ある秋の日、三上智也は高校以来の親友と会う為に朝凪荘を訪れていた。  
「・・・・」  
降りしきる雨の中を走って来た為か、着ている服は雨でぐっしょりと  
濡れている。  
智也は朝凪荘の玄関へ入ると、そのまま早足に1階の稲穂信の部屋まで進んだ。  
部屋のドアの前まで来ると智也は一度大きく息を吸い、ドアの向こうへ  
呼びかけた。  
「信・・・いるか?」  
しばらく黙って返事を待つ。  
どれだけ待っても返事は無い。それどころかドアの向こうからは人の気配  
すら感じられなかった。  
「・・・・」  
長い沈黙が訪れる。  
急に天候を崩した空は、今の智也の心を映し出しているかのように曇っている。  
やがて智也は全身の体から力が抜けたように背後の壁へもたれかかった。  
絶望感と疲労が全身を覆いつくすように広がってゆく。  
「は・・・ははは・・・」  
智也の口から、自分自身へ向けられた嘲笑がこぼれる。  
しかしそんな自虐に満ちた笑い声も激しい雨音に打ち消された。  
「信・・・唯笑・・・2人共何処に行ったんだよ」  
智也はその場に座り込むと、返事の無いドアをぼんやりと眺めていた。  
 
しばらくすると、2階へ続く階段から足音が聞こえてきた。  
「・・・・?」  
ゆっくりと視線を音のするほうへ向けると、階段の上から一人の女性が  
姿を見せた。  
独特な髪形に白いワンピース、そして片手には鮮やかな黄色をしたレモンが  
握られていた。  
「あなたは・・・三上君でしたね。そのような所で何をしているのですか?」  
女性の出で立ちに智也は心当たりがあった。  
「確か・・・つばめ先生・・・ですよね?」  
先月行われた浜咲高校の学園祭で、奇妙な兔の着ぐるみを着ていた人だ。  
つばめは智也が座り込んでいる場所まで歩み寄ってきた。  
意外な再会に智也は慌てて立ち上がる。  
つばめは信の部屋のドアへ視線を向けると、再び智也を見て言った。  
「彼に何か用事ですか?」  
「えっと・・・はい」  
「彼なら2日ほど前に知人と旅行に行くと言っていましたが」  
その言葉を聞いた瞬間、智也の表情に明らかな動揺が現れた。  
「いつ・・・戻りますか・・・」  
「さあ、それは聞いていません」  
つばめがそう言うと、智也はうなだれて再び無言になった。  
やがてつばめは何かを悟ったように智也の背中を押した。  
「来なさい、話を聞きましょう」  
 
つばめの部屋に上がった智也はうなだれたまま胡坐をかいて座った。  
「それで、何があったのですか?」  
つばめは窓の傍に座ると再び尋ねた。  
「・・・・」  
智也はしばらく沈黙を続けていたが、やがてぽつぽつと語りだした。  
 
智也と唯笑は1年前の秋に起きた一軒がきっかけで、互いに遠慮  
しながらも交際を続けていた。  
しかし、数週間前に同じクラスの友人からある話を聞いた。  
話によると、隣のクラスの女子生徒が商店街で買い物をしている時  
信と唯笑が仲良さげに腕を組んで歩いているのを見かけたらしい。  
その日から、唯笑の行動が急に変わり始めた。  
普段ならホームルームが終われば真っ先に智也の元へやってくる唯笑が  
足早に教室を出て行ってしまい、昼食の時も教室に姿を見せなくなった。  
そんなある日、午前の授業をサボって屋上の貯水タンクの裏で昼寝を  
していると、終業のチャイムと同時に屋上へ弁当箱を抱えた唯笑が現れた。  
「(唯笑の奴こんな所で食ってたのか?)」  
唯笑は奥のベンチに座ると、携帯電話を取り出して電話を掛け始めた。  
「(電話?誰にかけてるんだ?)」  
智也は起き上がると、気づかれない位置まで近づき耳を傾けた。  
「あっ信君、唯笑だよ。・・・うん、今昼休み」  
「(信?・・・何で信に電話してるんだ?)」  
唯笑は信と電話越しで楽しそうに世間話を続けている。  
その時、智也の脳裏に先日聞いた噂が蘇った。  
「(まさか・・・そんな訳無いよな)」  
そう、唯笑はいつも相談事をするときはいつも信に持ちかける。  
今回だってきっとそうに違いない。  
やがて唯笑は「またね」と信に告げると、こう付け加えた。  
 
