11月に父が再び海外へ旅立ったことを機に、私・双海詩音はこれまで住んで
いた家から、学校を挟んで反対側の町のマンションへ引っ越した。
それに伴いこれまで利用していた電車から、近所を走る別の電車へ変える
ことになった。
最近利用し始めたこの電車はこの町でも一番古いローカル線で、平日祝日問わず
利用者はあまりいないらしい。
設備もかなり古く、所々汚れや錆が目立つ車内は雰囲気だけで薄暗さを感じる。
私が降りる駅は、澄空駅から6駅目のところにある。そこから降りて5分ほど歩
けば自宅のマンションに着くので、通学にはかなり便利なほうだと思っている。
ただ、一つだけ“あること”を除けば・・・。
それは、12月の中頃のことだった。
放課後、私は図書委員の仕事を終えるといつものように電車に乗り込んだ。
車内はやはり薄暗く、乗客も数えるほどしかいない。
私は窓に向かうようにして立つと、読みかけの本を取り出して読み始めた。
やがて列車は軋んだ音を上げて動き出す。
一駅・・二駅と過ぎていく。
視線は依然本へと向けているので、他の乗客がどの駅で降りているのかは解らない。
薄暗い車内が、日没と共にいっそう暗くなっていく。
そして“問題の場所”が訪れた。
夕日と切れかけの蛍光灯で何とか照らされていた車内が、急に暗闇に包まれた。
(・・・どうにかならないのでしょうか)
列車がトンネルに入ったのだ。
5駅目と6駅目の間に、長いトンネルがある。どれぐらいの規模かというと、通過する
まで数分もかかるくらい長い。
一度トンネルに入ると、出口を抜けるまでは本の文字どころか周囲の状況すら分からない
ほど暗くなる。
私にとっては、強制的に読書を中断される拷問のような時間だ。
(早く抜けないかしら・・・)
いつものように呆然と暗闇の中に視線を泳がせていると・・・。
「ッッ!!!」
突然何者かの手が、自分の太股を撫でた。
(痴漢・・!!)
どうもこの国に来て、痴漢と縁が多くなった気がする。
「やめてください!!」
そう言って思い切り手を掴みあげようとした・・・のだが。
「えっ!」
手はまるで暗闇の中でもはっきり視界が生きているかのように、私の手をするりと
かわした。
(何処に・・!)
慌てて闇雲に手を振り回したが、手は宙を切るばかりだ。
すると、まるで私を嘲笑うかのように再び手が私の尻を撫で上げた。
「っ!!・・・や・・やめて!!」
しかし、何度反撃を試みても全く手を掴めない。
「いい加減にしてください!!」
怒鳴りつけても、静まり返った車内からは当然返事は無い。
(何処に・・・いるの・・・)
急に恐ろしくなり、私は両手で金属製の手すりを掴むと硬く身構えた。
周囲は相変わらず暗闇に包まれており、何も見えない。
もしかすると、男はさっきの自分の怒鳴り声で逃げたのではないだろうか?
そんな都合のいいことを考えていると、突然背後から伸びてきた二本の手が
私の両方の乳房を掴んだ。
「なっ!・・や・・やめてぇぇぇっっっ!!!」
突然の奇襲に、今度こそ私は心の底から叫んだ。
慌てて手を引き剥がそうとしたが、力では全く敵わない。
「お願い・・やめてください・・・!!」
泣きながら懇願するが、聞き届けられるはずは無い。
前かがみの姿勢で身を硬くした私は、なおも両乳房を揉まれ続ける。
(気持ち・・悪い・・・・)
これだけ大声を上げても誰も助けに来てくれないということは、この車両には
今私とこの男しかいないのだろうか・・・。
そんな恐ろしい想像をさえぎるように、突如男の手が制服の裾から進入し始めた。
「いやぁ!!触らないで!!」
全力で抵抗を試みたが、手は楽々と進入を果たしてしまった。
「くっ!・・や・・めて・・!」
男の手は、優しく、焦らすように下着越しに両乳房をこね回す。
時折胸を揉む力を強くしたり弱くしたりして、私の反応を伺っている。
そんな中、ふと疑問が浮かんだ。
(何か・・・違う・・・)
これまでも何度か痴漢に遭遇してきたが、今受けている痴漢は決して強引なものでは
なく、優しくゆっくりとしたもので、まるで私を気持ち良くさせることが目的のよう
な気さえする。
「はぁ・・・はぁ・・・」
しばらく胸を弄ばれていると、ふと自分の息が荒くなっていることに気づいた。
(そんな・・!わ・・私は何を興奮して・・・!)
