唯笑は初開の秘肉を強引にこじ開けられ、処女膜を完全に突き破られて息も絶え絶えの状態になってしまった。  
生まれて初めての痛み、肉体、精神的なショック・・・。  
処女の立場から思い描いていたセックスに対する甘い幻想を打ち砕かれ、ひたすら我が身に加えられる暴虐に身を任せるだけだった。  
未熟な秘口からは透明な蜜とともに破瓜の鮮血が垂れ落ちてきている。  
その血を見た西野は年齢の割りにあどけなさ過ぎる少女の初めてを奪ったことに痛く感激し、更に腰の運動を加速させた。  
「あっ・・・・・ヒッ、ヒィィィァァァァッ!!」  
遂に処女としての機構を完全に破壊された唯笑は力の抜けた悲鳴を上げ続けたが、もとよりそんなことで情けを掛ける連中ではない。  
「おい、苦しいかよ、唯笑さま。この苦しみはな、音羽かおると三上の馬鹿が請け負うことに、なっなるんだからねっ!」  
唯笑を犯しながらも因果を含めることを忘れない西野であった。  
 
(ああ、どうしよう・・・・智ちゃんごめんね・・・・でも唯笑、もうどうにもならないの。あ、あああぅっ!)  
西野の責めは多岐にわたり、左右の膣壁をつついたり、直線的に子宮口をつついたり、色々なパターンで唯笑を責めあげるのだ。  
 
(もっもうだめだ!限界が近い!)  
少女jの体内に己のモノを挿入して好き放題擦りたてた西野は、唯笑の体をがっちりと抱きすくめたまま、腰をぐぐっと深く突き入れた。  
そして・・・・・  
女であれば誰しも持っている生殖器官にペニスの先端をこすりつけた西野は背筋が痙攣するほどの快感を一気に弾けさせた。  
「お、おおおっ、あああああ・・・・」  
深く甘美な沼に吸い込まれていくような快美感に身を任せ、唯笑の無垢な処女地に子種を注いでいった。  
 
一方、倉庫では・・・  
「ウーム、見違えるほどの男前に脱皮(?)しましたね!」  
隔離されたDQN共は相川の手によって精巧な細工が施されていた。  
茶は首から上の皮をすべて剥がされ、ピザのような組織を外気にさらしていた。  
その剥がされた皮は・・・・・赤にかぶせられており、赤い頭髪に茶色の髭を生やすという珍妙な外見となった赤は。  
残る金はあまりの恐怖のためか失禁して痴呆のような表情をさらし、口を半開きにして間抜けな表情を保っている。  
「おい」  
皮を剥がされた茶に対して相川が蹴りを入れながら呼びかけ、なにやらかぶりものを頭に被せた。  
限度をはるかに超えた痛みに全身の感覚を麻痺させつつも、茶は相川に向き直った。  
「DQNにしてはたいした精神力ですが、もうそなたたちには後がありません」  
張献忠の事跡を記録した『蜀碧』には、皮剥ぎにされた人間達が平均約一日半で死亡した事実が記されていたが、そんなことは相川の預かり知らぬことである。  
顔面の皮に加え、変色した髪も誇りも失った茶が助けを求めるように相川を見つめている。  
その視線に何かを感じ取った相川は高らかに宣言した。  
 
