(髪を梳く)
髪を梳く。
その行為だけで、何かを感じた。
メタビーはマスターのアリカの代わりに、ブラスの髪を梳いていた。
ショートヘアの彼女の髪はさらさらとしており、触ると柔らかい感触だった。
髪を梳く。
ふと、メタビーは彼女の髪からいい匂いがする事に気づいた。鼻を近づけてみると、甘い香りがする。
「驚きました?」
ブラスがくすっと笑う。取って置きのいたずらがばれたように照れ笑いしながら、香水をつけているのだと説明した。
「いい匂いだなー」
鼻をもっと近づけると、ブラスのうなじが目に飛び込んできた。
冗談交じりにちょっとだけ舐めてみる。
「きゃっ、何ですか?」
その反応に満足したメタビーは首筋全体をちょこちょこ舐め始める。
「やんっ、きゃっ、やっ、やめてっ、あっ、あぁっ」
反応がだんだん過敏になっていく。それに併せて、メタビーも憑かれたようにあちこちを舐め始めた。
首筋、頬、そして胸元まで。
メタビーが舐める度に、甘い喘ぎ声を上げるブラス。
(やべ……。オレ、何やってるんだろ……?)
ぼうっとした頭が警鐘を鳴らすが、彼の本能がそれを止めるのを許さなかった。
やがて。
2人の唇が重なり合ったかと思うと、お互い舌を入れ、激しく口内を犯し始めた。
「んっ……」
唇を離すと、唾液が細い糸になって余韻を残す。
「…何か、すげぇ気持ちよかった……」
顔を紅潮させたメタビーの言葉に、同じくらい赤い顔のブラスが頷く。と、
「…?」
ふと座っている場所を見ると、なぜか染みができていた。
「濡れてる?」
メタビーの言葉に2人とも自分の股間辺りを見てみた。
「「あ……」」
ブラスの女陰はしっとりと濡れ、メタビーの男根は完全に起っている。
「ど、どうすれば……?」
「え、えーと、えーと……」
何とか考えをまとめようとするメタビーの頭に、この前聞いた「母上のおまじない」を思い出した。
「そ、そう言えば、これ……」
恥ずかしさを堪えて、ズボンを下ろしてそれを出す。
「中に入れれば、収まるって……」
「え……?」
ブラスも下着を下ろして、濡れてる場所に触れる。
「あっ!」
「ブラス!?」
びくんと大きく揺れるブラスを見て、メタビーも女陰に触れてみる。
「め、メタビーさんっ!?」
「うわっ!」
さっきより大きく反応したので、驚いて手を離す。
手を見てみると、粘着性のある液が指先を濡らしていた。それを見て、メタビーは詳しい事を思い出す。
「あ、確かこれが良く出りゃ、入りやすいって言ってたな」
「……まだ、足りないんですか?」
ブラスが恐る恐る聞く。メタビーはしばらく考えた後、こくんと頷いた。
「そ、それじゃ……」
ころりと丸くなって、足を開く。メタビーは、場所を確定するため、割れ目を少しづつなぞっていく。
「ん……っ、ぁっ、ぁふっ!」
割れ目の途中で、反応が激しくなった。メタビーは適当に辺りをつけ、指を動かす。
「あっ、やぁんっ、あぁぁっ!」
喘ぎ声がいっそう激しくなる。触れている途中、メタビーの指はずぼっと穴に入った。
「あ、あああんっ!」
「え?」
ブラスの反応に、メタビーは一瞬指の動きを止める。
(まさか、入れるって、この中か!?)
慌てて指を出す。突っ込んでいた指は、触れただけの時の量の倍以上の愛液に塗れていた。
(これ位だったらいいのか?)
メタビーはいきり立ったままの男根に触れる。愛液塗れの手で触れられ、メタビーのそれはぽたぽたと先走り液を出した。
(うわ、やべぇ!)
慌ててメタビーは「母上のおまじない」通りに押し付ける。
「あのさ、痛かったら言ってくれよ?」
メタビーの忠告に、ブラスはかすかながらも頷いた。
何かを強引に貫く感覚。
「!! ひぃぃっっ!!」
「うっ!」
処女幕を破られ、ブラスが甲高い悲鳴を上げる。メタビーは身を堅くしたが、男根は完全に根元まで入ってしまった。
「い、痛い……!!」
「だ、大丈夫か!?」
痛みのあまりに涙をこぼすブラスを見て、慌ててメタビーは男根を抜いた。と、
「!」
ブラスの動きが止まる。
(……さっき、ちょっと気持ちよかった…………)
抜かれる瞬間、何かがこすれあい、痛みの中にも快感を感じていたのだ。
(もう一回、感じたい……)
かすれた声で、ブラスは懇願した。
「も、もう一回、入れて抜いて……」
「え?」
目を丸くするメタビー。
「お願い、早く……」
「あ、わ、分かった!」
言われる通りに、入れてしばらくしてから抜く。
「んっ、気持ちいい……」
「え??」
唐突なブラスの変わり様にメタビーは困惑するが、自分もやばい事を思い出し、また入れる。
「あっ、い、痛いけど、気持ちいいよぉ……」
嬌声を聞きながら少しづつ入れていくメタビーは、あることに気づく。
(こっちの方がいいか?)
奥まで入れる。
一息。
「んっ!!」
勢い良く、先が見えそうなくらいに戻す。
「あああんっっ!!」
生まれて初めて感じる最高の快感に喘ぎ声を上げるブラスと、締め付けられる快感に身体を震わせるメタビー。
(気持ちいい………!!)
あとはもう、さっきの要領でメタビーは腰を振る。そのたびにブラスが嬌声を上げる。
2人の限界が頂点を達した瞬間。
「い、イクぜ、こいつは……!」
「あ、ああああああっ!! イッちゃいますぅぅぅぅぅ!!」
初めての絶頂に身を震わせ、意識を失った。
「ん……」
最初に意識を取り戻したのはメタビーだった。ブラスの頬をぴたぴた叩いて、意識を覚醒させる。
「あ、メタビーさん……。あんっ」
「あ」
どうやら二人は繋がったまま意識を失っていたようだ。慌ててメタビーは引っこ抜く。
「「うわ……」」
血と精液と愛液塗れになった男根を見て、メタビーとブラスは驚きの声をあげた。
「何か、すげぇな。やってた時はあまり分からなかったけど」
「そうですね」
そう言えば痛みも大分引いてますね、とブラスは人事のように思う。
と、ようやく2人は今の状況を察した。
「髪が、ひどく乱れちゃいましたしね」
「あ、そう言えば……」
最初はただの髪梳きだったんだとメタビーは今更ながら思った。
そんなメタビーに、ブラスはくすくす笑いながら櫛を手渡した。
「今度はもっと綺麗に梳いてくださいね?」