ナエちゃんは愛人属性
「…ん…ぁ……だ、駄目です、ヒカル…さん…」
ナエの柔らかな茂みを、ヒカルの見た目からは考えられない、堅く、しっかりとした指が掻き分ける。
ヒカルは、普段は黒く長い髪に隠されて見えないナエの白い項に黙々とキスを繰り返す。
「…はぁ…だ、駄目……キララさんに…悪いです…」
「ナエちゃん、今更なに言ってんの?」
白衣の下の黒いブラウスを、強引に開く。
ナエの透き通るような白い乳房が弾け飛んだ。
手に余るきめ細かなナエの乳房を掬い上げる様に揉み砕く。
「ナエちゃんって着痩せするから分からないけど…」
「ふぁ…あんっ……ぁ…んぁ…」
「…こんなにHな身体にしたのは、僕じゃないか」
ナエの耳たぶが、ヒカルの唾液で濡れる。
ナエは自分が都合のいい女である事を認めていた。
ヒカルにはキララと言う恋人がいる。
幼なじみで、お似合いの二人。皆から祝福される二人。
「…ナエちゃん?」
「え?……はい?」
ヒカルの指が、ナエのふっくらとした目尻を撫でる。
「…終わりにしよっか?僕達」
ヒカルの囁きに、静かに首を振る。
周りには秘密の二人。ナエの研究室だけが二人の空間。
それでもいい。
「私は…ヒカルさんに愛されるだけでいいです」
ナエの喘ぎ声を扉越しに聞く男が一人。
「……ゆるせん。ヒカル殿、覚悟」
ロクショウはいきり立つヒカルの怒張に向かって剣を構えた
「……覗きはもののふのすることじゃないと思うけど?」
着乱れたナエの肩越しにヒカルが笑ったのを最後に、ロクショウの視界は閉じた。
「らしくねーな。俺に気付かないなんてよ」
そこには彼と対になるメダロット、KBT型メタルビートル、通称メタビーが意気揚々と立っていた。
――どう?ロクショウの身体は
――動けるんだけどな、パワーが足りない感じが……よっ
――んぁっ!…あっあっ……
――憧れの先輩のモノは上々らしいね
――俺の方がデカイんだからな!
『――再起動――パーツ確認――頭部有。KWG型。右腕無。左腕無。脚部無。
視覚――正常。機能異常無――立ち上げまであと3,49562秒――』
うっすらと開けてきた視界には、許し難く、認めがたい光景があった。
「あ、ロクショウ起きた?」
「ヒカルどの……」
そうだ。この男がナエどのを弄び、そして今――
「よう」
「メ、タ、ビィィ……私の身体で何をしている!!」
「交尾。ヒカル達の言葉で言うとセックスってやつだな」
あけすけな物言いに、ヒカルの隣に居たナエが顔を赤らめるのが分かった。
だが、そのナエも、シャツのボタンは全て外れ、白い肌とお臍、ささやかな谷間が見え隠れしていて艶かましい。
「誰としているっ!!」
「ここの研究員メダロット、ナエちゃんのパートナー、PLN型レディジェット」
ヒカルどのの説明など受けたくもない。私はマスターの不倫を止めようともせず、あまつさえ同じように興じるメタビーにつかみかかろうとした。
「よせよ。生身のティンペットで勝てる身体じゃないぜ?とくに こ の 身 体 は な 」
「見損なったぞメタビー……」
「なんのこった?……って、大体わかるケド。でもよ、雌が強い雄に服従するのは摂理だろーよ」
摂理などという言葉がメタビーどのこら出てきた事に驚く。
「雌だけじゃない……圧倒的に強いものには皆、跪くんだ」
「ヒカル……どの?」
信じられなかった。いつものほほんとして、太陽のように明るく、暖かみのある人間――それが私の記憶(メモリー)にあるアガタヒカルという少年だった。
「ね?ナエちゃん」
「………」
同意を求めるヒカルどのに、ナエどのは目をふし、ただ小さな方を振るわせてるように私には見えた。
「ロクショウ、わかれよ。お前も“強い方”の存在だろ?」
幾度となく背中を合わせた戦友が、度し難い事を平然と言う。
