桃太郎とつるんで歩き去る唯芽の後ろ姿を呆然と見送る俺。そんな俺を哀れに思ったのか、エリスの奴が声をかけてきた。  
「なぁ」  
「なんだ?」  
「今日一日、お前のカノジョになってやろうか?」  
 確かに気晴らしの相手が欲しかった。  
 かと言って瑠羽奈なんぞに知られたらどれだけからかわれるか知れたもんじゃないし、沙夜はクラブの方で忙しいだろう。かりんなんかは必要以上に心配してきそうだ。  
 その点エリスなら事情は知っているし、変に気を遣われることもないだろう。だから俺は、感謝の気持ちを敢えて表に出さないよう、つっけんどんに応えた。  
「……ああ、頼む」  
「よし、任せとけ」  
 ニカッ、と微笑んだエリスが妙に頼もしく、そして愛らしく思えた。  
 もっとも、せっかく芽生えた感謝の気持ちは、間もなくきれいさっぱり消えることとあいなった。俺の肩にちょこんと座ったエリスはそりゃもうやかましく、その上あっちに行けだのあれを食わせろだの我が侭三昧。  
 俺の方もはじめのうちは堪えていたが、そのうちいつも通りの口調で言い返してしまい、結局普段と変わらないやりとりになってしまった。  
 それでも、耳元でわめきたてるエリスの声は不思議と不快ではなかった。そして、少し前に抱いていたちょっとした傷心も、いつの間にかきれいに消え去っていた。  
「おいエリス、少し休まないか?」  
 俺がそんな言葉を口にしたのは、あちこち連れ回されていいかげん疲れてきた頃だった。  
「何だお前、男のくせに軟弱だゾ」  
 そんなことを言うが、なにしろ廊下にしろ中庭の通路にしろいつもとは段違いの混雑ぶりだ。そんな中をかいくぐるようにして歩き回ったんだから疲れて当然だ。  
 だいたいエリスは俺の肩に乗っているだけじゃないか。  
「わかったわかった、静かなところに案内してやる」  
「……?」  
 学園中が騒々しいというのにそんな静かなところがあるのか? そう思わなくもなかったが、今はとにかく落ち着きたかった。  
「あぁ、頼むよ」  
「任せろ! あっちへ行け」  
「……結局歩くのは俺なのな」  
 
 
 エリスの案内で俺がたどり着いた先は、何のことはない、エリスの工房だった。  
「なんだ、ここかよ」  
 無駄に重々しい扉を開けながらぼやく俺に、エリスがツッコミを入れる。  
「なんだとは何だ、こんなに静かだゾ」  
 なるほど、武器を作っていて爆発とか起こしても外に被害が出ないような造りになっているだけあって防音もしっかりしている。  
 お祭り騒ぎでどこもかしこも騒がしい学校の中で一番静かな空間かもしれない。  
「おい」  
「何だ?」  
「お前は店を開かなくてもいいのか? こういう時はかきいれ時じゃないのか?」  
「祭りの間は休業だ。学園からのお達しでな」  
 あぁなるほど、お祭り気分で浮かれた奴が喧嘩とかするかもしれないし、その時に槍だの剣だのを持ち歩いている奴がいたりしたら大変だ。  
 そうでなくても、人間と魔族の対立なんてものもあるんだ。学園側の判断は正しいのかもしれない。  
「まぁ待ってろ。茶ぐらいいれてやるゾ」  
 俺の肩から飛び発ったエリスが、部屋の奥にあるキッチンのキャビネットを開ける。  
 人間サイズのカップをどうやって……と思ったら、なんのことはない、魔法でふわふわと浮かべて運んでやがる。  
 手伝ってやろうかと思ったけど、あれなら大丈夫そうだ。  
 考えてみれば当たり前のことだが、エリスの店にある備品なんだからこいつが扱えて当然なんだ。おそらく、かりんのような人間の客に振る舞ったりもするのだろう。  
 
