「ねぇ・・・・ホントにするの?」  
カーテンを閉めきり、夕暮れの日が差し込む部屋の中、イッキが呟いた。  
 「い、いいのよっ!も、もう決めたんだからっ!」  
ベッドの上で、イッキに組み伏せられる形になっているアリカ。  
強がってはいるものの、その声は震えており、容易に彼女の不安が感じ取れた。  
 「う、うん・・・じゃぁ・・・」  
イッキも不安を感じていないわけではなかったが、  
下着一枚で震えている彼女を、これ以上不安にさせるわけにはいかない。  
イッキはそんな使命感に似た感覚を覚えた。  
 
 (とは言ったものの・・・・どうすればいいんだよぉ)  
とりあえず、ツンと上を向いている二つの突起に手を伸ばす。  
 「・・・んぅっ」  
無いに等しい胸に触れ、こね回すように力を込めると、  
アリカが、初めての刺激に、敏感に反応する。  
 「ご、ごめんっ! い、痛かった?」  
当然痛みなどでは無いのだが、女の子の裸体さえ初めて目にするイッキには、  
そんなことは分かるはずも無い。手の動きを止め、心配そうに顔を覗き込む。  
 
 
 事の発端は、今日の放課後だった。  
あまりにも色々なことが同時に起こりすぎて、  
頭の中でも、いまいち整理が出来ていないせいだろうか。  
それから1・2時間しか経っていないのに、何故か遠い昔のように感じる。  
とはいっても、まだ10数年しか生きていないのだから、昔も何も無いわけだが。  
 
 『キーンコーンカーンコーン・・』  
一日の授業が終わりを告げるチャイム。  
教室内が一斉に騒がしくなり、皆それぞれの荷物を背負い、  
友人と元気に挨拶を交わしながら教室を出て行く。  
イッキも、家に帰って何をしようか・・・。などとぼんやりと考えながら、  
机の横の荷物に手をかけた。  
 「ちょっと待ったぁ!!」  
耳に入ったのは、幼馴染の聞きなれた声だった。  
振り向けば、その幼馴染の少女、アリカが、腕組みをして立っていた。  
 「な・・・何?」  
突然、大声で呼び止められ、多少戸惑いながらも用件を聞く。  
 「何じゃない!! アンタ、私と公園でチームバトルの練習、するんでしょ!?」  
イッキの反応に、半ば呆れ気味にアリカが答えた。  
イッキの顔を見つめるその顔は、少なからず怒気を含んでいる。  
 
 「あっ・・・・!」  
アリカの言葉に、イッキの脳内に、ぼんやりと昨日の記憶が蘇った。  
確かに約束した。昨日、公園で悪ガキ三人組にバトルを挑まれ、  
3人の息の合ったコンビネーションプレイに、アリカ共々、  
コテンパンにやられてしまったのだ。  
一応、3対2なんて卑怯だ!とは言ったものの、  
そんな理屈は通じない。「悔しかったら、アンタ達もコンビプレイ、磨くことだね!」と、  
軽くあしらわれてしまったのだった。  
 
 その時、アリカが言った言葉。  
 「もー怒った!!イッキ、私たちも練習よ!!あいつ等なんか、  
絶対にボコボコにしてやるんだからー!!」  
凄まじい剣幕で迫るアリカに、イッキはYESと答えるしかなかったのだった。  
 
 「思い出した?それじゃ行くわよ!」  
そういうと、イッキは公園へと連れ去られていってしまったのだった。  
 
 公園には、既にたくさんの先客がおり、イッキたちが練習するスペースは  
もはや残されてはいなかった。  
 「これじゃ練習できないよ・・・どうするの、アリカ?」  
隣で腕組みをしている少女に意見を求める。  
公園で練習できないのなら、他に良い練習場所などはあまり無い。  
 「・・・・そうねぇ」  
イッキは、そう言ったアリカの顔が、邪悪な笑みを浮かべているのを  
しっかりと感じ取った。  
 「奪い取るのよ!」  
 「えぇっ!?う、奪い取るって・・・・」  
驚きの言葉を口にした時には、既にアリカは  
目の前の少年二人組に喧嘩を売っていた。  
 
