これまでのあらすじ  
 
澄空学園高校放送部のアイドル、音羽かおるに敵愾心を燃やす3人の男達がいた。  
 
 
 
西山入間(自称映画監督、かおるの元彼だが逃げられる)TACネーム「ヴィルマー」  
 
西野頼通(自称芸術家、交際を申し込んで玉砕)TACネーム「ガリ」  
 
相川白石(自称儒学者、理解不能な学説に元づいたセ○ハラを強要し、返り討ちにあう)TACネーム「先生」  
 
 
 
彼らは意気投合し、結託した上でかおるへの復讐を誓い、行動を開始した。  
かおるを捕らえ強姦、調教する過程を克明に記録する、いわゆるスナッフ・ムービーを撮影し、世間に公表するのだ。  
手始めに、かおるの友人、今坂唯笑を篭絡し、廃墟に連れ込んで処女を奪った。  
更に自分達の手駒とすべく徹底して凄惨な調教を施す。唯笑は無垢な身体に女の悦びを覚え込まされてしまう。  
 次のターゲットは唯笑の親友、伊吹みなも。  
夏休みに唯笑の家で勉強していたところ、三好三人衆の手先にされた唯笑に一服盛られ、朦朧となったところで  
相川の手で緊縛されたまま、西野の長竿で処女肉を貫通されてしまう。別室で唯笑は西山の剛棒を受け入れさせられ、  
生まれて初めての絶頂に上り詰めていた。  
 一方、かおるは智也との距離を縮めていた。智也のために料理を作った日の帰り道に智也に手を握られたかおるは自分の気持ちを持て余し、  
智也を思いながら、はしたなくもオナニーに耽ってしまう。だがその光景は西野の手によってしっかりと盗撮されていた。  
唯笑とみなも、二人の美少女を支配下に置き、かおるの恥ずかしい映像を抑えて、いよいよ本命を捕らえるべく  
計画を練っていたところ、想定外のトラブルが発覚した・・・・・・。  
 
 
 
筋トレを終え、一息ついていた西山の携帯電話が鳴った。西野からの着信だ。  
「おう、ガリか。どうした?」  
「じ、実はですね、ないんですよ!!」  
「ないって、なにが?」  
「アルバム、唯笑様のアルバムが!」  
「アルバム・・・?」  
「僕の力作集、唯笑様のベストショット満載のアルバムが見つからないんです」  
みつからないとはどういうことだ・・・・・・・・・・・まさか。  
 
 
 
「なんだと?お前、あの秘密だらけのアルバムを無くしたってのか!?」  
「ひいぃ!!まだ無くなったかどうかわかりませんよぅ!そうポンポン怒らないで!」  
「とにかく、すぐに俺の部屋まで来い!先生も一緒にだ!!」  
 
そして30分後。西山のマンションに6人の男たちが集合(?)した。そのうちの3人はもはやまともな人間として機能していなかったが。  
「先生の部屋はどうだ?」  
「ありません」  
「ぼ、僕の部屋にも無かったんです。どこに消えちゃったんだろ、可愛い唯笑様の写真集ちゃん・・・」  
 
西山は内心のイラつきを抑えて西野に問いかけた。  
「アルバムを最後に見た場所と時間を思い出せ。そうそう持ち歩くモンじゃないからな、覚えているだろ??」  
 
「最後に見たのは、ええーと、・・・そう、確か一昨日の放課後です。確か、図書室で・・・」  
「図書室?」  
「はい、アルバムを見てるうちに辛抱たまらなくなってきて、唯笑様を図書室の隅っこに引っ張りこんで、一緒に恥ずかしい写真を閲覧したんです」  
「・・・・・それで?」  
「は、はい。お願いして僕の逸物をしゃぶってもらったんです。嫌がる唯笑様を写真で脅して、無理やり咥えさせた時の達成感といったらもう・・・か、監督?」  
こめかみを抑えた西山にビビリつつも、西野は話を続ける。  
「それで、あと少しで出そうって時に急に人が来たモンで、唯笑様の頭に紙袋をかぶせて、あわてて逃げてきたんです。」  
「・・・・・・ハアッ!?」  
「いや、だからですね、唯笑様に紙袋をかぶせたから、顔もにおいもバレてないはずですよ!」  
「・・・・・・その後は?」  
「はい、袋をかぶった唯笑様の手を握って二人とも無事に脱出しましたよ!心配無用ってことです」  
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」  
「か、監督?」  
「・・・・・・・・・・・・・アルバムは?」  
「へえッ!?・・・・ア、アルバム!」  
「肝心のアルバムはどないなったんや!?」  
「あ、アアアーーーーー!!」  
 