「あっ!そうだ信君、今度の日曜もまた2人でお買い物行こうよ」  
 
智也の心臓が高く跳ねた。  
「(・・・!!)」  
しかしどれだけ心の中で否定しても、突きつけられた現実は変わらない。  
智也は唯笑が屋上を去った後も、空が茜色に染まるまで屋上で呆然としていた。  
そして今日、智也は真相を聞く決心をして唯笑の家を訪ねた。  
しかし、智也を出迎えたのは唯笑ではなく唯笑の母親だった。  
「友達の家に泊まりに行くって言ってたけど、何も聞いていないの?」  
空からぽつぽつと雨が降り出した。  
「(信の所か・・・!)」  
しかし朝凪荘を訪れた智也を待っていたのは、誰もいない親友の部屋だった。  
 
話し終えた智也は、再び肩を落として俯く。  
つばめは視線を窓から智也の方へ戻すと尋ねた。  
「それで、貴方は彼に会ってどうしたいのですか?」  
「・・・・」  
「仮にもし今日稲穂君の部屋に今坂さんが居たら、彼らに何と声をかける  
つもりだったのですか」  
「それは・・・」  
つばめは立ち上がると、智也の隣へ座り直した。  
「確かに彼は今坂さんに少なからずとも好意を抱いていました、ですが最終的に  
彼を選んだのは今坂さん自身です」  
智也の顔が消え入るように暗くなる。  
「そもそも貴方は、今坂さんのことが本当に好きだったのですか?」  
「・・・・・」  
矢次に投げかけられる問いかけに、智也は押し黙った。  
彩花の存在が未だに智也の中に暗い影を落としている事を唯笑は知っている。  
だからこそ唯笑は常に明るく智也に接していた。  
だが智也には、そんな唯笑とどう向き合えばいいか分からなかった。  
彩花の事を忘れるのか、それとも彩花の存在を自分の中で維持し続けるのか。  
智也の中で永遠に繰り返される自問自答。  
だが、先に答えを出したのは唯笑の方だった。  
過去という鎖で縛り続ける自分。  
唯笑への想いを捨てて自分の過去と向き合った信。  
恋人同士なのに正面から向き合えない自分。  
届かない想いを抱きながらも真剣に唯笑の相談に応じ続ける信。  
考えてみれば当たり前のことだった。  
過去を引きずり続ける自分よりも、自分の力で新しい道を掴んだ信を  
選ぶのは当然だろう。  
「どうしました?震えていますよ」  
つばめの言葉で、ぼんやりしていた意識が引き戻された。  
「急な事だったので頭の整理がつかないだけですよ、少し落ち着いてから  
 考えなさい。心が荒んでいれば相応の答えしか出ません」  
つばめは向かいにある浴室へのドアを指差した。  
「シャワーを貸しますので浴びなさい、濡れたままでは風邪を引きます」  
そこで初めて、智也は自分が大雨にあって全身濡れている事を思い出した。  
「すいません、お借りします」  
智也はふらふらと立ち上がると、つばめが促した浴室のドアを開けた。  
その時、背後のつばめが静かに言った。  
「死者に恋をしても、幸せにはなれませんよ」  
 
