浴場で欲情なんでいうベタな事は言わないお約束  
      〜written by 黄泉〜  
 
 
「ふう、まだまだ寒いな…」  
大学の試験を受けて帰ってきたオレは呟きながら風呂のスイッチを入れた。  
身体の芯まで冷やされてしまった気がする。こんな日はやはりシャワーではなく、  
湯船に少し熱めのお湯を張ってじっくりと入りたいところだ。  
TVを観ながら時間を潰していると、風呂が沸いた事を告げる電子音が鳴った。  
脱衣所で上着を脱いでそのまま洗濯機に放り込み、そのままズボンに手をかけ…  
脱ごうとしたところで玄関の方からガチャガチャと音がした。  
オレとマンションの管理人さん以外でこの部屋の合い鍵を持っているのは一人しかいないから  
誰なのかは分かり切っているけど…タイミングは良いのか悪いのか。  
「こんにちわー。ショーゴ君いますかー」  
「音緒ちゃん。いらっしゃい」  
脱衣所から上半身だけ乗り出して音緒ちゃんを迎えると、音緒ちゃんはわずかに頬を染めた。  
音緒ちゃんはもう何度か俺の身体は見たハズなんだけどまだ慣れてないのか、初々しい反応。  
「ゴメンね、こんな格好で。ちょうど風呂入るところだったからさ…。  
早めに出るから、ちょっとだけ待っててくれるかな?」  
「うん、わかった。まだ寒いんだから、私のこと気にせずにゆっくり入ってきていいよ」  
「そういうわけにも行かないって」  
音緒ちゃんに一言かけてから浴室に入る。  
しかし、服を脱ぎながら会話をするというのは何か違和感があるのは気のせいか?  
 
「ふう、気持ちいい…」  
かけ湯をしてからゆっくり湯船に肩まで浸かると、思わずそんな言葉が漏れた。  
一人暮らしをしていると風呂沸かしたり洗ったりが面倒になることもあるけど、  
やっぱり寒い日なんかはこの身体の芯から暖まる感覚がたまらない。  
音緒ちゃんはああ言ってくれているとはいえ流石に長時間入るわけにはいかないけど、  
すぐ上がったらかえって気を使わせそうだからもう少しこうしていようか…  
湯船に浸かってのんびりした体勢のまま、そんな少々言い訳じみたことを考えていたから、  
「ショーゴ君?」  
「ん、なぁに?」  
音緒ちゃんが声をかけてきても何の気なしに返事をしただけだった。  
と、突然風呂場のドアがガラガラと音を立てて開かれる。  
「その…背中、流してあげる…」  
慌てて振り向いたその先には、身体をバスタオルでくるんだだけの音緒ちゃんの姿。  
・  
・  
・  
「ええーーーーーーーーーーーーーーっ」  
驚きながらも、視線は雄の本能に正直だった。ついつい音緒ちゃんの肢体を眺めてしまう。  
柔らかな曲線を描く肩から腕のラインに。  
流石は元モデルだけあると思わせてくれる、すらりと長い太股に。  
濡らさないためか、アップに結われた髪とそこから見えるうなじに。  
バスタオルからはみ出そうに押し上げている胸に。  
ついつい目が行ってしまうのが分かる。  
「ダメ?」  
音緒ちゃんはそんな視線に気づいて頬を赤く染めながらも拒むことはなく、  
こちらの顔をのぞき込むように尋ねてくる。  
その体勢だとバスタオルの上から胸の谷間が覗いていて、さらに視線が吸い寄せられてしまう。  
そんなわけで、オレは勢いよく首を横に振ることしかできなかった。  
 
