あ……」  
お娟はゆっくり両腕を下した。  
うつろな目で、目の前の、黒装束を無残に裂かれた男を見た。  
血の噴出する音が耳をつくように聞こえてきた。  
「お娟、もう、よいのだ」  
光圀は、瘧のように震え続けるお娟を後ろから包むように抱いた。  
握り締めた刀から、その指を一本一本ほぐしてやる。  
ようやくぽとりと忍者刀が地面に落ちた。  
光圀は、ぶるぶると震える細い肩を、もう一度強く抱いた。  
恭助の血にまみれたお娟は光圀に背中を預けるように崩れた。  
「ごいんきょ……」  
それだけ言って、お娟は涙を溢れさせた。  
「よい、なにも言うな」  
震えが小さくなっていくと同時に、お娟の嗚咽が、だんだんと大きくなっていった。  
光圀がお娟の頭を胸に抱きしめて、「泣けば、よい」とだけ言うと、お娟は憚ることなく声を上げた。  
 
助三郎と格乃進がそれぞれ最後の族をたたき伏しているのが見える。  
恭助の黒装束は血を吸って、さらにどす黒く染まっていく。  
何事もなかったかなように、風が枯れ葉を巻き上げていく。  
風は、子どものような泣き声と血の金気臭さをさらって、道を吹き渡っていった。  
 
*                  
 
助三郎の母、静江の家で、また旅のために皆が集まっている。  
旅の支度で、女たちは台所で忙しく立ち働いている。  
お娟は台所仕事は苦手だ。  
とはいうものの、何か手伝わねばならず、とりあえず釜にかかった鍋の蓋に手をかけた。  
……飯の炊け具合はどうだろう。  
「まだ、お米の蓋を取ってはいけません」  
ふいにかけられた厳しい声に、お娟がその手を引っ込めた。  
静江が怖い顔でにらんでいる。  
「お米の炊き方がわからないなんて、いいお嫁さんになれませんよ」  
「あいにく、その気はありません」   
すました顔で、即座にそう答えていた。  
いつまでも、光圀のそばにいるつもりだ。  
たとえ、女の悦びを得られなくても。  
そばにいて、その身を守ることができることが、この身の悦びだ。  
静江には気づかれぬよう、ぺろりと舌を出した。  
とたんに静江が振り返った。吐いていた息をずっと吸いこみそうになる。  
こんな、何気ない日々、かけがえのない人とのかかわり。  
そんな営みに身を置けることの喜びを噛みしめる。  
そして新たな旅に出られる。  
米の炊きあがる湯気を見つめながら、すでにお娟の心は、また光圀たちとの旅の空へと飛んでいた。  
 
 
===終===  
 
 

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