暖かいシャワーを頭に被りながら智也はつばめの言葉を思い出した。  
「(彩花の事・・・だったのか?)」  
信が話したのか?それとも何かの比喩なのだろうか?  
風変わりな言動をする事があるとはいえ、あまりにもストレートな表現だった。  
だが今の智也の頭は、信と唯笑への疑念で埋め尽くされていた。  
「(俺なんかよりも信と付き合っている方が唯笑も幸せだろうな・・・)」  
そんな自虐的な事を考えていると、ふいに脱衣所のほうから音がした。  
「(何だ?)」  
振り向くと、擦りガラス越しにつばめの姿が見えた。  
「(タオルを持ってきてくれたのか?)」  
だがシルエットの動きを見た感じだとそうではないようだ。  
やがてつばめは着ているワンピースの両肩口を少し弄る動作をすると。  
「なっ!!」  
つばめの体からワンピースがするりと脱げ落ちた。  
だがつばめは智也が驚いている間に、身につけている下着まであっさりと  
脱ぎ捨てた。  
「えっと・・・つばめ先生・・・一体何を?」  
つばめは智也の問いかけに答えることなく浴室へのドアを開けて入ってきた。  
「つっ、つばめ先生!!」  
智也は慌ててつばめに背中を向けた。  
だが、つばめは躊躇せず智也の方へ歩みを進める。  
「どうしたのですか、そんなに慌てて?」  
「いや!だって先生そんな格好で・・・」  
恐る恐る振り返ると、そこには大きなバスタオルを体に巻いたつばめの姿があった。  
「お邪魔でしたか?」  
つばめは悪戯っぽく笑いながら言った。  
「いえ・・・そうじゃなくって・・・」  
「なら問題ありません」  
そう言うとつばめは浴槽に張られたお湯を桶ですくい体に流した。  
お湯で濡らされたバスタオルが透明度を増し、バスタオル越しに  
つばめの華奢なボディラインがくっきりと浮かび出る。  
服を着ている時は歳の割にやや小さめに見える乳房は意外なほど豊かに実っており  
ほどよくくびれたウエストが女性らしさを艶やかに誇示している。  
 
そんなつばめの姿を横目で見ながら智也はもう一度尋ねた。  
「えっと・・・先生、どうして・・・」  
それ以上言葉が続かない。  
智也の忙しく動き回る視線に気づいたつばめは覗き込むような口調で言った。  
「おや、私の体に興味がありますか?」  
「いや、そうでもなくて・・・というか俺も健全な若者ですし・・・」  
「違うのですか・・・」  
背後に居るつばめが何故か残念そうに言う。  
「いや、別に先生に魅力が無いとかそういうのじゃなくて!!」  
「・・・冗談ですよ」  
つばめは再び悪戯っぽく笑った。  
緊張で硬くなっている智也の肩に、そっとつばめの手が乗せられる。  
「三上君・・・」  
「・・・はい」  
つばめが囁くように続ける。  
「今この浴室には、私と貴方しか居ません」  
「・・・・」  
「そして朝凪荘にも、今日は私と貴方だけです」  
「そ・・・そうなんですか」  
つばめは智也の肩に手を載せたまま、回り込むように正面へ回った。  
「!!!!」  
正面へ回ってきたつばめは、肌にぺったりと吸い付いていたバスタオルを  
剥がし捨てた。  
脱ぎ捨てられたバスタオルがタイルの上にべちゃりと落ちる。  
目の前で一糸まとわぬ姿になったつばめに、智也の心臓が大きく跳ねた。  
「・・・・」  
もう智也の口から言葉は出なかった。  
「黙っていないで、何か喋ってください」  
つばめは覗き込むように智也と目を合わせる。  
その瞬間、智也の理性が大きく揺らいだ。  
「つ、つばめ先生・・・俺には・・・その・・・」  
智也の脳裏に唯笑の顔が浮かぶ。  
そんな思考をせき止めるように、つばめの両手が智也の首に絡み付く。  
「貴方は、私の部屋へ入ったのですよ・・・・」  
 
