「ヒメノン今日はオメデトウ!」 「みんなありがとう。エヘヘ…」
ヒメノが東京に来て初めての誕生日。こんなたくさんの人達に自分の誕生日を祝ってもらえるなんて以前は思ってもいなかったヒメノはとても嬉しかった。
……………
(ふぅ…今日は楽しかったな)
部屋に戻って来るとさっきまでの騒がしさがうそのようだ。
今日一日の余韻に浸っていると、不意にドアがノックされた。
コン コン
「はいっ!」(明神さん!?どうしたんだろこんな夜に?)
ドアを開けるといたずらっぽく笑う明神がいた。
「ひ・め・の・ん」
「何ですか明神さん。何か変ですよ?」
「じゃん!!」
明神が出したのはワインの瓶だった。
「せっかくのお祝いだから買ってきたんだ。本当はさっき出したかったんだけど、エージがアズミの教育に悪いっていうからさ…どう?俺んトコで飲まない?」
「私…お酒飲んだことないんですが…」
「大丈夫!これは甘口で飲みやすいジュースみたいなやつだから」
「じゃあ…ちょっとだけいいですか?」
「よしっ!決まりな」
そう言って明神はニカッと笑った。今から明神とちょっと悪いことをするのだと考えるとヒメノはドキドキしてきた。
…………………………
「それじゃ改めまして乾杯!」
(これがお酒…ん、意外と大丈夫かな…)
「………」
「どうした?ひめのん」
「何か…頭がフラフラ…」
「えっ大丈夫か!?」
ヒメノは酒になれてないせいもあるか、明神の予想以上に酒に弱かった
「ごめんヒメノン!とりあえず水持ってくるから…!!」
「…はぃ…キャアッ」
「うおおっ!」
明神はワインの瓶につまずいてバランスを崩し、ヒメノを押し倒してしまった。
「みょ…明神さ…ん?」 「…ヒメノ」
むせ返るようなワインの香りの中、明神はヒメノに口づけをする。ヒメノは明神がいつもと違うことを感じ逃れようとするが、強い力で無理に押さえ付けられてしまい、それはかなわない。
「…んっ…ハァ…やめ…」明神がヒメノを開放しようという気配は全くない。それどころか服の中に手を入れてヒメノの華奢な腰に腕をまわしてくる。
「もうだめだよ」
明神はヒメノの服を脱がしながらそう言うと、ヒメノの体を求め続けた。
こぼれたアルコールが醸し出す異様な匂いの立込む管理人室───
もう彼の中には本能しかなかった。ヒメノを抱きたいというただ一つの欲望が彼の体を支配していた。
「ああぁん…明神さ…あんっ」
明神がその大きな手で乳首をつまんだり、はじいたりして弄ぶと、ヒメノは敏感に反応し妖しく艶めいた鳴き声を漏らす。明神はこの少女の悦びを支配してると考えると、思わず笑みが漏れた。
「感じてるの?」
「アッ…ちょっ…私…ばっかり…明神さんずるいよ…」
そんなことを言われても、ますます苛めたくなるばかりだ。悔しそうにする顔、感じてる表情をもっと見たくなってしまう。
「いいんだよ。そんなこと」
そう言い放ってヒメノの口を塞ぐ。
「ンッ!」
ヒメノは息苦しさから薄っすらと涙を浮かべたが、もうそれも明神をより興奮させる物でしかない。
乳首を吸い舌で転がしながらヒメノの花園に手を延ばし蜜壺を探る。
「あっ…!」
ヒメノは秘部に異変を感じ足を閉じようとしたが、明神はそれを感じ取り、大丈夫だと安心させるように優しく声をかけ、その身を委ねるように言った。ヒメノはこの男の優しさの裏側の欲情を感じたが、
(明神さんならいい…)
と、素直にその身の主導権を明け渡した。
ヒメノの足を開き、秘部に顔を近付ける。恥ずかしがり拒否するヒメノとは裏腹に、そこはヌラヌラと妖しい光を放ち、まさに男を誘っている様だ。
ピチャ…ピチャッ…
卑猥な音が部屋に響く
「ああんっ!はぁっ」
充分に潤ったそこを丁寧に舐め、じゅるる…ヂュッ…と音を立てながら吸い上げる。もっと欲しいとねだるヒメノのクリトリスを甘噛みすると、
「アァーッ!ダメェェッ!」
歓喜の叫びを上げてヒメノはイッてしまった。
(…やべぇ我慢できね…)
指でじっくり慣らしてから挿入しようと思っていたが、もう我慢できない。
「ヒメノ、力抜いて」
そう言って性器を宛がい、挿入した。
「ヒッ…」
いきなりの挿入にヒメノの顔は苦痛に歪んだが、肉棒はそんなことかまわずにジュブジュブと腟と擦れ合いながら飲み込まれて行く。ヒメノは明神にしがみつきその痛みに耐えた。
「ごめん…痛い?」
「…大丈夫だから。私、早く明神さんに来て欲しいの」
「ヒメノ…」
奥まで一気に突き上げピストンする。
絡み付き、切なく締め付けてくるヒメノの中は、想像以上に心地いい物であった。明神はもっと繋がりたいと願いながら強く腰を打ち付けていく。
「アァッ…ハァッ…ァン」
互いに快楽を貪る最中(さなか)、明神に下半身が溶けるような射精の気怠さが襲ってきた。
(…やべっ!)
ああーっ!明神さぁん!明神は間一髪で中から出ると、ヒメノの腹の上で果てた。
……………
情事の余韻に浸っているとき、明神の腕の中のヒメノが、
「明神さんのばか」と呟いた。
(やっぱ俺じゃ駄目か…)
「俺のこと嫌いになった?ごめ…」
「違いますよ」
明神の言葉を遮り、ヒメノは続けた。
「だって…これから誕生日の度に明神さんのこと思い出しちゃうじゃないですか…。私、いつまでうたかた荘に居られるかわからないのに…」
明神はずっと一緒にいればいいと言いたかったが、死の危険と隣り合わせの案内屋をする自分に、そんなことを言う資格があるのかわからず、ただ愛しい少女を抱き締めることしかできなかった。
END