「おぅ、待たせたナ」  
 いつの間に用意を終えたのか、俺の目の前には一杯の茶と、茶菓子が置かれていた。  
「いい匂いだが……何て茶だ?」  
 紅茶でも中国茶でもなさそうだ。無論、日本茶なんかじゃない。  
「ピルナの葉だ。なんでもかんでも茶と呼ぶのは人間の悪い習慣だゾ」  
 妖精族が好んで飲むものなんだそうだ。気分が落ち着くだのなんだの、いくつかの効能をえんえん説明された。  
「一缶どうだ? 安くしとくゾ?」  
「結局最後はそれかよ!」  
 まぁしかし、香りも味も悪くない。今度一缶分けてもらうことにしよう。  
 ピルナを飲み、茶菓子を摘みながら今日学園内で見かけたものとか、他愛のないおしゃべりに興じる。  
 正直口は悪いし態度もデカいが、でもこいつのおかげで今日は救われた。  
  テーブルの上にちょこんと腰掛けて茶菓子を囓っているエリス。くるくると変わる表情が妙に愛らしく思えてしまう。そんな自分がおかしくて少し皮肉な笑みを浮かべてしまった。  
「ん? どうした、しけた顔してるゾ」  
 お前にはそう見えるのか。  
「しょうがないな、大サービスだゾ」  
「なんだ……ん!?」  
 ぴょん、と飛び上がったエリスが俺の目の前に浮かび、驚く俺の唇にちょん、とキスした。  
 
「お、おい」  
「とっておきのおまじないだ。これでもまだしけたツラ晒したら許さないゾ」  
 そう言ってにっ、と微笑むエリス。ほんの少し前にこいつのことを可愛らしいなんて思っていた俺には結構なヒットだった。  
「なぁ」  
「なんだ?」  
 ぱたぱたと羽をはばたかせて浮かびながら俺の顔を覗き込む。  
「今のおまじない、もう一度いいか?」  
「え?」  
 俺は両手でそっとエリスを抱きしめた。いや、包み込んだ、というくらいが適当だろうか。  
「あ、こら、変なところ触るな! セクハラだゾ!」  
 そんなことを言いながらじたばたするエリスだが、俺が唇を寄せると「しょうがないヤツだな」とか言いながら、さっきのようにキスしてくれた。  
 俺の唇にそっと触れている小さな小さな唇。だが、それがたまらなく愛しい。  
 ただ唇を触れさせているだけでは物足りなくて、舌の先を少し差しのべてみる。エリスは、そんな俺に応えてくれた。唇を俺の舌に寄せて、小さな舌でちろちろと愛撫してくれる。  
 等身大の相手とは違って、互いに舌を絡め合うようなディープ・キスはできないけれど、これはこれで十分に官能的な交わりだと思う。  
 指先を少しだけ動かして、小さな恋人の身体を撫でる。制服越しに感じられるボディライン。  
 バストは少し寂しいけれど、ウェストからヒップにかけての滑らかなラインはたしかに女の子のものだ。  
 可愛らしいお尻の感触が心地よくて撫で続けていたら、エリスがなにかもじもじし始めた。  
 
「どうした?」  
 もしかしたら感じているんだろうか? そう思って、お尻だけじゃなくてもう少し前の方まで指を届かせてみる。……効果はてきめんだった。  
「あああっ」  
 甘い悲鳴をあげるエリス。指先に触れる股間がわずかに湿っているような気もする。  
「脱いじまえよ。エリス」  
「えええっ!?」  
「見たいな。お前のヌード」  
「す、スケベ! 変態! ああああっ!」  
 キュロットスカートごしに感じやすい部分を弄ぶ。真っ赤になってわめくエリスだが、声を荒げようとしても力がはいらないようだ。  
 それをいいことに、小さな肢体を撫で回し続ける。胸も、お尻も、大切なところも。  
「あ……あン……」  
 おそらく無意識のものなんだろう、自分から腰を俺の指に押しつけ始めているエリス。あとひと押しだ。  
「な? 脱げよ。制服がしわだらけにばっちまうぜ」  
 それ以前にスカートまで濡れてぐちゃぐちゃになってしまうかも。  
「あっ、お、おぼえてろ、よ、ああんっ」  
 憎まれ口を叩きながら、スカートのホックを外す。脱ぎかけたスカートを引っ張って手伝ってやる。  
 