つばめはぐっと智也に体を密着させた。  
つばめの両乳房が智也の胸板に押しつぶされ形を変える。  
「っっ!!!」  
つばめの胸のふくらみが智也の体へ伝わってくる。  
「・・・・・・つばめ先生」  
「何ですか?」  
互いの顔が、吐息が交わるほど近づいた。  
「その・・・胸、当たってます」  
「ふふっ、それが何か?」  
つばめはそう言うと、智也の口に自分の唇を重ねた。  
「っっ!!!」  
智也の体がビクッと反応する。  
「んっ・・・んっ・・・・クチュ・・・」  
智也の口内へ、つばめの舌先が侵入し始めた。  
「んんっ・・・んっ・・・」  
つばめは智也の口内を這わせるように舌を動かす。  
つばめは舌先で智也の唾液を自分の口内へ入れ込むと、自分の唾液と  
混ぜ合わせてから智也の口内へ押し戻す動作を繰り返す。  
「んんっ・・・・・・ふう・・・」  
つばめが重ねていた口を離すと、智也の口との間にツーッと唾液の糸が繋がった。  
周囲に甘い柑橘類の香りが立ちこめる。  
「はぁ・・・・・はぁ・・・」  
つばめが大きく呼吸する度に引き締まった腹部がゆっくりと上下する。  
「つばめ先生・・・・」  
いつのまにか智也の両手はつばめの腰を支えていた。  
「三上君・・・」  
「・・・・」  
智也はまるで催眠術にでも掛けられたように固まっている。  
つばめは智也の耳元まで顔を近づけると、そっと囁いた。  
「どうですか、今夜だけ・・・私と浮気してみませんか?」  
 
次の瞬間、智也の理性が音を立てて崩れた。  
「んむっ・・・んんっ!・・・・はむっ!・・・」  
智也はつばめの体を引き寄せると、荒々しく唇を奪った。  
「んんっ・・ちゅっ!・・・・・はぁっ!・・・はぁっ!・・・」  
開放されたつばめの口からさっきよりも荒くなった息が漏れる。  
智也の手がつばめの背中を摩り回して刺激する。  
「はぁ・・・はぁ・・。もっと・・好きにしてもいいのですよ・・・」  
智也はつばめに背中を向かせると、背後からつばめの両乳房を掬い  
上げるように揉んだ。  
「はぁっ・・・はぁっ・・・・はぁっ・・・んくっ・・・!」  
つばめの口から小さな喘ぎ声がこぼれた。  
柔らかい乳房がクニクニと揉みしだかれながら形を変える。  
「んんっ・・・・もっと・・・強くしていいですよ」  
智也はつばめの反応を伺いながら乳房をこねる。  
「はぁっ・・んんっ・・・上手ですね・・・・はんっ・・!」  
一旦手の動きを止めると、乳房の先端にツンと反り立った乳首に指先を  
擦りつけた。  
その瞬間、つばめの体がビクッと痙攣した。  
「はああっっ!!」  
「つばめ先生、今の良かったですか・・・?」  
「はい・・・、そのまま続けてください」  
つばめの両手が背後の智也の頭を掴んだ。  
乳首を指先で擦られるたび、つばめの肢体が大きく仰け反る。  
「はぁんっ!!そんなに・・・擦られ・・たら・・」  
つばめの色白とした肌が、じんわりとピンク色に火照り始める。  
智也は片手で乳首を刺激しながら、もう片方の手をつばめの秘所へと  
滑らせる。  
 
