何だか少し肌寒い、それに何だか体の節々が痛い。まるで床の上で寝ているようだ・・・。
そこまで考えて私は目をあけた。・・・えっ! 、そこは薄暗いまるで地下室のような部屋だった。そんな部屋で私は床に直にねかされていた。もっと周りの状況を確認したかったがその行為が今の私には出来なかった。
なぜなら私は手と足をベルトの様なもので縛られいたからだ・・・。
「双海詩音の裏紅茶講座・第2話」
詩音・鷹乃SS
「いったいなにが起こったの・・・」
私は友人である詩音の家に遊びに来て・・・、そう何だかへんな匂いがする紅茶を飲んだまでは覚えている。でもその後急に眠くなってしまって・・・、駄目だやはりそれ以降の事が思い出せない・・・。
ともかく今はこの状況をどうにかしなくてはいけない。
私はあまりよくは動かせない状態ではあったが手と足を使いなんとか体を寝た状態から起きあがらせた。
しかしいくら起きあがることが出来たとはいえ普通に立ったりすことは困難だ。その為学校で行う体育座りのような格好になってしまった。
今の状況ではあまり多く動きまわることは出来ない。しかし自分が置かれた状況を確認することは可能だ。わたしは部屋の中を見回してみる。
部屋はそう狭くはない。12畳くらいであろうか。その部屋の隅にベットが一つ置かれている。それに大きめのロッカーが置かれている。
人の気配はなく辺りはシンとしている。よく見るとベットの近くの壁に換気口のような物が、ベットの反対側の壁にはドアが備え付けられていた。
とにかくこの状況のままではいけない。私は四つん這いになって(両手・両足がそれぞれ縛られているので若干違う感じではあるが)ドアへと向かって進み出した。
手足を縛られているため思うようには前に進むことが出来ない。しかし縛られているのが手なら手ごと、足なら足ごとだったのは不幸中の幸いだった。
苦労しつつも私は何とかあと少しでドアという所までたどり着いた。しかしその時足音が聞こえた。それも私の足音ではない、足音はドアの外からこちらに向かっていた・・・。
どんどん音は近づいてくる。そしてガチャリと重い音が響いた。ドアの向こう側、こちらを見ているその人物は・・・。
「うっ、嘘・・・、詩音・・・」
ドアごしに見つめあう私と詩音。普通ならば私は詩音に助けを求めていただろう。しかし私はそれをしなかった。
何故なら詩音の格好と身に纏う感じから詩音は私を助けてはくれないと悟ってしまったから。
詩音は黒と赤の皮(?)で出来たまるで下着のような服に身を包んでいた。そして表情は私が気を失う前に見た邪悪な笑みをはりつかせていた。
「しっ、詩音・・・一体何なの、どうして私にこんな事をしたの!」
「ふふっ、気付いているなら話は早いですね、まあ簡単にいえば鷹乃さんあなたを滅茶苦茶にしてあげたくなったんです」
邪悪なそれでいて美しい微笑みを浮かべ詩音は私に向かって話し出した。「鷹乃さんの美しさ気高さを見ているといつも思います、鷹乃さんが快楽に溺れたらきっともっときれいになれるはずだと、そしてそんな鷹乃さんを支配できたならとてもいい気持ちになれます」
「だから鷹乃さん大人しく私のモノになってください」
私は詩音に対して純粋に恐怖を感じた、何故なら詩音は冗談ではなく本気であると悟ってしまったから。
私は話している詩音の隙をついてドアから逃げようと体を動かした。しかし所詮縛られている足では素早い動きは不可能だった。詩音の横を通り過ぎた一瞬の後、私の首筋に何かで刺されるような痛みが走った。
条件反射的に痛みの正体を知ろうと視線を向けた先には注射器のようなモノを持って微笑む詩音の姿があった。
続きます・・・