「よろしい!心底からの悔悟を汲み取り、そなたを『張野献忠先生』と名づけよう!!」  
 
相川にとっては張献忠は生死を超越した偉人であり、自身の目指す未来の姿でもあった。  
その名を拝領し、茶を改名したことは、つまらない常識に捕らわれずに力と破壊を求めた流賊の姿を現代のDQNに見出したせいかもしれなかった。  
「これは大西王(張献忠の王位)からの御祝儀でございます!」  
そう言って表面が黄色い、不健康そうなマスクを茶に被せた。  
黄色い肌に目を剥いて長い髭を生やした異形、首から下は典型的なDQNの装束でキメた『献忠』は以降、相川の専属的な駒として動くことになるのであった。  
「赤野郎に被せた皮を返してほしければ、我々の言うことを聞いてもらおうか!」  
なにやら紙を取り出して茶に見せつけ、説明を始める。  
「さ、文盲のそなたらにも分かりやすくしたためたぞ。これでやっと一人前の人間になれるというものです・・・まずは今までの生を改め、我の教えるままに先王の道を学ぶこと。第二に・・・・」  
何十ヶ条になるかも分からない意味不明な条件を述べると、茶に首輪を嵌めて立たせ、部屋の外に連れ出した。  
「さあさあ、皆がお待ちかねだ。急ぎましょうぞ」  
怪人二人は連れ立って唯笑が悲惨な目にあっている現場に向かった。  
 
唯笑の中に大噴射を遂げた西野は心底処女を満喫した様子で少女に寄り添い、何か囁きかけている。  
唯笑は涙をにじませながらも恥ずかしそうに頷いた。  
撮影が一段落し、西山が一旦録画スイッチを切ろうと思った時ドアが開き、男が二人なだれ込んできた。  
「な、なんだぁ!?」  
相川の脇に立つ正体不明の人物に目を留めた西山は思わず叫んだ。  
「この方が張野献忠先生です。以後よろしくお願い致します!」  
そう言って相川は茶、いや献忠の頭を下げ、両拳を組んで前に突き出させた。いわゆる拱手の礼というやつだろう。  
「「「・・・・・・・・」」」  
誰も口を開かない。しかし正気づいた唯笑が悲鳴を発した。  
「だれっ?その人だれなの!?」  
「我々の強力な味方です。罪のない人や動物を苦しめてきたようですが、前非を悔いて今ではこれ、この通り」  
相川が不気味な黄色いマスクを取ると、赤やらピンクやらの原色が見えた。西山が撮影を続けているのを確認するとマスクを元通りにする。  
(皮を剥がすとは思い切ったまねをするなあ。こりゃ斬新なアイデアだ)  
西山は感嘆しアップで怪人物を撮り続けた。  
 
「そろそろいい時間なんですが・・・・」  
すっきりした顔つきの西野が時計を見ながら切り出した。  
「おお、もうこんな時間か。よし今日はここまで。撤収しようや」  
監督の一声で機材が片付けられていく。唯笑を含めた被害者4名も引っ立てられて西山のワンボックスカーに押し込まれた。  
「唯笑の家近くまで送ってやろう。男衆は俺のアパートにこいや」  
後部座席では脱力した男衆に囲まれ西野と相川が濡れタオルで唯笑体を拭いながら因果を含めていた。  
「最初は痛かったろうけど、だんだん良くなっていくから安心して!僕たちの言うことに従うしかないんだから、ね?」  
「・・・心を太虚に帰着させれば、なんと言うことはありません。修養を重ねて早く良知を目覚めさせるのです」  
唯笑は男どもに囲まれ、次第に心が絶望に覆われていくのを感じていた。  
 
