『犬は本当にいるんだよね? いや、いてもらわないと困っちゃうからさ』
『もし本当にいて退治できたのなら、そうだな、君には明日から裸エプロンで登校してもらおうか』
『どうせ出来っこないからいいでしょ?』
『ところで僕には「却本作り」っていう能力があってね』
『これを使えば君は魔物の召喚なんてできなくなっちゃう。つまり、退治できたことになるよね?』
『さあ、裸エプロンか、犬は本当はいないのか。どちらか決めてもらおう。ハリー!ハリー!』
『え? イヌなんていない? それは困ったなぁ』
『何でって、イヌを退治しないと僕らはここを通れないからさ』
『イヌを退治しないと通れないのにイヌが用意されていない。これは試験の不備だよね?』
『さ、イヌを用意してもらおうか。何、君がイヌを演じればいいだけさ。簡単簡単』
『おや、意地汚い牝犬がいるぜ。阿久根くん、ちょっと寝技で退治してやんなよ』
『おっと、イヌ畜生に服はいらないよね』(バッ)
『え? 許してください? 何を言ってるんだ、僕たちはキミを退治しに来たんだよ』
『僕は悪くない。さ、イヌ退治といこうじゃないか』