「……はぁ」
ため息とともにベッドにダイブする。
(キョウモシッパイシテシマイマシタ)
貴子はもはや通算で何度目となるかも解らない落ち込みモードに突入していた。
「私に魅力がないのかな。いっそのことあの時ラブホで無理矢理既成事実を……って、それじゃあ意味ないし。沢村にギュって抱きしめて貰いたいだけなんだけどな」
天井を見るとも無しに眺めていると正治の顔が浮かんできた。
そっと右手を豊かに育った胸に伸ばす。
貴子がはじめて自慰を覚えたのは小学校1年生の頃だった。
まだまだ全く真っ平らだった胸の先端。
今と比べてやや色素が薄く、薄桃色だった乳首を蚊にくわれ、かゆみに誘われていじっているとかゆみとは別のむず痒さを覚えたのだ。
その感覚が何なのか当時の貴子には解らなかったが、それ以来週に1度はそのむず痒さを楽しむようになっていた。
最初はさきっぽの周りを指先でくるくると回すだけで満足していた体も、ふくらみの成長とともに先をはじいたり揉みしだいたりと刺激を強くしていった。
「……くぅん……っはん」
さすがに高校生となった現在では僅かに剥けたクリトリスを転がす事で絶頂に達するようになったけれど、胸から儀式を始めるスタイルは不動だった。
たわわに実った貴子のバスト。
白いレースのブラをずらして右手の人差し指で先端の桃色をさらに染める為に転がす。
「……ふっ……ふっ……」
胸のボリュームからすればやや小さめの乳首がピンと立っている。
それを指の間につまんで手のひらでアンダーバストから顔の方に持ち上げる形で円を描くように回す。
だんだんと充足感が拡がりだし、胸全体から甘美な暖かさが体全体へと伝播していく。
下腹部の茂みの奥に隠された泉からも少しずつ潤いが生まれてきていることが感じられる。
「あん……やっぱり……胸……ん、いいなぁ……でも、これ……触ってくれるのが沢村だったらな」
暖まりだして少しだけもやのかかったような頭で考える。
この右手が好きな人だったら……。このカイラクはどれだけ素晴らしいモノになるのだろう。
「んんぅ……サワムラぁ……」
ちょっとした想像が普段にもました甘さを体に与え、もっと刺激をと欲する本能が胸をまさぐる動きを荒々しく変化させる。
抜けるような白い胸がゆがんで貴子の押し殺した声が部屋にこだましていた。