7月19日。澄空高校一学期最後の日。体育館での終業式のクラス毎のHRが終わり、教室内は夏休みを控えた喧騒ムードに包まれていた。  
担任の伊東からは不純異性交遊に関するお達しが下されていたが、HR終了とともに、学生の頭からはすっかり忘れられていた。  
「やっと夏休みだね、唯笑ちゃん!はやく海に行きたいよねえ」  
音羽かおるは嬉しそうに友達の今坂唯笑に話しかけた。  
「・・・かおるちゃん、もう予定があるんじゃないの?」  
唯笑は上目使いで答えた。どうせ智ちゃんと遊びに行くんでしょ、という言葉は寸前で飲み込んでいた。  
「えっ、何で?まだ全然きまってないよ。旅行で家族がいなくなっちゃうからどうしよっかなって考えてるの」  
「だったら、唯笑たちとキャンプに行かない?」  
「キャンプ?面白そうね!だれが来るの?」  
「唯笑と詩音ちゃんと信君、2年のみなもちゃん。・・・・・と智ちゃん」  
「そ、そう。いつものメンバーなのね・・・・めんどくさがりの智也もくるんだあ。みなもちゃんも元気でなによりね」  
「・・・・智ちゃんとなにかあったの?」  
「えっ?智也って大勢でつるむのは嫌だって言ってたからびっくりしたの。アイツも少しは変わってきてるみたいね」  
「高校最後の夏休みだから・・・・・・」(アイツ呼ばわりなんだ・・・・本当に仲がいいんだね・・・・・)  
「それで、いつから行くの?」  
「・・・・・8月の11日。3泊4日くらいかな」  
「そ、そうなの。うちもね、町内旅行で家族がいなくなっちゃうから。ちょうどよかったなぁ」  
「・・・・じゃあ、来てくれる?みんな喜ぶよ」  
「うん、後で水着買いにいこうね!」  
「そうだね・・・・・・楽しみだね」(智ちゃんが来るからってあんなにはしゃいじゃって・・・。みえみえなんだよね)  
他の友人の所へいくかおるを唯笑は唇をかみしめて見送った。  
 
教室の片隅では、西野、相川他数名の男子が集まって冊子を回し読みしていた。  
表紙にこそ何も書かれていないが、内容は戦慄すべきものだった。  
『澄空女子、××ランキング!』という見出しで、澄空特定(?)男子を対象にした「レイプしたい女」「売春してそうな女」「奴隷にしたい娘」「×××が匂いそうな女」「お人形さん」等々女子生徒を貶める内容のアンケート結果が記されていた。  
「レイプしたい女」項目は5位今坂唯笑、4位飛世巴、3位伊吹みなも、2位双海詩音と続き、栄えある1位を音羽かおるが獲得していた。  
コメント欄には「放送部での可愛い声に惚れますた」「クソ生意気なところ」「元気っ娘」「おっぱい」「黒タイツ」「憧れの音羽さんの×××を○○して△△△(以下略)」等読むに耐えない意見が溢れている。  
歪んだ性欲を抱えた男子が欲望のはけ口としてランキングの彼女たちを付け狙っていることは明白だった。  
西野も「みなもたん最高!ロリっ子大好き!」と回答したクチだが、最終的な目標であるかおるの人気が上々なことでご機嫌だった。  
(放送部で毎日可愛い声を振りまいていますからね・・・。ファンがそれも粘着質な変態ファンがつくのは無理もないです。僕だって昼休みの放送を聴きながら逸物が硬くなって仕方ないんですから)  
 
集まっているのはランキング投稿者中、筋金入りの行動力を持つ変態と自負するつわもの共である。  
西野は変態連中を前にして自分が夏休み中、実際にかおるを襲う計画を立てていることに優越感を抱いていた。  
(どうせこいつらは僕が分けてやったかおるちゃんの体操服画像でハァハァするのが限度だろうが、やっぱり生身の女を知ってみなくちゃ話が進まないからなあ。僕の勝利の日も近い!)  
そう思いながらも一人くらい計画に巻き込むのも面白い(罪をかぶせるため)と思うのだった。  
 