 「ねぇアンタたち、アタシ達とロボトルしない?」  
少年たちは困惑していたが、アリカはそんなことはお構いなしに続ける。  
 「アタシ達が勝ったら、この場所譲ってもらうからね!」  
既に臨戦体制のアリカだが、少年たちは未だ状況が理解できていないらしい。  
二人で顔を見合わせてなにやら相談している。  
 「・・・俺たちが勝ったら何してくれんの?」  
 「ここにいるイッキ君が、一週間アンタ達の奴隷になるわ!!」  
全く迷う素振りを見せず、アリカは即答した。  
それがもっと別の答えなら、イッキも嬉しかったのだが。  
 「ちょっ、アリカ!!何言ってんのさ!?」  
 「・・・OK。その条件のんだ!行くぞ!!」  
イッキの意見などまるで無視して、  
少年たちは、各々のメダロットを呼び出した。  
 「よーし、アタシ達も行くわよ!おいで、ブラス!!」  
 
 「合意と見て、よろしいですね!?」  
いきなり、どこからともなく男の声が聞こえた。  
返答を待たずに、男は続けた。  
 「ロボトル〜・・・・ファイトォッ!!」  
その声が終わらないうちに、二機のメダロットは  
力強く地面を蹴りながらイッキたちに襲い掛かった。  
 「ちょ、ちょっと待ってよぉ!」  
こっちはまだメダロットさえ呼び出していないというのに。  
 「何やってんのよ!早くしなしなさいってばぁ!」  
隣のアリカが焦って声を荒げる。  
ブラスが一人で応戦するが、2機のコンビネーションに苦戦していた。  
 「め、メタビー、頼むっ」  
あたふたしながら、腕のメダロッチに叫ぶ。  
目の前に現れる見慣れたKBT型。無言で敵に銃口を向けると、  
次々と弾丸を敵に打ち込む。装甲が剥げ、パーツの欠片が飛び散っていく。  
 「・・・戦闘・・不能」  
電子音の混じった声でそう言うと、2機のメダロットは次々と消えていった。  
 「あ〜・・・俺のメダロットがぁ・・・・」  
落胆の声をあげ、少年たちはがっくりと肩を落とした。  
 「フッフッフ・・・アタシ達の力を甘く見ないことね!」  
満足そうな笑みを浮かべ、ふんぞり返るアリカ。  
少年たちは怨めしそうに睨みつけると、パーツを置いて  
そそくさと立ち去っていった。  
 「ま、こんなもんねぇ」  
パーツを抱きかかえ、嬉しそうに言うのだった。  
   
 「アンタ達・・・そんなんじゃアタシ達には勝てっこないわよぉ?」  
場所を確保し、いざ練習を始めようとしたとき、  
思いっきり厭味を込めた言葉が聞こえた。  
 「何よ!文句あるんならハッキリ言いなさいよ!」  
キクヒメと二人の子分をにらみつけるアリカ。  
 「それじゃぁ言ってあげようねぇ。アリカ、アンタ居る意味無いじゃない。」  
ニヤリと笑みを浮かべると、キクヒメは衝撃的な一言を放った。  
 「そうそう!さっきのロボトル、イッキしか活躍してねぇじゃん!」  
 「・・・・選択させたのもイッキ。」  
二人に反論の暇を与えずに、イワノイとカガミヤマが言い放った。  
イッキは、攻撃の的になっているアリカをチラっと見てみた。  
悔しさからか歯を食いしばり、顔は紅潮している。  
 「そ、そんなことないよ!!」  
隣の少女の心中を察してか、イッキが拙いフォローを入れる。  
 「アンタ達・・コンビには向いてないわねぇ」  
必死なイッキの言葉を完全に無視して、キクヒメがトドメの一言を口にした。  
その表情はニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべている。  
 「じゃぁ・・・じゃぁどうしろっていうのよ!」  
アリカがやっと搾り出した一言。  
目を潤ませ、声を震わせながら言った一言だった。  
 「そうねぇ・・・体を一つにでもしなきゃ・・・無理なんじゃないのぉ?  
アンタ達性格違いすぎるんだしぃ。」」  
 「アネゴ、そりゃ無理ですよ! アハハハ!!」  
 「・・・プッ。」  
辺りを屈辱的な笑い声が包んでいった。  
 
 

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