「あ、ヘビだ」
「げっ……! めんどくせえのに捕まっちまった」
「ねえねえ、すっごく顔とかタイプじゃないし、性格もウザイんだけどエッチしよーよ」
「オーイオイオイちょっと待て待て待てよ。お前の言ってる意味がさっぱりわかんねぇ」
「顔は気持ち悪いし、眉毛とかないし、オールバック変だし、性格は最低最悪なんだけど、エッチはしてもいいよってこと」
「誰が説明しろなんて言ったよ、オイ」
「だから、この覆面かぶってよ。山羊の顔してるの」
「お前、人の尊厳踏みにじってそんなに楽しいか」
「あと、できれば息もしないで欲しい」
「オーイオイオイ素直に死ねって言ったらどうだ。まあ、死んでるけど」
「いいから、するの? しないの?」
「しねェよ」
「ブチ消すわよ」
「じゃあ、最初ッから聞くなよオイィィィ! どっちみち死ぬんじゃねーか!」
「じゃあ聞くけど、アタシの何がイヤなのよー!」
「顔」
「ブチ消すわよ」
「お前、さっき同じことオレに言ったじゃねェかァァァ! 何で俺だけ怒られるんだよ!」
「もー、仕方ないなあ。これだからヘビってイヤなのよ」
「あー、助かったぜェ……さっさと帰ってくれよ、もう……」
「ホラ、山羊のお面かぶったからコレでいいでしょ?」
「かぶっちゃったの、それェェェ!? オイオイオイオイお前がかぶってどうすんのよ!?」
「ヤダ、アタシいい感じ……♪」
「帰ってェェェ! お願いだから帰ってェェェ!」
「えー、だってヘビってなんか気持ち良さそうなんだもん」
「お前、どういう目でオレのこと見てんだよ」
「触手プレイ」
「わざわざプレイ名でありがとうございます! お前の頭の中、そんなことしか考えてねェのか、オイィィィ!」
「ミズチはブリーフ派だとか、ゴウメイはふんどしだとか、グレイはボクサータイプ派だとか」
「さっきのほうがマシでした!」
「ちなみにアタシはヨーカドーで三枚1000円」
「聞きたくなかった!」
「興奮した?」
「今の会話の中に、興奮する要素があるなら教えてほしいくらいだよ、オイィィィ!」
「触手プレイのあたりでお股がキュンって」
「縮こまりました」
「もー! 根性ないなあ! もうなんでもいいからアタシとエッチしなさいよーう!」
「とうとう理不尽極まった! オーイオイオイオイ今までの会話なんだったの!? ホントムリです。助けてください」
「んー……わかった。じゃあ今日はいいよ」
「ありがとうございます!」
「その代わり、24時間後にきっちり来るからね!」
「ゴウメイさんよ……派手に散らせてくれや。せめてオレらしくな……」