 
 
 
 
 
結局、西野は唯笑の恥ずかしい記録を収めたアルバムを図書室に放置したのであった。  
西山にケツを叩かれた西野は唯笑、相川と一緒に、夏休み中の図書室にアルバムを探しに来た。  
利用者のめったにいないこの時期であればあるいは・・・、と淡い望みを抱いてきたのだが、その願いもむなしく西野と唯笑がいちゃついていた場所には何も残されていなかった。  
今日の利用者は西野たち三人のみであり、後は図書委員の双海詩音がうつむき加減でカウンターに座っているだけだった。  
西野が唯笑を小突きまわしながら図書室をぐるぐる回っているのを詩音は上目遣いで見ている。こころなしか白皙の頬が薄赤く染まっているようだ。  
相川はそんな詩音の様子をじーっと観察していたが、やがて一冊の本を片手に、カウンターに近づいていった。  
 
「もしもし?」  
相川はカウンターの内側で心ここにあらずといった感じの詩音に呼びかけた。  
「ひッ!・・・・・な、なにか御用ですか?」  
相川は『世界の名著19 朱子 王陽明』というタイトルの本を示しながら詩音に話しかけた。  
「この本を借りたいのですが、よろしいですか?」  
「は、はい。貸し出し手続きですね?カードに名前、クラスを記入してください」  
 
(間近で見ると本当に素晴らしい美人ですなあ・・・)  
すっと通った鼻梁、長い睫毛、藍色の瞳、色素の薄いさらさらのストレートヘア・・・  
午後に西日に照らされ、日本人離れした容貌に陽光が差し込み、少女の周囲になにやら犯しがたい雰囲気を醸し出している。  
日に照らされた氷のような白皙の美貌に痺れながら、カードを返す。  
「はい、書きましたよ・・・・・おや、それは何ですか??」  
相川は詩音がひざの上に乗せていた何かをカウンターの下にしまいこんだのを見てあえて聞いてみた。  
「な、なんでもないです。それよりも手続きが済んだのでしたら早く行ってくださいますか?私、急がしいんです!」  
顔を赤く染めつつこちらを睨むようにして話す詩音に見惚れながらも、相川はある仮説を組み立てつつあった・・・・。  
(双海様は、みどもらに対する何かを知っているな・・・)  
そうでなければ、この不自然な態度の説明がつかない。  
「そうですか、双海さんの読書量は私も聞き及んでいます。同じ読書人としてお話したかったのですが、またの機会にいたしましょう」  
「・・・・・」  
詩音は返答せず恥ずかしそうな表情のまま、足元を見つめているままだった。  
カウンターを離れた相川は他二人に自分の考えを話し、三人そろって一度室外に退出した。そして図書室の閉室数分後・・・  
 
再び図書室前に戻った三人は入り口の前に固まっていた。  
扉は詩音が内側から施錠したらしく、開かない。  
相川は詩音の様子が気になると主張し、用具室から持ち出した脚立に乗って天井付近の窓から室内を観察し始めた。  
本来、こういった覗き行為を相川は本来好まなかったが、今回は異常なほどの熱心さで名乗りを上げたのだ。  
言葉に出さなくても、相川の詩音に対するこだわりがひしひしと伝わってくるのである。  
 
さて、開室時間終了後の図書室であるが。  
夏休みの閑静な校内に夕日がさす中、詩音は後片付けもせず、分厚い本をめくっている。  
目は爛々とした光を湛え、本の内容を食い入るように見つめている。  
頬を赤くし、心なしか息遣いが乱れているようにも見える。  
(一体何を夢中に見ているのやら・・・・)  
相川は顔面の左半分を窓枠からスライドさせ、室内を観察している。  
詩音が一心不乱に閲覧している本が気になってきた。かなり大型の分厚い本で表紙には猫(?)の様な動物のイラストが描かれている。  
一旦観察をやめ、下で控えている西野にアルバムの特徴を問いただす。  
「紫色の表紙に猫ちゃんの絵が描いてあります。アメリカン・ショートへア、灰色に縞々が入った猫ちゃんですよ」  
 