彼が少し首を動かすと、レディジェットは静かに跪き、メタビーの足…本来なら自分の足に口づけをした。
「メ、タ、ビィィッ!!」
同じ研究所の後輩だった。マスターのナエに似て、おしとやかで気だての良い……
「やれやれ……返すぜ、コイツはよ」
「何?」
メタビーの付けていた私のパーツが全て戻される。
「どういうつもりだ……いや、今は切る!!」
「…パーツ転送、DVL型ブラックメール」
「遅いっ!後ろをとっ……
強力な振動によって、私の視界は再び暗闇に……落ちた。
「僕は強かった」
昔ヒカルさんは言った。今と同じように、私の胸の中で。
「どうしたの?」
「うぅん……もっと、こうしていたいなって」
ヒカルさんは返事の代わりに笑顔で答える。
この笑顔を繋ぎ止める為に、私は媚びて、ヒカルさんに都合良く……
アガタヒカル――メダロットを始めたのは半年前。それなのにメダロット大会で優勝し、ロボロボ団壊滅に一役買った少年。
そんな経歴に反して、お人好しで少しお間抜けで、煽てれば調子に乗る、どこにでもいる普通の少年。
だけど、決して逃げず、裏切らず、人を信じ続ける誠意がこの人にはあって……その温かさが好き。
そんなヒカルさんが一ヶ月前、森の野良メダロットに敗れた。
負けてボロボロになったヒカルさんに私がしてあげられたことは、ヒカルさんの特訓の場所を貸してあげるだけ。
この、最新鋭のメダロット研究所の一研究員としての立場を介してしか、私はヒカルさんのとなりに居られない。
キララさんは、何も無しに居られるのに。
一週間後、ヒカルさんは野良メダロットにリベンジした。結果は勝ちもせず、負けもせず。
前ほどボロボロじゃ無かったけど、心は前よりボロボロだった。
鬼気迫るヒカルさんとメタビーさんの特訓。そしてヒカルさんの苛立ち。そんな心の隙間に私は……
私は、いやな女だ。
三回目の挑戦。ヒカルさんは勝った。
手に入れたパーツを調べたら、DVL型。かって軍用につくられたメダロット。そんなものがどうして森にいたのか……
「そんなメダロットに勝った僕は強い」もはや躊躇いもなく私を抱けるようになったヒカルさんは私に囁いた。
私はその時頷いたけど、けどね、ヒカルさん。あなたは弱くなったと私は思うの。けど、私は弱いあなたでいて欲しい。
強いヒカルさんには、私の場所が無いから…………
ロクショウは後ろを取りたがる癖があるから……尤も、正面からやりあっても勝ってたけど。
「ロクショウはレディジェットに任せていいよ。あぁ、ヒールエンジェルもロクショウの事好きだっけ?」
「知らねぇよ。アルミの奴、待たすと五月蠅いんだぞ」
「可愛がってやりなよ」
「一々移動するのが面倒臭いんだよ。ヒカルもキララとナエと、一気に両方抱けばいいじゃんよ」
メタビーのおしゃべり!
それ以上言わせないために僕はメダロッチの転送スイッチを押した。
「ごめんね、ナエちゃん。メタビーが言ったようなことはしないから」
「……私が惨めだから?」
…………
「ぁんっ!」
僕は黙ってナエちゃんの乳房を鷲掴みにする。
「ヒ、ヒカルさん……」
白衣の裾から伸びた、普段日に当たってない白い指が僕の服をギュッと掴む。
しがみつくように、僕に向けられた黒い瞳が、非道く男の保護欲をくすぐるんだ。
「ロクショウのせいで、邪魔されちゃったもんね……続き、しよ?」
「はい……」
僕の胸にかかるナエちゃんの重さが、気持ちよかった。
「……と、言っても、ココにはロクショウがいるし……」
まだ目を覚ましてないけど。
「あ、なら、私の部屋で……」
「それって、普通すぎない?」
「え……?」
――んちゅ……ちゅっ……
『――再起動――パーツ確認――頭部有。KWG型。右腕有。KWG型。左腕有。KWG型。
脚部有。KWG型。――視覚――正常。機能異常無――立ち上げまであと3,49562秒――』
……これは人間でいうところのデジャブ?
