ガチャガチャいう物音が聞こえる。まだ眠くてぼんやりした目をその方向にやってみると、青と白の何かが見えた。  
その何かはゆっくりとこっちに近づいてくる。同時に、聞こえてくる声。  
「コラ、智也、起きなさーい」  
輪郭がはっきりと見えてくる。さっきの青と白は澄空の制服に身を包んだ彩花のようだった。  
どうやら、窓から起こしに入ってきたらしい。だが、この心地よい微睡みを妨げられるわけにはいかない。  
「ん…ああ、彩花か…。頼む、あと5分…」  
「『あと5分』じゃないっ! ほら、智也、起きろぉぉっ!」  
「ムニャムニャ…彩花がキスしてくれたら起きる…」  
「えっ?!」  
寝ぼけた思考のせいか、そんな冗談を口にしていた。  
彩花の驚いた声を聞きつつ、俺は再び眠りにつこうとするが…  
「…んっ…」  
突然、唇によく知った感触。間違いようもなく、それは彩花の唇だった。  
「!!!!!」  
一気に思考が覚醒する。驚いて目を開けると、目の前には律儀に(?)目を閉じた彩花の顔がアップで迫る。  
目の前の愛しい人の顔に、寝起きの頭がまともな反応を取らせてはくれなかった。  
 
「んっ…はぁっ…」  
舌を差し入れて彩花の舌と絡める。彩花は驚きはしても拒んではこない。  
貪るように彩花の口内を味わっているうちに、最初はそれで満足していたのがだんだん興奮が高ぶってきた。  
唇を離すと、俺は手を彩花の腰に回して一気に引き寄せ、彩花をベッドに引きずり込む。  
「あ…ちょっと、智也?!」  
「彩花が、欲しい…」  
手早く制服の下に手を入れ、ブラの上から彩花の胸に触れ、揉みしだいた。  
布越しでも、心地よい弾力が俺の両手に感じられる。  
「ふあっ…学校に、遅刻しちゃう、よ…」  
「いいじゃねーか、1日くらいサボっても…」  
言いながら、俺はその下のブラごと制服を捲り上げた。  
澄空に入学してからも成長を続け、程よい大きさと形に成長した胸が露わになる。  
その胸にを手を寄せ上げ、先端の突起を人差し指で転がすと彩花の体がぴくり、と震えるのが分かった。  
「もう感じてるのか…?」  
「やっ…そんなこと…ない…」  
固くなっている突起を指で弄びながら指摘するが、まだ理性の方が勝っているのか彩花は認めようとしない。  
目を閉じ、口をつぐんで快感を否定しようとする彩花に、メラメラと対抗心が燃えてきた。  
 
俺は彩花の下半身に手を伸ばした。制服の青いスカートを捲り、パンティーの股布をずらすと、  
その下は既に濡れそぼっていた。  
「ああっ、智也っ…ダ…メ…。はうっ…」  
その言葉を無視して、彩花の秘所を責め立てた。  
ワレメに沿って指を這わせ、その周辺を揉み、時にはその上にある突起を刺激したりもする。  
「ひゃうっ…ああ…ダ…イ、イイっ…」  
流石にここは弱かったらしく、彩花は快感を否定できなくなっている。  
そんな彩花をさらに責め立てようと、俺は中指と人差し指を少しだけ中に入れて掻き回した。  
ジュクジュクと音がして、それに合わせて彩花も喘ぎ声を上げる。  
「ほら、彩花の中、こんなに濡れてるのに…」  
出した指を彩花の顔の前に持っていき、指でVの字を作ってみせると彩花の愛液が2本の指の間に橋を架ける。  
恥ずかしさから顔を背けていた彩花だったが、一時的に快感の波が止まったことで気を取り直したのか  
それとも居直ったのか。  
俺の股間でいきり立っているモノに気づくと、それに手を伸ばしてきた。  
 