(なんとな・・・・・ほとんど聞いていた通りじゃないですか)  
詩音が読んでいた本は、まさに西野が無くしたという秘密のアルバムと似通ったものであった。  
更に観察を続け、本の内容が写真集の類だと確定した相川は西野から借りたカメラでその様子を撮影し、脚立を降りた。  
そしてまたしてもいちゃつきだした二人を急かして、その場を立ち去った。  
 
その頃、双海詩音は前日図書室内で拾ったアルバムに釘付けとなっていた。  
はじめて見る同性のいやらしい行為を移した画像。男の手で拘束され、恥ずかしい部分を露わにされたり、縄で縛られて、蝋燭の雫を垂らされたり、  
あるいはむさい男に抱かれて交接を強いられたり・・・・。  
ウブな詩音だが、読書の過程で男女の関係についてもある程度(知識だけであるが)知っているつもりであったのだ。  
それが、現に強烈で生々しいセックス、SMプレイの写真を目の当たりにして、魂をえぐられるような衝撃を味あわされた。  
なによりも気になったのが、写真のいじめられている女性が同級生の今坂唯笑にそっくりであったことだ。  
肩までのおかっぱ髪、黄色いヘアバンド、そして澄空の制服・・・。  
教室で見る天真爛漫な唯笑の面影を残してはいるものの、写真の少女は男にいじめられる悦びを紛らしようもなく表しているのに、詩音は心を揺さぶられる思いであった。  
(この人、今坂さんにそっくり・・・、どうしてこんな目にあっているの?)  
アルバムのページを捲るうちに股間から腰にかけて甘い痺れが走り、思わずきゅっと股に力が入る。月に一、二回ほど密かに自慰行為に耽る詩音にとって刺激的で魅惑的な写真だった。  
詩音の想像力は、いつしか写真の中の少女と自分を置き換えてしまっていた。  
裸に剥かれ、たくましい男に背後からまとわりつかれ、身体の敏感な部分を刺激されたり、後ろ手に縛られて男の物を咥えこまされたり・・・。  
妄想が全身を支配し、手が股間に向かいそうになったその時、何者かの視線を感じ、詩音は我に返った。  
慌てて周囲を見回し、誰もいないことを確認したが・・・。入り口付近の天井に近い窓に残った半月型の脂痕には気づきようがなかった。  
 
「どうだった?」  
西山のマンションに戻った三人は図書室での出来事を話した。  
「・・・そもそも詩音様の視線、特に唯笑様を見ている態度が極めて不自然だったのです」  
喋っているのは主に相川だ。  
「みどもが本を借りようとして接触したところ、ひざの上に乗せていたものを慌てて隠しました。  
怪しいと思い、図書室の閉鎖を待ってこっそりと覗いてみたらなんと、例のアルバムらしき本を詩音様が見ていたんです。  
図書室に施錠までして、よほど周囲を警戒していたんでしょうね」  
相川はその様子を思い出しているのか、鼻の頭に汗をかきつつ続ける。  
「夕日がさして、橙色の部屋の中、美の彫刻のようなお方が一心に卑猥な写真集を眺める・・・。これほどの美人画が他にありますか?  
あまりにもったいないので写真に収めてきました。」  
「見せてみろ」  
西山も大いに興味を引かれた様子でデジカメを受け取った。  
PCのモニターに映し出された詩音の姿態に感嘆のうめきがもれる。  
「おう、これはこれは・・・」  
詩音はうつむき加減の姿勢で貸し出しカウンターの上に置いた分厚い本に集中していた。  
抜けるような白さの肌と色素の薄い頭髪が夕日の色に染められて、柔らかいオレンジ色の風景に溶け込まんばかり。  
だが、本の正体は唯笑の陵辱写真を収めた猥褻なアルバムであり、それを見ている詩音は普段の冷静な仮面を脱ぎ、  
興奮した様子を露わにしている。その点を意識すると、見事な美人画ではなく後ろめたさに満ちた盗撮写真であることが実感できる。  
複数枚の写真の中からアルバムがはっきりと移っているものを選び、拡大する。  
「こ、これです、表紙の色と猫のイラストが決め手です。なくしたアルバムに間違いありません」  
西野は確信を得て早口で言った。  
「なるほどな・・・唯笑様のエロ写真を見て興奮してやがるのか。この詩音って女も見かけによらず根はスケベだってことだな」  
西山はニヤニヤと相好を崩していたが、急に表情を引き締めて言った。  
「問題はこの後どうするかってことだ。第一アルバムを放置するわけにはいかねえ。詩音って女がいつ教師ども、  
いや警察にタレこむかわからん。なんとしても取り戻すぞ」  
 
