ある日の休み時間、武巳は摩津方に呼び出された
また倉庫の整理だろうか。そう思ってついて行く武巳だったが
摩津方はそちらとは違う方向に歩いて行った
やがて人気のない廊下で摩津方は足を止め、武巳の方へ向き直った
「小僧、少し体を屈めろ」
突然の命令。武巳はその意図を量りかねながらもそれに従い姿勢を低くした
「このくらい?」
「ああ、それでいい」
そして摩津方は武巳に向かって背伸びをし――
ちゅ
唇が触れた
「!?」
武巳は驚き後ずさる
摩津方はその様子を見て、左目を顰め笑みを浮かべながら言った
「この体は背丈が足りんのでな」