「あーっ、もう、疲れたぁ〜!」  
大荷物を床に投げ出して、貴子はベッドに勢いよく寝転がった。  
数日振りの彼女の部屋は、雪だらけだった合宿所の風景と違って  
色とりどりのパステルカラーに包まれている。  
ベッドの上でゆったり疲れを癒しながらも、貴子の顔は浮かないままだった。  
合宿から帰って来たばかりなのに、頭に浮かぶのはスキーの思い出ではなく、  
恋をしている沢村正治のことばかりだ。  
机の上に飾った正治の写真を見つめる度、ピンクの唇からそっと溜息が漏れる。  
「はあ…。なんか結局、今回も進展なしか…」  
枕元のウサギのぬいぐるみを抱きしめ、胸に押し付ける。  
(折角、二人きりになれたのにな…)  
はああともう一度深い溜息をついて、貴子はスキー合宿の夜を思い出した。  
 
折角のチャンスだったのに、「もっとロマンティックなシチュエーションで!」  
…なんて拘ってしまったのがいけなかったのだろうか。  
やっぱりそんなことにこだわらないで、最初からもっと積極的に行けばよかったのかもしれないと後悔する。  
大体ラブホテルなのに、あんなに至近距離まで接近したのに、  
貴子の目から見た正治はあまりにもいつも通りで、  
自分ひとりが空回りしているようだったのが腹立たしい。  
考えれば本当は何度も何度も接近しているのだ。  
頑張って研究して、少しでも近付きたくて、気持ちを伝えたくて悶々としているのに。  
そんな貴子の努力に、正治はちっとも気付いてくれない。  
(そうよ!あのバカがいつもいつも鈍いからいけないんだわっ!)  
バスンッ!  
思わず持っていたぬいぐるみを膝元に叩きつける。  
(沢村のバカ!バカバカ!超 鈍 感ッ!!!)  
何度も何度もウサギを枕にぶつけては、心の中で彼女は叫んだ。  
 
「はぁはぁ…沢村なんか…沢村なんか…っ」  
貴子は、肩を大きく上下させて悔し涙を拭った。  
なんだか情けなくなってきた。  
どうして、どうしてこんなにアイツが好きなんだろう。  
ぬいぐるみが両手からぽろりとこぼれて、ベッドの下に落ちた。  
荒い呼吸でベッドにうつ伏せになり、ふかふかの枕に顔を埋める。  
でも、視線をそうしてふさいでも、大好きな人の顔が消えない。  
いろいろな表情や、たくさんの声や、手の先の温度や、そんなものが貴子の中を支配している。  
(沢村…沢村…)  
あのとき、ホテルで邪魔が入らなかったらどうなっていただろうと考えると  
貴子の心臓はうるさいくらいに熱く、激しい音を立てた。  
(そうよ…私、雪山で沢村と、ラブホテルで2人きりだったんだ…)  
彼女の手は無意識にスカートの中に潜り、敏感な場所を撫で擦り始めていた。  
 
「んふ…あ、ぁ…」  
(これが、沢村の手だったら。あの時もしこうなっていたら。)  
彼女の頭の中で、正治の声が再現される。  
 
 
『綾瀬…綺麗だぜ…』  
 
「ふぅっ」  
下着の上から突起部分に指を押し付けると、柔らかいふとももが本能的に閉じる。  
 
『力抜けって。大丈夫だから』  
『やだ、ちょっと待って…』  
『ホラ、綾瀬』  
 
「あ、ダメ!」  
おずおずと脚を開きながら手を奥まで滑り込ませると下着越しにもくちゅりと音がした。  
身体が震えて、意識しないのに自然と腰の位置が上がっていく。  
彼女の細い指も、好きな男のものだと思い込むだけで別の生き物のように思えた。  
襞の部分を何度も往復させていくと、下着の染みはどんどんと広がっていく。  
「やぁ、ダメ、沢村ぁ…」  
指が立てる音が大きくなり、布越しのもどかしい刺激にに貴子は腰を振って悶えた。  
 
『綾瀬、すげえ濡れてるぜ』  
『いやあ、そんなこと言わないでよぉ…』  
『本当は、直に触って欲しいんだろ?』  
『そ、そんなこと…ああん!』  
 
「ふぁん、やっもう!!」  
堪らず下着の中にもう片方の手を差し入れて不器用に弄りながら、  
もう片方の手で下着をずり下ろし始める。  
シーツに押し付けられた豊かなふくらみもその度に身体とベッドの間にこね回されて形を変え続けた。  
 
そうこうするうちに下着は彼女自身によって脱がされ、空いたもう片方の手も  
蜜の溢れ出る秘所へと伸ばされていた。  
「んん、そこ…そこ、もっとぉ」  
人差し指が彼女の中にゆっくりと埋め込まれていく。  
じゅぷじゅぷと硬くて細いそれを抜き差ししながら、貴子はますます妄想に没頭した。  
(どうしよう、気持ちいい…沢村!)  
だけれど一本の指では足りない。  
もっと、熱くて大きいものが欲しい。  
沢村のものが欲しい。  
私に愛を囁いて、大事に大事に抱いて欲しい。  
どうしても、自分の想像じゃ足りない部分に来て欲しい。  
「あ、あ、あああ!」  
あのビデオの女の子がされていたようにして欲しい。  
自分もあんなふうに、濡れた身体を火照らせて、もっともっとと叫んでみたい。  
指を二本に増やし、空いた手で充血した肉芽を転がしながら貴子は正治を求め続けた。  
溢れ出た透明な汁が脚を伝い、ベッドの上に大きな染みを広げる。  
「沢村、沢村、来てえ…!」  
沢村は自分の中に入ってくる。  
そうして自分の奥の奥まで入って、大事な部分を触って、撫でて、  
「や、やだぁ…あ、あ、もう、私…!いいのいいのいいのぉ!!」  
切羽詰った声を上げて感じる場所を一心に刺激し、腰をひくひくと震わせる。  
身体全体が絶頂への期待を膨らませて、僅かな動きのひとつひとつに歓喜で応えてやまない。  
やがて、蜜でぬるぬるの指が熱い肉芽を押しつぶした瞬間―貴子の頭は真っ白に爆発した。  
 
「んぅーーーー…っ!!!」  
 
背中がしなり、激しく痙攣した彼女の秘所からは、とろとろと熱い蜜が溢れ出していた。  
 
   
「はぁ…はぁ…はぁ…」  
ベッドに倒れ伏し、呼吸を持て余しながら、貴子はしばらく余韻に浸っていた。  
しばらくすると少し息が落ち着いてきて、頭もはっきりしてきた。  
少しだけ身体を起こして、周りを見る。  
当然ながら一人だった。  
部屋は自分の部屋だった。  
机の上の沢村正治は、相も変わらずどこか別のところを見ていた。  
「………」  
貴子は急激な自己嫌悪に襲われ、脱力してまたベッドにうつ伏せた。  
(む、むなしい…むなしすぎるわ貴子…)  
非常にやるせない気持ちで、貴子はまた明日からの沢村正治接近計画を立て直そう、と  
心に誓いなおすのだった。  
 

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