「き」  
 喉の奥から悲鳴が漏れようとした瞬間、明神は慌てふためいて  
姫乃の口を手で塞いで体ごと壁に押し付けた。  
「シーッ!た、頼むから叫ばないでひめのん、他の連中に誤解されちまう」  
 誤解も何も、間違えたとはいえ実際裸を見てしまったことは事実で、  
自分の言っていることの身勝手さに我ながら呆れながら、  
片手で押さえてる姫乃の肩の小ささに心がざわりと騒いだ。  
 風呂上りでしっとりと濡れた肌と髪が、手のひらに水気を伝える。  
いまだに驚きで目を見開いたままの姫乃の顔がすぐ傍にあって、  
明神は姫乃の口から手を離すと、次は自分の唇で塞いだ。  
「んぅっ!?」  
 更に目を大きくして、姫乃の拳が明神の胸板を叩いた。  
 だがそんな抵抗など明神にとってはほんの些細なものでしかなかった。  
姫乃の細い腰を抱き寄せて、  
自分の体にピッタリと密着させて、全身で彼女を感じ取ろうとした。  
 唇を舌でこじ開けて口腔を探る。怯えて縮こまった姫乃の  
柔らかな舌先を探り当てて絡ませる。  
 脱衣所に微かな水音が広がり、姫乃の瞳が朦朧として  
頬が赤く染まっていった。  
「・・・は」  
 ようやっと二人の唇が離れ、開放された姫乃は大きく肩で息をついた。  
「ひめのん」  
 明神の声音で察したのか、姫乃は赤くなった顔を俯かせて横に振った。  
「ダメ?」  
 小首をかしげて顔を覗き込んでくる明神に、か細い声で、  
「や、・・・ここじゃ、いや、です・・・」  
 
「そうだよな。ここじゃ風邪ひいちまう。部屋行こうか」  
まだ体も拭いていなかった姫乃は、寒さで微かに震えていた。こんなところ  
でコトを続けたら、明日は確実に寝込ませてしまうだろう。さすがに明神も  
そこまで非道ではない。けれど一度その気になった昂りを忘れるほど優しく  
もなかった。  
「…それだったら、いい、です…」  
水滴の滴る髪の下で、まだ幼さの残る少女は瞳を伏せる。  
「じゃあ、決まりだな」  
脱衣カゴに入っていたバスタオルを取り上げ、ぐるっと姫乃の小柄な体に巻  
きつけるとやすやすと抱き上げて管理人室に向かう。普段は殺風景な部屋  
も姫乃がいるだけで華やいで見えることだろう。  
 
ずかずかと廊下を歩く足音に、姫乃は怯えているように見える。まあ、それ  
も当然だろう。突然の成り行きで貞操の危機というところなのだ。  
「み、明神さん…」  
「何、ひめのん。もうやめたり出来ないよ」  
「…うん」  
自分でいいと言った手前、渋々納得はしたらしい。そんなしおらしい様子に  
満足を覚えながら、勢いよく管理人室のドアを開けた。一旦床に降ろしてか  
ら押入れを開けて毛布を取り出す。  
「床じゃ冷たいな。少し待ってな」  
生憎、こんなぼろアパートではエアコンなどという小洒落たものはないが、辛  
うじて所有しているストーブも一緒に引っ張り出してコンセントを繋ぎ、スイッ  
チを入れた。  
これでまずは寒くないだろう。  
「ひめのんを風邪ひかせらんないからさ」  
毛布を広げてその上にまだ体が濡れている姫乃を寝かせると、怯えないよ  
うに頬を撫でて見た。体を包んでいるバスタオルはきっちりと巻きつけられた  
ままだ。  
「取ってもいいかい?」  
何か言いたそうにしている瞳が泣いているように潤んでいる。少し心が痛み  
もしたが、こんな御馳走が転がり込んできた幸運をみすみす逃す訳にはい  
かない。  
「大丈夫だって、嫌なことはしないから…」  
何度も何度もそんな表面だけの優しい言葉を繰り返しているうちに、とうとう  
ためらいながらもバスタオルは外された。中からはさっき見たばかりの華奢  
で真っ白な体が現れる。女というにはまだまだだが、未熟さ加減は妙にそそ  
るものがあった。  
別に明神にはロリコンの気はないのだが。  
 