慌てて心の中で否定するも、私の呼吸は容赦無く乱れていく。
「はぁっ!・・や・・やめて・・・・・んんっ!!!」
突如男の指先が、腹部をなぞりながらスルスルと下降し始めた。
手はそのまま臍をなぞりながら通り過ぎると、私の秘部の真上で止まった。
「そ、それだけは・・やめ・・いやぁぁっっ!!」
男の手は私の下着を横に少しずらすと、あっさりと私の秘所へ指先を挿入した。
「いやあっ!!・・ダメぇぇぇっっ!!」
突然訪れた暴力的な刺激に、自然に体が仰け反った。
その隙に、胸を弄っていたもう片方の手が素早くブラの下から潜り込んだ。
「はぁっ・・はぁっ・・・んんっ!!・・・くぅっ!・・・」
胸を直に触られる快感と秘部を弄られる快感が全身を痺れさせる。
(はぁ・・・はぁ・・気・・・ち・・・いい)
男の指が私の上と下の敏感な部分を刺激する。
抵抗することも出来ず、心の中で次々と熱い欲望が膨らんでいく。
「はあっ・・・はぁっ・・・んくっ・・」
男の秘所を弄る手の動きが早くなるに連れ、膣内から次々と愛液が滴り落ち、
男の指が膣内を掻き回す度にクチュクチュといやらしい音を立てる。
「つっ!!・・・・・はぁっ!!」
私は秘部から伝わってくる快感で体を支えきれなくなり、その場に膝を着いて
座り込んだ。しかし男の愛撫はなおも続く。
膣口から垂れ出た愛液が、糸を引いて床に滴り落ちる。
(はぁ・・はぁ・・気持ち・・いい)
すでに私の中には理性は残っておらず、意識はひたすら男からもたらされる快感に
すがりついていた。
(もう・・・どうなっても・・・いい・・・)
私はゆっくりと顔を上げると、出来るだけ甘い声で言った。
「もっと・・・私を・・・・・・気持ち良くしてください・・・」
ついに私は、男の愛撫に屈した。
男は、ひざまずいたままの私の口に自分の肉樹を押し付けてきた。
(これを・・・咥えるの・・・?)
私は促されるままにソレを口の中へ入れた。
口の中に、生臭さと脳髄を痺れさせるような甘い味が広がる。
「んぷっ・・んん・・・んちゅっ・・」
私は口に咥えた肉樹にしゃぶりついた。
「んちゅっ・・ん・・ぷはぁっ!・・はぁ・・はぁ・・」
途中で苦しくなった私は一旦肉樹を口から出すと大きく息を吸った。
「はぁっ、はぁっ、・・・はむっ・・・んんっ・・ちゅっ・・」
再び咥え直すと、今度は肉樹を吸い上げながら口を前後に動かす。
「んんっ、・・んんっ、・・・んんっ、・・・」
私は男の逞しい肉樹に奴隷のように奉仕を続ける。
「んちゅっ、・・・・じゅるるっ・・ずぞぞっ・・」
先端の鈴口からあふれ出した汁を、音を出してすすり飲み、鈴口を舌先で
転がすようにして舐めた。
「んくっ・・・んくっ・・・、はぁ・・はぁ・・」
私は流れ出てきた汁を飲み干すと、硬く勃起した肉樹の裏筋に舌を這わせた。
「んんっ・・・れろっ・・・はぁ・・はぁ・・」
そのまま先端まで舐め上げると、私は男の肉樹を口から離した。
「はぁ・・はぁ・・」
私はその場に座り込むと、大きく息を吸い呼吸を整えた。
私は上目使いに男を見上げると、肉樹を握ったまま甘えた声で言った。
「次は・・・何をしますか?」
暗闇にうっすらと見える男のシルエットがゆっくりと私の体を抱き寄せた。
男は私の着ている衣服をゆっくりと脱がせて全裸にすると、依然暗闇に包まれたままの
車内の床に寝かせた。
「挿れるの・・ですね・・・。さあ、来てください・・」
私は仰向けのまま、男を誘い込むように両手を前へ伸ばした。
ゆっくりと覆い被さってくる男の体重を感じる。
私は片手で男の裸体を抱きしめると、もう片手で男の肉樹をまさぐった。
(これが・・・私の中に・・・)
想像しただけで胸が破裂しそうなほどの欲望が膨らむ。