かおるは転校した翌年、2年の3学期から快活な声と明朗な性格を買われて放送部に入部した。  
主に昼休みのショートプログラムでの今後のイベント予定、アンケート結果、BGMリクエストの発表等をその美声で校内に放送し、可愛い容姿も手伝って人気は急激に上昇していった。  
かおる自身も放送部の仕事にやりがいを見出していたので充実した日々を過ごしてきていたのだが・・・。  
その人気が高まったあまり、少し頭のおかしい男子に狙われるようになったとは皮肉なことである。  
(しかし、こりゃまいったね)  
西野、相川にとっての誤算とは智也、信を誘う段階で詩音と、たまたま居合わせたみなもに話を聞かれ彼女たちの参加が決まったことだ。  
詩音はかおる、唯笑、信等の粘り強いコミュニケーションで心を開き、一緒に遊ぶまでの間柄になっていた。また学年は違っても唯笑と仲のいいみなもが参加したがるのは当然のことだ。  
(澄空の人気者が芋蔓式に引っかかるのはいいとして、この人数をどう捌いていくか・・・。西山さんや白石師の知恵を借りるしかないな)  
(それにしても唯笑さまがこうまで従順になるとは・・・女の嫉妬は怖いもんだ)  
西山はかおるが一人になる日を狙ってキャンプ(例の廃ホテルは秘密のまま)への参加を唯笑に命じていた。  
唯笑は以前よりやつれ、少し大人っぽい雰囲気を漂わせるようになり、西山達の言うことには諾々と従っていた。  
(女優も男優もそろって、本番が楽しみですね)  
今後かおるたちが受けるであろう淫猥な仕打ちや、乱れる様子を想像した西野はぼうっとしていたが相川の注意で久しぶりに鼻血を流していることにやっと気がついた。  
 
クラスのHRも終わり、夏休みの雰囲気に包まれている校内に夏休みを告げるアナウンスが響いていた。  
「・・・今年は梅雨明けが遅くて暑い夏になりそうです。健康に気をつけて元気に過ごしましょう。それでは良い夏休みを!」  
放送室では一学期最後の放送を終えたかおるがマイクのスイッチを切り、ほっと一息ついた。  
「長時間お疲れ様〜、終わったねえ」  
部員の女子がかおるにペットボトルの水を差し出した。その水を一息に半分ほど飲み干し、かおるは思い切り体を伸ばした。  
「ありがと、ちょっと喉がしんどかったけど、終わったね、お疲れ様」  
「あ、音羽さん宛ての手紙が来てるよ、ファンレターかな?」  
かおるに水を渡した後、レターボックスをチェックしていた女子は和紙の立派な封筒を渡した。  
かおるの元には部活を始めてから奇妙な手紙が届くようになり、少し緊張しながら手紙を開封した。  
(・・・・・・?)  
和紙の高級便箋にはたった一行、和歌(?)のような文が記されている。  
 
   うつつとも 夢ともつかぬ 一眠り  浮世のひまを あけぼのの空   
                   
余白には筆ペンによるものか、半分肉の付着した髑髏となにやら祈っている様子の坊主が水墨画のタッチで上手に描かれている。  
人間離れした巨大な髑髏からは人の形をした煙のようなものが空に昇っていく様子が表現されていた。  
(なに、これ・・・・・)  
今まで受けた手紙の中には脅迫や性的な嫌がらせに近いものがあったが、今回のような異質な内容は初めてだった。  
文面も絵もまったく意味が分からないが、善意から書かれた手紙ではなさそうだった。                                       
 
かおるはしばらく手紙の意味を考えていたが、誰かの視線を感じ、放送室の廊下側の窓を振り返った。そこには誰の姿もなく、再び手紙に見入ったのだが・・・。窓のガラス面には円状に脂が付着しており、直前まで何者かが顔をくっつけて室内を覗いていた痕跡が残っていた。  
覗きの犯人、相川は自分の手紙をかおるが読んだことを確認し、普段どおりの様子で廊下を歩いていった。この後西山たちと計画の変更について話し合わなければならない。のんびりしてはいられなかった。  
(なんだか気持ち悪い・・・・)  
手紙の常軌を逸したセンスの異常さにかおるは目眩を感じていた。様子を察した部員が駆け寄ってくる。  
「音羽さん、どうしたの?あれ、この手紙・・・」  
「うん、なんか変でしょ。なんで私にこんな手紙送るんだろうね・・・・」  
「何かのクイズ?なぞなぞっぽいよね?ちょっと面白いかも」  
部員は楽観的に笑った。かおるもつられて笑ったが、内心はそれどころではなかった。  
「それじゃ、一学期はこれで終了。帰ろっか」  
室内の機材を整理した後、放送部の活動は終了となり、解散した。  
「お疲れ様でした〜!」  
 