「…可愛いね、ひめのん」  
出来るだけ今感じている筈の恐怖を取り除こうと、頬や髪を撫で、ついでに  
足を閉じられないように体を挟み込みながら囁く。  
「っく…」  
しゃくり上げるような声が漏れた。見ればはらはらと声を殺して泣いている。  
「怖い?でも、誰でもこうするんだからさ」  
「…うん、もういいの。私、明神さんなら」  
「ひめのん?」  
「いつか来ることが、今になっただけだもん」  
涙でぐしゃぐしゃになった顔でにっこりと笑いながら、姫乃は細い腕でしがみ  
ついてきた。女は一度決心すると驚くほど大胆に成るものだが、姫乃もやは  
りそこは女の本質というものを持ち合わせているのだろう。ならば気にするこ  
とはない。  
涙をぐいぐいと拭っている手をどかして、小さくて柔らかそうな唇をもう一度堪  
能した。今度は何の抵抗もない。  
「私…」  
なのに、唇が離れた途端にその可愛い唇からほろりと言葉が零れる。  
「こんなに早く経験するんだったら、もっと胸大きくしてたかった…」  
「何言ってんの、ひめのん。デカいだけがいい訳じゃないって」  
「だ、って」  
「俺、好きだしさ。ひめのんのちっちゃいおっぱい」  
「気にしてるのに…」  
「あ、わりわり」  
やはり未熟な体を気にはしているのだ。だが、そんなことは今の明神にとっ  
て、いや、男にとっては大した意味を持たない。  
「でもさ、ひめのんのは特別。ぽっちりしてていい形だし」  
「…嘘」  
「嘘に聞こえるかい?」  
 
「少し…」  
「そっか」  
やはり怖い気持ちはあるのだろう。腕で隠すようにしているのが愛らしくて、  
思わずにやーっと笑う。  
「大丈夫だって、俺に任せときな」  
ちゅっ、と頬に口付けると面白いように頬が赤くなった。こんなに反応がいい  
のだから決してこうすることに悪い気はしていないのだろう。そう解釈してよう  
やく乾きかけた肌をさらさらと撫でた。  
「あぁっ…」  
わざと乳房にだけは触れずにいたのに、驚くほど敏感に体が跳ねたことに明  
神もさすがに驚いてしまう。その後は、もう本能剥き出しでまだ隠そうとしてい  
た腕を取るとわずかに膨らんでいるだけの乳房をやわりと揉み始める。  
「い、やっ…」  
「…そんなに、嫌?」  
もちろんやめる気など毛頭なく、桜色に色づいている両方の乳房を揉みなが  
ら、耳元でわざとらしく優しい声を出す。羞恥と恐怖を必死で絶えているような  
思い詰めた表情をしている姫乃は、それでも頬と目元をほんのりと染めて首  
を横に振る。  
「嫌じゃない…怖いけど、我慢する」  
目尻に溜まっていた涙がぽろりと落ちる。その跡が乾かないうちにぺろっと舐  
め取ると、そのまま首筋、鎖骨と痕跡を残していく。あくまで優しく、柔らかく接  
しているうちに、次第に体の強張りが解けていくのが分かる。  
「ひめのん、可愛いよ」  
「は、はあっ…」  
いつしか表情も快楽に浸りきったように蕩けてくる。まだ男など知らない少女を  
こんな風にしているだけで、もうイってしまいそうだ。  
 