私は男の肉樹を優しく握ると、自分から秘所へと導いた。しかし男はすぐには挿入せず、
秘所の割目の上を肉樹の先端で焦らすようになぞっている。
「お願い・・焦らさないで・・・」
私は甘えるようにねだると、自分から腰を動かした。
すると、男は分かったと言わんばかりに私の膣内へ肉樹を一気に挿入した。
「っっつああああぁぁぁぁっっっっ!!!」
私は甘い声を上げ、全身から湧き上がる快楽に震えた。
体が弓のように大きく仰け反り、脱がされた制服を思い切り掴んだ。
男は私の中に挿れた肉樹を、ゆっくりと動かし始めた。
「ああっ!・・んっ!・・・ああぁっ!!」
快感という名の電気が、脊髄を通って全身を走り回る。
「いっっ!!・・いいっ!・・です!」
私は快楽によって痙攣している腰を、ゆっくり揺り動かした。
男の肉樹は、私の性感帯を知り尽くしているかのように、的確に私の敏感な
部分を攻める。
「・・はぁっ!・・はぁっ!・・・すごく・・いい・・です・・」
もう何も考えることが出来ない。だんだん頭の中が真っ白になっていく。
(私・・・痴漢に・・・犯されているのに・・・)
犯されているという背徳感が、私の情欲をさらに燃え上がらせる。
その時、前後のみだった男の動きが円を描くような動きへ変わり、男の肉樹が
ゆっくりと私の肉壷をかき回し始めた。
「ああんっ!!・・いやっ・・・あああっっ!!!」
軽く絶頂に達した私は、秘所から透明な液を連続して噴き出した。
(私・・・知らない男に犯されて・・イってる・・)
快感に打ち震える私を見下ろしながら、男は私の体に快楽を教え込み続ける。
男の攻めは優しく、ぞっとするほど官能的なものだった。
「気持ち・・・いい・・・もっと・・強くっ!!」
完全に肉欲の虜となった私は、甘い声で鳴きながらひたすら快感を追い求める。
(何か・・・来る・・・!!)
先ほどの潮吹きとは違う、もっと大きな快楽の波が押し寄せてくる。
(ダメ・・・これ以上・・・我慢できない!!)
私は溢れ出る情欲に耐え切れなくなり、両手で男の顔を掴むと無理やりキスをした。
ねっとりと舌を絡ませ、互いの唾液を貪る。
「んんっ・・じゅるっ・・んっ・・じゅるっ・・・」
男の唾液を、器用に舌を使いながら自分の口に移し、喉を鳴らして咀嚼する。
「んくっ・・んくっ・・はぁ・・・お願い・・もう・・・私・・・」
男に絶頂が近い事を伝えると、男は汗ばんだ私の体を持ち上げ互いの体位を入れ替えた。
私は男の上にまたがり、騎上位の姿勢になった。
(まるで・・・私が彼を犯しているみたい・・・)
私は細かく位置を調整すると、男に優しく語りかけた。
「うふふっ・・それでは動きますよ・・・」
とろんとした瞳で微笑んだ私は、両手を男の胸板の上に添えて腰をゆっくり前へ動かした。
ニチャリと水っぽい音を上げて、秘部から凄まじい快感が伝わってくる。
「ああっ!・・・き・・気持ち・・いいですか・・・?」
男は何も答えないが、下から打ち付けてくる肉樹の硬さが男の快感を無言で伝える。
私は夢中で腰を振り続ける。前後、左右、そして円を描くように腰を回した。
(おかしく・・・なりそう・・んんっ!・・はぁっ!)
快楽の波が、ついに目前まで迫ってきた。
「もうだめっ!・・出るっ!・・・イっちゃうっっっ!!!」
私の膣内の中で、男の肉樹が急激に膨らみ始めた。
「貴方も・・はぁっ!・・イきそう・・なのですねっ!・・ああっ!」
男の腰が激しく打ち付けられる度に、濡れた秘所からグチュグチュと卑猥な水音がする。
「はぁっ!・・はぁっ!・・・はぁっ!」
私と男は一気に腰を動かす速度を上げ、互いに快感を与えながら絶頂を目指す。
そして真っ暗だった視界が、急に白く爆ぜた。
(もう・・・・だめえぇぇっっ!!)