「はぁっ・・・はぁっ・・三上君」  
つばめは甘えるような声で智也の名を呼ぶと、少しだけ股を広げた。  
智也の指先がつばめの割れ目をそっとなぞる。  
「はあぁっ!!」  
つばめの体が再びビクンと跳ねる。  
すると、つばめの秘所からツーッと一滴の愛液が糸を引いて垂れた。  
「指、入れますね・・・」  
「いいで・・すよ・・・はぁっ・・・はぁっ」  
クチュッと湿り気を帯びた音と共に智也の中指がつばめの秘所へ潜り込んだ。  
「はああっっ!!・・・・・・さあ・・・動かしてください」  
智也は指を秘所へ潜り込ませると、膣内を掻き回すようにして動かした。  
つばめの口元が何かに堪えるように引き締まる。  
「んんんっっ!!・・くっ!」  
つばめは力が抜けるように上体を前へ倒すとシャワーのコックを掴んだ。  
「はぁっ!!・・・あああっっ!!・・・ふああっっ!!」  
つばめの腰がガクガクと痙攣を始めた。  
「つばめ先生、イキそうですか?」  
しかし顔を真っ赤にして喘ぎ続けるつばめにはもう質問に答える余裕は  
無いようだ。  
「みっ・・三上君・・・はぁっ!!・・このまま・・んくっ!!続けてっ!!」  
智也はつばめの膣壁を擦る動きをいっそう強くした。  
「はああぁぁっっ!!・・・ダメッ!!そんなに擦られたら・・・もうっ!!」  
次の瞬間、つばめの背中がグッと大きく反り返った。  
「はあああああぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!!」  
つばめの秘所から音を立てて潮が吹き出た。  
「あああっっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」  
やがてつばめは力尽きるようにその場にぺたりと座り込んだ。  
 
絶頂後の余韻に浸りながら、大きく肩で息をする。  
「つばめ先生・・・大丈夫ですか?」  
智也の言葉につばめはゆっくりと顔を上げた。  
「ふふっ、・・・三上君って意外と馴れているのですね?」  
「い、いや!そんな事は無いです!」  
つばめは慌てて否定する智也の顔を下から見上げながら言った。  
「次は、私の番ですよ」  
そう言うとつばめは絶頂後の余韻が抜けるのも待たずに、智也の太く勃起した  
肉樹を細い指で握った。  
「くっ!!つばめ先生・・・」  
「じっとしていてください。全部、私に任せて・・・」  
つばめは静かに智也を制すると、ゆっくりと智也の肉樹をしごき始めた。  
「――ッ!!」  
智也の体がビクッと反応する。  
そんな様子を見たつばめは、智也を上目使いに見上げて言った。  
「遠慮せずに声を出してもいいのですよ?」  
つばめの指の動きがだんだんと速度を増してゆき、それに連れて智也の  
肉樹もさらに硬くなって行く。  
「つばめ先生っ!!」  
智也のうわずった声につばめは一旦手を止めた。  
「どうしました?」  
智也は自分の肉樹を握ったままのつばめの頭を一撫ですると、遠慮がちな  
声で言った。  
「その・・・口でしてください」  
「ふふっ、いいですよ。・・・・・・・はむっ・・・んんっ・・・」  
つばめはそう答えると、小さな口を開いてそそり立った肉樹を咥え込んだ。  
 