……目覚めなければよかったと思うところまで同じだ。
「……何をしてる?」
「ぁっ…………」
怒気を含んだ私の声に、彼女――レディジェットは狼狽えたように視線を彷徨わせている。
しかし、それをしたいのは私の方だ。
男根を晒して、気付いたら、女性に、ソレを……その……舐められて……。
「ロクショウ先輩の男性器を舐めていましたが?」
「っ!!?ヒールエンジェル?!」
「マスターとヒカルさんとメタビーさまのいいつけで、先輩のお相手をと」
ANG型ヒールエンジェルは、天使とはほど遠い冷静な口調で告げた。
「私は、私と彼女は嫌じゃありません。……先輩のこと、好きでしたから」
「わ、私も……です」
私は混乱しつつも、二人の言う“好き”の言い方が、どこかナエどのに似ているななどど、愚にも付かないことを思ったりもした。
誰もいない天体観測室の、巨大な望遠鏡の観測席で、小さな肩を揺らしながらヒカルの名を呟くナエに……
そんな事を思うと、跪いて私の顔を見上げるジェットレディを、俯いて私の前を浮かぶヒールエンジェルを、二人を振り払うことが出来ないではないか。
「む…ぅ……」
どうすればいいのだろう?
「悩まずに、抱いてくださればよいのですよ……」
先ほどとうって変わって、天使のような慈愛溢れた声で、ヒールエンジェルは私に言った……
「……ぃゃ……」
耳元で聞こえるナエちゃんの懇願を僕は無視する。
今更止められないからね。
カツカツカツカツ・・・
「誰か来るみたいだね……」
僕が囁くと、ナエちゃんはビクンと身体を振るわせた。
彼女の心臓が早くなっていくのが分かる……これだけ密着してると、ね。
「……締め付けがよくなったみたい。見られたいのかな?ナエちゃんは」
「っ!?ち、違いますっ……」
「おっ……と。危ないじゃないか」
僕から離れようとしたナエちゃんを壁に押しつける。
ああ、楽でいいや。流石にナエちゃんを抱っこしながら歩くのには疲れたし。
「こうして息を殺していればばれないって」
丁度自動販売機の陰にもなってるし。う〜ん、ご都合主義だね。
カツカツカツカツ・・・
「近づいてきたね……」
だと言うのに僕は、ナエちゃんに突き刺したままの一物を揺さぶってみる。
「…んんっ……ぁぁっ……」
ナエちゃんが必死に声を堪えながら、甘い、甘い声を出す。
「ナエちゃんは頭がいいから、声出すと見つかるって分かってると思ってたのに」
意地悪な質問。
これがキララだったら、拗ねてみせるんだけど……いや、拗ねた顔はそれはそれで可愛いんだけど
ナエちゃんだと、目尻に涙を浮かべて俯いちゃうんだよね。
「顔、見せてよ……」
「………」
了解は取らない。無理矢理ナエちゃんの顔をのぞき込んで……
「…んっ」
「…ぁっ」
カツカツカツカツ・・・
廊下でこんな事をしてるとも露すらず、研究員のお兄さんは僕達の横を通り過ぎていった。
「……んぁっ」
「キスしてれば声は出ないと思ってさ」
我ながらちょっとキザだ。まぁ、ナエちゃんにはちょっとキザくらいがいいかな。
大きく見開かれたくりくりおめめに、真っ赤な頬。そしてさっきより弱冠潤ってきたナエちゃんのナカ。
「それじゃ、いこっか」
「えっ……ま、まだ遠くまでいってな……」
「ナエちゃんが声ださなきゃ大丈夫だよ」
でも、僕は心なし上下に大きく揺れながら歩き始める。
「ぅぁ……んっ……ぁっぁっ……」
僕の肩に顔を押しつけながら、声を漏らすナエちゃん。
むき出しのお尻を掴む力を少し強めてみた。
「あんっ!……っ!!」
「……大丈夫、もう居ないよ」
僕だって、こんなあられもない……っていっても白衣で殆ど見えないんだけどね。僕に絡みつくすらりと伸びた足以外。
とにかく、ナエちゃんは僕のものだんだから、誰にも見せたりなんかするつもりはない。うん。
でも、ナエちゃんからしたら不安なのは分かるけど。着ているものといえばいつもの黒いTシャツに白衣……あ、あとスリッパだけだからね。
「あと少しで天体観測室だからね」
「……はい」
でも、部屋に行くには長〜〜い階段があるけど、ね。
ト ン ッ !