部員たちと別れ、教室に戻ったかおるは智也が一人で残っているのに気づき駆け寄った。  
「智也、どうしたの。唯笑ちゃんは?」  
「ああ、唯笑なら用事があるとかで先に帰ったよ。一緒に帰ろうぜ」  
「うん、いいよっ」  
嬉しそうに答えるかおる。  
校門を出るまで二人は成績や、夏休みのキャンプのことを話しながら歩いていた。  
「唯笑ちゃんから誘われたんだ、楽しみだよね」  
「ああ、唯笑が8月にバイトするホテルの直営らしいぜ。従業員割引でテントとかも安く借りられるみたいだ」  
「唯笑ちゃんバイトするんだ、知らなかったよ」  
「進路もだいたい決まってるから時間が余ってしょうがないってさ、・・・おお、そこの喫茶店に入ろうか。うまい紅茶が飲めるらしい」  
「もちろん智也のおごりねっ」  
「しょうがねえなあ。いや、いいけどさ・・・あんまり注文すんなよ?」  
「アハハハ、行こ行こっ」  
二人は仲良く店に入っていったが、離れた場所で唯笑と西野がその様子を見ていることには気づかなかった。  
 
一方・・・西野は唯笑を引き連れて中目町の自分のマンションに戻った。鍵を開けて入ると西山と相川がすでに顔を揃えていた。  
「おう、どうだい調子は?」  
自称監督が唯笑に向かって「よ、お元気?」と軽い調子で挨拶をする。先日廃ホテルで酷い仕打ちを受けて以来、この男には逆らえなくなってしまった。  
西野が西山に向けて唯笑を突き飛ばした。よろめいて倒れそうになる少女を抱きすくめて後頭部を抱え、一気に口を吸い取った。  
「う!ん、んんぅぅ・・・・」  
舌を絡め取られ、唾液を流し込まれた唯笑は苦しげに飲み下し、顔を真っ赤に染めて抵抗するが、やがてうっとりとした表情になり、唯笑のほうから舌を動かして口付けに応える。  
西山はしばらく少女の口中を蹂躙して楽しんでいたが、突然口を離し、相川に身柄を任せた。  
「・・・唯笑様、これを見て下さい。先日の写真集です。」  
相川は「今坂唯笑」と書かれたアルバムを開き、唯笑に見せ付ける。  
カメラマン西野が撮った少女の痴態の数々・・・・半裸に剥かれて愛撫されているところ、絶頂を迎えて弓なりにのけぞっている姿・・・・・  
唯笑は目を背けようとしても相川にがっちりと体を固定されどうすることもできない。おまけに西野が横からちょっかいを出してくる。  
指で唯笑の頬をぷにぷに突ついたり、制服の上から体のきわどいところを撫で回したり、敏感なところを的確に刺激してくる。  
「お願いですから、もう、ゆるして・・・・」  
度重なるいたずらに唯笑が音をあげて弱弱しくつぶやいた。  
 
西山は場をまとめるため、口を開いた。  
「それじゃ本題に入ろうか。来月の撮影は参加者オーバーになったらしいな?」  
相川が頷き、続ける。  
「・・・三上智也、稲穂信を勧誘する時に、同級の双海詩音と後輩の伊吹みなもに割り込まれまして、なし崩しに参加となりました」  
「女二人が追加か・・・どんな奴らだ?」  
西野が写真つきのガイドブック(?)を監督に差し出した。  
「二人ともかなり、高いレベルに属しますよ。澄空で5本指に入ります。ウヘヘ、僕もお二人の大ファンなんですよ」  
「こりゃ凄い美人だな。日本人離れした美形じゃないの。冷たそうな表情もいいね」  
「・・・母親が北欧系のハーフで本人はクォーターです。趣味は読書で驚異的な数の本を読破したそうです。是非『春秋』の解釈について議論してみたい。ちなみに私は根っからの公羊派です」  
「すばらしい素材だな!」  
監督は大いに興味をそそられた様子でページをめくる。伊吹みなもが無邪気な笑顔で迎えてくれた。  
「この子は本当に高2なのか?中学生にしか見えないんだが・・・・」  
「唯笑様とは違った幼い魅力に溢れていますね!趣味は絵を描くことだそうで、僕とは話が合いそうですよ!」  
 