 キュロットスカートの下に穿いていたのは、小さな小さなショーツ。意外だったのは、サイドの部分が紐のようになった、結構お洒落なデザインだったことだ。  
 なんというか、こいつの性格だともっとこう、実用性重視というか色気のない下着ってのを選びそうなんだけど。  
「な、なんだニヤニヤして!」  
「ん? 可愛いなと思って」  
 その一言でまたも真っ赤になってしまうエリス。照れた顔を隠そうとして過、慌てて制服を脱ぎ始める。  
 あ、ちゃんとブラも着けてたのか。  
 スケールを抜きにしても、やや控えめの膨らみを覆い隠すこれまた小さな下着。  
 そして、ブラもショーツも脱いでしまい、エリスは正真正銘全裸になった。  
 ちょっと幼児体型気味ではあるけれど、それでも女の子のものだとわかるシルエット。  
 こんな地下室に籠もってるせいか真っ白な肌。  
 綺麗だ。  
 心からそう思った。  
「な、なんだよ」  
「綺麗だよ、エリス」  
「そ、そんなの当たり前だうわ何をす……ん……」  
 俺はエリスを両手でそっと抱きしめ、唇によせてもう一度キスした。  
 最初は驚いていたエリスだったが、やがてさっきのように唇と舌を捧げてくれる。  
 そして、俺もまたさきほどと同じようにエリスの身体を愛撫する。着衣越しではなく今度は素肌に触れられる。  
 滑らかで柔らかな裸身。  
 胸の膨らみ具合を確かめたり、背筋に沿って撫でてみたり、股間の湿り具合を調べてみたり。  
 
「あ……あん……やぁっ……」  
 全身を愛撫されて気持ちいいのだろう。可愛らしい喘ぎ声をあげてのけ反るエリス。俺はすかさず、舌でその首筋を舐めあげた。  
 そのままエリスの顔じゅうを舐め回してしまう。そして、舌の先をツツツと這わせて、小さなバストを撫で回す。  
「こ、こら、どこを舐めて、あ、ああっ」  
 小さな小さな乳首が、それでも生意気にツンと尖っているのがわかる。  
 羞恥と快楽から逃れようとあがくエリスだけど、それもかなわぬまま俺の意のままに感じやすいところを弄ばれてしまう。  
 やがてその抵抗も大人しくなり、ただひたすら甘い声を漏らし続けるようになる。  
「あ……あん……ああ……」  
 胸をしゃぶられ、股間を撫でられてうっとりとしているエリス。もう自分から腰を動かして、俺の指に局部をこすりつけようとすらしている。  
「あ、あ、あ、ああ」  
 その動きが早くなる。そして淫らな声が色を増す。俺も、その嬌声に応えるかのように指を動かす。  
 聞きたい。この可愛らしい悲鳴をもっともっと聞きたい。エリスをもっと感じさせてあげたい。  
 だから俺は、小さなバストを舐め回舌の動きを、左右から上下の動きへと切り替えた。  
 胸全体を上下に。今度はおへその手前まで。その次はおへその下まで。  
 少しづつ、少しづつ、俺の舌先が肝心なところへと近付いてゆく。  
「やっ、あ、あっ、ダメ」  
 
 そのことに気付いたエリスが脚を閉じるよりも早く、俺の舌は両脚のつけねを捉えていた。  
 わずかに遅れて閉じられた太股が、俺の舌を挟む。だがもう遅い。  
 ツンと尖らせた舌先をお尻の方まで届かせてから、ゆっくりと引き抜く。  
「あっ、あ、あーーーーーっ」  
 お尻の割れ目からアソコにかけて、じゅるり、という感じで舐め上げる。感じやすい粘膜を濡れた舌で擦られる感覚に悲鳴をあげるエリスは、どうやら軽く達してしまったようだ。  
 俺は追い打ちをかけるかのように、力の抜けた脚を左右に大きく広げてその中心を集中的に舌の先で攻め抜いた。  
「やっ、あっ、だ、だめ、あ、あ、あああーーーーっ!!」  
 なすすべもなく翻弄されるエリス。股間でなにかがぷしゃっと飛沫き、その味がさらに俺を煽る。  
「ああああああああ!!」  
 イッたところでさらに高くハネあがるエリス。小さな身体を痙攣させて何度も何度も絶叫して、そして力無く崩れ落ちた。  
 