「ぅあっ」
ト ン ッ !
「ぁあんっ」
ト ン ッ !
「んはぁっ」
どうしても声が出てしまう。ヒカルさんが階段を登るたび、普通に歩くよりも大きな振動……突き上げが私を攻める。
ヒカルさんが一歩足を上げる度、ヒカルさんの陽根が私の中を一気に押し開いてくる。
「ふぁっ」
また……声が出てしまう。
ヒカルさんが重心を動かす度、私の中をうねり、私の身体は重力で沈んでヒカルさんを貪ろうとする。
「ヒカル…あんっ……さん……」
うぅん。違う。重力なんかじゃない。私は自分から動いてるんじゃないの?……そんな疑問が頭をよぎる。
だって私はヒカルさんが欲しいもの……キララさんに負けたくないもの……
「可愛いな、ナエちゃんは」
その言葉、キララさんにも言ってるんでしょう?
「ドコが……ですか?ヒカルさんは私のどこが可愛いって思ってるんです?」
「え?……」
ヒカルさんの足が止まる……別に動揺した訳ではなく、階段を登りきったからだと、一間おいて気付く。
ビクビクと私の中で鼓動するヒカルさんの熱を、私はゆっくりと感じる静寂。
「それって、内面?外見?」
ギギギ……と重たい天体観測室の扉を開けながら、ヒカルさんは問い返した。
真っ暗な部屋の冷気に振るえると、ヒカルさんは私を一層強く抱きしめてくれた。
この抱擁にまた誤魔化されてしまう。そう思ったのに、ヒカルさんの服に私の肌に浮かんだ汗が吸い込まれていく後を見ると強い心は萎えていく。
「外見……かな……」
心とは裏腹の言葉が出てしまう。
でも、本当は安心もしてる。核心は聞くのが怖いものだ。
研究者としては失格だなと、ヒカルさんの胸板で私は自嘲した。
「ああ゛あぁあっ!!イイッ!いいよぉー先輩っ!先輩ィィ!あっあぁ〜」
今の私の心境を一言でいうと、 信 じ ら れ ん
状況に流されて、こんなことをしてしまってる自分の信じられないが
普段大人しく、礼儀正しいレディジェットがこんなにも乱れるのが……マワリニキコエテイナイダロウカ……
「彼女はメタビーさまに随分開発されましたから……んちゅ……」
レディジェットとの結合部に口を這わせるヒールエンジェルから放たれた解説は私を不愉快にさせた。
その不愉快が、私の“雄”としての不愉快だったから、ますます不愉快になる。
「メタビーさまのは…… 大 き い ですから、どうしても……頭が真っ白になって……はしたなくなってしまいます」
安い挑発だ。だが、目的は達成したみたいだなヒールエンジェル。お前のメダルはエンジェルではなくデビルなのではないか?