ストーブの暖かさがようやく部屋中の空気を心地良いものにしていく。最初は  
薄く鳥肌が浮いていた姫乃の肌も今は弛緩していて柔らかい。  
体中どこもかしこも舐め回すうちに反応のいい箇所を探り当て、そこを重点的  
に何度か吸い上げる。  
特に感じているのは右の乳房の脇と臍のやや下で、そこに舌が触れる度に  
声を殺すことも忘れて乱れるのが面白かった。  
「あ、ああっ、明神、さんっ…」  
「何だい」  
「もう、や、めてっ…おかしくなるの…」  
やっと部屋の暖かさで乾いたらしく、打ち振られる艶やかな髪がさらさらと毛  
布の上で踊る。まだまだ本当のお楽しみはこれからだが、今の時点でもこの  
姿を堪能出来るのは一種の特権に思えた。  
「おかしくなんか、ならないよ。だって俺がいるし」  
「…明神さん」  
また綺麗な瞳から涙が溢れた。  
「何?今のうちに言ってごらん」  
「嬉しいの…」  
綺麗な瞳から零れる綺麗な涙。それは少女しか持ち得ない究極の純粋性の  
結晶でもある。それを今まさに目にして、獣になりかけている明神は更に燃え  
上がる。  
「そう、じゃあ…続きをしていね」  
「うん…私、我慢出来るもの」  
それでもやはりまだ羞恥は残っているのか、片手で尚も顔を隠す初々しさが  
またいい。この聖性さえ感じさせる少女をこれから汚すのだと思えば思わず  
ごくりと喉が鳴るというものだ。  
 
「本当に、可愛いね。ひめのん。もっと、もっと悪いことをしたくなる」  
「えっ」  
これまで怖がらせないよう、出来るだけ緩やかにしてきたが、もう明神自身も  
ギリギリの限界が来そうになっている。それにもこの少女のもっと淫らであら  
れもないこれまで誰も見たことのない姿が見たくなった。  
「もう、怖くないな」  
我慢する、と言った言葉を都合良く盾に取って、男のずるさを剥き出しにした  
明神の腕が、華奢な姫乃の両足を思うさま開いた。突然のことに、頓狂な  
声が上がる。  
「きゃっ…」  
「怯えなくていい。ちゃんと、ここを見せて」  
「だっ…て」  
「ここも、俺のものになるんだからさ」  
「う…」  
どう返せばいいか分からない。そんな色をした切ない瞳がゆらゆらと見上げ  
ている。  
「優しくする。だから安心しな」  
気休めにそんな慰めを言い、大きく開かれた足の中心で密やかに花開いて  
いる薄紅の箇所 を舌先で軽く舐める。まだ誰も、姫乃自身でさえ触れたこと  
もないだろう箇所に感じた熱に、これまでになく激しく体が跳ね上がった。  
「…ひゃあっっ…!」  
「いいみたいだな」  
「やだっ…そんなことっ」  
逃れようとしているようだが、もうがっちりと腰を押さえつけているので無駄な  
ことだ。構うことなく震え始めている柔らかな花を少し上の淫核と共に嬲るよ  
うに舐め続けているうちに、奥からとろんと溢れてくるものがあった。  
「ちゃんと感じてるじゃん」  
とろとろと蜜を零しているそこに指を入れ、馴染ませるように内部の壁を丹念  
に探っていくうちに開かせていた足が耐え切れないようにふるりと震えた。  
 
「気持ちいい?」  
「…わかんない…」  
上から涙、下から蜜を零して真っ赤な顔をしながら耐えている姫乃をもっと乱  
したい。そんな衝動が体を突き上げて、明神はズボンを突き破りそうな勢いま  
で昂っていたものを開放した。  
「いいね、いくよ」  
姫乃は何も答えず、目を閉じて頷いた。  
そんな健気な姿にさえ欲情する。収まるものを求めて暴れ狂いそうなものの  
先端を、柔らかく蕩けているそこに擦りつけていく。  
「あああっ…明神さん…」  
突き入れた瞬間、不意に閉じられていた目がふっと開かれた。その奥に揺ら  
めく何とも妖しい色に瞬時にして囚われる。少女が女に変貌した時をまさに  
目撃したのだ。  
「ひめのん…キツいよ…気持ちいい」  
「ん、ん…苦しい」  
狭い内部を切り開いていく感覚が思いの外良くて、最初はゆっくり労わるよう  
に入れてやろうと思っていたことが消し飛んでしまう。やや焦りながらも奥ま  
で収めてしまうと、すぐには動かずに髪を撫でて何度も苦しげに呼吸している  
可憐な唇に口付けをして宥めた。  
「痛くないかい?」  
「…お腹の中が熱い、一杯なの…」  
本当に苦しいのだろう、まるで喘いでいるように胸を上下させながら姫乃は  
腕を回して抱きついてきた。  
「じゃあ、動くよ」  
「…ん」  
侵略したじかりの少女の内部は少し馴染んできたようだ。これなら問題ない  
かも知れないと踏んで、まずはゆっくりと内壁を擦るように先端を残して抜き  
出してから、また突き入れる。何度もそれを繰り返して反応を確かめてから  
徐々に動きを早めていった。  
 