「お、おい、大丈夫か?」  
 調子に乗ってやりすぎたか? 慌てた俺は、手の中で動かなくなったエリスを揺さぶり、声をかける。  
「あん……あはぁン……も、もうらめぇ……」  
 甘い声をあげて悶えるエリス。よかった、気を失ったわけでもなさそうだ。ほっとして気が緩んだ俺は、エリスを抱き直してもう一度キスした。  
「可愛かったよ、エリス」  
「……こら」  
「お、帰ってきたか?」  
 悦楽の余韻に浸っていたエリスも、ようやくこっちに戻ってきたようだ。  
「こ、今度はお前の番だゾ!」  
「何?」  
「あたしだけセクハラされていい訳ないだろ! 今度はお前も脱げ!」  
「いいっ!?」  
 すっかりいつもの調子を取り戻してまくし立てるエリス。  
 素っ裸ということも忘れて仁王立ちポーズで浮かんでいるものだから、可愛らしいアソコが丸見えだ。ちゃんと生えてるんだ、なんて今更に思ってしまう。  
「おい! 聞いてるのか!?」  
「わかったわかった、脱ぐから……って、全部脱ぐのか?」  
「当然だ。言っておくが、服を着たままチンポだけ丸出しなんて方がずっとマヌケだゾ」  
「……へいへい」  
 俺はしぶしぶ服を脱ぐ。  
「ふぅん、意外としっかりした身体してるじゃんか」  
「そうか?」  
「まぁだからこそバイトを任せたんだがナ。あたしの目に狂いはなかったてことだ」  
「言ってろ」  
 
 バカなやりとりをしている間に最後の一枚も脱ぐ。  
 エリスのことを愛撫したりしていたせいですっかり元気になっている愚息がひっかかってトランクスが脱ぎにくかったりしたが、ともあれ俺も全裸になった。  
「ほら、脱いだぞ」  
 正直照れくさかったが、俺に全てを見せてくれたエリスに免じて前を隠したりしないで振り返った。  
「おいっ! なんで恥ずかしがったりしないんだ! 羞恥心は萌えの原点ダゾ!」  
「……お前、俺に萌えを求めるのか?」  
「それもそうか」  
 遊んでやがるな、こいつ……それでも、エリスの視線は俺の股間に釘付けになっている。ふふ、どうだ。  
「思ってたよりは大きいナ」  
「そうか?」  
「じゃあ後は任せろ。そうだな、そこのソファに横になれ」  
「へいへい」  
 部屋の片隅にある、来客用のものらしいロングソファに横になる。いささかくたびれかけた革張りのものだ。  
 仰向けになってナニだけをおっ勃てた格好は我ながら情けなくもあるが、相手がエリスとあってはこれが一番無理がないんだろう。  
「素直なのはいいことだゾ」  
 宙に浮いていたエリスが俺のモノの隣に降り立つ。  
 しかしなんだ、ペニスというのはそもそもユーモラスな形をしていると思うが、妖精の隣で立っていると本気でキノコか何かに見えてくるな。  
 そして、エリスが傍らに勃っているモノを抱き寄せ、そっとキスした。  
「お……」  
 小さな手がさわさわと動き、亀頭を撫で回す。カリ首に沿って滑る指先が、くびれた部分をくすぐる。  
「どうだ? 悪くないダロ?」  
「すげ……あ……」  
 エリスの右手が、俺の先端のスリットを開くようにして愛撫している。  
 先走りが漏れてくる切れ込みに指先をそよがせ、未知の感覚を流し込んでくる。  
 
「ま、待った、そ、それ以上はなし!」  
「ん? なんだ? 気持ちよくないか?」  
「い、いや、その、悪くはないが……」  
 歯切れの悪い返事しか口にできない俺を見て、ニンマリと笑うエリス。  
「何だ? もしかして怖いのか?」  
「そ、それは」  
「なんなら、尿道フィストファックに挑んでもいいぞぉ」  
「わああっ、タンマタンマ!」  
 うろたえる俺を見てくすくす笑うエリス。  
「冗談だ」  
「……やめてくれよぉ」  
 こいつの場合どこまで冗談かわからないので心臓に悪い。  
「まぁ罪滅ぼしに、心底イイ思いさせてやるゾ」  
 エリスが俺のモノに抱きつく。亀頭がまるでこ顔であるかのように愛しげに頬ずりし、小さな唇をよせる。  
 チュ、チュ、とキスマークを付けては、その痕を癒すかのようにちろちろと舐め回す。  
 次第に先端へと近付いてくる唇。姿勢が変わるにつれて、小さな胸も愛撫に参加する。柔らかな膨らみとその先端が擦れて気持ちいい。  
「お……」  
 両手でスリットを開かれ、その縁に沿って舌が這う。  
 じくじくと漏れる粘液で顔が汚れるのも気にせずに濃厚なオーラルを続けるエリス。そして、その舌先が俺の内側すら舐め始める。  
 