「もう…智也だって、こんなにしてるじゃない…」  
そう言って、彩花はパジャマのズボンを下ろすとトランクスの中に手を入れて俺のモノに触れてきた。  
朝の生理現象に加えてさっきからの一連の行為で既にビンビンに張りつめたそれを、  
彩花は手で包み込んでその手をゆっくりと上下させ、時折先端を撫でてくる。  
突然のことで驚いたのは一瞬。そのすぐ後に快楽の波が押し寄せてきて、背筋がビクンと震える。  
「あはっ、智也も感じてるんだ…」  
俺の反応を見て嬉しそうにしながら、彩花は俺の左右の腰に手を持っていき、ゆっくりとトランクスを下ろしていく。  
「こんなに大きくして…」  
言葉にするが早いか、彩花は完全に外気にさらされた俺の分身をパクりと咥えた。  
そのまま、くびれたところから先端にかけて生暖かいものが這い回る感触。言うまでもなく彩花の舌だ。  
くちゅ、くちゅ…  
唾液の絡まる音が漏れ聞こえてくる。同時に、彩花の舌での刺激も少しずつ大胆になってきた。  
口でされるのはまだせいぜい数回目のはずだが、彩花の飲み込みが早いのはこの方面でも発揮されているのか、  
回を重ねるごとに上達しているのがわかる。  
 
「んっん」  
彩花が頭を前後させるようになり、さらに快感が増幅される。  
その動きと一緒に竿の部分を前後する唇が、先端から裏筋までを舐め回る舌が、  
そして何よりも、こんな可愛い彼女が俺のモノに奉仕してくれているという事実が、  
下半身が蕩けてしまうかのような感覚を覚えさせた。  
先走りの汁が出たことが自分でも何となくわかる。多分、このままだとまもなくイってしまいそうだ。  
彩花もそれが分かるのか、舌の動きを早めてきて…  
「ああっ、彩花っ。で、出るっっ!!」  
どくっ、どくっ…  
流石に中に出すのは躊躇われ、慌てて口の中から分身を引き抜くが、間に合わずに多少は口の中に出してしまった。  
彩花の顔全体から、一部は髪にまで、白いものが飛ぶ。  
同時に、彩花の口の端からも俺が口内に出してしまった白濁が垂れてきている。  
「いっぱい出たね…智也…」  
顔のいたる所に俺が出した精液が付いたまま笑顔を向けてくる彩花…  
それは何とも淫靡な光景だった。  
「気持ちよかった?」  
「ああ…最高だった」  
「じゃぁ、次は…智也が、私を気持ちよくさせてね」  
「あ、ああ…」  
妖しく笑った彩花に、俺はそう返事をすることしかできなかった。  
 
「んんっ…ああっ…は…入って、来る…」  
パンティーを脱いだ彩花は寝そべったままの俺の上にまたがり、そして秘裂に俺自身をあてがって  
ゆっくりと腰を下ろしていく。俗に言う騎乗位の体勢だ。  
まだ亀頭の部分しか入っていないが、この体勢だと彩花の秘裂も、そこに埋まっていく  
俺自身も丸見えになってそのことがより興奮を呼ぶ。  
彩花の中から零れた愛液が俺のモノを伝って落ちていく。このまま腰を突き上げたいような気もするが、  
彩花がやりたいようにさせるのも悪くはなさそうだった。  
少しずつ、彩花の中に呑み込まれていく感触。  
「はあぁぁぁ…」  
とうとう根本までが埋まり、彩花が大きく息を吐いた。  
しばらくそのままで彩花の膣内を感じる。きつすぎず緩すぎない感触は極楽だった。  
彩花もこの『繋がっている』感覚が好きらしく、時折腰をわずかに動かすくらいでそのままにしている。  
ずっとこのままでいるのも悪くはない気がするが、だが、いつまでもマグロでいるのもはばかられた。  
「彩花、動くぞ…」  
「うん…来て、智也…」  
それを合図に、俺は勢いよく腰を突き上げた。  
さっきからずっと露わになっている彩花の胸が上下に揺れるのが見える。  
最初は少し痛がっていた彩花だが、何度も突き上げているうちに表情から痛みの色は消え、  
顔を紅潮させてその色が快感へと変わる。声からもそのことが分かった。  
 