私は思い切り仰け反ると、蓄積され続けていた快感を一気に解き放った。
「いやああああぁぁぁぁぁっっっっっ!!!イくうぅぅぅっっっっ!!!!」
途端、私の秘所から噴出すように愛液が噴出した。
同時に、男の肉樹から飛び出した精液が、私の子宮口にビチャリと音を立てながら
ぶつかり続ける。
「あああぁぁっっっ!!!出てるぅっ!!膣内に・・いっぱい出てるのぉぉっっ!!!」
膣内から男の精液の熱がじんわりと広がり、下腹部まで伝わってくる。
私は男の体の上に倒れ込むと、荒い息をつきながらぼんやりと暗闇を眺めた。
(私・・・中出し・・・されてしまいました・・・)
しかし、不思議と後悔は無かった。それどころか、今まで生きてきた中で
最も充実した時間のような気がした。
私は同じように息を切らしている男の耳元で、そっと囁いた。
「ありがとう・・・ございます・・・」
私は絶頂後の余韻を、男とのディープキスで楽しみながら過ごした。
そして、私の意識は深く落ちて行って・・・。
突然、車内がオレンジ色の光で照らされた。
意識が朦朧として上手く現状を把握できない。
(あれ・・・私は・・・)
私は目覚めたばかりの頭を数回横に振ると、ゆっくりと起き上がり周囲を
見渡した。
錆びかけた壁、振動に揺れる吊革、窓からの景色。
そして、誰もいない夕日に染まった車内・・・。
(誰も・・・いない!?)
慌てて周囲を見回したが、ついさっきまで自分と激しく交わっていた男の
姿が何処にも見当たらない。
それどころか、男に脱がされたはずの制服までしっかりと身につけている。
(夢・・・だったの?)
しかし夢にしては余りにもリアリティがありすぎる。実際、私の中にはまだ絶頂を
迎えた時の感覚が残っている。
私は確かめるように下着の中へそっと手を這わせた。
(何か・・・出てる・・・)
ヒクヒクと痙攣する膣口から溢れ出ている液体を指ですくい取り、目の前で広げた。
指と指の間に、白濁した液体が橋を架けるようにねっとりと糸を引く。
それは間違いなく、男の肉樹から吐き出された精子だった。
(夢じゃない・・・)
慌てて私は車内をくまなく調べたが、車両には男どころか人の気配すらなかった。
それどころか、全ての車両を走り抜けるようにして捜索しても見つからず、列車を
降りた後もしばらく駅の改札で待ってみたが、結局誰も降りてはこなかった。
翌日、私はこの列車の利用者が少ない理由を知ることが出来た。
同じマンションの隣の部屋に住んでいる女性の話によると、私がいつも放課後に
利用している時間帯にあの列車に乗ると、高い確率で痴漢の被害にあうらしい。
しかし不思議なことに肝心の目撃者が一人もおらず、警察も完全にお手上げのまま
捜査は打ち切られてしまった。それ以来客足はすっかり減り、利用者もトンネルに
入る手前の駅で降りてしまうようになったらしい。
その話を聞いた翌日、私はトンネルの手前の駅に着くと、視線を本から車内へ向けた。
すると、私以外の乗客全員が足早に列車から降り始めたのだ。
なるほど、だからあの日列車には誰もいなかったのか・・・。
降りていった乗客が次々と改札を抜けていくのを、私はじっと見つめていた。
事件の顛末を確認した私はゆっくりと本を鞄へしまうと、そのまま椅子へ座った。
列車はゆっくりと動き始め、やがてトンネルの中へと入った。
車内が一瞬で暗闇に包まれる。
私は車体が完全にトンネルの中へと入ったことを確認すると。立ち上がって制服の
ボタンに手をかけ、上からゆっくりと外していった。
制服の上着・・・肌着・・・スカート・・・。
私は着ているものを順番に床へ脱ぎ捨てていく。
そして最後に、私の体には誘うような艶やかな赤い下着だけが残った。
私は暗闇に潜む、姿の見えない男に向かって囁いた。
「うふふ・・・どうですか?今日は思い切って大胆な色にしてみました」
私はブラのホックを外すと床へ脱ぎ捨て、焦らすようにゆっくりとパンティを
脱いでいった。
暗闇の奥から“彼”の視線が、全身を舐め回すように注がれる。
(もっと・・・私のいやらしい姿を見てください・・・)
全裸になった私は自分の両乳房を揉みながら片足を座席の上に乗せ、既にぐっしょり
と濡れている股を大きく開いた。
私の秘部は彼の挿入を待ちきれないかのように粘着質な愛液を溢れさせ、こぼれ出た
愛液が糸を引きながら床へ滴り落ちて甘い香りがする水溜りを作っている。
「うふふっ、準備はいいですよ。今日もたくさん楽しみましょう・・・」
暗闇からゆっくりと近づいてきた“彼”は私の熟れた秘所に吸い付くと、音を立てて
私の愛液を飲み始めた。
(ああ・・・気持ちいい・・・)
気分が昂ぶってきた私は、両手で男の頭を引き寄せ唇を奪うと、耳元でそっと呟いた。
「私を・・・抱いてください・・・・」
〜完〜