「ぅ……ぉ……」  
 時々わざと音を立てるようにして先走りを啜る。そんなことではとても間に合うはずもなく、エリスの胸はおろかおなかのあたりまで濡れてしまっている。  
 そのヌルヌルになった全身を擦り付けるようにしてくる。先端への攻めとシャフトへの愛撫を交互に与えられ、俺のモノがさらに堅く熱くなる。  
 脚を絡めるようにしてしがみつき、腰を肉茎に押し付けてくる。小さな身体の全てで俺のペニスに悦楽を与えてくれる。  
 そしてまた、エリスの舌が俺の中に挿し入れられ、尿道の内側をくすぐってくる。  
「お、おおっ、そこは、ああっ」  
「どうだ? イイだろ?」  
「ああ……ヤバいよ……う……」  
「わかってると思うけど、イきそうになったら言うんだゾ」  
「?」  
「バカかお前! あたしがこうして舐めているところに出されてみろ! 溺れちまうだろっ!」  
 あぁそうか、人間にとってはあれだけの量でしかないけれど、妖精にとっては相当な量だな。  
 しかもあんなネバネバとくりゃ死活問題だ。  
 
「わ、わかった」  
「んじゃ、続けるゾ」  
 そしてまた、あの甘美な責めが再開される。  
「んっ……ん……」  
「ぉ……!」  
 カリのくびれたところに沿って指で撫でられ、同時に亀頭にキスされる。時々甘噛みすらされ、俺はますますヒートアップしてゆく。  
「ぅ……そこ、いいぞ、あ……」  
「ここか?」  
「ぉ……」  
 エリスの手で、俺の泣き所が一つ、また一つと暴かれてゆく。俺が喘ぐたび、ペニスをヒクつかせるたびに嬉々として同じところを責めてくる。  
「え、エリス、お、俺、もう」  
「なんだ、もうイくのか? 早くないか?」  
 クスクス笑いながら俺のことを揶揄する。それでも、ペニスへの愛撫は止めない。身体をシャフトに擦り付け、両手でこじ開けた尿道に舌を突き込む。  
「ああああ、も、もう、で、出るっ!」  
 どくんっ!  
 俺のモノが震え、根本のあたりまで出かかっていたものが一気に吹き出す。  
 どくっ! どくっ!  
 ペニスが二度、三度とヒクつき、そのたびに白濁を打ち上げる。  
 このところ抜いていなかったせいか一際多かったような気がする。  
 いや、そんなことよりも、一人でするよりも相手がいた方がずっとずっと気持ちいいんだと思った。  
 
 
……そう言えばエリスの奴は?  
 まさか俺のを顔で受け止めていないだろうな?  
「お、おい、大丈夫か?」  
 仰向けの姿勢から勢いよく上体を起こした、途端。  
「うわぁ!」  
「いてッ!」  
 いきなり額に炸裂する閃光。なんのことはない、胸の上あたりに浮いていたエリスに頭突きをかましてしまったわけだ。  
「いたたたた……な、なんだってそんなところに……」  
「ずいぶんなヤツだな! いきなりグッタリしたから心配してやったのに!」  
「え……あ、そうか」  
 射精の後、力が抜けたかのように横になったままの俺を心配してくれたのか。  
 そして、俺の顔をのぞき込もうと近づいてきたところで俺が起き上がっちまったというわけだ。  
「そうか、悪い」  
「まったく、これだから人間ってのはズウタイばかりデカくて……わぁ!?」  
 なおもグチを続けようとするエリスをひっつかまえる。  
「お、おい、なにをす……ん……」  
 文句を言われる前にキスしてしまう。小さな顔をなめ回す。  
「ぶわ、こ、こら、ん……」  
 怒っているのか嬉しいのか、なんだかんだでエリスも舌をのばして俺に応えてくれる。  
 俺はそのまま、舐める範囲を顔から胸へと広げてゆく。同時に、指先で股間をまさぐってやる。  
「あ、あんっ、も、もういいってば」  
「やだ。もう一回したい」  
「こ、このすけべぇ、あ、ああっ」  
 俺のペニスにしゃぶりついていた間、エリス自身も興奮していたんだろう。小さな体は、イッた直後ほどではないが十分に火照り、快楽を受け入れていた。  
 