相川が挙手して口を開いた。  
「いっそのこと、我々が直接乗り込んで力ずくで奪回する、というのは如何?」  
珍しく強攻策を述べた相川はいてもたってもいられない様子だ。  
「簡単に言ってくれるな先生。第一あの家は世界的に有名な学者先生の屋敷だろうが。警備も厳重なんだろう?」  
「ところが違うんです、あの教授は偏屈というか、人間嫌いらしくてですね、土地は広くても住宅街から離れた結構不便な  
場所にあるんですよ。どうも警備会社の管理も断っているそうです」  
「よく知ってるなあ、まさか遊びに行ったのか?」  
「いやいや、その散歩で通りかかった時にちょっと入ってみたんですが、敷地は広くても、監視カメラ、センサーの類もなく、  
管理が行き届かない面がありましたね周囲は山、川に遊水地、最寄の人家まで1q以上離れています」  
西山は、お前そんな場所にわざわざ散歩で行ったのかと聞きたかったが口には出さずに  
「ここからどの位の距離だ?」  
「はい・・・大体60km弱、車で20分というところですか」  
「親父さんは確かまだ海外だったな」  
「そうです、確かウズベキスタンの方に・・・当分は戻らないはずです」  
「親父殿が留守の間に、娘に悪い虫がついたらまずい。俺たちがガッチリ見張っておこうや」  
西山の意見に弟子二人は大きくうなずいた。一方、唯笑とみなもは複雑な表情だ。  
「おい、二人とも人事だと思うなよ。詩音様の動き次第で俺たちの秘密が表にバレるかも知れねえんだ、知恵絞れや」  
「詩音さんを騙すなんて、出来ません・・・」  
特にみなもは悲しげにその命令を拒否する。  
「おい、みなもちゃんよ、お前の芸術にかける意気込みはどうしたんだ。あれほどの美の対象を前にして怖気づいたか?  
おまえの絵の才能であの女をキャンバスに塗り込めたいと思わねえのか」  
みなもの肩をがっしり掴んで問い詰める。  
「いいか、時間は待っちゃくれねえぞ。この一秒一秒はもう戻ってこないんだよ。それを切り取って昇華させるのが芸術家の役目だろうが」  
「・・・・・・分かりました」  
みなもはしばらく押し黙っていたが、観念したようにうなずいた。  
西山はそんなみなもを刺すように眺めていたが、やがてニヤリと笑った。  
「いますぐあの女に電話しろ。ご自慢の紅茶と蔵書を堪能したいってな。女三人で遊ぶのもたまにはいいだろう?」  
強引に携帯電話を押し付けられ、嫌そうなそぶりを見せながらも、みなもは詩音に電話をかけた。  
「あ、詩音さん、はい、みなもです・・・」  
「えっと、それでですね、今度都合がいい日に絵のモデルのお話、良いですか・・・?」  
「ええっ、本当ですか?ありがとうございます。はい、それじゃあ明後日の5時にお邪魔しますね。唯笑ちゃんと一緒に行きます」  
みなもは首尾よく話をまとめたようだ。  
「よしよし、みなもちゃん、やればできるじゃねえか、えらいぞ」  
西山は上機嫌だ。  
「明後日の討ち入りに備えて準備しようか。俺は車と機材を点検するわ。男衆はちゃんとカメラ写りする格好しとけよ。  
唯笑とみなもはこっちに来て台本を覚えろや、俺がじきじきに教えてやっから心配するな」  
少女二人の肩を抱いて寝室にしけこむ西山を見送りながら、相川は決意を固めていた。  
(私はやりますぞ・・・!)  
何を?と聞けない雰囲気を醸し出しつつ、相川は詩音を捕らえた時の振る舞いについて、妄想を始めるのだった。  
 
 

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