「くっっ!!!」  
突然押し寄せた未知の快感に智也は奥歯を強く噛んだ。  
「んちゅっ・・・はむっ・・・くちゅっ・・・」  
つばめは目を閉じて黙々と智也の肉樹に奉仕を続ける。  
突如、肉樹を握った指に力をこめたかと思うと、つばめは智也の  
肉樹を「じゅるっ」と強く吸い上げた。  
「っっつ!!!!」  
「じゅるっ!!はぁっ・・・はぁっ・・たくさん・・溢れていますよ」  
鈴口の割れ目から滲み出る先走り汁を、音を立てながら飲み干す。  
肉樹から口を離すと、口と肉樹の間にキスの時と同じようにツーッと  
白濁した橋がかかった。  
「そろそろ・・・よろしいですか?」  
つばめはタイルの上に仰向けに寝ると、大きく股を開いた。  
智也はつばめの両手首を掴んで上へ引き上げると覆いかぶさるように  
重なった。  
「つばめ先生・・・挿れますよ」  
「三上君・・・」  
つばめは智也の耳元でそっと呟いた。  
「つばめ・・・と、呼んでください」  
次の瞬間、智也の肉樹がつばめの膣へ一気に侵入した。  
「はああああぁぁぁぁっっっっ!!!!」  
つばめの全身がビクンと振動する。  
「つばめっ!!」  
叫ぶように名前を言うと、智也は荒々しく腰を動かし始めた。  
挿入された肉樹がつばめの膣内にリズミカルに擦りつけられる。  
「みっ、三上君!!・・・すごくっ・・いいですよ!!」  
息絶え絶えのつばめが搾り出すように告げる。  
湯気が立ちこめる浴室に2人の喘ぎ声と水っぽい淫音が響く。  
「つばめっ!!・・・つばめっ!!」  
夢中で腰を振り続ける智也は、快感に悶えるつばめの様子を伺った。  
「はぁっ!!・・・はぁっ!!・・・はぁっ!!」  
体を複雑にくねらせながら送り込まれる快感に必死に耐える。  
つばめの両足が智也の腰を固定するように絡みついてきた。  
「んんんっっ!!!・・・はああぁぁっっっ!!!」  
つばめの視線がぼんやりと天井をさまよい始める。  
どうやら再び絶頂に近づき始めたようだ。  
「はああぁぁっっ!!・・・だっ、だめっっ!!これ以上はっ・・・!!」  
つばめは智也に抱きかかえられるようにしがみついた。  
「お願いっ!!・・このまま・・・出してくださいっ!!」  
智也の腕の中でつばめが哀願する。  
「くっ!!・・・俺も・・・そろそろっ!!」  
結合部から聞こえるグチュグチュという水音が一気に加速する。  
「はああぁぁっっ!!・・・はあああぁぁぁっっっ!!!」  
次の瞬間、体を限界まで反らせたつばめが叫んだ。  
「いやああああああぁぁぁぁぁっっっっ――――――ッッッッ!!!!」  
同時につばめの膣内に向けて智也の肉樹から沸騰する程熱い白濁液が  
流し込まれてきた。  
 
「あああっ・・・・はあああっ・・・・はぁ・・・はぁ・・・」  
再びタイルの上へ寝転んだつばめの秘部にはまだ智也の肉樹が一番深い  
所まで刺さっている。  
「す、すご・・い・・・・まだ・・・出てる・・・」  
突き刺さっている智也の肉樹からは尚も熱い白濁駅がトクトクと注がれ  
続けている。  
やがて智也がつばめの秘所から肉樹を引き抜くと膣内に収まりきれな  
かった精液がとろりとこぼれ落ちた。  
膣壁が複雑にうねりながら精液を子宮内へと流し込もうとする。  
「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・」  
2人の息の音が重なり合う。  
「三上君・・・素敵でしたよ・・・」  
つばめは智也の顔を引き寄せるとそっと唇を重ねた。  
 