今度は写真が差し出された。  
「澄空の誇るハンサム男、三上と稲穂です。修学旅行の時の偵察写真です」  
思わず、お前のは偵察じゃなく盗撮だろうと言いかけたが寸前で止めて写真を見た。  
「稲穂信か・・・どんな奴だ?」  
「はっきりいって女たらしですね!もっともまともに相手されてませんが」  
西野はぷりぷり怒っている。  
「こりゃあガラの悪いホストといったところだな。この俺が言うんだから間違いない」  
「まったくですよ!女の尻ばかり追い回して挙句の果てにインドに行くとか訳分からんことを言ってました。説得されて未遂に終わりましたがね」  
「・・・インドに行くのも話題作りの一つでしょう。あそこは死んだ人間が物に還るだけの場所です。日本人が行っても得るものはありません」  
「女たらしの上に嘘つきときたか。いかんなあ」  
2枚目は智也が不機嫌な顔で清水寺の階に寄りかかっている写真だ。  
「三上です。ぶっきらぼうなやつで何を考えてるのか見当もつきません」  
「こいつはアレだ、難しいことを考える振りして女共の関心を買おうとするタイプだ。ハンサム野郎ならではのテクニックだな」  
「昔の同級生にいましたよ。狙っている女の前で急病を装って倒れこむ奴が!その同類ですかね」  
「早い話がタチの悪い詐欺師野郎ってことだ。・・・こんな奴にかおるを取られるとは、俺は自分が情けないよ!」  
西山は智也の写真に思い切りデコピンをかました。中央がへこんだ智也の顔はマヌケな表情に変わっていた。  
 
「いい女の他にも詐欺師、ホストが勢揃いか。お前らの学校は人材豊富だな」  
西山は写真類を眺め回していたが、決心して顔を上げた。  
「これだけの人数を現場で処理するのは無理がある。本番までに時間があるから事前に何人か済ましとこう」  
「・・・私の見立てでは音羽かおると、双海詩音は弱者に対するいたわりの心が強いです。唯笑様とみなも様を篭絡して餌に仕立ててかおる、詩音は本番で仕留めましょう」  
「本番での抵抗が激しいほどいい絵が撮れるってわけか・・・よし、それでいこう」  
西山は放心して壁にもたれていた唯笑に呼びかけた。  
「みなもちゃんを誘って遊びに行くんだ。夜はお前の家にお泊りっていう筋書きでな。なに、心配すんな。後はこっちに任しとけ」  
「みなもちゃんには手を出さないで・・・お願いです・・」  
唯笑は哀願したが西山は豪快に笑った。  
「俺達がしっかりみなもちゃんを可愛がってやるから安心しろ。あの子もいろいろ経験しなくちゃ時間がもったいないだろうが!そうだろ?」  
(ああ・・・・みなもちゃん、ごめんね・・・・・)  
唯笑は無力感に捕らわれながら壁を見上げた。一面に西野が盗撮した女子生徒の写真が貼られてある。中には改造したのか全裸や、自慰行為にふける女の子の写真も飾られていた。  
その端っこには唯笑のスナップがあった。近々みなもの姿も加えられることにるだろう。その片棒を自分が担ぐことを思った唯笑は妖しい興奮を覚え、股間に甘い渦巻きが走るのを自覚した。  
 
 

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