「私はメタビーなんかには負けんっ!」
――ロクショウの攻撃。がむしゃら――
「ふぁああ゛っ!?掻き回されるっ!先輩っ!そんなに動いちゃっ…やぁあっ!!?…あっああぁああっぁぁっ!!」
後にメタビーとロクショウの二人を相手にしたアルミは二人をこう評したという。
『技のロクショウ、力のメタビー』
――と。
「はぁっ!あっ!あっ!……ヒカルさん!ヒカルさん!」
「ナエちゃん……」
天体観測室のゆったりとしたソファーが二人分の体重で沈む。
ひんやりとした、星だけが明かりの部屋で、むせかえるような熱と甘い匂いが僕達を包んでいる。
僕の目の前で揺れるナエちゃんの瑞々しい果実を僕は口にした。
「はぁんっ!んぁあぁっ……」
しこった桜色の尖端はナエちゃんの味がした。
「ナエちゃんの可愛いトコ一つ」
僕の手に収まるか収まらないか位の二つの乳房。……まだ小学生なのに、ね。
まだまだ大きくなるんだろうね。僕も手伝うし。キララは……キララもナエちゃん程あればねぇ……
「ナエちゃん、顔だけじゃなくて身体まで真っ赤だよ」
「やぁ……んぁっ……ヒカルさん……」
「二つ目、星より真っ白な肌……」
その白い肌が僕によって桜色に染められるからいいんだ。
僕は首に回されたナエちゃんの手を持ち、その細く長い指を口に含む。
研究者だから細かな作業が多いのかな?繊細に振るえる指、僕はすごい好きだ。
「ヒ、ヒカルさん……」
「いっつもお世話になってるから、ね」
実際ナエちゃんの手でシゴかれるのはすっごく気持ちいい。キララはガサツ過ぎて……
いや、口でするときは断然キララなんだけど。奥まで銜えてくれるし……ってなんでココでキララに弁明しなくちゃならないのさ。
「………」
そんな事を考えてると、ナエちゃんは僕のさっきの言葉が恥ずかしいのか俯いてしまう。
でもさ、ナエちゃんのナカにいる僕には分かるんだよ?ナエちゃんが僕に誉められて嬉しいってさ。
「ナエちゃん、止まらないでよ」
「ぁっ……す、すいません」
僕の方から突き上げてもいいいんだけどね。ここまでナエちゃんを運んできてちょっと疲れたっていうか……さ。
そんなことを思っていると、ナエちゃんは再び腰を振り始めた。
「ん……素直でよろしい」
「…んあぁっ!ヒ、ヒカルさん゛ん゛!!」
ナエちゃんに合わせて僕も突き上げると、ナエちゃんは快楽に屈して嬌声をあげる。
このナエちゃんの恥じらいが崩れた顔、ゾクゾクするね。キララと明るく楽しくHもいいんだけど。
「三つ目、伏し目がちの表情……でも、ちゃんとこっち向いて、ナエちゃん」
「んふぅ……ぁ……ヒカルさん……」
吸い込まれそうなくらい綺麗な黒。
少し太めで、それが幼く可愛くしているナエちゃんの眉に指を這わせて、ゆっくりと顔を近づける。
「好き……」
僕が言ったのか、ナエちゃんが言ったのか……
しっとりとしたナエちゃんの黒髪を撫でながら、ふっくらとした唇を堪能する。
静寂が支配する天体観測室の中で、僕達二人だけの息づかいが響いている。
いや、二人が繋がっている間から流れる愛液が滴る音もか。
ナエちゃんは多いから。締め付けはキララに負けるけど、こうしてジッとしてる分にはナエちゃんのナカは温かくてヌメヌメしていて……
「……んぁ……」
「一々、ナエちゃんの可愛いトコあげていたらキリがないね」
一旦離した唇をもう一度合わせる。
今度はより深く、相手の口内に侵入して舌を、唾液を貪る。
「…んちゅ…むぁぁ…んはっ……ぁあ……んはぁぁ……んっ…んっ……」
貪る貪る貪る
ナエちゃんの舌、ザラリとして絡みつく。ナエちゃんの歯茎、柔らかくなぞっていく。ナエちゃんの唾液、とっても甘い……
瞳を開けると、ぷにぷにしたナエちゃんのほっぺたが歪に動き回っているのが分かる。僕に蹂躙されているんだ。
「……ふぁぁ…ぁむ…くふぅ……んもっ……はふぅ……んちゃ……くぽっ……」
僕に応じるナエちゃんと目が合う。
あぁ、そうか。ゴメンね……
「…ぁあ……ん…ふぅ……ん……んあぁっ!!?」
腰に手を回してグッと引き寄せる。
僕のモノがナエちゃんを押し広げて、一番奥底の入り口まで深々と刺さる。…あったかぁい…