元々何もしなくても達してしまいそうなほどに明神は昂っている。こんなに気  
持ちがいい姫乃の中をろくに堪能しないうちに射精してしまうのも勿体無い  
ような気がして、出来るだけその気になるのを抑えていたのだが、やはりもう  
我慢がきかなくなっていた。  
「あ、あ、嫌、いやああっ…」  
それまで必死で声を抑えていた姫乃も、もう正気の糸がぷつりと切れてしま  
ったようにと信じられないほど高い声を上げて喘ぐ。  
「ひめのん、ひめのん…なんか俺もヤバいよ」  
目の前がちかちかと発光する。  
ヤバい、もっと愉しみたいのにと焦る心とは裏腹に、強烈な射精感が襲って  
きた。  
「あ、もうヤバ…ひめのん、中で出すよ」  
「えっ?」  
言葉の意味も分からずに目を見開いた少女の中をひときわ激しく抉って、明  
神は呆気なく果てる。  
「いやあああぁぁ…!」  
その刺激で散々追い詰められていた姫乃も絶頂を迎えたようだ。予期さえし  
ていなかった気持ち良さだった為に、二人ともしばらくそのまま抱き合ってい  
るだけだった。  
 
数分後、ようやく思い出したように姫乃の中から抜いてしまうと、粘度の濃い  
ものがどろりと溢れ出した。  
「…明神さんのバカ」  
やはりまだ真っ赤な顔をして、姫乃は可愛いらしく睨んでいる。まともに相手  
をしていたら、また欲情してしまいそうだ。  
「赤ちゃん出来たら大変なのに…」  
 
情事の後なのに、やたら言うことが現実的なのは常にリスクを背負っている  
女の立場だからだろう。その点から言えば男は至って楽なものだ。だが、そ  
の万が一が起こって姫乃がもし産んでくれるのなら、それもいいかなと少し  
だけ考える。  
「んー、出来てもいいんじゃない?子育ては引き受けるからさ」  
「…そうじゃなくて」  
こうなってまで一体何が引っ掛かるのか、少女は悔しそうに目に涙を溜めな  
がらそっぽを向く。仕方なく肩を抱いてやった。  
「そのう、明神さんはわ、私のこと…」  
続きが言えずにつんと横を向く顔はやはり可愛いといか言えない。要するに  
こうなった要因に恋愛感情があるかどうか知りたいということだろう。はっきり  
言えば嫌いではない。でも恋愛感情と表現するにはまだまだ遠いような気が  
していた。だが、多分これからはベクトルが恋愛に傾きつつあるに違いないと  
は思っている。  
まだ初恋も知らないような無垢な少女に、こんな思い詰めたことを言わせた  
のだから。  
「うん、好きだよ」  
その言葉を言うか言わない間に、また姫乃の頬がぱあっと染まる。  
「…バカ」  
恥ずかしそうに俯いた顔は妙に嬉しそうだ。  
「嘘じゃないからさ」  
「うん…」  
さすがに顔が熱いのか、両手で頬を押さえながら花のように姫乃が笑う。  
最初のきっかけは偶然だったとはいえ、こうして色々なものが合わさってひと  
つの形になっていく。それは明神でさえ予測もしなかったことではあったが、  
嬉しいことには違いなかった。  
 
 
 
オワリ  
 

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