午後十時。  
静流は三上家にて、イライラとする気持ちを持て余しながら智也を待つ。未だに制服姿(のはず)で遊んでいるだろう、恋人を。  
 
「なにやってるの・・・早く帰ってきて・・・」  
静流の小さな声は、それでも三上家の闇に飲み込まれていった。  
 
 
「ただいま・・・」  
 
時計が十時半を指した頃、玄関が開いた音と一緒に待ちわびた人が帰ってくる。  
その声が聞こえた刹那、静流は銃弾のごとく彼へと飛び出した。  
 
「智也君、こんなに遅くまで何やってたの?」  
 
声が震えている。  
静流は自分でそれを知覚しながら、あえて口にした。  
 
「いや、双海に紅茶飲まないかって誘われてさ。で一緒に勉強して帰ってきたんだ」  
「・・バカ!」  
 
静流の怒声が智也の耳に突き刺さる。  
流石に無神経だったかな、と智也は思うが、時は既に遅く静流の表情は怒りと悲しみと嫉妬の入り交じった、何とも言えない形になっていた。  
 
だが・・・。  
(落ち着いて、冷静に話すのよ、私・・・)  
 
軽く深呼吸して、心を落ち着かせる。  
静流は自身が年上のお姉さんであることを再確認して・・・・。  
 
「智也君の部屋に行きましょ・・・・ね?」  
 
智也への怒り満載の視線を彼に向け、力ずくで智也を連れていった。  
 
 
「で、何で俺たち裸になってるの?」  
「智也君がいなくて寂しかったから、智也君と一緒になりたくなって」  
「マジですか・・・?」  
 
互いに生まれたままの姿になり、向かい合う。  
何度もこうしたはずなのに、今でも恥ずかしさを感じるのは何故だろう。二人は同時にそう思い、その思いを振り払う。  
最愛の人が目の前にいる・・それで、理由は十二分だ。  
 
 
「智也君、キスしよ?」「あぁ・・・んっ」  
 
智也の答えを聞くことももどかしく、静流は智也になだれかかる。  
上からのしかかるような体制になりながら、唇は離れない。  
 
「んーっ♪んむっ!」  
「ピチャ・・クチュゥ・・・」  
 
二人は唇を重ねながら、舌をも絡めあう。  
唇から漏れる卑猥な水音が、二人の性感を高めていく。  
 
二人の唾液の混ざったそれが、ポトリポトリと智也の胸板に垂れる。  
静流はそれを目敏く見つけると・・・智也の胸板に舌を這わせ、液体を舐めとろうとする。  
 
「智也君・・・んぅん」「しっ・・・静流さんっ・・・舐めないで・・」  
静流に胸板を舐められて感じたのか、智也は力無い喘ぎ声をあげる。  
それが静流の琴線に触れたらしく・・・。  
 
「智也君、女の子みたいで可愛いの・・・♪」  
「や、やめ、やめてくださいぃ・・・」  
 
静流の被虐心に火をつけたらしく、静流の瞳に艶っぽいそれがありありと浮かんでいた。  
 
首筋・・・乳首・・・耳たぶ・・・智也のその全てを舐め犯した静流は、続いて智也のペニスに目をやる。  
しっかりと大きくなったそれを見た瞬間、静流の中で何かが弾けた。  
 
「ふふ・・・もうこんなにしちゃって・・・いやらしいのね智也君?」  
「違っ・・・うぁっ」  
 
智也の言葉を阻むかの如く、静流は智也のペニスを握る。  
既に先走りで濡れていたそれは、グロテスクというには程遠いものに見えた。  
 
「さぁ、入れるわよ・・・」  
「し・・・ずるさん?」  
虚ろな視界の中、智也は静流が何かを言ったのを確かに確認した。  
そして次の瞬間、智也の下半身に少々の重みと、久々の快楽が襲った。  
 
「今日・・は・・危ない日だから・・お尻でね・・・」  
「・・・くあっ・・・」  
膣口とは全く違う−よりキツい締め付け−が智也のペニスに襲いかかる。ただ、その締め付けもすぐさま解かれる。  
 
・・・静流が、激しく腰を振り始めたために。  
上下、左右、考えられる限りの動きをしている。  
 
「智也くんの、おっきくて、お腹までえぐれちゃうぅ・・・っ♪」  
「静流さ・・激しすぎます・・・・」  
「智也くん、出していいから、お腹に濃いのいっぱい出してぇっ♪」  
 
静流の菊門から溢れる腸液が、智也の下半身まで濡らしていく。  
智也のペニスは、それでも菊門を抉り続ける。  
菊門をかき混ぜ、腸壁を擦り、静流の腹部にさえ衝撃を与える。  
 
「もっと・・・もっと深くぅ・・・出して、いっぱい智也くんの精液だしてぇっ!」  
「く・・出しますよ!」  
 
不意に、智也が静流の桃尻を掴み自分の腰に押しつける。  
先程までとは比べものにならないほどの場所までペニスを突っ込まれた静流は、驚きと度を過ぎた快感に息を飲む。  
 
「イきますよ、全部出します・・・っ!!」  
「あ、私・・私・・っ」  
イっちゃう。  
そう言おうとした静流の唇は、智也の口付けによって阻まれる。  
舌同士が絡み合った刹那、静流の菊門の最奥に突き刺さっていたペニスから、智也の性液がぶちまけられる。  
 
 
熱いそれが、静流の菊門内と腹部に溢れる感覚・・・・。  
 
「智也くんの隣にいていいのは、私だけなんだからぁ・・・!」  
「・・・ゴメン。絶対に浮気とかじゃなくて、双海や音羽とかはみんな友達なだけだから・・・」  
余程疲れたのだろう、智也に倒れ込んで身を任せる静流の髪を梳きながら、智也は微笑む。  
その微笑みを見た静流は、再確認した。  
 
きっと、何があっても彼の微笑みが隣にあれば幸せでいられると。  
そして、きっと彼は自分を裏切りはしないと。  
 
 
「大好きだよ・・・・」「疲れた?・・一緒に寝ちゃおうか・・・?」  
「先にお風呂・・・。お尻から智也君の溢れてきちゃってるし・・・」  
 
簡単な会話の後、キス。唇を離した二人は一緒にお風呂へと歩いていった。  
 

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