「じゃ、お願いね」  
ささやかな抵抗とばかりにタオルで股間を隠しながら湯船から出て、風呂用の椅子に腰掛ける。  
背後からははらりと何かが下に落ちる音、そして音緒ちゃんが石けんを泡立てている音。  
…何が落ちたのか? 考えられる可能性は限られている…  
疑問に思っていると、今度はむにゅりと、背中に何か柔らかい物が当たる感触。  
タオルやスポンジとは明らかに違う柔らかさと人肌っぽい温もり。…もしかしなくても、これは?!  
「恥ずかしいからこっち見ないで…」  
振り返りかけた顔が音緒ちゃんの手で再び前を向かされる。  
だがこの感触は間違いない。音緒ちゃんは自分の胸をオレの背中にあてがってくれている。  
「あー、その、何て言うか、何で急にこんな事を?」  
「男の人ってこういうことされると喜ぶって友達が持ってた雑誌に書いてあったから…。  
その…気持ちよくなかった?」  
「あ…ううん、びっくりしただけ。…続けてくれると、その…嬉しいかな…」  
オレが言うと音緒ちゃんは再び体を動かしてきた。耳元にハアハアと荒い息遣いと、  
うんしょうんしょと小さな掛け声が聞こえてくる。  
オレの顔は前を向いたままだけど、それでも音緒ちゃんの動きに合わせてその豊乳が形を変化させているのが  
背中の感触から伝わってきて、何とも言えない気持ちよさがあった。  
直接は見られないことで逆に想像をかきたてられ、余計に興奮しているのかもしれない。  
同時に、腰のあたりには音緒ちゃんの陰毛が擦れてこそばゆい感覚。  
「ショーゴ君、気持ちいい?」  
「もう最高」  
それ以外に答えようがなかった。何というか、この柔らかさは堪らない。  
手で触れたときとはまた違った感触がオレの背中でムニュムニュと蠢き、  
その中心部ではコリコリとした感触が擦れている。  
天にも昇る心地、とはこういう事を言うのだろうか。まさに極楽。  
振り向いて背中に当たっている双丘にむしゃぶりつきたくなる衝動をぐっとこらえる。  
当然ながら、オレの分身は堅く反り立ち、腰に巻いたタオルを押し上げていた。  
 
「こっちも、洗ってあげるね…」  
背中を洗うのを終えたのか、音緒ちゃんはそのそそり立ったモノに手を伸ばしてきた。  
多分、この状態になっていたことはとっくに気付いていたのだろう。  
さっきまでも音緒ちゃんの顔はオレの顔の横か上か…どちらにしろ、見える位置にあったのだから。  
腰に掛けていたタオルが音緒ちゃんの手で除かれる。  
「あは…こんなに大きくしてる…。それに、熱い…」  
「音緒ちゃんの胸があんまり気持ちが良いから…」  
言い訳になっていないそんなことを口にするが、なんだか気恥ずかしさがこみ上げてくる。  
こんな風に明るい中で見られたことがないからかも知れない。  
そして音緒ちゃんは、いつの間にか石けんを泡立てていた両手でオレの男性自身を包み込んできた。  
「うっ!」  
石けんの泡に包まれた音緒ちゃんの手がオレの分身の上を滑っていく、その感触が艶めかしい。  
手首の動きて丁寧に竿の部分を洗い、指が先端や裏の部分に優しくこすりつけられる。  
もう片方の掌がその下で玉袋を揉むようにして洗っている。  
それだけでも気持ちが良いのに、さらに背中には相変わらず柔らかい二つの膨らみが  
相変わらず形を変えながら当たっている。  
それらの快感が相乗効果となって押し寄せてくるのだから堪らない。  
音緒ちゃんの指が触れたところから溶かされていくような、そんな感覚さえしてくる。  
もう、限界だった。  
「っ、きゃっ!?」  
オレのモノが激しく震え、そしてその先端からびゅく、びゅくと白い雫が飛び出て行った。  
多くは風呂場の床に飛び散ったが、一部はオレのモノを握ったままの音緒ちゃんの手に垂れていく。  
「凄い、いっぱい出たね…」  
「うん…」  
放出した余韻が頭の大半を占めていて、オレは生返事を返すのみだった。  
少し遅れて、湯気の香りに若干の精液の匂いが混じってきたのが鼻につく。  
そんな中で、オレは…  
 
 

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