部屋の中央に適当に敷かれた布団の上で、つばめは騎上位の姿勢で  
智也に跨っていた。  
「はああぁぁっっ!!!・・・もっと・・・突き上げ・・て・・!!」  
智也の胸の上に両手を重ねるように置いたつばめが、しなやかに腰を  
揺り動かす。  
「はあぁっ・・・!!はあぁっ・・・!!・・・・んくっっ!!」  
つばめの膣に収まった智也の肉樹が急激に膨張を始める。  
「はぁっ!・・はぁっ!・・・もう・・・イキそうですかっ・・・?」  
「くっ!!・・・出るっ・・・!!」  
智也の言葉を聞いてつばめは腰の動きをさらに激しくさせる。  
「いいですよ・・・一緒に・・・んくっ!!・・・はあぁっ・・・・!!」  
智也が一際強くつばめの膣を突き上げた瞬間。  
「はあああああぁぁぁぁっっっ――――――――――ッッッ!!!!」  
智也の肉樹がつばめの子宮口に4度目の射精を行った。  
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」  
つばめは仰向けで息を上げる智也に寄り添うようにぐったりと倒れ込んだ。  
膣から精液がとろとろと流れ出る。  
「三上君・・・また・・・たくさん出ましたね」  
つばめは智也の胸の上に頭を乗せると、そっと目を閉じた。  
「どうですか・・・・少しは落ち着きましたか?」  
「いえ・・・むしろ逆です」  
智也は笑いながらつばめの頭を撫でた。  
「ふふっ、そうですね。少し休憩しましょうか」  
「え、まだするんですか・・・?」  
「何を言っているのですか?まだ夜が明けるまで時間がありますよ」  
つばめはからかうように智也の首筋を舐めた。  
「ははは・・・・よろしくお願いします」  
つばめは「ふふっ」と優しく笑うと、突然言い聞かせるように言った。  
「いいですか、三上君」  
「えっ?」  
突然つばめの声のトーンが変化し、言いかけた言葉が止まった。  
「どんなに目を逸らしたい過去でも、自分の都合のいいように解釈するのは  
事実の捏造でしかありません・・・」  
「・・・・」  
つばめは智也の頭を自分の胸元に引き寄せると、小さな声で続けた。  
「運命を変えたいのなら、未来を変えなさい。稲穂君がそうしたように・・・・」  
絶頂後の余韻と疲労感で朦朧とする意識の中、智也は黙ってその言葉を聞いていた。  
雨はいつのまにか上がり、窓から射し込む満月の月明かりが二人を静かに照らしていた。  
 
数ヵ月後、つばめは珍しくスーツ姿で浜咲高校の校門から出て来た。  
3月1日、今日は澄空高校と浜咲学園の卒業式の日だった。  
あの夜の一軒以来、つばめは智也とは一度も会っていない。  
彼女との関係はあれからどうなったのだろうか?  
結局智也はその答えを知らせることなく姿を見せなくなった。  
「・・・・」  
校庭に植えられた桜の木を眺めていると、背後から声がかかった。  
「つばめ先生」  
「?」  
ふいに名前を呼ばれて振り返る。  
「お久しぶりです」  
そこに居たのは、これまでずっと姿を見せなかった三上智也だった。  
澄空高校の制服に身を包んだ智也の右手には、卒業証書の入った筒が  
握られていた。  
「卒業おめでとうございます、三上君」  
つばめは優しく笑い祝辞を述べた。  
「ははは、何とか卒業できました」  
智也も笑いながら答える。  
「それで・・・、あれからどうなったのですか?」  
つばめは時々信に経過を尋ねたが、言葉を濁すばかりで何も言おうとはしなかった。  
それから間もなく、信は澄空に近い別の部屋へ引っ越した。  
「ははは・・・」  
智也は青く澄み渡る空を仰ぎながら言った。  
「バッドエンドですね」  
しかし、そう言ながら頭を掻く智也の顔には前のような暗い影は一切見られなかった。  
「そうですか・・・」  
つばめはポケットからレモンを取り出すと、すうっとレモンの匂いを吸った。  
「これからどうするのですか?」  
「まあ・・・新しい道ってのを見つけたんで」  
智也はゆっくりとつばめの元へ歩み寄る。  
「それを今日、試しに来たんです」  
そう言って智也は腰に手を回してつばめを抱き寄せると、あっというまに  
つばめの唇を奪った。  
一瞬の出来事に、つばめは何も反応できなかった。  
やがて智也はゆっくりと口を離すと、つばめを抱きしめたまま告げた。  
「つばめ先生、俺と・・・ずっと一緒にいてください」  
「・・・・」  
無言だったつばめが顔を上げた。  
「いいのですか?私は彼女ほど貴方の事を理解出来ないかもしれませんよ・・・?」  
「それは・・・」  
智也ははっきりとした口調で言った。  
「これから始めることです」  
その言葉を聞くと、今度はつばめの方から唇を重ねた。  
 
〜オワタ〜  
 

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