「ヒ…カル……さぁん……」
熱に浮かされたように、僕の名前を呟くナエちゃん。
ナエちゃんも暖かいんだね。
「愛してる。大好きだよ、ナエちゃん。…………キララと同じぐらい」
なんて非道い男なんだろうね。僕は。
でも、嘘はつきたくないよ。嘘をつく僕は好き?それとも嘘でもキララより好きだよって言って欲しかったの?ナエちゃん……
愛しさと悲しさと諦めがないまぜになった表情で、ナエちゃんは僕から目を背ける。
「目を反らさないで。可愛い顔を見せて。一緒に居て」
腕に力が篭もる。もっと、もっと、ナエちゃんと触れていたいから。
「ぁんっ……ヒカルさん……なら、せめて……私を抱いている時はキララさんを忘れてください…」
「無理だよ。だって、キララを抱いてる時だってナエちゃんのこと思っている。どっちかを忘れることなんて出来ない」
「そう……です……か……」
ナエちゃんが零した涙は、ナエちゃんの肩越しに見えたどの星よりも綺麗に見えた。
「ナエ…ちゃん」
僕はナエちゃんの沈むような触感のお尻を掴み上げ、ボクを叩きつけた。
「んぁっ!ひぁっ、ひぐっ!うぁあっ!ヒ、ヒカル…ヒカルさんっ!!」
ナエちゃんから溢れた蜜液がくちゅくちゅと音を立てる。
そして、歳に分不相応な胸が上下に、まるでプリン…いや、ババロアかな?兎に角、そんな風に滑らかに揺れ動く。
「あふっあふっあふっ……ぅあぁ……いや!いやぁ……好きっ!ヒカルさん…うぁあぁん!好きぃっ!!」
ねっとりとしたナエちゃんのナカは、ボクの形に吸い付いていくようで、僕の精を欲しようとする女が本能のままに動いているんだ。
僕達の体重を受け止めているソファーは(きっといいソファーなんだろう)音が軋むことなく繰り返される衝撃を受け止めている。
その革の表面にぬめる液体は汗だけじゃなく、僕達の行為から生まれた生々しい液体。
でも、生々しいから、生々しいから、
「僕だって好きさ!ナエちゃんは僕のものだ!その証を叩き込んでやるっ!!」
「ぅあ…あふ……いっいぃっ!……は、はい……ヒカルさん……んぁあっ下さいっ下さいぃぃっ!!」
針金のように細い足が僕に絡みつく。僕の肩に添えられた手の力から察するに、僕に合わせてナエちゃんもおぼつかなくはあるけど動いてくれているみたいだ。
段々頭が真っ白になっていく……それはナエちゃんも同じなんだろう。
空き続けた口からは嬌声が鳴り続け、求めるように突き出した舌は艶かましく光り、だらしなく涎を垂らす姿を、普段の穏やかで理知的な彼女からどうして想像できるっていうのさ。
アソコから溢れ出す蜜液はボクの挿入を滑らかにし、ジュプジュプと泡立つボクとの混合液は辺りに飛び散っていく。
抜き差しする度で傘の裏側が柔肉に優しく擦られて、クラクラするほど甘美な感覚に襲われる。
「ぁっ、あぁっ…っっんんんん………あっ、あっ……ヒカ、ヒカルさ…ぁ…ん……あんっ、はっ……も、もう……」
「ナエちゃんの一番可愛い姿、見れる?」
僕だって、限界ってもんがある。
ただ、本っ当に、ナエちゃんのナカは何時までも居られるような暖かさと柔らかさがあるんだ。
多分、これも一種の名器ってヤツなんだろうと思う。
でもさ、ナエちゃんのこれだけ乱れる姿って、それだけでも……
「イクよ!ナエちゃんっ!!」
「あぁっ……はぁぁんっ!んっあっっ!来てください!ヒカルさんの子種っ!あぁぁん!私の奥底……子宮にぃっ!!」
「ナエちゃんっ!!!」
ナエちゃんの足が僕を押し上げて、ナエちゃんの手が僕の顔を掴んで、ナエちゃんの口が僕を貪って、ナエちゃんのナカがボクをキュッと締め付けて
僕は真っ白になった。
今頃よろしくやってんのかねぇ……ヒカルの奴。ついでにロクショウも。
「ひっくっ……ひっくっ……馬鹿ァ……」
ああ゛〜コイツにひっぱたかれた頬が痛い。ついでに心も……やっぱ痛くねぇ!!
「サイテェ〜アンタ、反省してないでしょう?」
「あたりめーだ!なんで俺が反省しなきゃなんねーんだよ!」
「かわいいかわいいアルミちゃんを傷つけたぁ」
自分で自分をかわいい言うなっての!