「んぅっ、あぁっ、はぁっ…」  
されるがままだった彩花も、少しずつ自分から腰を動かしてくる。  
最初はなかなかタイミングが合わず、抜ける寸前になって慌てて押し込み直すようなこともあったが、程なくして上手くマッチするようになった。さらに快感が増幅される。  
「あっ、あんっ…あっ、ああんっ!」  
彩花の愛液と俺の先走りの液が混ざった白い液が彩花の秘所の隙間から零れ落ちてくる。  
俺のモノが入っていくたび、彩花の膣襞はまるで搾り取ろうとするかのようにそれに絡みついてきた。  
「うっ…。彩花の中、すげー気持ちいい…」  
思わず発した言葉に嘘はない。突き上げるたびに奥へ奥へと誘っているかのように動いてくる。  
俺の分身のみならず、下半身全体が甘く痺れるような感覚。もう限界が近かった。  
彩花の声もどんどん高く、大きくなっていて、絶頂が近いのが分かった。  
「ああっ、智也、ともやぁぁぁぁーーーーーー」  
「彩花…出るっっっ!」  
とどめとばかりに勢いよく突き上げると、彩花の膣が収縮し、まるで手で握りしめるかのように俺のモノを締め付ける。  
それに合わせ、俺も彩花の中で今日2回目の絶頂を迎え、思いっきり白濁をぶちまけた。  
 
 
ガチャガチャいう物音が聞こえて微かに目が覚める。直後に聞こえてくる人の声。  
「コラ、智也、起きなさーい」  
「ん…彩花…?」  
まださっきの続きか? そう思って声がした方に目を向けるが、彩花が身に纏っているのは白と薄茶色の制服。  
それは紛れもない藍ヶ丘二中の制服、ということは…  
「なんだ、さっきのは夢か…」  
「全く、何ねぼけてるのよ。さ、早く着替えて」  
「寝ぼけてなんかねーよ。…ちょっと夢を見てたから」  
「へーえ、どんな夢だったの?」  
「うっ…」  
彩花が出てくる夢だった…しかもあんな内容…なんて恥ずかしくて言えるはずもなく、俺は言葉に詰まる。  
「ど、どうでもいいだろ、そんなこと」  
「…? 変な智也。さ、起きて。学校行くんでしょう?」  
「何で学校に行かなきゃ行けないんだよ。今日は休みじゃねーか」  
「ハァ…その様子だと、やっぱり忘れてたみたいね…」  
「え?」  
「この前学校さぼってゲーセンで遊んでいた罰で、今日は呼び出されてるんじゃなかったっけ?」  
「あっ!!」  
言われてようやく思い出した。そう言えば、確かにそんなこともあったような気がする。  
「思い出したでしょ? ほら、さっさと着替えるっ!!」  
そう言って、俺の体から布団を引きはがそうとする…ちょっと待て、今はマズいっっ!!  
「あーわかったわかった。分かったけど…その…」  
「何よ?」  
必死で布団を押さえたおかげでとりあえずは助かった。睨んでくる彩花の目は怖いが背に腹は替えられない。  
起きたばかり、加えてさっきまで見ていた夢のせいで、俺の下半身は他人に見せられない状況になっている。  
「その…彩花がいると着替えられないんだけど…」  
「あっ、ゴ、ゴメンっ!!」  
俺の言葉にみるみるうちに顔を赤くし、彩花は俺の部屋から出ていった。  
 
「ふう…これで落ち着いたか…」  
一息ついて、俺はベッドから降りて着替えの制服を手に取った。  
袖を通しながらも、思い浮かぶのはさっきの夢のせいか、彩花のことばかり。  
…この先、ずっと彩花といるのだとしたら、やっぱり、ああいうこともするんだろうな…。  
今すぐ、という訳でもないけど、でもやっぱり興味はあるわけで。  
まぁ、まだまだ時間はあるんだし。焦らずに行こう。  
そんなことを考えて股間を落ち着けつつ、制服に着替えて下の階に降りると、ちょうど、彩花が軽く食べるものを用意してくれていた。  
「いつもありがとな、彩花」  
「どういたしまして。ほら、早く食べないと時間なくなっちゃうよ」  
彩花に急かされながら手早くおにぎりを2つ片づけ、足早に玄関に向かった。  
一応時間は指定されているが、呼ばれているのは俺だけだし割といい加減な先生なので多少の遅れは大目に見てもらえるはずだ。  
「あ、智也。雨降るんじゃない?」  
「これくらいの空なら大丈夫だろ。…それより悪いな、せっかくの休みなのに付き合ってやれなくて」  
「しょうがないよ、智也だからね。じゃ、いってらっしゃい」  
「行ってきまーす。…好きだよ、彩花」  
「えっ?!」  
見送りに来た彩花に不意打ちで声をかけて玄関を出る。  
彩花の顔が一瞬驚いた後に笑顔に変わるのが閉まるドアの隙間から見えた。  
 
 
 
そしてそれが、俺が最後に見た彩花の笑顔だった。  
 

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