 俺は両手でエリスの体をホールドし、M字開脚の姿勢を強いる。アソコもお尻も完全に無防備になったところで、股間を前からも後ろからもいいように舐め回す。  
「あ、あっ、ああんっ、そ、そこだめぇっ」  
 感じやすい一帯をくまなく愛撫されて、ひたすら喘ぎ続けるエリス。時々クリトリスを舌が舐めあげるのか、大きくのけぞって悲鳴をあげる。  
 そんなエリスが可愛らしくて、愛しくて、俺のモノは出した後だというのに堅く大きくそそり勃っていた。  
「一緒にいこうぜ、エリス」  
「え……あ、うわあああ!」  
 それまで口元に寄せてしゃぶり続けていたエリスを股間へと持っていく。ペニスを腹に押しつけて、小さな恋人をそこにまたがらせる。  
 そして、感じやすい割れ目を擦り付けるようにして、エリスの身体でペニスを扱く。  
「あ、あ、やああっ!」  
 ずきんずきんと疼く熱い肉茎にまたがらせれ、あげくにそれで股間を責められたエリスが可愛らしい喘ぎ声をもらす。  
 その可憐な歌声はますます俺のモノを堅く熱くさせる。小さな身体をそのモノに擦り付け、俺自身が感じると同時にエリスも喘がせる。  
 エリスの股間をあてがう位置を、シャフトではなく亀頭に変える。先端にぱっくり開いた鈴口で小さな性器にキスをするような感じだ。  
 
「ひあああああん!」  
 ちょうど、なにか蛇のような生き物の口でアソコを食われるような状態になってしまったエリス。  
 スリットのエッジの部分が股間に擦れる具合がいいのか、あるいは先端からあふれる先汁のせいで滑りがよくなったせいか、さっきまでよりずっと感じているようだ。  
「あ……ああ……も、もう、らめ……」  
 そんなことを言いながら、自分から腰を振って俺のモノに性器を擦り付けてくる。その刺激は、俺を二度目の絶頂へとたやすく持ち上げてゆく。  
「いいぞ……お、俺も、ああ……」  
「あ! ああっ! くる、きちゃうううっ!」  
「え、エリスっ!!」  
 どくっ!  
「ああああーーーーーーーっ!!」  
 俺が弾け、エリスの股間で白いものが炸裂した。性器どころか下腹部も、尻も、いやもう下半身の全てが白濁にまみれる。そしてエリスもまた、精液で身体を灼かれながら何度目かの絶頂に達した。  
 
 
「……」  
「……」  
 店の奥の工房。その片隅にあるシャワー室で身体を洗う間、俺達は終始無言だった。  
 そりゃそうだろう。元はと言えば俺の傷心を慰めるための一日限りの恋人ごっこだったのに。  
 元通り服を着ても、俺達は落ち着けずにいた。  
 俺の目の前にいるエリスは、いつもと同じ制服を着ているというのに、俺にはこいつの姿があの可愛らしい裸身とダブッて見える。  
 エリスの奴も俺のことを正視できずにいる。やはり、俺の裸体を思い出してしまうんだろうか。  
 気まずい雰囲気をなんとかしようとあれこれ考えても何も思いつかない。  
 言葉が出ない。喉が乾く。  
「な、なぁ」  
「な、なんだヨ」  
「の、ノドだかわいてさ。さっきの茶、もう一杯もらえないか?」  
「茶じゃない! ピルナの葉だぁ!」  
「「……」」  
「くっ……」  
「ぷふっ……」  
「はは、はははははは」  
「あはははははははは」  
 
 なんだか、変な雰囲気になっていたのが、エリスの怒鳴り声一つでいつもの調子に戻ってしまった。  
 それがおかしくて、俺達は二人して声を揃えて笑い続けた。  
 笑い疲れて、ますます喉が乾いてしまった。エリスが入れてくれたピルナを飲んで一息つく。  
 俺もエリスも無言だったけど、さっきまでのような空気じゃない。もっと穏やかで、和やかな空気だ。  
「それじゃ、そろそろ失礼するわ」  
「おう」  
「それとな」  
「なんだ?」  
「お別れのキスはないのか?」  
「ば、ばかやろぉ!」  
 真っ赤になってじたばたするエリスを抱き上げて、もう一度キスする。  
 舌は出さずに、唇と唇を触れ合うだけの優しいキス。  
「今度どこか行こうぜ。遊園地とかさ」  
「却下。そんなことより魔法金属の買い出しに付き合え」  
「……もしかして重労働?」  
「安心しろ。報酬ははずむゾ」  
「また今日みたいにサービスしてくれるのか?」  
「聞いて喜べ、とっておきのセクシー下着で悩殺してやる」  
「ぷっ」  
「こら、笑うな!」  
 俺の頬のあたりをぽかぽかと叩いて抗議するエリス。俺はもう一度、この小さな恋人を抱き寄せて唇を寄せた。  
 
 終  

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