「そして謝る代わりに押し倒した〜」
「アンアン喘いでたくせによ!」
「無理矢理なんて酷いでしょ!それにもう止めてって言ってんのに……」
まぁ……流石に二桁突入は不味かったか。
ふっ……絶倫に生まれた俺の才能(?)が怖いぜ
「……悪かったよ」
「…………よろしい。ただし、埋め合わせは覚悟しときなさいよ」
「……キララに似てきたな」
しかし、俺がこんなにも見境亡くラウンド重ねたのには訳があるんだよ。
ロクショウのボディ……パワーとデカさとスタミナじゃ俺に及ばねぇが、速さと瞬発力があったからな……
これに技が加われば俺の次くらいの夜のメダロットになるぜぇ〜
「んぁ〜〜」
私の下でヒカルさんは大きな欠伸をする。
「くしゅんっ!」
あら、はしたない。
「寒い?…よね。暖房つけてないもん」
そう優しく言って立ち上がろうとするヒカルさんに、私は全体重をかけて押しとどめる。
「ちょっ……ナエちゃん?!」
「まだ繋がっていたい……です」
本当にはしたない。こんな淫乱な女、ヒカルさんは嫌いにならないだろうか?
「ん、でもさ…………わかった」
杞憂だったみたい。
ヒカルさんは優しい目で私の汗でおでこに張り付いた髪を払うと、私を巻き込んでゴロンと横になった。
「うわっ!冷たっ!?」
私達が座っていなかったところは当然冷たかったけど、そういうことを素直におどけてみせるヒカルさんの醸し出す雰囲気は暖かいと思う。
「ナエちゃんさ、僕に“星は好きですか?”って聞いたよね?」
「はい」
天窓には、静かな山奥にある研究所の空一面に彩られた星達が切り取られてあった。
「僕は好きだって答えたけどさ、よくは知らないんだ。あれは何座?」
「あれは牡牛座ですよ」
「へぇ〜アレが」
ヒカルさんの横顔がすぐそこにあって、ヒカルさんの温もりが肌越しに感じられて、私はついつい話しを延ばそうとしてしまう。
「あの牡牛はですね、ゼウスっていう神様がエウロパっていう王女に恋いこがれて、彼女を連れ去る為に化けた姿なんですよ」
「へぇ〜ナエちゃんは何でも知ってるね。流石科学者の玉子」
「そんな……」
不純な目的で話した逸話を、そんなに純粋に感心されると、かえって心が痛む。けど、誉められたことは純粋に嬉しい。
「ねぇねぇ、もっと聞かせてよ」
「いいですよ」
「じゃあ……アレは?」
「それはですね……
「んで、結局……」
「二人して風邪引いちゃったってオチ。へくしゅっ!!」
う〜クラクラするぅ〜
「でもまぁ、ナエちゃんが“私頑張りますから。ヒカルさんが私の事しか考えられなくなるようにしてみせますから”って言った顔はくぁわいかったなぁ〜」
「けっ!ノロケかよ。ナエ一筋でいくつもりはこれっぽっちもないくせに」
「おやおや、メタビー君。余裕かましてていいのかな〜。ロクショウの奴、今じゃブイブイ言わせてるようじゃないか?」
実際、あの後様子を見に行ったらレディジェットとヒールエンジェルを完全に手玉にとってたもんなぁ〜
「真面目な奴が吹っ切れるととんでもないトコいくってのは本当だぜ」
「校長のサムライに、夜のイロハについて修行中だって?うかうかしてられないんじゃない?」
クスクスと笑おうと思ったらくしゃみが出て逆にメタビーに笑われた。
(でも……余裕かましてられないのは僕かも……)
あの日、ナエちゃんの別れ際の言葉がよぎる。
『やっぱり、籍は産んだもん勝ちですよね……(ボソ』
籍ってやっぱ、アガタの籍の事だよねぇ……産むってやっぱ、チャイルドのことだよねぇ……
…………ナエちゃんとする時は出来るだけ外に出そう。
……出来るかな?意思弱いしなぁ〜僕……
――ピンポーーン!
「ヒカルゥ〜〜風邪引いたんだってぇ〜」
あ、キララ。
「ヒカル、言っとくけど、病人は激しい運動しちゃ駄目だぜ?」
「大丈夫だよっ!……多分」
終 わ り