こんにちは、阿久根高貴です。
現在、次世代育成プログラムの一環の、トレジャーハンティングの最中です。
いろいろな人の思惑が絡んで、だいぶややこしい状況になってますが。
俺の理想としては、鰐塚さんが優勝してくれれば一番いいんだけど、
問題は喜界島さんの存在だ。
副賞が『お金』のこの子は、優勝の権利を仲間にお金で売りかねないし、
究極的には、千円払えば裸エプロンくらいにはなりかねない危うさがある。
鰐塚さんが脱落した場合、果たして彼女を勝ち上がらせていいものか…
よし、ここはちょっと試してみるとするか。
「喜界島さん」
「なんですか、阿久根さん」
「千円あげるから、裸エプロンになってくれないかな?」
「はぁ!?」
「君は元々、お金のためなら何でもするキャラだったじゃないか。
ほら、千円札だよ、ほらほら」
「突然何言ってるんですか!嫌です、絶対に嫌!」
「わかった、じゃあ千五百円出そう。どうだい?」
「…………う……………………」
「『あっ、喜界島ちゃんどうしたの!サービスタイム?』」
「喜界島せんぱい、どうしちゃったんですか!?」
「そ、そんなジロジロ見ないでよっ!お金取るわよ!」
大喜びする球磨川さんと、慌てふためく候補生たち。
ま、当然のリアクションだよね。
それにしても、やはり喜界島さんは素晴らしい体をしている。
めだかさんほどではないが。
エプロンでは隠しきれないくらい横乳ははみ出してるし、
ウエストからヒップラインが、これまた綺麗なラインを描いている。
めくれないようにと右手でエプロンの前を押さえ、
左手でおしりを必死で隠してる恥じらいの表情が、またいいんだ。
あれ、もしかして乳首勃ってない?見られて興奮するなんて……
ゴホン。
いかんいかん、俺としたことがついつい見入ってしまった。
とにかくこれでわかった。やはり彼女は要注意だ。
お金でどうとでも転ぶ彼女は、極力優勝させるわけにはいかない。
いざという時の駆け引きを、想定しておいた方が良さそうだ。
「球磨川さん!どうして私の後ろばかりついて来るんですか!」
「『だってー、せっかくサービスしてくれるんだから、見なきゃ損だよね』」
さすが球磨川さんだ、候補生たちがドン引きしてるのにもお構いなし。
……頭が痛いよ。
とにかくこれで喜界島さんが、少しはお金に釣られる事の危険をわかってくれれば…
「阿久根さんっ!」
やれやれ、やっと来たか。はいはい、早くお金を返して服を着てくれよ。
「お金を…………百円だけ返します!」
「え?」
「だから、ガムテープで前張り貼っていいですか?」
ちゃんちゃん♪
こんにちは、ワンダーツギハです。人間界では与次郎次葉と名乗っています。
現在、次世代育成プログラムの一環の、トレジャーハンティングの最中です。
チーム分けでチームペーパーに入った私は、Cルートを進んだわけですが。
「ウエルカム、テメーら。オレだあ!!」
待っていたのは悪名高い風紀委員長・雲仙冥利さん。
私の住む天界にも『モンスターチャイルド』の噂が伝わっている程の人です。
おや、喜界島せんぱいの様子が変ですよ?
「だ、だいじょうぶ、心配しないでみんな。私が服を脱いで媚びた笑顔を浮かべながら
裸踊りをすれば、き、きっとみんなは見逃してもらえるはずだから」
あらら、完全にテンパってます。雲仙委員長によっぽどトラウマがあるんですね。
目の焦点が合わないまま、いそいそと服を脱ぎ始めちゃいました。
制服、競泳水着も脱ぎ捨てて、喜界島せんぱいは素っ裸になっちゃいました。
やっと事の重大さに気づいて、慌てて体を隠してますけど、もう遅いです。
「ケケケ、いいぜえ。じゃあ早速、ポールダンスでも披露してもらおうか。
ミュージックスタート!」
雲仙委員長がパチンと指を鳴らすと、部屋の一角に立ててあるポールに
スポットライトが当てられ、淫靡なBGMが流れ始めました。
なぜそんな手際よくポールやBGMが用意されてるのかとは、
特にツッコみません。魔界の大帝王ワルゴールドはもっと意表を突いてきますし。
喜界島せんぱいも覚悟を決めたのか、ポールを掴んで踊り始めました。
すごい綺麗です。鍛えられてるけど、出るところが出て、くびれもしっかりあるし、
同性の私もうらやましくなる体です。
飛び込みや、シンクロナイズドスイミングのように、ポールの上から下へ、
また下から上へと自在に動き回る姿はまるで……なんと言うか……
あ、あの……段々エロくなってきてるんですけど。
最初はアクロバティックな動きだったのに、体をポールにこすりつけるような
艶めかしい踊りになってきています。
何かスイッチが入っちゃったのか、上気した顔に目がトロンとして、
舌を突き出してポールをペロペロとしゃぶってます。
そしておっぱいでポールを挟み、上下する動き…これってパイズリってやつでは…
ち、違いますからねっ!天界の汚れなき乙女・ワンダーツギハは
そんなのやったことありません!人間界の知識の一環として知っていただけで…
ああっ、今度は下腹部をポールに擦りつけ始めました。
腰を上下させ、おしりをくねらせ、凄く気持ち良さそうな顔してます。
や、やだ…私までなんか体が熱くなってきてる。どうしよう……
自然と指がパンツの中に入ってく……アソコをいじりたくてたまらないよう……
周りを見ると、みんな同じ反応のようです。
喜々津ちゃんも、風紀委員の女子達も。腰が抜けて床にへたりこんでます。
呼子風紀副委員長も、必死で我慢してるようですけど、息遣いが荒くなってます。
ああっ、希望ケ丘ちゃんも機械がヒートしたのか、湯気を立てちゃってる!
私も…だめ、指が止められない…!アソコがくちゅくちゅ音を立てて…
だめよ、ワンダーツギハ、こんなところでイってしまったら、
聖なる力が失われてワルゴールドの思う…ツボ………あっ………………
「ケケケ、ブラボー!なかなかいい見世物だったぜ!」
雲仙委員長の拍手の音で、私は我に返りました。やだ、意識が一瞬飛んでた。
喜界島せんぱいも…その…イってしまったらしく、ポールの根本に座り込んでいます。
あああ、パンツがグショグショ…でも、それはみんな同じみたい。
回りの女子達は、喜々津ちゃんも呼子風紀副委員長も、バツの悪そうな顔で
モジモジしています。全く動じていないのは雲仙委員長だけ。
さすが『モンスターチャイルド』ですね。
「よっしゃ、OKだ!見物料代わりにここは通してやる」
私はほっと胸を撫で下ろしました。喜界島せんぱいのおかげで、
雲仙委員長とバトルせずに、このフロアを通ることが出来そうです。
あ、その前にショートしちゃった希望ケ丘ちゃんを直さないと。
その時、やっと立ち上がった喜界島せんぱいが口を開きました。
「あ、あの、雲仙委員長」
「何だ?」
「千円くれたら、もうちょっとエッチな踊りを見せてあげるけど…どうかな?」
ちゃんちゃん♪
(END)